古来から日本女性のテーマは “美白” であった。
それが何故、お歯黒や眉剃りまで流行るんかわからんが
そういう化け物チックな化粧は、当然のごとく廃れ
美白だけが何百年も続く、永遠の命題となる。
化粧品も道具もテクニックも発達してない時代は
女性たちの化粧というと、厚塗り白仮面だったが
一瞬、“ブロンズ肌” が流行りかけた時がある。
資生堂のCMで、前田美波里 (だったっけ?) が
こんがりサンタン肌の水着姿を披露したのだ。
だが、この試みは不発に終わり
やっぱり、美白美白美白の日々となる。
メイクの流行はあれども、基本は白い肌で
これは多分、未来永劫変わらないであろう。
例外は、10代の女の子の一部で流行った
日焼けサロン利用のガン黒だけ。
これが流行った時は、興味深く見守っていたが
彼女たちも今では、「美白が “お姉”」 になっている。
髪を巻いてトップにボリュームを付ける事を
「盛る」 と言うんだと。
何か、ひと昔前のアメリカの流行っぽい髪型なんだよ。
更に一部の女の子の間では、眉をあえて消すメイクが流行ってる。
眉が薄いと、目の存在が際立つって理論だが
パーツが全部揃ってこその、目力じゃねえ?
ギョッとするんだよなあ。
私が記憶している限りじゃ、メイクの流行は
大まかに分類すると、数年単位で移り変わっている。
ファッション業界は、季節単位でどうこうしたいようだが
消費者はそう思い通りには流れてくれないらしい。
今は服飾デザイナーは、メイクブランドも持って
トータルでファッションを提案しようとしているが
いくらプッシュしても、売れない物は売れない。
コロコロ転がってるようで、案外日本女性は頑固なのかも。
それどころか、街角から流行が生まれたり
メイクアーティストが日本に来て、インスパイアされたりしている。
古くはランコムやHR、最近では原宿や秋葉のコスプレなど。
ヨーロッパには、何年経っても不変の伝統があり
それが一般民衆の生活にも、根深く染み込んでいるのだが
日本は、伝統は特別扱いの枠に入っているので
新しい文化というのが生まれやすい土壌なのかも知れない。
そんな日本で流行ったメイクと言えば
ハマトラ、ニュートラ時代の、ブルーアイシャドウにピンク口紅。
これが、えれえ長く続いた気がするのは
私がこの手のファッションが大嫌いだったせいだろう。
次が、眉毛ゴン太 (ごんたじゃなく、ごんぶと) に粉吹き肌。
ananやオリーブといった雑誌が、やたらプッシュしていた。
“田舎娘” ってのがテーマらしいが
今見れば、まぎれもなく田舎者なメイクだよな。
その後、“ノーメイクに赤口紅” という
寝てる最中に突然の来客で、とりあえず口紅だけ
みたいな、バランスの悪いメイク法が流行り
それが進化して、厚塗りなのにナチュラルに見えるベースメイクに
ローズ口紅になる。
YSLの19番とか、シャネルの19番
ディオールの475番の口紅は、私ですら持ってたよ。
ハニワ的あっさり顔に、濃い色の口紅は似合わないのにさ。
雑誌で見てると、すげえ美しい色に見えて欲しくなるんだよ。
美しい色は美しい顔にしか似合わない、って事を学んだね!
私と同じように感じたヤツが多かったんかは定かではないが
その後、カラーレスメイクが流行る。
「顔に元々ある色しか使わない」 という自然派メイク。
それで何故か口紅もベージュで、一歩間違うと死人顔である。
この頃に出ていた化粧品は、全部くすんだ色味で
パールもなしのマットな質感のものばかりで、地味ーーー
なら、化粧雑誌の紙面も地味ーーー、で
それが続くと、いい加減ウツウツしてきて
「そろそろ、カラフルな化粧品にしてくれ」 と
懸賞ハガキでクレームを入れていたさ。
(この頃、懸賞で化粧品がかなり当たっていた)
で、その後は細眉にパールアイテムが全盛。
嬉しかったのは最初だけ。
パール強すぎアイテムは、意外に使えない事を
そろそろわかってもらいたいもんだ。
メイクの流行って、いっつもいっつもやり過ぎなんだよ!
私の場合は、ローズ口紅以前は、孤高にパンクメイクをしていたので
巷の流行などには興味がなかったのだが
当時の彼氏にやたら泣きを入れられ、ノーメイクとなる。
その後、メイクじゃなくお手入れの方に興味が移ったので
とりあえず揃えているメイクアイテムは
買っては腐らせ、買っては腐らせ、の、もったいないお化け。
ババアになった今では、メイクが趣味ではなく義務になり
ちょっとでも選択を間違えると、まさに化けてる状態になるので
化粧品選びは、切羽詰った重要事項なのだが
周囲を見ると、どこもパールパールラメラメのギラギラ。
もう、3~4年、この状態じゃねえ?
太刀魚パールや、ギラつきラメは、ババアの肌には禁物なんだが
完全マットのアイシャドウは、実際ボカシに高度な技術がいるんだ。
だから、さりげないパールに移行してくれんかのお。
ルナソルとか色味は良いのに、手を出せないぜー。
さて、このギラギラ信仰をいつまで続くのか?
秋冬に向けて、“穏やかな輝きに” とか言ってるくせに
新製品をチェックしに行くと、相変わらずギラギラである。
フランス系ブランドは、比較的パール控えめではあるが
ローズ口紅時代に、そこらへんのブランドを買い漁って
(そして全腐らせして) 飽き飽きしてるんで、食指が動かんのだ。
同じように、ボビィ・ブラウンやマック、ナーズなども
死人メイク時代に、個人輸入で買い漁り、腐らせ、以下略。
今、私が欲しいブランドと言えば
アウェイクやソニア・リキエル
そして年齢層にそぐわないが、ジル・スチュワートなど。
こいつら、揃いも揃って全ギラギラなんだよー。
今アイシャドウを探しているが、「またこれかい」 と
うんざりしつつ、シャネルかディオールあたりを買いそうで
高い金を出して、何で飽きたやつを買わにゃならんのか
とても虚しいんで、ほんとギラつき、どうにかしてくれ!
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