断食効果

食中毒で絶食した時に思った事なんだが
“欲” ってのが、まったくなくなってくるんだ。

胃も腸も空っぽなのが自分でも実感できて
そりゃ腹が減って、胃がグーグー鳴くけど
飲まず食わずが一向に気にならない。
こんだけヘビースモーカーなのに、タバコも吸いたくなくなっていた。

腹のキリキリがちょっと治まってからは、体中の毒素が抜けた感じで
しかも何か、とても清々しい気分にすらなっていた。

もしかしてあの時の私は解脱しかけてたんかも!
と、今になって思う。

あ、でも、断食の最中は信じられないぐらい、ただジッと寝てて
それも眠ってるんじゃなく、ウトウトとしているだけで
最小限のエネルギーしか使っていない、って感じだったので
動物の冬眠に近い状態だったのかも知れない。

と言う事は、熊とか蛇とかって聖者だったんか!!!
(自分を動物レベルに貶すぐらいなら、動物を持ち上げるぞ!)

と、無我の境地なヒトになれたはずだったのが
腹が治まってから、おかゆを食ったら、もうダメだった。

ひとくちでも食い物を口にすると、その瞬間に俗世に引き戻されるのが
よーーーーーーーくわかった。
そっから、タバコは吸うは、茶は飲むは、はちみつ梅は飲むは
あげくがフランスパンチップスと柿の種まで、えれえな短距離だった。

何故か、水だけは邪魔をしないんだよな。
絶食中は脱水症状が恐いから、ミネラルウォーターは飲んでいたけど
生き仏幻想は保てていたし。
(寝込んでて、何をラリってるんだか)

宗教で断食とかある理由が謎だったが、すんげえ納得。
飲食物って、欲を深める作用があると思う。

そんで何より、胃腸をカラにすると神に近づけた感覚が湧く。
多分あれ、脳内から快感物質が出ているんだろう。
体が悲鳴をあげてるために、フォローしてるんじゃねえの?

それにしても脳内麻薬、おそるべし!
自分があんだけ清らかに感じた事など、いまだかつてなかったぜ。

とにかく即身仏、私ならなれる! という妙な自信はついた。
老後はこれを支えに生きていこう。
得を積めて、ウハウハな死因である。

だが煩悩の塊な人格の私には、心身ともに弱った時しか無理っぽい。
リアルババア時にあの食中毒遭遇は、解脱以前に昇天だろうな・・・。

あ、もうひとつ、断食には (現実的な) 意外な効果があったぞ。
胃は調子が悪いんだけど、腸がすげえ快調になったんだ。

元々便秘もあまりしない体質なんだが
今までこんなに快調だった事があるだろうか? と、感動するほど。
便秘気味のヤツには、断食が効果があると思う。

「週に1日はプチ断食をして、デトックス (解毒) してます。」
みたいな事を言うヤツが、時々美容雑誌に載ってるけど
あれはこういう意味だったんかな?

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