今、あまり鏡をじっくり見ないようにしている。
自分の顔を見たら吐き気がするとか、そういうのではない。
・・・・・失礼な! そこまでモンスターじゃねえぞ。
いやな、目が悪いせいもあって、毎日毎日鏡3cmの距離で
じっくり肌を見てたんだが、そうすると全体的な老化がわかりにくいんだ。
「しばらくぶりに会ったら老けてた」 みたいな
同窓会の証言でもよくあるように
日々の微妙な違いって、毎日見てると気付かないだろ?
これは自己の精神力に対するチャレンジにもなってくる。
ある日よく見た時に、あまりの老けぶりにショックで
心臓マヒを起こしたり、記憶障害になるかも知れんのが恐ろしい。
しかし、髪を整える時やメイクの時には見ざるを得ないので
そこまで変わり映えしたという認識は起きないだろうが
年を取るにつれ、美容はミクロからマクロへと世界を移動するのだ。
つまり、細かいシミシワを気にしている余裕がないほどに
“大” のつくトラブルが発生し始めるのである。
大ジワ、大シミ、大毛穴、大タルミ・・・。
人として正常な成長を遂げている女性なら
心にも “大” がついて、大らかになっているはずなのだが
相変わらず細かい部分にも、ギャアギャア騒ぐ私は
小せえ人間へと成長してしまったらしい。
この、“肌を凝視しない美容法” を、ここ数ヶ月やっているが
それをし始めたのは、オーガニックコスメに移行して
化粧水、アイクリーム、クリーム、のシンプルケアになったからである。
と言うか、実はオーガニックコスメのあまりの塗り心地の悪さに
結構、ザツな塗り方で済ませるようになったのが真実。
友人の悪さに引きずられてグレる、主体性のないガキのようだが。
鏡もよお見らんと、ババッと塗って終わり、てな事を続けてたら
ある日鏡を見て 「・・・老けた・・・?」 と、衝撃を受けた。
そこで思い立ったのが、普段は鏡をあまり見ない方が良いかも、という事。
だが、ズサンなお手入れでは意味がない。
目を閉じて、じっくりゆっくり指先で肌をチェックしながら
視覚以外の五感に頼ってお手入れをしてみよう、と。
これをし始めたら、ここニキビが出来そうっぽい
とかに気付くようになってきた。
ただ、鏡を見る度にショックを受けるようになったのはキツい。
何かすぐ忘れるようで、「あれ? 私こんな顔だったっけ?」 と
毎回、わけのわからん落ち込みが襲ってくるのである。
脳内では、自分の顔をアンジェリーナ・ジョリーぐらいに
思い込んで再生されていたのかも。
これもどこまでメルヘンな脳みそなんやら、という話だが。
鏡を見ない、というのは美容的に悪の枢軸扱いされる所業だが
一朝一夕では治らない肌トラブルに見舞われて悩んでいる時や
ババアゾーンに片足を突っ込んで慌てている時期には
自分の意識の修正をするためにも
あえて逆の発想で、そういう方法を取るのも効果があると思う。
鏡を見なくなったら、自分に対して客観的になれるし
視覚を封じたお手入れも、いつものやり方の再チェックになる。
美容という自分の認識の原点を見直す事が出来ると思うぞ。
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