数年前に耳鼻科で検査をして、自分は人の半分の聴覚しかないとわかった。ほんと、まっっったく思ってもみなかった衝撃の事実だった。
確かに思い返すと、電車のアナウンスとか聴こえにくいなあ
と思う場面は多々あったが、まさか聴覚が弱いとは!
その検査結果で、聴こえる音域?みたいなグラフを見せられたのだが
普通の聴覚だと、キレイな山型になるのに
私のはそれを逆さにした、これまたキレイな杯型。
人間の声が一番聴こえないらしい。
そう言えば、映画を観てても効果音やBGMがうるさくて
セリフが聴き取れず、一体どういう音声処理をしとんのじゃ!
と、腹を立てていたんだが、まさか自分側に問題があったとは!
一番不思議なのが、TVの音の一部分が後ろから聴こえる事。
それも機械的な音が。 代表で言えば医学ドラマなんかの
サイレンの音やら心電図の音なんかが後ろから聴こえてきて
自分の部屋で何の心霊現象が起こっているんだ、と怖かったんだが
難聴と判明してから、これもそのせいかと、ちょっと安心した。
だけどそういう事ってありえるんだろうか? と
ネットで調べてみたが、よくわからなかった代わりに
特定の音が聴き取りにくいとか、雑音との聞き分けが出来にくいとか
それって普通の事じゃなかったんかーーーっっっ
と言うのが、難聴の症状だったという事に驚いた。
“気付かない” って、つくづく幸せな事だよな。
この驚愕の真実が明らかになってから
隣近所に迷惑をかけると申し訳ないので
意識してTVの音量を小さくしているのだが、困るのがホラー系。
ほんとセリフが聴こえず、すんげえ集中して耳を傾けていると
突然、ドーーーン! とか、効果音が鳴って
ギャアアアアア! で、心臓が停止しそうになる。
てか、私の悲鳴の方がよっぽど近所に不安を与えるぜ。
心霊ビデオにしても、稲川はまず聴き取れないし
「不可解な音にお気付きでしょうか?」 なんか、絶対に聴こえねえ。
かと言って、TVのスピーカーにも近寄りたくない。
画面がすげえ恐いんだぞ、あんなんに近寄れるかよっ。
そういや、よくある “CDに入っている謎の声” など
私には聴き取れないんで、あれ、生きてる人間の声じゃねえの?
聴こえる場合でも、私には金属音に聴こえるぞ。
それはそれで恐い事かもだが。
難聴用の器具など、色々あるらしいけど
お医者さんが言うには、私はまだまだ充分に聴こえる範囲なので
“自分の耳で聞く努力” が必要なんだと。
聴力を鍛えてみろ、と言われたんで
本当にヤバくなるまでは、苦労してみようと思っている。
えれえ軽く言ってるように思われるかもだが
今のところは、そんなに重い話だとは思っていない。
ボーボーだって、耳の良い他の住人はもっと迷惑してるだろうし
こんな世の中じゃ、聴こえなくて良い音って多いと思う。
こういう物の考え方が、私の欠点なのかも知れないけど
少なくとも、余分な不幸は感じずに済んでいるような気もする。
ただ、私を例に取ると、“喋り方がおかしい”“声がデカい”
に心当たりのある人は、ホラー映画が観にくい (稲川を踏み絵にしろ)
など、生活の不便を感じたら、聴覚検査を受けてみるのも良いかも。
治療で聴こえるようになる場合もあるかも知れないし。
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