関西での私は、ダブルの平凡綿布団で寝ていた。
実家には羽毛布団が10組ぐらいあるというに、だ。
寝相の悪い人間にとっては、シングルの布団は鬼門なので
泣く泣く普通の綿のダブルを使用。
ダブルだと、そんだけで部屋一杯を占めて
邪魔な事この上ないのだが、睡眠中の運動が激しいもんでな。
で、この普通の綿布団、普通でも重く干すのに一苦労である。
キーボードより重い物を持った事がない優雅さなので
布団乾燥機をちゃんと用意しといたのだが
慣れぬ貧困生活には、この布団乾燥機の電気代という思わぬ落とし穴が!
何でこんな重労働をせにゃならんのか、と己を憐れみつつ
布団を干して取り込んで・・・と、やっていたが
人間、堕落するもので、どうせ都会の空気は汚いし、とか言い訳をしつつ
段々と布団を干す回数が減ってきた。
そんなだらしない事をやっていたら
夜中に目が覚める事が多くなってきた。
老人性睡眠障害か? と、別方向でガックリきてたんだけど
そんな近い未来の苦労ではない事が判明。
布団が重いのだ!
いや、元々重い布団ではあったけど
ここにきて、年々重くなってきているのだ。
こなきじじいか重量のある霊関係が上にのしかかっているかのごとく
夜中に圧迫されて、うなされて目が覚める。
こりゃ、金縛る前に、どうにかせんと、と
せっせと干し再開をしたけど、まったく更生してくれない。
一時期干さなかったら、布団が呪われてしまったようだ。
羽毛を買うか? と、考え始めた時に、友人が助言をくれた。
「羽毛布団を天日に干したら、何でダメか知ってる?」
友人が語った話によると、羽毛には虫の卵が一杯くっついていて
それが太陽の熱で孵化するんだと。
だから防虫剤で処理されているんだけど
その防虫剤の効果は3年なので
それ以上経った羽毛布団は買い換えろ、だとさ。
友人はTVで虫の卵や孵化の様子を目撃してしまったんで
一生、羽毛は買わない! と、力説していた。
こんな話を聞いたら、もう生物の毛は使えないよなあ。
やっぱり綿で、こまめに干すしかないのか? と途方に暮れていたら
通販のカタログが届いて、それに布団が載っていた。
今は機能性に富んだ綿布団があるんだな。
軽くて通気性が良くて、保温性が羽毛の何倍、とか。
おお、これが良い! と思ったのがあったけど、掛け布団1枚で4万。
何年も使うから4万も高くはないだろうけど、ちょっとちゅうちょする。
そこでネットであれこれ調べてみたら
似たような機能の綿布団で、羽毛の2倍の保温力ってのがあった。
ダブルの敷き掛け布団で、枕が2個ついて4万円台。
枕はいらんけど、セットで買った方が得。
1ヶ月ぐらい悩みまくって、それを購入。
いやあーーー、これは良い!
どんだけ温いか試しに、風邪覚悟で毛布を取っ払って寝てるんだけど
布団に入ったら、足のすねあたりから何となくポカポカしてくる。
毛布なしでは眠れなかったのに、この寒さでも掛け布団1枚で充分なんだ。
それが不思議な事に、温かくはない。 のに、寒くない。
よくわからんけど、保温性みたいなんがあるんだろうか?
そんで願い通り軽い。 毛布の方が重い。
いずれ使うであろうこの毛布も、軽いのに買い換えたいぜ。
ただ難点があって、敷布団がフカフカしてるんだ。
すげー気持ち良いんだけど、今まで長年、板間にじゅうたんを敷いて
その上に固めの敷布団1枚、というムチャをやってたせいか
体が結構な高反発対応になっているようで
フカフカに体が慣れず、朝起きると体中が痛い。
これは、軽い布団で熟睡するようになったんで
もしかして夜中に動き回る事が減ったせいかも。
主治医が言ってたけど、寝相が悪いと
ジッとした姿勢で、長時間体を固まらせないので
寝違えが少ないなどの利点もあるそうで
就寝中の運動が減って、体が痛いんかも知れん。
何にせよ、敷布団はその内ヘタるだろうから
それまではフカフカ敷布団で、富豪気分を味わっておこうかと
腰に湿布を貼りながら、威張って寝ている真っ最中である。
ちなみに、綿綿言ってるけど、実際はポリエステルとの混合で
シンサレートという素材である。
検索してみたら、ショップが一杯出るから。
羽毛布団と比べて、軽さは同じぐらいで、保温性は羽毛の2倍
吸水率が低くシケらずにすぐ乾くんで、洗濯機で丸洗いも出来るとさ。
夏は暑くて無理っぽいから、夏用の布団が別個にいると思うけど
寒がりの人の冬用布団には、これはお勧めだな。
他にも、mizunoのブレスサーモとかプリマロフトとか
高機能の素材を使った布団が色々あるんで
科学はありがたいなあ、とシミジミ感謝する事請け合い。
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