食に興味が薄く料理が大っ嫌いなので、所持レシピが致命的に少ない。
しかし専属シェフもいない身分だから、自分で作るしかなく
今までに数多くの料理本を読んできた。
関西の家には、料理本を1冊も持ってきていない。
あんだけ読んできたんだから、多少は覚えているだろう、と
タカをくくっていたら、これがまた不思議とまったく記憶にないのだ。
“苦手” っていうのは、こういう事なんだろうな。
ただ読むだけでは覚えられないのだ。
本屋の出口で、ワゴンに本が積み上げられて安売りされていた。
その中に、料理の初心者向けの本が半額で売られていた。
今更 “初心者” とか、たわけてると
かあちゃんが草葉の陰でむせび泣きそうだが
「フライパン1個で出来る」 とか、「5分で出来る」
とかの謳い文句に弱いのだ。
最近、自分の作る料理に飽き飽きしていたので
本場の 「どがんかせんといけん!」 を引っさげて
その本をレジに持って行った。
今になって考えると、どう見ても普通に料理できて当然の年代のおめえが
何故こんな初心者本を買う? と思われかねない
エロ本を買うに等しい恥ずかしさがあると思うのだが
その時はそういうモラルが、まったく頭になかった。
正直なところ、目ぼしい美容雑誌がなかったための
収穫なしの帰宅を避ける代用購買だったのだ。
だがこの本に意外な面白さがあったので、ムダ遣いではないと思う。
最近のレシピ本ってのは、出汁は出汁の素で良いんか?
もちろん、出汁の取り方ぐらいは知ってるぞ。
1番出汁、2番出汁も知ってるぞ。
かあちゃんにしつこく教えられて、手帳に書いているし。
(でも全部、ほんだしテキトー入れで済ませているけどな。)
初心者向けのためか、この料理本に書いてある調味料は
出汁の素、めんつゆ、焼肉のタレ、などである。
昔持っていた料理本には、こんなヌルさはなく
調味料を調合する段階で嫌気が差す面倒くささで
そんなレシピは即諦めの対象だったが
へえ、めんつゆで煮物が出来るんだー、とか、私にとっては光明になった。
何かそうめん臭え煮物になりそうだが。
この本の面白いところは、惣菜で作るレシピが載っている事。
「ひじきを揚げにはさんで」 って
ちょ、そのひじきの作り方を書いてくれよ! って感じ。
トンカツを買ってカツ丼に、とか、最初からカツ丼を買えば良いじゃん。
ポテトサラダにマカロニを混ぜてボリュームサラダ、って
ポテトサラダとマカロニサラダ両方を買ったらダメなのか?
そこの数ページは、大いに突っ込ませてもらった。
惣菜なんて、1mmも手を動かしたくない時に買うものであって
それを材料に料理なんて意味がねえ!!! と思うんだが
毎日惣菜を買っているのなら、これもアリなんかな。
面白かったけど、真面目に料理を覚えたいなら、これはどうかと思う。
やっぱり売れ残るには理由があるもんだ、と思ったら
己の中のどこかの部分を突付いたようで、激しく落ち込んだ。
常々思っていたのだが、料理のレシピってのはわかりにくい。
自分の苦手分野なのか、文章が頭に入ってこないのだ。
そこで手帳に、レシピを自分なりに文構成を変えて書き写す事にした。
開いて置いておけない本は、料理の真っ最中に見にくいんで
結局、料理本は本棚の飾りになってしまう事が多いしな。
今まで料理サイトやここのコメントで教えてもらったレシピも
バラバラの紙切れに書いてあったので、それも手帳に書き写すと
20ページぐらいになってしまい、結果もんのすげえ大変だった。
筆圧が高いので、手首の関節とか痛くなりつつも
自分の文章改ざん能力に大満足しつつ
(伝言ゲーム並に、どんどん内容が変化する場合があるのが難点。
字が躍動してるので、-15か+5か、とか判別しにくいせいだ。)
さて、本からは役に立ちそうなレシピをピックアップして書き写そうか
と、本と手帳を見比べて、とんだ落とし穴に気付いた。
自分なりのレシピノートは良いとしても
メニューが順不同に載っていると、調べにくいのだ。
昔から愛用しているシステム手帳に、化粧品リストを書いてて
そこでは、お手入れ物とメイク物とそれぞれ
更に肌、目、唇、と細かく分けてインデックスまで貼ってあるのに
何故その緻密な分類技術が、料理ノート制作には活かされなかった?
しばらく悩みに悩んだ後、もう1回あの書き写し作業をすると決心。
今までレシピが増えなかったのは、マイノートを作ってなかったからだ。
これを期にマトモな成人女性の料理能力を培う! と、100均に走った。
化粧品リストが3万円のシステム手帳なのに
料理ノートは100均のシステム手帳など
ここでもう何かがマトモじゃない、という雰囲気がしたので
100均のシステム手帳を2個買い
膨大になった化粧品リストは、100均に移ってもらう事にした。
今までのシステム手帳は、化粧品とPC知識メモで
パンパンに膨れ上がっていたから、良い機会だ。
ちなみに、今持っているシステム手帳の大きさで選ぶと
100均なのに、300円のしかなかった。
メイドインは大掃除貧乏に成り下がっている今は、あえて見ない事にして。
この時代にわざわざ手書きなど、何たる反デジタル人間なんだ、と
我ながら情けないけど、やっぱ手動が便利なジャンルもあるぜ。
化粧品リストは丸々はめ替えるだけで終わったので
それを眺めつつ、昔はえれえ高価な物をポンポン買ってたなあ
と、過去の栄光に浸って、脳内に花を咲かせている。
化粧品って、名前を見てるだけで楽しいよなあ。
肝心の料理レシピの方?
手首の関節が健康になったら、映画を観つつするよ
と先延ばしなのが、もう人間のクズの証明かも・・・。
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