潜伏やこのブログでも、ちょこちょこ書いてはきた事だが
私の喋り方はおかしい。
いや、方言とかなまりじゃなくて、喋り方自体がおかしいのである。
理由はよくわからん。
どうも喉の構造が奇形らしく、幼い頃は喋れなかったらしいが
親に訊いても、「そんな事を気にしてるのか」 とか嘆く一方で
自分の事なのに、人にきちんと説明が出来ない理不尽さ。
説明責任を果たしてから死んでほしかったよ、うちの親はよー。
喋り方がどうおかしいか、っちゅうと、これもよくわからん。
自分の声を自分で聴いた事がないからである。
聴けば傷付き、気になって人前で喋れなくなりそうで恐いのだ。
舌っ足らずに近い感じだと思うが
日常生活で一番困るのは、サ行がまったく発音できない事である。
サ行、特に多く使われてねえか?
昔は、この喋り方を笑う人や
「何を言ってるのかわからない」 と、文句を言う人がよくいた。
「ちょっと歌ってみて」 とか、「ちゃんと喋って」 とか
爆笑しながら私の真似を延々続けたりされる度に
自分が悪いんだ、と落ち込んでいた。
今は人権だとかが浸透してきたので、そういう人も減った。
それでも何も言わないでいてくれる人たちには
何て優しいんだろう、と感謝している。
よって、私の会う人はほとんどが優しいので、世の中自体が優しく思えて
ちょっとした恩恵も受けている気分である。
と言うか、関西では “関西弁” という鉄の掟があって
なまりの違いで突っ込まれる突っ込まれる。
喋り方そんなんどうでも良いから、とにかく関西弁じゃないと認めない!
という風潮が、逆に私にはとてもありがたい。
方言なら努力すればどうにかなるかも、という希望が持てる。
関西、私にとっては意外な面でパラダイスだったぜ。
“自分が悪い” という意識は、やっぱり持っているけど
本当は、努力でどうにか出来ない事は、自分のせいじゃないんだ。
だけど私はこの喋り方で一生やっていかなきゃならない。
私の言葉は聞き取りづらいだろうから
聞く人には迷惑を掛けて申し訳ない、と思う。
自分のせいじゃないのなら、こんなんも思わなくて良い事なんだろうけど
思わなくなったら、人間的にお終いだという気がする。
他人に聞き取りにくい不便さを感じさせているのは事実だろ。
それでも何も言わないで普通に会話をしてくれる人たちの厚意に
甘んじてのさばるようなマネはしたくない。
ハンデも私の一部なんだから、尻拭いも自分でせにゃな。
コンプレックスだけど、正直恥じてもいるけど
純粋に質問してくる人には、落ち込まずに答えられる。
しかしバカにしたり笑ったりする人には
「幼い頃は喋る事すら出来なくて・・・」
と、本人が罪悪感を持つように、空気を暗くしてやっている。
人と違う、って事は、ただでさえものすごくコンプレックスになるのに
その違う部分を、「ヘン」 だと容赦なく突っ込むその神経には
多少の鉄拳を加えても良いだろうよ。
コンプレックスは、解消しなくて良いと思う。
自分の努力でどうにか出来る事は
それをコンプレックスにする心のモロさを問題にすべき。
自分がどうにも出来ない部分を持っているから
それを印籠のようにかざして偉そうな事を言うが
コンプレックスというのは、口にも出来ないほど深刻な悩みなんだ。
私の場合は、言ったら親は泣くは友達は困るは
ほんと禁句で、ひとり心の中で悩むしかなかった。
こうやって書けるようになった自分を
本当に強くなった、と褒めてあげたいぐらいだぜ。
そもそも、解消 = 自分が気にしない、って事だろ。
コンプレックスによって、得られるものも確かにあるので
実質的な不便はあれども、そう悪い事じゃないんじゃないかな。
気にしていて良い、と思えるようになったよ。
弱い部分があった方が、人間、可愛げもあるし
傷も意外なところで役に立つ場合もあって、結構重宝するぞ。
こう思えるようになるまでに、長い時間が掛かった。
傷も涙も、えれえ大漁豊作だった。
今でもズキッとくる事はたまにあるけど、それも人生だろ。
良い時だけ大事にしてたら、人生の大部分を損するぜ。
悪い事にどう対処するか、で本性が問われるんじゃないか?
正当化だろうが自己防衛だろうが、力技のゴリ押しで良いので
まずは、どうにか自分で自分の気持ちの調整をして
目前の悩み苦しみから脱却する事を優先すればいいと思う。
後の事は時の流れで変動するから、焦る必要はない。
対人的には、地雷の場所は公言しとく。
そこを突かれたら、不愉快な顔をしてオッケー。
ただ、地雷が多い or 1個でも威力デカすぎ なヤツは
周囲に気を遣わせて面倒なので、中規模1個のみな。
イヤな事はイヤ! でも、あとは全部テレレ~ン、という配分が理想。
陰であれこれ言われるのは、社会の常なんで気にする必要はない。
いらんちょっかいを出してこられて初めて、返り討ちにするだけ。
でも基本、気楽に考えるのが幸せのコツだな。
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