スイーツとかいうやつだと、ケーキばかり食っているんだが
それは和菓子の店が少ないからである。
あるにはあるんだけど、贈答用みたいな品揃えで
抹茶の会で出るような和菓子を売ってるとこって
私の生活圏内では見かけないんだよな。
たまに見つけて買うけど、うーん??? といった味で
あえて再び買うようなもんでもなく
和菓子って需要がないんか? と、いつも疑問に思っていた。
先日、奈良の山奥に観光に行った帰りに
タウン情報誌に載っていた和菓子屋に行った。
そこには名物がある、と書いてあって、それがえらく美味そうで
わざわざ遠回りをしてまで、寄ってみたのだ。
その店は、松月堂。
あじさいで有名な長谷寺御用達の和菓子屋さんらしい。
そこは支店もなく、HPも探したところなく
その店に行くしか入手経路がないようだ。
で、そこで売られているのが、きみごろも。
90年の歴史を持ち、全国菓子何とかで金賞を受賞した
一子相伝の門外不出の銘菓なんだと。
と、店のお姉さんがえらくのんびりした人で
時間を掛けてあれこれしている間に、店内に置いてあった雑誌の
店紹介のページを読んで知った話。
これが、きみごろも。
半分に切るのが難しく、つまようじでやったら潰れてしもうた。
しかもピントが合わず、どうしても中身が詳細に写らない。
卵の白身を泡立てて、淡雪かんを作ってから
周囲に卵黄を塗って焼いてあるようだ。
指でつまんで食おうとしたら、もう潰れる柔さなんで
丸ごと口に頬張って食わねばならず
えらく行儀の悪い食い方になるので、人前では食うな。
これはひとり孤独にモゴモゴ食うべき菓子だ。
味は、ちょっと酸味があって、かなり甘い。
食感が珍しく、丁寧に作られている感があるので、贈答に最適。
ただ日持ちは3日しかしない。
が、軽いので、私でも1度に5個は余裕でいける。
この店の和菓子は、きみごろもだけが注目されているようだが
実はしろあんがとても美味い!!!!!
せっかくだから、売っている菓子全部を買ったんだが
左下のピンクのやつは、中がしろあんで
ひとくち食って、その美味さにかぶりついてしまって
途中で我に返るまで、写真を撮るのを忘れていたほど
甘さのあっさりさが絶妙で繊細な味。
しろあんは好きじゃなかったんだけど
それは美味いしろあんを食ってなかったからなんだ、とわかったよ。
これと、右中央のがもんのすげえ美味いんだ!!!
もう、これぞ真の和菓子! と言っても過言ではない。
私はきみごろもより、こっちを断然お勧めする。
黒あんは普通に美味いけど、しろあんのを一緒に食ったらかすむ。
ここは左下のと右中央のが絶品!!!!!
ただ、滅多に買いに行ける場所ではないのが難点。
奈良の南部あたりの大宇陀という場所にあって
電車で行ってバスに乗り換えて、商店街まで歩く。
どこから行っても、車で行く方がラク。
ここいら付近、目立った観光場所もあまりないようだし。
ほんと、美味いのに残念・・・。
天王寺のデパ地下に支店を出してほしい。
それか、ネット通販をやってほしい。
和菓子の美味い食い方は、やっぱり茶とともに。
イギリスだったっけか、角砂糖をボリボリ食って
それから紅茶を飲む、というやり方があって
何ちゅうザツな、と顔をしかめたんだけど、まさにそれ。
和菓子で口中に広がった甘さを、茶で緩和する。
もうこれが、私やっぱりジャパニーズ! と、叫びたくなる至福。
でも、角砂糖は認めん!
今回ので何か気付いたけど、美味い和菓子って
もしかして寺御用達の店を探せば良いんじゃないだろうか。
高野山に行って、初夏でも寒くて
こんな寒いところで暮らしていて、坊さん大変だな、と思ったけど
陰でこんなに美味い和菓子を食っていたとは。
やっぱ人間、何かの褒美がないとやっとられんよなあ
と、勝手に決め付けて、バチが当たらなければ良いんだが。
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