家の中では思いっきり気を抜いている。
体を締め付けるのが苦手なので、本当は全裸でいたいんだが
それは悪の所業にも等しいだろう、という倫理観から自重。
実はやってみた事もあるんだが、素っ裸で過ごせるなど
並の神経ではやっとられん事がわかり、諦めた。
こういう言い訳を錦の御旗とし、私の部屋着は最悪である。
どんだけかと言うと、アポなしで来た人に謝られるレベル。
友人知人、親戚、目上の人、仕事関係、宅配、訪問販売
全員の初めて来た時の一言目が、「あっ、すいません」 という詫び。
アポありでもアポなしでも、同じ格好なのだが
「突然来た自分が悪い」 と、瞬時に思われるらしい。
私ほど、何もしていないのに人から謝られているヤツはいないであろう。
過去の彼氏もひとりを除いて、全員が
「もうちょっと家でもどうにかしてほしい」 と、懇願していた。
(その除かれたひとりとは、パンクファッション時代の彼で
当時の外出時の私は化け物も同然だったので
逆に家でのフツーの姿に安らいでいたようだ。)
まあ、ユルユル部屋着じゃ、私のナイスバディも拝めないもんな。
外で気取っている女性ほど、家の中ではギャップが激しく
家族はゲンナリする、というお約束ってあると思う。
(このお約束では、外での私の勇姿を知らない宅配の人が
謝る理由が付かないが。)
私はスウェットを着ても普通よりは格好良い、と自画自賛してるんだが
周囲の反応を見てると、どうやらえれえな勘違いかも知れん。
しかし、どんなに豪勢なもんでも毎日食うと飽きるし
私のナイスバディは、外出時のみの恩恵と思ってもらいたい。
・・・こういう事を言ってるから、余計に怒られるんだろうが
どこぞの抑圧された夫が、妻にだらしなさを怒られ
「俺はどこで気を抜けば良いんだー!」 と、切れるように
あまり突っ込まれると、逆切れも辞さない構えである。
そんなに凄いのか! と、引かれそうだが、そんな事はない。
夏場はタンクトップに短パン
冬場はスウェット上下にフリースのジャンパー
もちろん無地で地味目な色。
いたって普通だろ?
ただ、普通じゃない心当たりが2個ある。
ひとつ目は、破れるまで服を捨てない性格。
皆、服ってどんだけ着るんだ?
布って中々破れないと思わんかあ?
破れないくせにすぐ毛玉ができて、とてもみすぼらしくなるけど
上下スウェットとか、あの範囲の広さに毛玉取り機は面倒くせえ。
そんなんやっとられるかい、で放置なのだ。
破れたら、さすがに諦めて雑巾用に切り刻むが
ヘタをすると、破れ部分によっては見なかった事にもするので
そういうケチ臭さが、哀れさを漂わせているのかも知れない。
が、見た目が悲惨でも、まだ着られる服を捨てる覚悟が出来ずにいる。
もういっちょが、関西に来てからの冬の寒さの厳しさ。
モコモコの靴下に、履き古した靴下を切ったレッグウォーマー
かあちゃんが送ってくれた、ターバンだかネックウォーマーだか
わからんパイル生地の輪っかを首に巻き
真冬は更に、腰巻きだのストールほっかむりだの手袋だのを追加するので
正に 「家屋内でどういうつもりだ?」 なファッション。
とても温いが、この格好の欠点は、チャイムが鳴ったら
その内の何枚を脱いで出らなきゃならないんだろう? という面倒。
謝られないためには、早変わりの術をマスターせねばなるまい。
ああ、そう言えば、更に思い当たるのが髪型だ。
剛毛多毛なんで寝癖が治まらず、立ちまくった髪になっているが
あまり毛根にテンションを与えたくないから
家の中での私の頭髪は、とても自然体な方向性を謳歌している。
これが他人から見たら、尋常じゃないんかも。
と、せいぜいこのぐらいなんだが、何がそんなに異常なんやら。
多くの世の女性たちは、外ではキレイにしているけど
一歩家に帰ると、同じような格好をしていると思うぞ。
外出着にすげえ金が掛かるのに
部屋着までとっかえひっかえする余裕はなくねえか?
と、力説しているけど、正直なところ
他の女性たちは家でどんな格好をしているのか、よくわからない。
もしかしたら、本当に私は飛びぬけて 「すいません」 な系統なのかも
などと、すぐ弱気になるところが、唯我独尊にはまだまだ遠い。
てか、今は外でもジャージ姿で普通に歩いてるだろ。
ハリウッド女優たちが、そのファッションの諸悪の根源だけろうけど
ああいうおしゃれ系じゃなく、毛玉ビッシリのスウェット上下を
コンビニやドンキでよく見かける。
一歩外に出ると、得体の知れないバイキンがウジャウジャいて
それが衣服に付く、と思い込んでいるので
私的に部屋着と外出着は、きっちり分けないと安心できないんだが
毛玉スウェット族は、帰ってそのまま布団で寝るんだろうか。
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