自分で料理をしていると、どんどん薄味になってくる。
それは、ビビるからである。
アホウなので、昔は調味料の意味がわからず
「みりんー? 省いてもいいだろ」 とか、やってたのだが
どうも敗因はそこにあるんじゃないか、と考えて
真面目にきちんとすると、きちんとした味に仕上がる事に気付いた。
どうした薄らバカか、と思われそうな事を正直に書くが
煮物をダシとしょうゆだけで作ろうとすると
汁が茶色くなるまで、しょうゆを入れないと味がない。
しかし、そうすると、とてつもなく辛い。
そこに軽視していた料理酒やみりんを入れると
しょうゆが少なくても、しっかりした味になるのだ。
もう、なりふり構わず言い訳させてもらいたいが
育ちが悪いもんで (まず、親のせいに、と。)
マイクッキングは、ほぼ独学だったんだよ。
そんで私の事だから、そこに “独創” っちゅうのが入るわけで
こんなんでも、普通に近い味を出してた私、ちょっと凄いぐらいだぜー。
何はともあれ、そういう料理の基本中の基本に気付いたら
気になってくるのが調味料の量である。
煮汁がこげ茶色になるまでしょうゆを入れてたヤツが何を言う、って話だが
料理本通りの調味料は、ものすげえ大量なのだ。
そこで思い出したのが、まだ私が女性だった頃
(女性でなければ今は何なんだ? と問われるかも知れんが答えたくない)
ケーキやクッキーを作った事もあったんだ。
バカ女っちゅうのは、我が飯もよお作れんくせに
洋菓子作成などに手を付け、ラブリーな自分を演出したがるものだが
その例に漏れず、私も料理の前に菓子作りを体験してしもうた。
ただし、作った菓子は全部ひとりで食ったあたりに
こんにちのわたくしの片鱗が垣間見える。
その時はさすがに本を睨み、レシピ通りにやったのだが
ケーキやクッキーに使う砂糖とバターの量が、ものすげえんだよ。
この通りに作ったら、油砂糖の塊になるんじゃないか、とビビったが
かあちゃんが 「そんなものよ」 と、あっさり言うので
そんなものかい、とマニュアルに従って作ったさ。
出来た菓子類は、普通に売られているケーキと同じような味だった。
と言う事は、菓子系は油砂糖で決定だよな。 恐ろしやー。
菓子作りをさっさと止めたのは、あの手間を掛けるなら
菓子屋で買った方が、早くて安上がりだと悟ったからである。
菓子の材料、むっちゃ高いんだ。
出来る味も、手作りも菓子屋のも変わらんなら
菓子作りは定年オヤジのソバ打ちと同列に考えて良くねえか?
うん、美味いけどわざわざ手間ヒマ掛けるようなもんでも・・・って感じ。
そういや、飯屋や惣菜なんかも、しっかりした味だが
あれもどんだけ調味料を入れてるんやら。
確かに濃い味の方が美味いんだよなー。
でも、飯屋の裏方事情は知りたくない。
とにかく歳も歳だし、塩分糖分油分は控えめぐらいで良いだろう
と、また勝手な差し引きをするので、割に不味い出来上がりになるんだが
そこで気になるのが、自分の腕は棚に上げておいて、素材の不味さである。
(何事もまず、自分以外のもののせいにせんとな。)
肉は外国臭えし、野菜は薬品臭い。
むちゃくちゃ言っとるが、安物はほんと妙な味がするんだ。
食ってて体に悪そう、みたいな
こんなんなら栄養はサプリに頼ったが、まだマシ、みたいな。
材料を全部、厳選して買えるのなら良いのだが
それは私の財布が許してくれない。
最近つくづく思うが、エコだのナチュラルだの実践できるヤツは
そんだけ金庫にも心にも生活にも余裕がある、って事で
つまり、貧乏人は病気覚悟の濃い味でいけ、ってこった。
まあ、そういう 「何もかも貧乏が悪いんだ」 と
死体の横で包丁を持って叫んでいるような
人を殺しといて何を言う、ハナからおめえが悪いに決まっとろうが
みたいなグチはどうでも良いがな。
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