ジャンル・やかた 51

ジジイが上機嫌でホイホイと館にやってきたのは
アッシュ直々の要望だからである。
 
真夜中の電話に叩き起こされ、不機嫌になりかけたが
それはアッシュからの初めてのCラインだったので
一気に気分が高揚し、その後中々寝付けなかった。
 
しょせんこいつも、何のかんの言っても
館を30年余りに渡って、支配し続けてきた人間である。
その好戦さは、アッシュにもヒケを取らなかった。
 
 
いつものように、アッシュの演説を聴くために講堂の長い椅子に座る。
講堂には相変わらず、住人が大勢来ている。
「あら、元様、いらっしゃい。」
「おお、元気じゃったか?」
「やですよ、ついこの前もお会いしたじゃないですか。」
そう笑われるほど、しょっちゅうこの館に来ていたのは
ジジイが孤独老人だからではなかった。
 
30年余の君臨のお陰で、ジジイは立派な屋敷と大勢の使用人を与えられ
長老会では、尊敬と強力な発言力も持っていた。
いまや、街のVIPのひとりである事は間違いなく
それは自分の功績もあるが、何よりもアッシュの改革が大きかった。
 
わしの人生の集大成が、こいつじゃ
ジジイは演説するアッシュを見ては、自己満足にふけっていたのである。
 
 
「ああーーー? また来たんかいー、ジジイーーー。」
演説を終えて講堂を出ようとするアッシュが
反乱グループに不審がられないために
“いつもと変わらずに” という密約通りに振舞う。
 
「美味いお茶が飲みたくてのお。」
「茶ぁなら自分ちで飲めー!」
「そう言わんでくれ、わし・・・朝飯も食っとらんのじゃー。」
 
「おい、飯を食った事を忘れるなんて、元様・・・」
「まさか、いよいよボケてきたとか・・・?」
アッシュとジジイのボケ突っ込みは、恒例の演芸だったが
遠巻きにそれを見物していた住人たちが、ザワめきたった。
 
まったく、やり過ぎなんだよ、このクソジジイ!!!
ついついリキが入りすぎて、演技過剰になったジジイを
アッシュが怒りの目で睨みつける。
 
 
「はいはーい、これは何本ー?」
アッシュが指を3本立てる。
「1本ー。」
「じゃ、これはー?」
指を1本立てる。
「3本ー。」
 
「はい、正常ですねー、いつものアホウなジジイですねー。
 朝飯を食っていないんなら、フルコース用意してもらいましょうねー。
 もちろん全部残さず食ってくれますよねー?」
「すすすすいません、朝飯さっき食いました。
 どうかお茶だけお願いします。」
安堵したのか、周囲がドッと爆笑する。
 
執務室に入って、グリッと振り返ったアッシュの顔は般若と化していて
生命の危険を感じたジジイは、ひたすら土下座をした。
 
 
「で、今日までにわかっているのは、これだけです。」
結局軽食をとるアッシュとジジイに、リリーが説明をした。
 
反乱グループは7人で、リーダーはバスカム
大規模な襲撃を起こすために、通信傍受機器を揃えた等。
「通信傍受は、無線キャッチぐらいのものでした。
 つまり、ここの環境ではコードレスフォン限定ですね。」
 
執務室のTVモニターには、電気部が反乱グループの部屋を
調べる映像が映っていて、それをまるで映画鑑賞のように
ポップコーンをボリボリ食いながら観るアッシュとジジイ。
 
「格好良いと思いませんかー?
 私がデザインした電気部の工事用仕事着ー。
 メタルギアソリッドみたいでしょー?」
「何じゃ、そりゃ?」
「潜入ゲームのタイトルですよー。」
「あんた、そういうの、ほんっと好きじゃな・・・。」
 
「にしても、私、相続戦の時
 エレベーターんとこにあるらしき、妙な空間が気になってたんですよー。
 電気部の工事用の移動スペースだったんですねー。」
「んじゃ。 加えて、天井部分にも移動スペースを取ってあるんじゃよ。
 注意深く見てみると、館の天井の高さが外観と合わないのもわかるぞ。」
「その天井裏通路とか、誰が考えたんですかー?」
「設計士と電気技師じゃ。」
「ああ・・・、大阪城を建てたのは大工さん、みたいな答ですねー。」
「それが現実じゃよ、ふぉっふぉっふぉっ」
 
 
話が逸れまくる物見遊山気分のアッシュとジジイに構わず
リリーが報告書をめくりつつ、解説する。
「ただ予想外だったのが、この機械です。」
画面を折りたたみ式の棒で指す。
 
「おっ、女教師ー!」
「ふぉーっ、眼福じゃのお!」
「これで黒ブチめがねに、ひっつめ髪が王道なんですよー。」
「うーん、リリーちゃんはヘアスタイルは派手じゃからのお。」
「お出かけ用スーツはバッチリなんだけど
 もちっとオールドミス的味わいもほしいところですよねー。」
「定番すぎて俗じゃが、嫌いじゃないぞ!」
 
「そ!れ!で!!!!!」
ふたりの雑談に、しかもその内容が自分の外見である事に
激しくイラついて、リリーは画面を棒でビシビシ叩いた。
 
「おおっ、たかじんー!」
「誰じゃ? そりゃ。」
「日本の関西の・・・」
「こ!の!機!械!が!何だったかと言いますと!」
その大声に、リリーの忍耐力の限界を察したふたりは雑談を止めた。
 
「これ、盗聴受信機なんです。」
「・・・? だから傍受機じゃろ?」
「いや、きっと違うんですよー。
 大阪日本橋に年に1度行くか行かないか、という経歴の私が考えるに
 これは盗聴器をどっかに仕掛けてて、それ専用の受信機なんですよー。」
「ええと、それ、どういう経歴かのお?」
「何の知識も持ってない、って事は確かですー。」
 
 
もう・・・。 勉強が出来ない子供の授業態度みたい・・・。
話の進まなさに、いい加減ウンザリして
指し棒をたたみ、デスクの椅子に座って爪をヤスリで整え始めたリリー。
 
その怒りのオーラあふれる背中を見て、しまった、と後悔する雑談組。
「ほんっと、ごめんー。」
「真面目に聞くから、機嫌を直してくれ。」
 
懇願するふたりに見向きもせず、爪を削りながら投げやりに話すリリー。
「で、その盗聴器は、南北の住人用食堂に各1個ずつ見つかりました。
 他にもないか秘密裏に捜索中なので、引き続き警戒が必要です。」
 
背後でアッシュとジジイがつかみ合いのケンカを始める。
「あんたが妙な合いの手を入れるから、話が脱線するんじゃ!」
「私のつぶやきにいちいち反応するおめえが悪いんだろー。」
「おめえとは何じゃ! 目上に対する敬意はないんか!」
「命汚く生き延びてるくせに、年長ヅラしてんじゃねえぞー。
 諦めてマッハで死ねー! 手伝ってやろうかー? このクソジジイー!」
「何じゃと? やるんか? 年は取ってもまだまだ衰えとらんぞ!」
 
 
リリーが椅子をグルリと回転させ、振り向いて静かに言った。
「わたくしの話を真面目に聞けないのなら、もう無視しますよ?」
 
アッシュとジジイは、即座に取っ組み合いを止め、土下座した。
「ほんっっっと、すみませんでしたーーーっ。」
「どうか、無視だけはご勘弁をーーー。」
 
米つきバッタのように、ジタバタしているふたりを
冷酷な瞳で見下ろしつつ、リリーはあくまで無表情だった。
 
 
続く。
 
 
関連記事: ジャンル・やかた 50 10.2.1
      ジャンル・やかた 52 10.2.5
            
      ジャンル・やかた 1 09.6.15

Comments

“ジャンル・やかた 51” への16件のフィードバック

  1. のんのアバター
    のん

    「やかた」
    毎回ワクワクしながら読ませてもらってます~♪
    更新されてると嬉しいです!
    ありがとうございます!

  2. 華のアバター

    私もあしゅさんのお話、1話からちゃんと読んでみたいです。

    今自律神経失調症と鬱、パニック障害で寝たきりですが、起きれる様になったらいつか読ませて頂きたいです。

    あしゅさんにご相談したい事があってメールフォームを探したのですが、以前のテンプレートからだと見つけられたのですが、現在のテンプレに変わってから、見つけられなくなってしまって(>_<)

    今度PCからアクセスしてみますね。

    あしゅさんと梅田のカフェで色んな思想や論議をしてみたいです^^

    私の家から梅田まで電車で15分なんです。

    いつかあしゅさんにお会いしたいなぁ…

  3. あしゅのアバター
    あしゅ

    のん、いつも読んでくれてありがとうー。
    実はもう、ジャンル・やかた本編は
    書き終わっているんだ。
    今は続編ちゅうか、補足編を書いている。

    1日おき更新の約束、守れるぜ!

    華、辛いだろうけど
    焦らずにゆっくり治せ、な?

    アドレスの件は、管理人ぷらちッに
    丸投げしといたよ。
    今は忙しいらしいから
    時間が取れるようになったら
    どうにかしてくれるだろう。

    んで、メルアドは、このコメントの
    私の名前をクリックしたら出るはずだが
    念のために貼っておく。

    Ashuratouga@hotmail.com

    梅田に近くて良いなあ。
    でも私は、ネット仲間とは会わないんだよ。

    と言うかな、そんな事しちゃダメだぞ。
    ネットは文字だけの世界なんで
    事実確認が出来ないだろう?

    もし私が出会い目論みのエロオヤジだったら
    どうするんだよ?
    あと、宗教とかマルチとか妙なセミナーとか
    粘着ストーカ-とかの、隠れみのだったら。

    今は気楽にネット仲間と会う時代のようだけど
    それで事件もたくさん起きてるから
    老婆心ながら、ほんっと心配だぞ。

    文字から、自分に都合の良い利益だけ受けるんだよ。
    それが安全なネット使用法だぞ。

    でも、お互いにヨボヨボの老人になったら
    またその時に考えような。
    孤独老人予定の私でも
    茶飲み友達が欲しくなりそうだしな。

  4. 華のアバター

    私の文字から、「自分の都合の良い利益を受ける」印象があるという事でしょうか…

    だとしたらごめんなさい…辛いです…

  5. 華のアバター

    あしゅさん、ごめんなさい、私が勘違いしていました。

    ネットからは自分にプラスになる事だけを搾取する様に、という意味ですよね、きっと。

    重々心がけ、私自身おこがましいですが相談役、聞き役を五万として来た身ですので、沢山の女の子達にあしゅさんと同じ言葉を訓戒として投げ掛けて来ました。

    病歴15年にもなるとお友達もいなく、ふと心の師としてお慕いしているあしゅさんにお会いできたら、楽しいだろうな…と思って書いてしまいました。

    小さい頃から傷つきやすくもろい性格なので言葉に敏感な面があるので、曲解してしまい申し訳ありませんでした。

    アドレスわざわざ貼って頂き本当にありがとうございました…

  6. ぷらちッのアバター
    ぷらちッ

    ネットで見る情報からは、

    自分に都合のいいように受け取りなさい
    自分に都合のいいものだけを取り入れなさい

    といった、華さんへのアドバイスだと思います。

  7. 華のアバター

    ぷらちッさん、わざわざ本当にありがとうございます…涙

  8. あしゅのアバター
    あしゅ

    華、ぷらちッの言う通り
    華が思い返した通りだよ。

    すまん、書き方が悪かった。
    華に傷付いてほしくなかったんで
    注意をしたつもりだったんだけど
    逆に傷付けそうになって、ほんとごめん。

    これだから “文字だけ” は
    気を付けにゃならんのに、もう私は・・・。

    途中でこっちの真意に気付いてくれて、ありがとう。
    ぷらちッも素早いフォロー、ありがとう。

    私の、“会わない” というのにも
    傷付かないでくれ。

    実質的な危険性が一番の理由で
    若い子にそれを警告し続けるのが
    年寄りの義務だと思っている、と同時に
    これは私の心の防御策のひとつでもあるんだ。

    ネットとリアルを、はっきり分けたいんだ。
    片方で辛い事があっても、片方に逃げられるだろ。
    居場所をいっぱい持ってた方が
    生きるのにラクなんだよ。

    でもほんと、ネット世代に言いたいけど
    よく知らない人に気軽に会うのは、危険だぞ。
    皆、気をつけてくれよー。

  9. 華のアバター

    あしゅさん、おはようございます。

    私なりに考えたのですが、防御策の一つとしてネットとリアルをお分けになっているとの前提でしたら、あしゅさんご自身もここへコメントを残して下さる方々に対して警戒心を持っているという事とイコールと捉えて良いのでしょうか。

    だからこそ仮に自分がリアルで関わって被害を受けたり傷つくかもしれない仮定を想定して、そうならない為の線引きとして安全エリアを確保する為のいわゆる「片方で辛い事があっても片方に逃げられる」の趣旨となるのでしょうか。

    私は、逃げ場と居場所は違うと感じます。

    あしゅさんご自身が最初から警戒した上で傷ついた時の事を想定して線引きし、ネットとリアルを分けているのでしたらそのスタンスを尊重したい気持ちもありますが、少し悲しいです。
    「おめえとリアルで関わって私に何があるかわからねえだろ。だから私はその防御としてネットとリアルは分けてるんだよ。傷つくの怖いし、いっしょくたにしてみ?もし傷ついたらごっちゃになって逃げ場がねぇもん。だから分けてるんだよ。」と言われてる様な気持ちがしてしまいました。

    そして、「私」という可能性を最初からシャッターを下ろされている気がしてしまって…自分の弱さのせいで少し心が折れてしまいました。

    抽象的ですが、ネットとリアルという両極端な分け方ではなく、それが統一され一つになる瞬間もある気がします。
    すると片方片方という概念も非常にあいまいな物になってくるのも事実な気がします。

    勿論あしゅさんが言わんとする正しい利用法と人の為の安全の考えはとても理解できます。

    ただ、私はここでのあしゅさんとのやりとりにも、生身の血が通っていると信じたいです。

    生意気な意見をしてごめんなさい。

  10. あしゅのアバター
    あしゅ

    ネットとリアルでの私の意見や想いは一緒なんだ。
    どっちが軽い重い、大事、という線引きはない。

    例えば、学校でひとりも友人がいなくても
    他の場所で友人がいれば、耐えられるだろ。
    学校が自分の世界のすべてだと
    その学校で辛ければ、死にたくなる事だってある。

    だから、自分の世界を複数作っておくべきだと思うんだ。
    居場所も逃げ場も、どっちも人生で大事だと思う。

    無意識にだけど、私は常にそうやって生きてきたから
    他人の言動にあまり振り回されず
    かえって冷静に対応できて、信頼を貰える事も多かった。

    これもひとつの方法で
    どの世界も、区別はしても差別はしていない。
    その世界に応じて振舞う事で、学ぶ事も多いんだ。

    ネットでしか交流できないのなら
    それは軽い付き合いになるのか?
    私はネットで相談される内容で
    夜も眠れないぐらいに悩み、そいつを心配するぞ。
    私のネットでの想いは、決して軽いものじゃないんだよ。

    簡単に切れるネットだけど、私はそれをも受け入れる。
    リアルでもネットでも、来る者こばまず去る者は追わない。
    冷たいと思われそうだが、私も私なりに痛みがあるんだ。
    去られるのは、どの世界でもとても辛い。
    でも、どうやらそれが私のやり方なんだ。

    華、生意気なんて、まったく思わないよ。
    むしろ、とても考えさせられて感謝している。
    “拒否されてる” と感じさせる可能性もあるんだな。
    これは気付かなかったよ。
    無神経だった。 ごめんな。

    率直で貴重な意見を本当にありがとう。
    出来れば、これからもどんどん言ってほしい。

    ただ、おめえは物事を悲観的に取っているように感じるよ。
    逆に楽観すぎるかも知れないけど
    今の私は、人は善が基本だと思っている。
    考え方、やり方が違うだけで、そこに悪意はない
    と信じられるんだ。

    おめえが自分で自分を苦しめていないか、心配だよ。

  11. 華のアバター

    あしゅさん、一生懸命精一杯返答頂いてありがとうございます。

    実は12月に絶望的な事が身に降り掛かり、長い闘病生活もあいまって心身共に疲れ切っていました。

    鬱病のせいもあるのか、今は些細な事でも悲観的に捉えてしまう様です。ごめんなさい。そして心配して下さりありがとうございます。

    今頭が混乱して号泣気味なので、あしゅさんの言葉にきちんとお返事したいので、安定するまで待っていてくれますか。

    あしゅさんもまだまだ寒い日が続くのでご自愛下さいね。

  12. あしゅのアバター
    あしゅ

    華、ひとつだけ念を押したい。
    私は会いたい、と言ってくる人に対して
    皆に同じ事を答えているんだ。

    おめえだから会わないんじゃない。
    全員に会わないんだ。
    おめえを否定などしていない。
    単に私の方針なんだ。

    華、無理をするな。
    何も悩むな。
    難しいだろうけど、今はすべてを流しまくれ。

    囚われずに、身構えずに
    ゆるーく考えるように心掛けてみてくれ。
    周囲の出来事も自分の体調も感情も。

    これも私独自のやり方だから
    役には立たないかも知れんが
    私のウツ対処の経験上では、これなんだ。

    早く落ち着く事を願っているよ。

  13. 華のアバター

    あしゅさん……涙

    ありがとうございます、
    ありがとうございます…

    読ませて頂いてまた涙が出て来ました。

    私は過去に色々あり物事をすごく掘り下げ深く考え、こだわり、悩み癖がついてしまっているのを主治医とのカウンセリングで最近やっと自覚しました。

    体や脳にしみ込んだ物が改善できるか不安ですが、日本でもやっと知れ渡り出した認知療法にも最近になり着手しだしましたし、あしゅさんのおっしゃる通りに一度やってみます。

    「いつかお互いおばぁちゃんになったら茶のみ友達に」、というお話だけ、希望を持っていてもいいですか?

    その時は、縁側でぽかぽかしたいですね…。

  14. あしゅのアバター
    あしゅ

    華、自分は自分でしかないんだ。
    それ以上でも、それ以下でもない。
    他人とも違う。

    だから人の言動を
    必要以上に気にする必要はないんだよ。

    他人にも自分にも、期待も失望もせず
    ただ、そこに存在していれば良いんだ。
    それが私たち人間のあるべき姿だと思うよ。

    希望を持つのは構わんが
    その時になって、私の気持ち次第で
    また説教されるハメになるかも知れんぞ。

    私は説教好きなんだ。
    だけど本調子じゃないヤツには発揮できん。
    だから元気になれ。

  15. 華のアバター

    はい、あしゅさん、やってみます。

    あしゅさんの言葉、何度も何度も読みました。 

    貴重なお言葉、どれも私には宝物です、ありがとうございます。

    あしゅさんにご相談メールをと考えていたのですが、私自身もよく人から相談や悩みを受ける身なのですが、最近とある人から衝撃的な内容の相談を一方的に受け、送るべきか否か考えてしまいました。

    自分の傷みを人に聞かせるのは、ある程度相手にも同じ傷みをかせてしまい背負わせる事になるのなら、受け手の事を考えたら、すべきではないのかと。

    まして今後も付き合いがあるかもしれない相手に(この場合リアルでの話を差しますが)そんな事を聞かせた上で付き合おうとするのは相手に対し、フェアじゃないとの意見を母からもらい、一利ある事を感じていました。

    相手はそれを踏まえた上で気を使ってでしか接する事が出来なくなるからだと…。

    どんな事を聞いても鋼の心があり、余裕があり、許容量や精神のキャパがあるかたなら良いのかもしれないが、との母の指摘でした。
    相談したい事すら呑み込む事も、それが時には相手への思いやりではないかと。

    私も、ネットでもリアルでも相談を受けて来て、まずは自分より他人の事ばかり考えて来たので、相談内容を考えあぐね、夜も眠れなかったり、自分なりの回答を相手に送信する時の責任感に、クリックする時指や手が震えるので、あしゅさんの気持ちが少し理解できます。

    なので、安易にご相談メールをしていいものか…

    私にとってあしゅさんは大事な人で、気持ちがわかるなら余計にしてはいけないのではと煩悶しています。

    それはあしゅさんが判断する事かもしれませんが、私の足りない頭ではこれ以上今は良い発想が生まれず、申し訳ありません。

    だから、「必要以上に他人の事に左右されなくていい」(少しニュアンスが違いごめんなさい)とのお言葉、長年相談を受けて私の弱さのせいで左右され過ぎて来た私には、とても響きました、ありがとうございます。

    私の場合は「相談を受け付ける」とは前提してない上で相談を受けるのですが、あしゅさんはなぜ、ブログにて相談を受け付ける様になりましたか?

    いつも長文を、「やかた」の記事とは関係ないコメント欄に残してごめんなさい。

    それから、あしゅさんの最新記事に深夜不愉快なコメントが残っています。

    あしゅさんのブログにふさわしくないのであしゅさんのご判断で削除して下さったら嬉しいです。

    鬱病に関しては不安でいっぱいですが、あしゅさんの助言を胸に早く私も安定したいです。

  16. あしゅのアバター
    あしゅ

    相談さ、最初は妙なメールがきたんで
    ふざけて “人生相談” として
    ブログに載せたんだ。

    そしたら、何故か真面目な相談がくるようになってさ。
    何でまた、こんなブログしか書いてない私に?
    と思ったんだけど、私なりに真面目に答えてるんだよ。

    相談、華の言うとおりだよ。
    華のお母様の言う事は当たっていると思う。
    相手の痛みを、いくばくか引き受ける事になる。
    だから、ふざけて始めた事を後悔している。

    今後も相談が来るかも知れないけど
    最初にふざけて始めた自分を恥じているんで
    その贖罪と、皆への恩返しの気持ちを持って
    自分なりに誠意を尽くすつもりでいるよ。

    私が誰かに相談するのは、くだらん内容のしかないな。
    ロングブーツ、年齢的にどう? とか。

    心の問題は、私には自分のやり方があるんで
    人には相談しない。
    だけど、八つ当たりはする。
    余計に悪いか、あはは。

    ウツ等の相談もよくくるけれど
    必ず言うのは、まず病院に行け、だ。

    専門医が私の記事を見たら、怒るかも知れない。
    私の考えは、治療に邪魔かも知れない。
    それこそ、人それぞれの症状があるだろうから。

    華はもう通院しているようなので
    素人の私の意見など取り入れずに
    専門家である医師を信じて
    プロの言う事だけを聞いた方が良いと思う。

    これは突き放しているわけじゃなく
    治ってほしい、という願いから
    冷静な判断として言っているんだ。
    誤解しないでくれよ。

    記事と関係ないコメントは
    何か知らんが、ここの習慣なんだ (笑)
    気にしないで良いよ。
    読んだ人にも、何かのタメになるかも知れんので
    それで良いと思っている。

    エロコメント、削除したよ。
    指摘ありがとう。
    もうすぐ春だもんで、多いんだよ、こういうの。

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