職務質問

警察関係を見るとドキッとするヤツ
おめえは絶対に後ろめたい事をしている!
何故ならば、私がそうだったからだ。
 
 
元彼のドレスアップカーに同乗していた時は
遠くに赤色灯を確認したら、即脇道に逃げていた。
“整備不良” という切符を切られるからである。
 
そういう、いかにも怪しい態度を取っていると、逆に目立つのか
何度も何度も追い回されては、職務質問をされていて
ドライブをしていても、いつもビクビクさせられ
真っ当に生きてきた私が、何でこんなに警察に怯えにゃならんのか
こんなチャラい車に乗ってるこいつのせいで・・・
と、内心怒りを抱いていたもんだった。
 
 
愛車・レビンに乗るようになってからも、このビクビクは続いた。
パッと見はわかりにくいけど、足回りを固めていたからである。
言っとくが、暴走族とか走り屋とかじゃないぞ。
私はひとりで夜中に峠を走るのが好きだったんだ。
 
パトカーを見ると、「このショックとサスは車検通ったっけ?」
「タイヤはどうだったっけ?」 と、オドオドし
かなりの挙動不審者的反応を示していた。
 
車検は車検屋さんに丸投げだったので、誰にも何も注意されず
どこまでが許されるのかを知らなかったんだが
今になってよく考えると、替えた部分は全アウトだったと思う。
 
 
ドノーマルのセリカにしてからは、何の咎もないので
警察に対しても、逆に 「かかってこんかい!」 と
挑発的な気分で車を乗り回していた。
ちょっとした逆恨みである。
 
要するに、人間、ロクでもねえ事をやってて、足を洗ったとしても
その後数年間はドグラ気分が抜けない、ってこった。
 
セリカでノーマルっちゅうのが、若い衆にはありえん話だろうけど
周囲に 「2ドアなんて」 と、車の形状からして全否定されていると
どんどん車なんて、どうでも良くなってくるんだ。
 
何のためにセリカを選んだのか、
ここの時期はほんと無意味なマイ車歴だった。
 
 
ローバーになると、何を疲れ果てたんか
ノーマルどころか、制限時速までキッチリ守るようになった。
 
警察を見ると、「お勤めお疲れ様です、ガンガン取り締まってね。」
と、心の中でエールを送るまでになった。
己がドグラだった過去を棚に上げた、
かなりイヤな大人の出来上がりである。
 
 
職質と言えば、東京にいた頃は週に1度は遭っていた。
夜遅くに、駅から自転車で帰る時である。
毎回毎回、どこに住んでるの名前は生年月日は自転車の登録は
と、同じ事を聞かれ、自宅への道のりの結構な障害になっていた。
 
あまりに度々警察にとめられるので、どんだけ自分が怪しく見えてるんか
こんなん親が知ったら首を吊られかねん、と逆に質問してみた。
しょっちゅうとめられるんですけど、私何か不審ですか? と。
 
そしたら、そこら一帯は高級住宅地で
某政治家だの有名人だのが多数居住している場所なんだと。
 
だからここは東京で一番警備が厳しく安全なんですよ
と威張りに回られたので、そうなんですか、すごいですね、と同調したら
そのお巡りさん、あそこは○○邸、あそこには誰々が住んでる、と
いらん観光案内を始めて、当時は個人情報保護法はなかったが
防犯的には、とても危険な言動じゃないか? と思った。
が、とにかく媚へつらっておいた。
 
 
ご近所事情もわかったので、そういう事なら早めに帰宅しよう、ではなく
遅くなったらタクシーで帰ろう、になったのは
我ながらロクデナシだったな、とシミジミ思う。
 
東京の住まいは兄が用意したもので、ボロアパートだったけど
渋谷まで激近かったので、兄貴やるじゃん! 程度に感謝してたのだが
兄の妹を心配する気持ちだったわけだ。
 
とか、キレイにまとめたかったが
兄のアパ-トは中目黒だったんで、単に飲み屋街に近いって事で
選んだ場所だったのかも知れない。
 
 
話がかなり逸れたが、私が警察を恐れたのは
車をいじくってた数年間のみである。
趣味だろうが、国家権力を敵に回すような、いたらん事はせんに限るな。
 
私もいまや警察を見たら、「何?何?」 と野次馬になっている。
善良な一般市民ヅラをできるのは、ものすごい開放感がある。
 
職務質問とか、孤独ババアには人と話せるありがたい機会なんで
インタビューと勘違いしている勢いで
「何でも訊いて! 何でも喋るから!」 と、待ち構えているが
善良に生きていると、警官には見向きもされない。
警官、やっぱプロだと思う。
 
 
東京ん時の職質の日々は何だよ? と、問われたら
あの時の私は若かったからだ! と答えさせてもらおう。

・・・いや、警官もたまには初々しい娘さんと話したかろう? と。

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