イキテレラ 後書き

“ジャンル・やかた” を書いていて
自分の凶暴性にショックを受けたので
恋愛物を書いてみたくなった。 春だったし。
 
目標は、本気でロマンスの王道、ハーレクインである。
だとしたら、姫に王子に玉の輿だろ?
(ほんと貧相な想像力ですまんが)
 
姫と王子の話とか言われても、おとぎ話しかねえよな。
あっ!!! だったら、童話をアレンジすりゃ良いんじゃないか?
と、ひらめいたんだ。
 
 
今になって考えると、初手からパクり腰満々なわけで
ほんと自分の衝動の方向性が信じられん。
 
姫の名をモジったら、バカみたいな名になったあげくに
本家の名もバカみたいだと気付いて、ほんとすいません。
ヨンドリサンとかしなくて良かったよ、ほんと。
 
 
しかし書き始めたら、本家とはまったく別物になってしまった。
これは計算してやったわけではない。
 
ここでまた大ショックを受けたのが
恋愛物を書こうとしているのに
どうしてもイキテレラが王子に好意を持ってくれない事。
それどころか、何故か暴力やら殺人やらに繋がってしまう。
 
最初は、ああ・・・、じゃあ、ツンデレで
→ えっと、ちょっと控えめなロマンスに
→ うーん、ミステリー・ロマンスになるかな?
→ え? 何でスプラッタに?
→ まさかの拷問劇?
 
 
・・・私って人格障害じゃないだろうか? と本気で悩んで
診断サイトとかに行ったよ・・・。
 
だけど診断、受けてねえよ。
万が一が恐すぎるだろ。
てか、単にホラー好きなだけじゃん、変質者扱いすな!
 
とかいう、自作自演の八つ当たりはおいといて
もう、最大の理性の下に、ものすげえ書き直しをして書き直しをして
軌道修正して軌道修正して、それでもこれだ・・・。
 
書き直しをしないと、世界残酷物語になっとったわ。
そんぐらい、惨劇の方向に行くんだよ。
 
 
この茶番劇は、本人には結構なもがき苦しみだったんだが
多分ここに来ている人の予想を、1mmも裏切ってないと思う。
皆、私に恋愛物は無理だと思っていただろう?
口惜しや、ああ、口惜しや。
 
はあ・・・、しょせん私はこれかよ? と、結構落ち込んで
仕舞いにゃとにかく、さっさと終わらせようとしたのさ。
 
 
小説とか、考えて書くものだと思っていたんだ。
だけど違うんだな。
プロの人はどうだかわからないけど
私の場合は、設定を決めたら人物たちが勝手に動くんだ。
何かさ、今までの人生で自分が培った “常識” に沿って
話が勝手に進むんだよ。
 
という事は、こうなってもしょうがないんじゃないかな。
恋愛物とか嫌いで観ないし、ホラーとかが好きなのだから
私の創作の源は、どうしても猟奇系に偏るだろうよ。
 
 
この話では、途中でロマンスは諦めて
“何もしないという攻撃” みたいなものを
書こうとしたんだけど、そんな哲学まがいのものより
王さまのストレ-トな残酷さの方が楽しくてな。
 
正直、自分が女性で心底良かったと思う。
もし男性に生まれていたら、犯罪者になっていた自信がある。
それも攻撃性あふれるド変態。
 
今の私は、か弱く性欲の薄い上品な淑女だからこそ
社会に迷惑を掛けずに生きていけるんだと思うんだ。
 
 
パクリをしといて “創作” など、おこがましいけど
この創作作業、やってみると自分の闇が見えてきて、とても動揺するぞ。
 
 
あ、老婆が言ってた “観察者” とは
そういう立場のヤツがいるかもな、と
幼少時に庭でアリを追い回していた時に思ったんだ。
ただ、そんだけ。
 
 
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       イキテレラ 1 10.5.11  

Comments

“イキテレラ 後書き” への11件のフィードバック

  1. けるのアバター
    ける

    今さら気付いたんですが、
    シンデレラって『灰かぶり』って意味でしたよね。
    寝床も与えられず、夜は暖炉の中で睡眠をとっていたからだとか。
    やかたとの微妙な接点を発見。微妙すぎるか…笑

    血が出るやつは好んで借りてきて見るほどじゃないけど、
    侍がバサバサ相手を斬ったり、謎の中で誰かの首がちょんぎられたり、
    そういうの、わりと好きですよw

    でも、やかたは単なる惨殺の嵐だけじゃなく、
    大切なテーマがたくさん織り込まれてましたよ。
    惨殺は、その味付けというか。そのくらいに読んでました。
    私も異常なのかもですが。笑

    物語の端っこだけど、
    リリーとグレイは愛し合っていたそうじゃないですか。

    まぁその愛ってのもそれなりにエネルギーが強いから、
    無茶苦茶な方向へ飛んでく可能性もあるわけですが…笑

    私、やかたはハッピーエンドだったと思ってます。
    泣きました。

    ローズとアッシュを、男性と女性におきかえたような、
    そんな幸せなエンディングを想像できたなら、
    惨殺込みのラブストーリー、笑
    あしゅさんには書けるんじゃないかな~なんて。

    勝手に思ってます。

  2. あしゅのアバター
    あしゅ

    ける・・・、そうか、私・・・
    愛を書いてたんじゃん!
    光明が見えてきたわ。

    ちょっと温めてる話があるんだけど
    それが私式ラブストーリーかも知れない・・・。
    もちっと練ってみる。
    あ、あと、アッシュの跡継ぎグリスの愛も。

    急に話が頭の中に数種類出てきたぞ。
    ああ・・・、何かの種を貰ったかも知れない。
    意欲が出てきた!
    ありがとうーーーーーーー。

  3. miuのアバター
    miu

    私は推理物を含むミステリーやサスペンス(似ているようで違いますよね)等を
    好んで読む人間なのですが、いつも思う事があります。

    愛が皆無な小説はない!

    一部の作家さんの作品を除いて恋愛モノはほぼ読まない読書生活を送ってますが、
    いまの所この持論は外れていません。
    あらゆる関係性をを故意に排除した作品でない限り恐らく当てはまると思っています。
    親子愛、兄弟愛、夫婦愛、親族愛、隣人愛、師弟愛、動物愛、自然愛、物品愛、人間愛、博愛…自己愛だって愛ですからね。
    (↑ゲシュタルト崩壊してきた)

    本格ミステリーが生まれる以前の作品は国内外問わず恋愛モノばかりですし
    愛を全て善なるものとして受け止めるかはまた別問題として、
    やっぱり人間文化の原点なんじゃないでしょうか。愛。(なんか書いててはずかしい..・_・*)

    無理に恋愛を書こう!と意気込まなくても
    リアルな人間を書く=愛を探しにいく(笑)ようなものですから
    あしゅさんタイプの書き手には意外と向いているテーマかもしれませんよ* 愛。
    (あっ、やっぱりはずかしい!笑)

  4. のんのアバター
    のん

    ちょっと怖かったですが面白かったです!

    お疲れさまでした(^ω^)

    でもあしゅさんのラブロマンスも読みたかったなぁ(笑)

  5. あしゅのアバター
    あしゅ

    miu、照れるな! 移るじゃねえかい!!
    ああああ愛、ほら、映画とかじゃ
    ええっ、何で今? って場面で
    チュッコラチュッコラやり始めるじゃん。
    爆発カウントダウン1分前とかさ。

    小説とか映画のああああ愛って
    そういうイチャツキだと思ってたんだよ。
    ああ・・・ハリウッドに洗脳されとった・・・。

    どうも、愛とセックスを混同する、という
    バカガキかエロオヤジのような感覚に陥ってたようだ。
    乙女も枯れると、ここまで殺伐とするんだろうか?

    目が覚めたよ、ありがとう。

    のん、ありがとう。
    私にも愛の名残りがあるはずなんで
    私流愛を小出ししていって
    ここぞ! と思ったら、ドーンとロマンスを。

    今後はこの予定でやってみるよ。

  6. まありのアバター
    まあり

    読み終わりました!
    イキテレラが可哀想な気がしました。
    イキテレラの心ってどうなっちゃっってるのか?
    あまりにも意欲が無いことにイラっときてみたり。

    まぁ、やかたのような長編が読み応えあって好きです。
    アレですよ、悲しい気持ちとか、今まで似たような経験があるって事を思い出させてくれる、だから心を揺さぶられるというか、やかたってそういうお話でした。

    しかしこんなに沢山小説も日記も書くってスゴイですね。

    電脳世界でここのブログを見つけることが出来たことに感謝してます。

  7. あしゅのアバター
    あしゅ

    まあり、こっちこそ感謝だよー。
    そうやって感想を言ってくれると
    とても勉強になるんだ。

    イキテレラは加害者なんだ。
    意地悪な姉たちも、王子も
    イキテレラによって狂わされた。

    何もしない加害、悪気のない加害
    って、あると思うんだ。

    文章を書かないと、脳がゴチャゴチャになるんで
    やむなく・・・。
    “毎日” と決めたのは、堕落しないためなんだよ。

    人間、義務を多く持つほど
    キチンと生きていける気がするんだ。

  8. unaのアバター
    una

    イキテレラに終始イライラしました。
    まんまとあしゅさんの手中にはまった、みたいな。
    つまり面白かったってことです。

    悪気がないのが一番の悪だと思っているので、イキテレラみたいのほんとタチ悪い。
    一見、弱者だから、注意するにしろ何にしろ、働きかけた側が悪者にされるんですよね。
    しかもどう働きかけたからといって本人が変わることはまずないし。
    もう、見てるとイライラするから関わらないようにするしかない。
    頼むから視界に入らないでくれみたいな。

    なんかでももしかしたら昔々、自分もこんなだったかも、とか思ったりもして。。

    同族嫌悪的な。。?

    今は、全然違います。

  9. あしゅのアバター
    あしゅ

    una、うん、私もイキテレラは嫌い。
    だけどこの話は、忘れられない。

    書いている最中は、イキテレラにイラついて
    えらい足早に終わらせたけど
    もうちょっと細かく描写をすれば良かった
    と後悔しているんだよー。

    イキテレラは、人をダメにするタイプの人間。
    姉たちは、イキテレラから離れたから自立できた。

    そういう、静かな攻撃みたいなものってあると思うんだ。

  10. momoのアバター
    momo

    あしゅちゃん、こんにちは。 「観察者」が活躍しているとの事で、こっちに来て見たヨ-。 でも、表面だけ見たら、イキテレラ気の毒だった。始めは、自分を持ったしっかりした女性だと思っていたのですが、どえらい事に巻き込まれて、病んでしまったわけですよね。狂気に満ちた王(王子)も恐ろしかった。「何も行動を起こさなかったイキテレラ」との事ですが、では、どうすればよかったのでしょうか…?今の、自分の与えられた環境を精一杯生きればよかったのでしょうか?
    「観察者」が言った、「贈り物とは、相手が欲しい物ではなく、自分が贈りたい物だ。」に、妙に納得。

  11. あしゅのアバター
    あしゅ

    momoちゃん、こっちも読んでくれてありがとうー。

    問題はイキテレラではなく
    周囲の人々だったような気がするんだ。

    皆、この死んだような美しい女性に
    勝手に期待をして、人生を狂わせていってただろ。
    さしもの観察者も、肩透かしで。

    私もイキテレラは、ものすごく意志が強いと思うよ。
    それが “奇跡” なんかな。

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