「誰もが嬉しくない結末なのですか?」
そう叫んだのは、意外にも継母であった。
黒雪姫が横目で何とか継母の方を見る。
継母の顔には、怒りの色が浮かんでいる。
戦いというのものは そういうものなのだ
万能というのも この程度のものなのだ
もし 真に万能なものがいたら
それ以外のものが存在する理由はなくなるであろう
ここでみなに詫びる事をよしとせぬ、わしもまた
存在する理由が必要なもののひとりなのじゃよ
あ、何かもう、その言葉だけで良いや。
妖精王の弱気発言で、筋肉バカの黒雪姫にはあっさりと諦めが付いた。
散々振り回されて、大変な思いをした日々だったけど
それはそれで結構楽しかったかも知れない。
命をも落としかねない状況だったけど
こうやって無事なんだし、武勇伝にすれば良いや。
さあ そろそろ始めるとしよう
特例になるが、その功績に感謝する意も込めて
そなたらの記憶は残すか、選択できるが
「残して当たり前ですじゃ!」
真っ先に怒鳴ったのは小人たちだった。
「生涯で一番忘れたくない日々じゃぞ!」
「そりゃ、楽しかったとは言えんが・・・。」
黒雪姫には小人たちは見えなかった。
後ろの方にいたからである。
小人たちの言葉の真意はわからなかったが
皆、震える涙声だった。
ふと目の前を見ると、王子が自分を見つめている。
そのまなざしは悲しみで溢れていたが、沈んではいなかった。
「姫、私は諦めはいたしません。
いつかあなたと再会できる事を信じて、償っていきます。」
黒雪姫が、はあ、そうですか、とボケッとしていると
継母が小声で怒鳴った。
「黒雪、殿方のプロポーズには
きちんとお答えしないと無礼にあたりますよ!」
プププププププロポーズーーーーーーッッッ?
黒雪姫は激しくワタワタして
よりによって、最悪な返事をしてしまった。
「へへへヘビのくせに!」
それでも王子は、ニッコリと笑った。
その笑顔に胸がチクッと痛み、思わず追加で叫んだ。
「でででも、へへヘビも良いかもっっっ?」
ああ・・・、このバカ処女
ここにきて今更な、ベッタベタ定番のツンデレ?
継母が見ていられずに、恥ずかしそうに顔を背けた。
その時、世界がゆっくりとにじんでいった。
続く
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Comments
“黒雪姫 34” への6件のフィードバック
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ご近所さんに小人たちが欲しいです…
多分上から眺めるだけで癒される!笑継母の保護者意識の滲み出た忠告にもニヤリ。
やっぱり、きっと良いコンビですね* -
↑の方と同じく…(笑)
小人ぉぉぉぉ!(身悶え) -
おぉおおお!なんとあまずっぱい展開!
黒雪の心にどんな変化が?!まさかついうっかり…だけではないですよね! -
ん
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miu、そう言えば保護者っぽいよね。
てか、立派な保護者だよね。
そうだったそうだった。ける、miuもそうだけど
小人萌えがよくわからんなあ。そういや、ふと思ったけど
出ぃずにー嫌いなのに
何で白雪姫のパロディを書いてるんだか。てか、王道のおとぎ話、
ほとんど出ぃずにーが権利取ってないか?
はっ、私、訴えられる?????ぷらちッ、それテスト書き込みだろ。
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ごめ! 久々の最悪見落とし!
のと、ほんと、ごめんーーー。
ぷらちッに突っ込もう突っ込もう、と構えてたせいだ。のと、ついうっかり・・・?
恋ってそういうものじゃなかったっけ? ぐへへ一応、この話、ロマンスも忘れてないから
勝負はここからだ! とか、今考えた言い訳・・・。
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