砂利に足を取られないように、板の上を歩く。
歩幅が合わずに、よろけつつ。
それが現実ではないという事は、すぐにわかった。
でもトンネルが見えた時には、いやだな、と思った。
薄暗さもだけど、列車が来ないかが恐い。
少し歩調を速めるけど、走る事はしない。
何となく。
トンネルの出口では、光の眩しさに
しばらく立ち尽くしてしまった。
目が慣れてきて、少しずつ視界が開ける。
遠くに女性が立っていた。
その小さな人影に、何故に真っ先に気付いたのか。
真っ青な空に、真っ赤な花畑の中
黒い髪に白い服のその女性だけ
まるで塗り忘れたかのように、色がなかったからである。
その女性は、こちらの存在をわかっていたかのように
ゆっくりと振り返った。
白も “色” なんだな、と気付いた。
山口・・・・・父親の会社の跡を継ぎ、危ぶまれつつも
人材に恵まれ、業績を安定して維持させる。
結婚後、一男一女の父となる。
福島・・・・・プログラマーになり、結婚後、子供も儲けるが
激務に離婚、離職。
田舎に移り住んで、土と共に暮らす人となる。
岡山・・・・・実家の神社を入り婿で存続させ
自分は、地元では有名な “霊能巫女” となる。
子供を3人産み、なお精力的に活動をする。
石川・・・・・ゼロの言い付けを守って、キャリア官僚をゲットするも
第二子を産む際の、夫の浮気が原因で別居。
そろそろ許してあげてもいいか、と高飛車中。
長野太郎・・・
終わり
< おまけ >
スピリチュアル・長崎は、ゼロ捜索時の働きを買われて
探偵会社に就職した。
後の霊能力探偵の誕生である。
が、この話を広げたくはない。
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亡き人 40
Comments
“亡き人 40” への3件のフィードバック
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うぅ…。 長野は??
ゼロさんと一緒に成仏しちゃったの?
なんか、せつないです。 -
「亡き人」もとても面白かったです!
導入部から引き込まれまくりでした。
展開も予想外なことばかりで、先が読めず毎回「早く続きを…」と思っていました。最終話は光景の美しさと登場人物の感情を想像してしまって、
悲しいような苦しいような、それでいて幸せなような不思議な心地です。
この気持ちを上手く表現できないのが、もどかしい… -
ゆずにはそう思えるんだな。
そういう感想が、とても刺激になるよ
ありがとう。あまぐり、えっ、この話を好きだったんか?
いつもいつも、皆すまん、どうしても書きたいんだ
我慢してくれ、と思いつつアップしてたよー。ありがとう。
今後も自分本位に小説を書いていくよー。
(と、あまぐりを共犯者に)この “亡き人” の見苦しい言い訳を
“後書き” と称して
今日 (2011.8.1) にアップするぜ。月始め早々から、土下座記事とは
今月も散々な日々が待ってそうで不吉ーーー。
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