今、日本中が浅田真央選手を思いやっている事であろう。
かくいう私も、飯時にちょっとTVを点けたら
ニュースでその話をやってて
食わなきゃ体が冷えて動かなくなる、この寒い時期に
むっちゃ飯、大事なのに、もらい泣き号泣で食欲ダウン
ここ数年、TVを点けて良い事があった試しがねえ!
それでなくとも冬場は、年寄り仲間がひとり抜けふたり抜け
と、するので、暗鬱たる気分になるのだが
ここは、そういう自分の寿命グチは置いといて
世の子供たちに教えておこう。
親の死は当たり前!
うちのかあちゃんは、本来なら私を産む前に
とっくに死んでいるはずの難病を患っていたので
幼い私に向かって、「あなたが小学校に入るまで生きていられたら」
小学生の私に、「あなたが中学生になるまで生きていられたら」
中学生では、「あなたが高校生になるまで生きていられたら」
で、私が高校生になって、ようやく
自分が死ぬ死ぬ詐欺をやってた事に気付いたのか
Death系の話題はしなくなったが
どういう出番を感じたのか、次はとうちゃんが大晦日の度に
「来年も家族皆で正月を迎えられると良いんじゃが・・・。」
と、始めるようになった。
明日がその、“来年の正月” なんだが
と突っ込むと怒られそうなので、黙っていたのは親孝行!
とまあ、親が年老いてから産まれた子供は
常に親からの、寿命カウントダウンのプレッシャーが掛けられ
家を出る度に、これが最後かも、と思い続けてきたわけだ。
うちの親の凄いところは、その最期。
とうちゃんは、死因もわからない変死だし
かあちゃんは、院内感染で私の顔を見た途端に危篤だし
最後の最後まで、さすがうちの親だと感心させられる展開。
で、親の死を覚悟していた子供は
立派に親を見送れたのか? というと
兄妹ともどもパニくって、超・変なテンション!
何かもう、覚悟は済んでるはずなのに、親が死んだとわかってるのに
悲しみが1個もなくて、次なんだっけ? 葬儀社の手配?
誰呼ぶの? いつ呼ぶの? どうやって呼ぶの? みたいな
まるで、大爆笑しながらライオンに追われているような数日間だった。
いや、兄と私がバカ過ぎるだけなんだけど
うちの親の葬儀は、どっちも “葬式狂想曲” みたいな
てんやわんやのしっちゃかめっちゃかな雰囲気で
あの葬式で成仏できるなら、世話ないと思う・・・。
私が真に泣けたのは、かあちゃんが死んでから丁度30日目に
夢でかあちゃんが別れに来てくれた時だった。
かあちゃんが行くのを、1秒でも引き止めようとしていた私は
やっと親の死を悲しむ子供になれた。
ちなみにとうちゃんの時は、死神みたいな白装束のじいさんが来て
おまえの父親は地獄?に堕ちた?みたいな事を
覚えられない仏教用語多用で怒鳴ってきたので
あーあ、とうちゃん、やらかしたな、と思った。
私の話は絶対に “良い話” で終わらせねえぞ。
ま、とうちゃんの成仏を祈ってるけどさ。
だから今でも、葬儀で泣いている人を見ると
瞬時に現実を受け止められるなんて、本当に凄いと尊敬するよ。
そういう、マトモじゃない事ばかりやってる私に
何ひとつ助言されたくはないだろうが
私が、したり顔で偉そぶって言いたいんで聞け。
親は必ず死ぬ。
死ななければ、ちょっとヤバい生き物かも知れない。
というホラー好きの間の悪い冗談はともかく、
“逆縁”(ぎゃくえん) って言葉を知ってるか?
親より先に、子供が死ぬ事だ。
これ以上の悲しみは世にない、とされている。
まあ、親子関係にも色々あろうけど
とにかく自分の死を子供に見せる事が、親の最後の子育てなのだ。
親の死を喜べ、とは言わないけど
逆縁をしなくて済んだのは、良かったと思うべきだと言いたい。
いつだって、見送る側がより悲しいんだ。
その悲しみを持って生きて行くのが、子供の義務だ。
ちょっと不安になって、“逆縁” を調べてみた。
元は仏教用語で、悪い事をして反省して仏門に入る事だってさ。
基本的には、“順序が逆” って事を指して
姉より妹が先に結婚する、とかいう場合にも使われるらしい。
その中に、年長者が年下の者の葬式をする事、とあって
もちろん親が子の葬式をする事も含まれているんで
私の記憶は、やっぱり天才的だったわけだ。
めでたし、めでたし、と。
評価: 新宿銀の蔵
コメント:何か最近、皆こういうのをしてるよなー。 一体どこで誰が流行らせたんだ? と、常々疑問だったところに、知人がしてたんで意味を訊いたら、真面目な宗教だった・・・。 年齢層でガチさが違うものだと実感! |
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