愛犬家の私が、結婚期間中に
アフガンハウンドとゴールデンレトリーバーと暮らしていた時の話。
普段、犬たちは犬部屋の中のバリケンネルで寝るのだが
盆正月等に元夫が懇願した時などだけ
居間に布団を敷いて、たまに一緒に寝ていたのである。
私はこの行事が大嫌いであった。
愛犬家の言葉とも思えないであろうが、ただでさえ不眠なのに
犬と一緒に寝てたら、夜中に起こされてたまらないからである。
アフガンは “一番上等なところ” に陣取る。
それが、アフガンの特性なのだそうだ。
布団を敷いた場合、それが私の胴体上なのだ。
犬ごときにでも (愛犬家?)、良い評価をされると素直に嬉しいが
この場合の高評価は、“敷布団” としての評価なので
「ふざけんな! 向こうに行け!」 と、追い払うのだが (愛犬家?)
夜中に苦しくて苦しくて目を覚ますと
ちゃっかり舞い戻り、優雅に人の体の上でお休みになっていらっしゃる。
ある時など明け方目を覚ますと、目の前に金髪の後頭部があった。
「何で隣に外人が!!!!!!!!」 と、激しく動揺し
恐る恐る覗き込むと、アフガンだった。
こいつは私を叩き落し、自分の頭を私専用の枕に乗せて
伸び伸びと熟睡なさってたわけだ。
掛け布団も、どうやったかはわからんがしっかり肩まで掛けていた。
もちろん 「おめえ一体何様だよ!」 と、放り出したが (愛犬家?)
酒に酔わないせいで経験のなかった、“朝起きて知らない人と寝ていた”
という過ちをした瞬間の気分が、何となくわかったのは収穫だった。
↓ この話を裏付ける画像発見
このようにアフガンは呼ばずとも勝手に布団に来るが
ゴールデンは 「寝るよー」 と声を掛けても
遠くに座って、目を細めてウジウジしていて動かない。
ああ、また何か被害者ぶってるよ・・・と、放置して寝ると
数分後にチャッ・・・チャッ・・・と、音がする。
ゴールデンがこっちにゆっくり歩いて来る足音である。
布団の上に寝転ぶのかと思いきや、枕元でジーーーッと立っている。
その鼻息が、ブシューブシューと顔に拭きかかり
時々鼻水のしぶきまで飛んできて 「もう!」 と、向こうに押しやると
またそのまま立ちすくんでくれて、ほんと心霊現象のようで恐い。
しょうがないので起きて、「布団の上に寝るんだよ」 と
体を抱えようとすると、ウ~~~ッとうなって威嚇する。
それでも何とか布団の上に押し倒すと
何をハマり込んどるのか、今度は押し倒された時の姿勢のまま
仰向けで両手両足4本を天に向かって突き出したまま、固まっている。
もう、こいつが何をしたいのか、まったくわからんので諦めて寝ると
数分後にいきなり、立とうとジタバタし始め
手がガスッと当たり、足がポスッとめり込み
人を散々殴る蹴るしたあげくにやっと立ち上がり、またその場で立ちすくむ。
時々スイッチが入る何かの機械のようで、とても不気味である。
その間アフガン様も元夫も、我関せず特等席で高貴にご就寝。
こんな事を何度か繰り返したが
ゴールデンの心情がまったく理解できなかったので
構わずに寝るようにしていた。
そしたらある朝、ビビッビビッという不穏な音で目が覚めた。
何だろう・・・と寝ぼけつつ体を起こしたら
なんと、ゴールデンが布団を引き裂いていた!!!!!!!!
時計を見ると朝の5時前。
自力でどうにかしようと思ったが
布団は人体解剖のように、中央から縦に切られており
そこからものすげえ軽ろやかそうな羽毛がワラワラと顔を出している。
もう、眠気も一瞬で吹き飛んだが、羽毛はもっと吹き飛びそうである。
ヘタに動かしたら、羽毛が部屋中に舞い散って大変な事になる、と瞬時に判断し
ブーブー言う元夫を叩き起こし、何とか布団を丸ごとゴミ袋に詰め込んだ。
この事件以来、二度と犬とは寝る事はなくなった。
破かれて使いものにならなくなった羽毛布団は、元飼い主である私の実家に
「ゴールデンが羽毛布団をムチャクチャにしてくれた」 と、グチをこぼしたら
後日、5倍ぐらい良い物がデパートから送られてきた。
ちょっとゴールデンに感謝した部分があるのも否めない。
寝苦しくて目覚めた朝、ふと思い出した昔の話。
私、どんどんババアになるから、昔話を何度も繰り返すようになるからね!
(何の恫喝やら)
評価: 西川産業
コメント:破れた5千円のマットレスを買い換えたいんだが、これ良いなあ。 約4万円か・・・。 歳を取ると寝ている時も鈍くなるようで、寝相が悪い私でも、ずっと同じ姿勢で固まって動けなくなったりするんだよー。 寝具、大事だとつくづく思う。 4万か・・・。 |
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