ババアと有効距離

老化報告 12.7.5 で、敗北宣言をした私は
やさぐれの真っ最中で、服などどうでも良い心境にまで落ちていたが
まさか裸で徘徊するわけにもいかないし
時は、年に一度の夏のバーゲン。
 
ババアで貧乏でブサイクで頭が気の毒で性格が悪いので
バーゲンでしか良い服を買えないのも、しょうがねえよな
と、とことん反抗的な気分で、デパートに行ったさ。
 
 
私がデパートが好きなのはな
短距離間内に多くの店があるからなのと
ヘンな店員さんがいないからだ!
 
特にデパートのショップは、とことんチヤホヤしてくれるので
気持ちアゲ目的で、毎日でも入り浸っていたいのだが
財力がハンパなく、I have no money なので
夏冬のバーゲン時だけ出没する、貧乏神化になっておるんだ。
 
 
ここでまたひとつ、心が地面にメリ込む話をしよう。
大抵のデパートでは、女性のファッション売り場が3~5階あるのだが
年齢が上がると、適応売り場も上の階へと上がっていく。
階が上がるにつれ、服の値段も上がっていく。
 
この国では、ババアは裕福前提!!!
 
私なんか、もうファッションフロア最上階の住人なので
冗談抜きで、バーゲンしかも50%OFFの時しか
買いに行けないのだよ・・・。
 
 
と言う事で、初手からファッションフロア最上階に直行した私。
グルリと全体を回って、良さげなサマーニットを見つけた。
 
接客に来てくれた店員さんの年齢や服を見て
うん、私はここで服を買って良い、と確信。
 
「何かお探しですか?」「ええ、半そでニットを」
ここまでは通常のやり取りなのだが、こっからが転落。
「贈り物ですか?」「? いえ、自分用ですが。」
 
あー、これ半そでじゃないんですねえ とか言いつつ
服を広げて見ている私の横で、店員さんが何か言いたげ。
 
「これ、どうですか?」 と、体に服をあてて訊くと
「とてもお似合いだとは思いますが、入りますかね?」
え? とプチパニくり、「入らないですかね?」 と質問に質問で応えると
「ここは小さいサイズの売り場なので、お客様には入らないかと。」
 
そこでハッと気付く。
その店員さんを見おろしている事に。
店員さん、ものすごく小さいのである。
 
「あー、それは失礼いたしましたー。」 と謝ると
店員さんは、普通のサイズ売り場まで案内してくれたさ。
 
 
・・・ここで終わらないのが私。
他のショップで、「これ、良いですねー」 と服を広げていたら
「はい、とてもお似合いですが、ここは大きいサイズなので・・・。」
 
これ、ネタじゃなくマジで。
服はゆったり着たいので、LやLLを着ているから大丈夫だろと思ったが
専門的?な大きいサイズの売り場だったらしい。
 
ここでも、ほんとすいませんほんとすいません、と
“普通” のサイズのところに連行されて
ほんと、ボケ老人の迷子誘導のようで情けなかったぜ。
 
 
皆、今はサイズで売り場が分かれているデパートもあるみたいだぞ。
・・・いや、昔からあるのかも知れないけど
昔は買うブランドを決めてたんで、気付かなかったんだ。
 
気付いた今でも、デパートでは物欲に目の色が変わるので
周囲が見えていないで、また同じ過ちを繰り返すのが私だがな。
 
好きなブランドのことごとくが、年齢に合わなくなって
知らなかった上層ブランドの名前を覚える記憶力も低下したので
漂流買いになってしまい、無差別購入をしているのだが
ブランドに頼れない上に微妙な年齢って、難しい!!!
 
 
・・・ここまでが前置きだったら怒る?
今回はやたらボケを連発したので
ここで報告しないと何のために恥をかいたのか
 
いや、ブログを書くために恥をかいてるわけじゃないぞ!
 
 
でな、ナイスバディーの私は、大抵の服は似合うんだよ。
首から下だけ見ればな。
 
顔のつくり、ファッションと大いに関係あるよな・・・。
貧相な顔だと、フリル系やフェミニン系が似合わねえ似合わねえ。
好みが軍服系だから良いけどさ。
 
そんな私が試着をしたら、全似合いお買い上げ決定なのは当たり前。
そこで必ず数着は着てみる。
一番似合うのを店員さんに選んでもらえば、間違いない。
 
 
今回は、ババア入門で卑屈になっていたので
店員さんに、「私、○歳なんですが、これ、許されますかねえ」 と
ほんとすいませんほんとすいません的に弱腰に。
 
すると店員さん、「お客様、実年齢より見た目年齢で考えるべきですよ。」
その見た目年齢がアウトコースになったから、終わったんじゃん!
と、イライラしつつも、試着して鏡の前に立つと
 
あれ? 私、すっげえイケてる?
 
 
ここで注意を。
服屋さんの鏡はちょい縦長に映るので、誰でもステキに見える。
つまり私なら、もんのすげええええええ格好良く見えるのだよ。
そこを差っ引いて、落ち着いて考えねばならんのだ。
 
ここらへんは、いつもとても冷静に見るのだが
今回も、いつもと変わらずお似合いで格好良い。
 
どういう事だろう??? と、しばし鏡の前で悩む。
店員さんに3着の中から選んでもらったのは、一番若々しい服。
 
帰宅して洗面所の鏡の前で着ると、似合ってるけどババア。
それを着て、スーパーのガラスに映ってるのを見ると、すんげえ格好良い。
 
もうわかったな?
 
歳を取ったら、通用する距離が遠くなるのだ!!!
 
20代なら、友人との30cm距離でも大丈夫。
30代なら、1mは間隔を取りたい。
歳を重ねる毎に、その距離が伸びて
今の私は、3mあれば何とかまだ “女の土俵” に立っていられるようだ。
うん、多分まだ3mでイケるはず。 いや、4か・・・?
 
 
若い頃は、唇! 目! と小さいパーツで勝負できてたものが
乳! 尻! と、アピール部分が大きくなり
歳を取ると、どんどんマクロの世界になっていって
「全体的雰囲気で何となく見て!!!」 になるのだな。
 
つまり、ババアはトータルファッションに命を懸けるべし!
髪も肌も服も靴もバッグも、全身で捉える必要があるのだ。
 
そうか、女性は誰しも、この時に向けて経験を積んでいくんだな・・・。
ババア・人体グローバル化、ヒイイイイイイイッッッ
 
 
鏡と5cm距離で皮膚を見つめて、肌の手入れをして
毛穴隠しに奔走してたんだから、早くこれに気付くべきだったのに
途中で “お手入れしないお手入れ” とかに行ってたもんで
そのまま、ミクロの世界に漂っていたんだよなあ。
 
時々外の鏡でふいに自分を見て、おお! 格好良い! とか
自画自賛している割には、そこまで気にしてないっつーか
ザツな性格だもんで、その時に調子に乗るだけで終わって
深く掘り下げなかったのが、私のクソバカ野郎なとこだよなあ・・・。
 
 
皆、もう気付いてるかも知れないが
年齢とともに、自分のアピール面積を広く考えて
大事な人とは距離を取って接するようにな。
性交渉は暗闇の中のみでだぞ。
 
ババアは遠目で勝負!
 
 

評価:

金曜日


¥ 1,050

(2005-04)

コメント:この類の本は、自分の意見を構成していく過程で出会うひとつの説、として捉えるべきだと思うんだ。 人生にソースはない。イカリじゃないぞ。 自分が経験してきた事をベースに、勘で選択していくしかないんだ。 そのために色んな事を見聞きし続けようぜ。

Comments

“ババアと有効距離” への7件のフィードバック

  1. きりこのアバター
    きりこ

    つい先日、同じように思っていたところでした。
    近くで見せるより全身で勝負すべきだな、と。

    でもね、普通に連れ合いがいたりすると
    同じように歳とるので 老眼で近くは見えにくくなっていたりするもんです。
    神様は結構意地悪ではないのですよ。

  2. あしゅのアバター
    あしゅ

    きりこちゃん、そうか
    “連れ合い” の存在があったよな。
    それは近距離ではありがたい。

    ・・・それで思い出したけど
    ちょっと怒り狂わせて。

    おしゃれでは、連れ合い、どうでもよくねえ?
    てか邪魔!

    ヘタにこっちの実年齢を知ってるもんだから
    保守的に 「その格好、若すぎない?」 とか
    グロスが光りすぎるとか、派手なマニキュアするなとか
    嫉妬深かったら、「胸が目立ちすぎる」 とか
    「スカートをはいて誰に足を見せたいのか」 とか
    テンションだだ下がるんだよおおおおおおっっっ!

    ついエキサイトしてしまったけど
    ・・・あるよね?

    結局、美容やおしゃれって、自分のためにするものだから
    いつも一緒にいる連れ合いのヌルい評価より
    厳しい女友達の直球意見や
    知人程度の付き合いの影での噂や
    道をすれ違うだけの人の視線が気になるよな。

    愛を加えないシビアな意見で
    高評価を得るのが一番嬉しい!!!

    神様は優しいけど
    悪魔が意地悪をするんじゃないか?
    ふひひひひ

  3. きりこのアバター
    きりこ

    うわぁぁぁ、それはテンション下がります。
    思い通りのお洒落を楽しめないのは哀しいですね。
    時々そういう話を聞くのですが 私はそういうタイプにはあたったことはなく
    若い時は完全ケバめ露出路線でしたが軋轢なしでした。
    主人も本人がお洒落なせいか その辺否定ないです。

    今はおばはんですが あしゅさんと同じく自分のボディシェイプ絶賛タイプで
    服でカバーすべき体型ではない故にシンプル路線。
    主人が 「その組合せは下品」「それ脚が綺麗に見える」等々指摘してくれるのを
    まるまる信用しています。
    ぬるいかなあ、結構厳しいと思います。いい意味で。

    化粧も、眉の形や チークやクチビルの色がその日の服に合う合わない等
    チェックしてくれるので ありがたいですよー。
    さらに言うと 彼は洗濯、アイロン、靴の手入れに自分でこだわる人で
    私の服は彼のおかげでいつも完璧です。
    すみません、自慢ばかりです。

    誰に見せるのか?惚れた男にです、私は。
    毎日の出勤時より 休日に主人と出かける時の方が綺麗でいたい。
    良い時はちゃんと絶賛してくれるのも気分良いです。

  4. あしゅのアバター
    あしゅ

    ききききりこちゃん、羨ましいぞーーーーー!!!
    そういう人、滅多にいないと思う。
    自慢カモーン、どんどんして!

    そう!
    ボディーがナイスだと、服がシンプルになる!
    だってボディーを見せたいんだもん。
    ゆえに、チュニックとか敵!
    体のラインを見せるには、シンプル イズ ベスト!

    誰に見せる、私はそこらの通行人だな。
    余裕を持って、5mぐらい距離を取って
    顔を隠しつつ、体だけ見せたいわ。

    ・・・何か、妙な風俗みたいだな・・・。

  5. ジャクチョウのアバター
    ジャクチョウ

    おいっす!

    洋服のサイズってのは、実にいい加減なところがある。

    きついLサイズもあれば、余裕のMサイズもある。

    サイズにこだわるより、実物を手にとって見ただけでも
    ありゃ、こりゃサイズにしちゃ大きいんじゃないか?
    あるいはその逆なこともあるから、おいらは
    サイズは一応の目安でしかないと考えてる。

    あと年齢が上になったらいいものを着なきゃいけない
    ってのは幻想に過ぎない。

    各家庭に寄る。各人の金銭的状況にも寄る。

    おいらみたいに今後が大変な人間は、いくら
    年齢が上がっても、ブランド物で上から下まで
    統一するようなファッションは無理。

    実際、安くて、自宅でガシガシ洗濯機で洗える
    ような服の方が経済的だよ。
    クリーニングに持って行く必要がないしさ。

    自分の老後を考えたら、高い服なんて買ってられない。
    おいらは半額どころか、底値の服で十分だよ。

  6. あしゅのアバター
    あしゅ

    ジャクチョウちゃん、そうだよね・・・。
    私も良い服を買ってる場合ではないけど
    生きてるだけの日々になってしまいそうなんで
    “女の必要経費” は、惜しみつつも使ってるよ。

    でも私が一番格好良いのは
    タンクトップにカーゴパンツの
    ブルース・ウィリスファッションだと気付いたよ。

    自衛隊 (陸上) に入ってれば良かったかも・・・。

  7. あしゅのアバター
    あしゅ

    私が意見だと思えない1行コメントだったので
    削除しました。

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