大事な形見・続報

私はお金よりも、物に執着する性格なんだけど
それでも “値段” って、ものすごく大事だと思う。
 
“こんなに高い靴を履いている私 (はぁと)” だけじゃなく
“こんなに安くて良い靴を見つけた私 (はぁと)” もある
と金持ちから貧乏に転落して、知る事が出来た。
 
「値段なんて関係ない」 と言うやつは
何百万円の茶碗で茶ぁを飲んでみい。
ももももし、これを落としたら・・・、と
リアル・メンタル・アクティビティーが味わえる。
 
1億円の絵を前に、これを爪でかきむしったら
という誘惑にときめく事もある。
 
“値段” ってな、人心をものすごく揺り動かすぞ。
 
 
そんなケタ違いの話ではなくとも
興味がない分野だと、値段で判断せざるを得ない場合が多い。
 
これが不思議な事に、“高いほど偉いわけでもない”
というのが、値段の罠。
 
 
車社会にいた頃は、車はステータスのひとつだったので
周囲に、ものすごくお金を掛けている人が多かった。
 
ホイル1個が50万円 (タイヤは4つ)
おい、その足元に200万? みたいに。
ボロアパートに住んで、ベンツAMGだったり。
 
そりゃあ、人の勝手だけれど、理解されないお金の使い方には
それなりの評価が付いて回るのは、覚悟せねばならない。
 
私も、ボロレビンにいくらつぎ込んだか・・・。
主に修理代だったけど、足回りをちょっといじくっちゃったんで
正直、86が新車で買えたぜ。
レビンと言えば86と思われるんで、86に逆恨みしてるがな。
私のレビンはTE71!!!
 
 
飲みに行って、店の客全員におごって
一晩で数百万使った、とか聞くと
まあ、そういう人がいるから、日本経済も回るんだろうけど
と思うけど、それが親兄弟夫彼氏なら、しばき倒しとる。
 
物体執着属性なんで、せめて残るものに金を使って欲しい。
・・・と、今までは思っておりました。
 
 
うちのかあちゃんが死ぬ前に
着物も宝石も全部あなたに遺すわね、と言ってて
そういうのに興味がない私は、ちゃんと
「値段を書いておいてくれないと大事にしないよ」
と言っておいたのに、そんな私を下品呼ばわりしたあげく
家中、あっちこっちにテキトーに置いてくれて
探すのにどんだけ苦労したか。
おめえはあちこちに食い物を隠す小動物か!
 
兄貴も、積み上げられた古い通販雑誌を前に
「某ニッセンとかめくってると、1万円札がはさまってる事があるんだよ
 だからウカツに捨てられないんだ。」 と、困っていた。
 
かあちゃんの死後、かあちゃんの妹、叔母が遺品整理に来てくれた。
叔母もお上品な人なので、その下衆さに嘆き悲しみつつ
国税庁の家捜しのごとく、ふたりで宝石を探しに探し
出てきたアクセ類は、何かものすげえ安っぽいデビ夫人系。
 
叔母も、今時は宝石もブランドの時代で、こんなんじゃ高く売れないから
“母親の形見” として、大事に取っておきなさい
と、よく聞き直すとえらいひでえ事を言いつつ
 
あ、着物を1枚ちょうだいね
誰とか作?の何とか (着物の名を知らないので忘れた) があるのよ
どうせあなた着ないでしょ? と、押し入れを開けたら
その高価な着物群が、桐箱に入れときゃ良いでしょ、みたいに
無造作に積み上げられていて
んで、開けたらカビびっしりで叔母、ひいいいいいいいいっ!
 
手ぶらで帰ろうとする叔母に、待って、着物全部持って帰って
私の手に負えん、と追いすがると
ニッコリ微笑んで、着物というのはクリーニングだけでも
ものすごい値段なのよ、それもああなったら、いくら掛かるか
だから、母親の形見略。
 
 
うちのかあちゃんは、ブランド無視の高価格派で
買えば気が済むタイプだったらしい。
 
私はしょうがねえので宝石だけは、宅配で関西に送り
着物は 「捨てろ」 と、兄に言い残して来た。
どうせ捨てられないさ。
兄もかあちゃんの遺伝か、捨てられない性格だし。
 
そういう性格が、銭を捨ててる事になっとるのにのお。
何だ、あの浪費は。
あんなん遺すんだったら、旅行とかバンバン行って
思い出と供にあの世に旅立ってほしかった、と普通は思うだろ?
 
だけど、うちのかあちゃんは旅行もバンバン行ってたんで
もう、マジで 現金! で遺してほしかった・・・。
 
 
と、ここまでが、いつか書いたあらすじ。
 
かあちゃんの命日がいつだったか忘れた ← ・・・
(これさあ、非難されるだろうけど、だったら人に訊けるか?
 可愛い可愛い愛娘だったのに、かあちゃんの命日忘れちゃいましたー
 とか、怒られるのはしょうがねえけど
 一生、非人道の烙印をベッタリ押されるのは、ほんとごめん。)
んだけど、2月の末、20日台という実に覚えにくい日だったので
それを思い出したら、着物の二の舞は踏むまい、と
アンド、うちにカビとか冗談じゃねえぞ、と
遺品のアクセを出してチェックしてるんだ。
 
叔母の、“ブランドものだけは大事にしなさい”
という下品な言いつけを肝に銘じていたんだが
今年は100均で乾燥剤を見つけたんで
おおっ!!! と、大量買いして
それを箱にいっちょいっちょ入れていたら
 
どれがどの箱に入っていたか、わからなくなりました
 
 
どどどどうしよう、と慌てまくって
友人に助言を求めたら、「重いのは本物らしいよ」 という
何時代の物々交換だよ? という意見を貰った。
 
・・・・・・下品デザインで、全部重いです・・・・・・・・・・
 
 
鑑定書とか英語だし、そもそもあのかあちゃんは値段派なので
全部、本物っちゅうたら本物なんだよな。
価値があるなしは別にして。
 
にしても、18金とかブランド名とか、本体に刻印してねえの?
もしかして、最初から入れてる物を間違えてた?
何か、ここらへん、ものすごく謎。
 
 
とりあえず入る箱に入れて、それをこの紙袋に入れておいて
これひとまとめで “かあちゃんの形見” として置いておくしかねえな。
 
真珠とか、すぐ腐るんで、綿の手袋で触らにゃならんし
物に執着するタイプには、貰いものって全体的に迷惑にしかならねえよ。
すぐ物に換えるんで、私にプレゼントは金券オンリーで頼みたいぜ。
 
 
あ、かあちゃんのアクセの中に、24金の指輪があるんだよ!
珍しいだろ? 24金のアクセなんて。
それな、素手でグニャグニャ曲がるんだ。
 
かあちゃんの指、ほっそくて、中指が私の小指の太さなんで
どれもはめようがないんだ。
小指にデカ石指輪とか、それ何の引っ掛け問題? (この高尚なダジャレ!)
 
でもその24金の指輪は切れてるんで、私の指に合わせようと
伸ばしてたら、ガタガタになってしもうた・・・。
 
これならアンティークだし、着けたいんだけど
ちょっと見苦しい・・・。
あんまり触るとブチ切りそうだし
これ、どうしたら真円になるかなあ・・・。
 
 
何か私、この形見に、えれえ苦労させられてる気がするんだけど
まさか祟られていねえよな・・・。
 
 
 

評価:

株式会社シンヤ


¥ 1,344

コメント:これな、美味いんだよーーー。 1度食べてみいよ。 24金指輪 → 金沢金箔 → 加賀お麩 で思い出したという。 これも、かあちゃんが教えてくれた食べ物のひとつだ。 

Comments

“大事な形見・続報” への2件のフィードバック

  1. なかりのアバター
    なかり

    当方18金にすら縁がございませんので
    (18禁には大変お世話になっておりますが)
    24金とは…全く想像が就きません。

    身体の末端部分は浮腫やすく
    手の指の寸法などはその日の体調によっても変化します。
    また純金や純銀は柔らかく耐性が無いので、
    日常的に動かす部分に身に付ける物としてはあまり適さないかと…
    特に手に付ける物は、ある程度の強度も必要です。

    宝飾品のリフォームを受けている業者さんがありますので
    お願いしてみるのも手かもしれません。
    指輪からイヤリングなどの摩擦が少ないアクセサリーに
    錬成する事も可能のようです。

    ホープの指輪のように曰くが無ければ
    多少の仕様変更は全く問題無いかと思います。

  2. あしゅのアバター
    あしゅ

    なかりちゃん、私にとってはホープかもw

    確かに24金は弱いから14~18金にまで
    混ぜ物をする、って聞いたよ。
    だから、この指輪はものすごく珍しいんだ。

    満州引き上げの万が一の時の予想をして
    母の母、つまり祖母がお金のいくらかを
    身に付けられるものに変えた内のひとつらしい。

    そういうアクセは付けやすいように
    そっけないデザインで、そういうのだけは好みなんだ。
    この24金指輪も、そのひとつらしい。

    私、アクセがうっとうしく感じるんで
    リフォームなんて、もったいねえし
    売っても、どうせ数万円とかだろうし
    しかも形見だから売れないしで
    もう、ここでグチるしかないから
    定期的にアクセたちの悪口を書いてるけど
    今度、写真も載せようっと。

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