雑誌広告

世の中では殺人や建設設計書偽造など、大きな事件が起きているが
今日はそういう事に噛み付く気分ではない。
というのも、物凄い物を見つけたからである。

私は雑誌の怪しい広告を読むのが大好きなんだが
久々のオオモノを発見した。
もう大興奮である。
イチャモンを付けられたらイヤなので、名はふせるが
モノは砂金入りのペンダント。

この砂金に力が宿っていて、女性の名を冠して
「S子砂金」 と、名づけられている。
これを身に付けたら、富がガッポガポだそうな。

これだけじゃ、何の変哲もない普通の怪しい商品なんだが
ミソは広告の売り文句。

砂金をS子さんに与えたS子さんの祖父は
政府直轄の錬金術師だったんだと。
 
  
錬 金 術 師 

地球上の海水には、50億トン以上の金が含まれていて
その採取と精製には特殊な技術が必要で
どの国も手を出せないが
第1次世界大戦時の日本政府だけは
錬金術を駆使して、海水から砂金を採ってて
これは歴史的に検証されているんだと!
S子さんの祖父は、そこで働く錬金術師だったんじゃないかと!

これを読んだ時は、感動したぜ。
今の時流を見極めた見事なマーケティング。
「鋼の錬金術師」 のヒットによる
“錬金術師” の知名度の広がりに目をつけ
海水に金が含有されている話はニュースでもやってて
皆よく知ってるだろうし
それを “技術大国ニッポン” だけが採取できるという
自負心をくすぐるストーリー。
第1次世界大戦という、ギリギリ技術的にありえるかも
な時代で、あの頃の日本の中枢部は陰で何をやってたか
わからないもんな、と、思える微妙な時期の選択。

いやあ、お見事!!
近年マレに見る広告戦術には感嘆させられたよ。

抽出されたただの海水の金に、何で富ガッポガポの力があるのか
そこらへんが、いまいち説得力がないのが惜しいが
錬金する時に何かのパワーでも注入した、っちゅう事にしとく?
じゃないと、錬金じゃなく単なる採取業だもんね。

もう、どこぞの秘境に眠る奇跡の石とか
ありふれてて、イマイチ面白くないんだよな。
こういう設定だと、「これで幸せになったぞ」 とか
のたまってるヤツのキャラしか見どころがないんで
今後は使用禁止にしてくれ。
“エリア51で捕獲されてるグレイノーズがパワーを与えた石”
“宇宙から移住してきた宇宙人が所有していた未知の物体”
“中国の野人が守る伝説の石をわけてもらった”
“ナチスの第4帝国が販売しているパワーストーン”
など、いくらでも設定できるだろう。

怪しい商品は企画が命!
ジャロを気にせず、人生を賭けて頑張れ!

怪しい広告を見る時は、住所とか電話番号に注目すべし。
使い回しされてる事があるぞ。
「ほお、この会社、今度はこの商品を作ったんかあ」
とか、発見できた時は、妙な達成感があるんだー。

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