CMというのは、世の中に広く会社名と商品を認知させる手段である。
商品の特徴を知らせて、興味を持ってもらおうというのと
会社や商品のイメージを固定させようというのと2種類ある。
生活用品には、商品の特性を伝えるものが多い。
これは現実的で手堅い主婦がターゲットだからだ。
他の商品との差別化で、「これを買うと得」 と思わせるのが第一。
逆に車などにはイメージ優先のCMが多い。
あまりに似たような作りのCMが多く
どの車種のCMだか区別がつかない事が多いが
車は衝動買いをせず、調べて買う物なので
CMで性能をうたう必要はなく
高級感やおしゃれさを消費者の脳にすり込んでおきたいのだ。
私には、芸術的に最も優れたCMを作っていると評価する会社がある。
それはキューピーである。
ほとんど注目もされないほどの地味さだが
このメーカーは、昔から美しいCMを作っていて
そのレベルが落ちないのも不思議である。
意識して見てみい、毎回すごく色使いや選曲が良いぞ。
食物の美を表現しながらも
ちゃんとキューピーだと印象付けているのが天才的。
CM制作で一番大変なのは、クライアントの説得である。
A社が広告代理店にCM制作を依頼する。
制作したCMがA社に気に入られれば放映であるが
これを決めるのはA社のお偉いさんたちだ。
広告代理店がどんなに印象的なCMを提案しても
何にでも口を出したがるくせに
新しい事にはまず拒否反応を示す頭の固い年寄りどもは
古臭い時代遅れを好み、なかなか納得しない。
これを口八丁手八丁で口説き落とすのが最大の難関だと言える。
だから、CMでその会社の方針、体質がわかるのである。
ところで、今やたら昔のロック (クイーンとか) が
TVで流れているのは何故かわかるか?
これは、その曲が流行った時代に青春だった年代が
順当に出世して、物事を決定できるようになったからである。
お偉いさんの思い出の曲を使うとオッケーがでやすいって事だ。
世の中を本当に動かしているのは、50代前後の年代だろうな。
「これが流れるとチャンネルを変える」 というほど
嫌いなCMってあるか?
世の視聴者は想像以上にCMに厳しい。
「CMが嫌いだから買わない使わない」 という意見も多い。
あるメーカーは、苦情が数件きたらそのCMを打ち切るという。
(ただし、ブラックリストに載ってるクレーマー以外の視聴者。
クレームを趣味にしている顧客?も多い。
リストに載りたくなかったら、クレームは厳選して言おう。
自分の意見が正当でも、反映されなくなるぞ。)
メーカーは自社CMの評判を結構気にしているのである。
だったら何故あのCMがオッケーになったんだろう? というCMがある。
それは小泉今日子の 「ジョジョービ ジョヴァー」 ってやつ。
スポーツドリンク?のCMだ。
あの歌声の気色悪さとともに、キョンキョンの姿が・・・。
贅肉だらけの体なのに、何故キャミドレスを?
しかも、だらしない立ち方で、あごをあげて歌うあの映像は
不潔感たっぷりで、やさぐれた女に見えて
初めて見た時は、脳内でガラス粉々イメージが展開したぜ。
確かに、おめえの中の “汚いモノ” が即効で出てるよ。
あれ、タレント的にナシだろうーーーーーーー。
CMなんだからCGでどうにかせんかあ?
それとも、次のCMで
「これを飲んでたから、こんなにキレイになりました」
と、キレイなキョンキョンが出てくるのか?
すげえ印象的だが、マイナスイメージで強烈なのはNGだろう。
あのドリンクも飲みたくないし、キョンキョンも見たくないし
関わりを一切拒否したくなるCMだ。
最後に、裏トリビアをひとつ。
CMに自社社長が出てくる会社はロクでもない。
これ、今までの大抵のCMに当てはまっている。
因果関係はわからんが、歴史が証明しているぞ。
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