容姿の衰え

禁断の免許証写真を撮ってから、少々落ち込んでいる。
心霊写真に勝る祟り能力だな、これは。

なんだか、自分の容色がゴッと落ちた気がするのだ。
ああ、もう “元女” かも・・・と、クヨクヨしている。

私でさえ、こういう事で悩むんだから
芸能人など、老化にどれだけ神経をすり減らしているんだろう?

常日頃、友人知人に 「お手入れせんと後で泣くぞ」
「私を見習え」 と、言いまくっていた手前
弱音を吐けるわけがない。 ・・・普通の神経なら。
しかし、そこを軽ーーーくすっ飛ばせるのが私。

「最近、自分の見栄えに自信がなくなってきたー」 と
あんた、あんだけ言ってて、どのツラ下げて? な
手の平返しなセリフで泣きついた。

さぞや罵倒されるだろうと思っていたんだが、皆
「そんな事ない。 まだまだいけるって」
「全然大丈夫だよ、若いって」 と、慰めに走るのだ。

この慈悲深さがまた悲しくて
「はあ・・・ 『まだまだ』 とか、『若い』 とか
 言われるのって、ババアの証拠なんだよな・・・」
と、嘆いたら、すんげえ怒られた。
「顔がどうあれ (ひでえーーーーーううう・・・) 
 そのスタイルを保ってるんだから、まだマシと思いなさいよ!」

「やれやれ、女って体重でしか判断せんのよなあ」
と、言ったのが、えれえな地雷原だったらしく
「勝手に悩んどれ!」 と、ガチャ切りされた。
こりゃ、後の詫び入れが大変だ・・・。

そもそも、こういう悩みを相談する場合は
「そうよねー」 みたいな共有感を求めるのが
女たちの暗黙の掟なのだが
私の場合、そんな傷の舐め合いは意味を成さない。

「おめえ、とにかくこの落ち込みを、全力で何とかせえ」
と、望むので、周囲にとても迷惑がられている。

実はこの衰えの原因は、何となくわかっているのだ。
最近、ときめいていないせいだ!
ただでさえ少ない女性ホルモンが、乾ききった心のせいで
秒速でゴゴッゴゴッと減っているような気がするーーーーー。

いや、ときめきはあるんだ。
しかし、それはハシビロコウだの、蛍光ペンだの
生き物ならまだしも、無機物までラインナップされていて
初手からヘンなプログラムでもされてるんじゃないか? と。

こんなこっちゃいかん、何とか人間の男を、と願うが
自分の恋愛スイッチがどこにあるのかがわからんので
こりゃもう、どうしようもねえだろう。

と、悶々と悩んでいたんだが、よーく考えると
元々恋愛体質じゃなかったのに、美肌を維持できてたんだから
ときめきだの、あまり関係ないんじゃないかあ?

あ、何か 「上手くいかないのは全部ブサイクなせい」 と
整形をする女性みたいな思考に陥ってたかも。
(この例えも、似て非だが)

こんなんでグダグダ悩んでるヒマがあったら
美容法に脳みそを使った方が建設的だぜ。
と、パソコンTVのメイク講座を観た。

ら、すんげえ衝撃を受けた!!!!!

女性同士でも、メイク姿をじっくり見る機会はあまりないのだ。
何か失礼だろ? 準備中を凝視するってさ。

その番組は、素人女性がメイクをして
プロが直すという企画なのだが
素人女性と言っても読者モデルで、半プロである。

その彼女らのメイク動作ってのが
ザーーーッ、ゴシゴシ、チャッチャッ、といった感じで
見ていられないほど、ザツに肌を扱うのである。
で、かなりの厚塗りで、ボカシもテキトー。

プロも見てて、「意外な性格がでますよねえ」 と、言ってるので
私の性格ってのは、慎重で丁寧で真面目なわけだ。
だって私、彼女らと同じ手順を5倍ぐらい時間掛けるもん。
メイク時間、1時間掛かるぜ?

常々 「メイク時間10分」 とか言ってる女性を
不思議に思っていたのだが、謎はすべて解けた!

おめえら、ザツ過ぎ!
そんな乱暴にやってたら、肌にも悪いって。

とは言え、自分の問題点も判明した。
私は、肌になじませようと、何度もぼかしすぎて
せっかく塗ったメイク料を、逆にふき取っていたわけだ。

ああ・・・、丁寧さが裏目に出てしまってた・・・。
石橋を叩いて壊すって、まさにこの事。
ショックで、しばらく倒れこんで起き上がれなかったぜ・・・。

人生、落とし穴がいっぱいだが
いちいちそれにハマって、しかも気付かんなんて
ほんっっっと、私、どんだけ気の毒な人なんだよーーーーー!!!

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