犬猿の仲だった、飼い犬アフガンハウンドと
(という事は、私が猿か!)
唯一、気が合ったのは、香りの趣味であった。
私の場合、外見のみだとスズランや百合などの
単品フローラル系が好みだろう、と、誤解される。
まったく、どんだけ清楚に見られてるんやら、困ったものである。
私の性格を知ってるヤツには
「シトラスやグリーンの、あっさり爽やか系が好みかと思った」
と、よく言われるので、過去にプレゼントされた香水は
ほとんどがルームコロン、もしくはトイレの芳香剤になっている。
(今、サラッと恩知らずな事を告白した気がする)
私の好みの香りは、ムスクなどの動物系や、白檀などの宗教系。
今では珍しい、重い香りなのである。
簡単に言えば、大抵の香水のラストノートで香る類の匂い。
シトラスやフルーツの香りが嫌いなのだが
今のほぼ全部の香水のトップノートに、これらが使われている。
最初から重苦しい匂いの香水は、今の新製品ではほとんどない。
最初の頃は、ゲランの夜間飛行を使っていたが
これもトップは爽やかなのが不満で、あれこれ物色していて
ここで役立ったのが、アフガンハウンドだった。
嗅覚というのは、体調によってまったく変わってくる。
香水を試す場合に、この微妙な体調が問題になるのだが
鈍なので、自分の体調がどうなのかがわからない。
そこで、香水のサンプルを貰い、アフガンに嗅がせるのである。
嫌いな匂いだった場合、ブシュブシュくしゃみをしながら逃げる。
好きな匂いの時は、シンナー吸引者のように
いつまでも鼻をくっつけて、スーハーやっている。
ただし、どんだけ我がままなんか
嫌いな香りを嗅がせた途端、逃げ出し
「ちょ、待て、もう1個あるんじゃあ!」 と
タックルして嗅がせるも、既に機嫌が悪くなってて
ヘタすると、そっからバトル勃発したりして
一度に1種類しか鑑定してもらえない事も多々あり
効率はひどく悪かった。
仲もより一層、険悪になるし・・・。
しかし、アフガンが好む匂いは、必ず私の好みなので
こいつを利用して、定番の香りを3つ見つけられたのである。
この利き香水? は、アフガン固有の技だったようで
ゴールデンレトリーバーの方は、私が何をしても
初手から被害者ヅラでフリーズしてくれていたので
まったく役には立たなかった。
ちなみに、私の定番の香り3つとは。
まず、Y.S.Lの “Y (イグレッグ)”
GUCCIの “No.3”
上の2つは好きだが、私の清純なイメージには合わないと思うので
外出用に、柔らかいフローラルブーケ系の
ポーラの “コンペフレグランス 1994”。
ポーラは、世界の調合士を集めて
香水のコンテストをやってた時期があって
1994年の題は、“ファム・ファタル (運命の女)” だった。
この香りは、知る人ぞ知る (早く言えばまったくの無名) 香りで
デパートのポーラカウンターでも、取り寄せないと買えない。
ものすごく良い香りで、誰も付けてないので
本当は、自分だけの秘密にしておきたかったのだが
あまりにも誰ひとり知らないので (でも褒められるぞ)
売れずに廃番になるのが恐いから、ここに書いたのである。
でも、もう既に売ってないかも・・・。
どこを探しても、画像すらないし。
かろうじて、イグレッグとNo.3は、まだ細々と売られているが
正直、時代遅れの香りだし、私のお上品なキャラとは合わないので
家の中のみでしか使えない。
他に探そうとは思っているが、今売られている香水には
まず私の好みはない、と断言できるので
いまいち探索の旅に出る気がしないのである。
今回は、いたるところにさりげなく自賛を散りばめられて
とても気分良く書けた。
楽しい週末が迎えられそうだ。
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