季節うつ病

水田にハマった事はあるか?
私は数度ハマったが、あれは底なし沼だな。
もがけばもがくほど、ズブズブとめり込んで行き、死を予感する。
何であんな危険地帯がフツーに存在してるんだよ、と思う。

ああ? 何で何度も同じ災害に遭うのかって?
犬が悪いんだよ!
飼ってた紀州犬と田んぼに遊びに行って
犬が歩く後をついて行くのに、私だけ泥に捕まるんだ。

あいつら、何で底なし沼を軽々と渡れるんだ?
それを見たら、大丈夫だと思うだろ。

ま、沈んでいく私を心配そうに見守っててくれたけど
眺めてても死ぬだけだって! 助けを呼びに行ってくれよー。
(その時は偶然通りがかった農作業のおじさんに救出された。
 が、その後、私が死にかぶってた ははは、と村で噂が広まった。)

季節うつ病とは、季節の変わり目になると自律神経の調子が狂い
その症状の一環としてうつ状態になる、という病気。
特に春は、進学や就職、転勤、引越しなどで
環境が変わる場合も多いので、精神状態が不安定になるらしい。

環境が変わって、最初は無我夢中で余裕がなかったけど
慣れて落ち着いてきた頃に、よく考えてみると
自分の希望してた状況と違う事に気付き
「こんなはずじゃなかった」 と、落ち込むのが五月病。

私は意味なく一年中無差別で、精神的にちょっとアレだが
やはり季節の変わり目は、体調が崩れる事が多い。

それが満開の桜など見た日にゃあ、どういう変なスイッチが入るんか
刹那の美というようなものを感じて、ものすごく悲しくなる。

それもこれも、「季節の変わり目だし」 で済ませているが
ウツウツして不安にさいなまれるのは、結構辛いものである。

そういう時は、自分の気持ちに目を向けてはいけない。
自分を大事にすると、水田にハマったあの時のように
ズブズブとマイナスの方向に心が引っ張られるからである。

理由があろうがなかろうが、自分の中の不安は無視が一番!
代わりに何を考えるかと言うと、感謝をするのだ。

「今生きていられる事に」 なんて、壮大なターゲットはやめとけ。
屋根のある場所に住んでることに、電気が点く事に、茶を飲める事に
一体どこの難民だ? と、思われそうだが
そういう生活に密着したこまごました事の方が、現実味があるんだよっ。

しかも “感謝” など、何の宗教だよ? な話だが
宗教ってそもそも人間を幸せにするためのものだろ。
“感謝” が基本なのは当然だろう。

宗教心など持たずとも、幸せになりたきゃ
マイナスに気を取られずに、良い事だけをほじくり出しゃいいんだよ。
パッと見、良い事がないなら、探すのも面倒なんで
手っ取り早く “感謝” で、強引にその現象の質を変換させるのさ。
これが、人生をしゃあしゃあと生き抜く知恵である。

後は、何度もここで書いてるように
この暫定措置もする気になれないほど落ち込んだ時のために
自分専用のキーワードを用意しておくといい。
これさえ唱えれば気がラクになる、という魔法の呪文だ。

なかなか見つからないかも知れないが
これがあると、すげえ便利な逃避の最終兵器になるぞ。

私の場合は、「ま、明日死ぬかも知れんし」 だ。
不安の迷宮から脱出できるリレミトと同じ効果を持つ。
ルーラはまだない。 どこに着地すりゃいいかわからんし。

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