お盆なので、冠婚葬祭の葬のあたりの話でも。
常識に欠けるので、用語がヘンかも知れないが
気付いたら、私の名誉を気遣いつつ優しく注意してくれ。
葬式と言えば、必ずショックを受けながら参列している。
見ず知らずの人の葬式に義理出席をしていても
“人が死ぬ” という事実に、毎回毎回衝撃を受けるのだ。
遺族の悲しみにもらい泣きもして、結構嫌な行事である。
特にお坊さんの読経は辛い。
葬式中は、(たとえ自分と無関係の式でも) 常に動揺しているので
眠くはならないのだが、ひどく退屈をする。
動揺と退屈が同時進行するものだとは驚きだ。
昨今は、読経もどんどん時間が短くなってきている傾向にあって
それは全員にとって、とてもありがたい事なのだが
もっと聴きたい! と思わせる読経が1度だけあった。
きらびやかな袈裟を着たお坊さんが3人入場。
一番年長のお坊さんが祭壇のまん前に座り
そのちょっと斜め後のデカい木魚の前にもうひとりが
最後のひとりは、木魚と反対側の斜め後にあるドラ?の前に立つ。
ドラ?は、木魚よりも後に位置していて
その位置配分も、何となく芸術的なバランスがある。
あー、こっからが長いんだよなー、とダラける参列者たち。
突然、ガアアアアアアアンと、ドラ?の大音響が響き
会場全員がビクーーーッッッとなる。
そして、3人のお坊さんの混声合唱。
木魚の叩く音も大きいが、何よりそのスピードとリズムが凄かった。
その合間合間にドラがガアアアアアンと鳴る。
ポクポクポクガアアアン ポクポクポクガアアアンみたいに。
こっこれはヘッドバンギングが出来るんじゃないか? というぐらいに!
日本の音楽はリズム感がなく、間延びした曲しかない、と思っていたのが
この3人の坊主によって覆された。
こんなにも熱く激しいビートが、まさか仏教で!!!
フィナーレ数十秒は、木魚とドラ?の連打。
ガアンガアンとすごい爆音だが、読経の声も負けじと凄い声量。
ドラ?の最後の大打撃でコンサートは終ったが
思わずスタンディングオベーションでアンコールをしたくなったぜ。
参列者たち全員、呆気に取られた表情だった。
その後、参列者たちの焼香の場面では
木魚とドラ?の担当者はいなくなり、中央のお坊さんのソロで
他の仏教と同じような読経をしていた。
こんな葬式は初めてだったので、もしかして新興宗教かなんかか?
と疑い、知人に訊いてみたら、普通の昔からある仏教だった。
あまりにも普通なので忘れたけど、天台宗か真言宗かどっちかだった。
ああいう読経なら、また聴きたいなあ。(できれば葬式以外で)
うちも葬式を主催した事が2度あるが
葬式って、ほんと坊さんの晴れ舞台だよな。
間近で見ると、あの袈裟、もんのすげえ細かい細工なんだぜ。
金糸銀糸が織り込まれてて、さぞ重かろうが。
今は亡きかあちゃんが、何かの時に誰かと喋っていたが
「○○の住職さんの声は素晴らしいわ。
△△のお坊さんは伸びがダメね。」
と、お坊さんの読経の声の評価をしていた。
坊さんの萌えポイントは読経の声らしい。
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