今年は柑橘類の神がうちの頭上に舞い降りてるようで
兄から河内みかんを貰ったそばから
友人から “たんかん” が送られてきた。
このたんかんは沖縄産で、見た目は汚い (失礼な) が
中身は皮が薄くて、ものすごくジューシーで甘いのである。
このたんかんの一番美味い食い方は、飲む事。
搾り器で搾って、ジュースとして飲むのである。
もちろん、普通のみかんの扱いをして
ちまちま食っても良いのだが、何せ皮が薄くて剥きにくい。
てか、何故か食うより飲む方が何倍も美味い。
もう、私の人生、これ以上に美味いフルーツジュースを飲んだ事がない
というほど、濃くて甘いオレンジジュースになる。
このたんかんジュースを知ってからは
巷のオレンジジュースが不味く感じるようになった。
真のオレンジを搾っても、イマイチだし
ジューススタンドで飲むオレンジ系生ジュースも
「でも、甘味料を入れてるよね?」 と、厳しい評価になってしまった。
たんかんってのは鹿児島にもあるようで、それを買った事もあるんだが
沖縄のたんかんと別物なんだ。
皮がブ厚くて、ジューシーじゃない。
搾って飲んでも、それほど美味しくない。
オレンジジュースにするなら、沖縄たんかんじゃないと納得出来ないのに
このたんかんは、冬の終わりに友人が気が向いて
送ってくれる時限定でしか、飲む事が出来ない。
入手困難な最高のものを知ると、逆に不幸になってしまうんだな。
こんな限定品賛美レポを読まされる方も
どうせえっちゅうんじゃ? って話だよな。
沖縄に知人がいる人が言ってたけど、たんかん、高価らしい。
数年前まで、毎年何箱もタダでホイホイ貰ってて
あげくが 「飽きたからもういらん」 まで言いたれていたんだが
(そのせいで数年の空きが生じた)
そ、それはとても無礼な事を・・・と、青たれて
いつもありがどうお礼は何がいい? と、一転しおらしく出たら
友人、ひとこと 「いらん!」。
友人ちでも、たんかんに飽きて腐らせているそうな。
自分の言動を棚に上げて、もったいない、贅沢な、と非難しまくったら
「自分ちの庭に柿の木があっても、実は全部食わんだろう。」
ああ・・・私はこいつのこういうとこが大好きなんだよな・・・
と、再確認させられる含蓄あるお言葉を頂けた。
“高価” と聞いて、たんかんに対する態度をコロッと変えるなど
自分がどうしようもない俗物なのも思い知らされた。
最近、老化初心者の疲れか、仏心が出て良い人になりかかっていたけど
鬼ババアになるためには初心に帰れ、というご神託かな、と。
いや、別に鬼ババアを目指しているわけじゃないが
人それぞれ、向き不向きっちゅうものがあるしな。
たんかんジュースを飲みながら、黒い心を取り戻すよ。
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