投稿者: あしゅ

  • 継母伝説・二番目の恋 58

    父公爵は、またまたご立腹であった。
     
    普通の男の人生なら、“花嫁の父” という
    最大に恩着せがましく威張れる場を失ったからではない。
    常に敬われる地位の国一番の公爵には、威張る必要がないのだ。
    その怒りの理由は、娘に次期国王を産む気がない、と気付いたからである。
     
     
    父公爵はずっと西国に行っていて、宮廷には長男が出廷していた。
    公爵領が王城の近所にもあるからこそ、出来る “通勤” で
    中央貴族でない者たちは、城下町に邸宅を構えなければならない。
     
    その長男の話では、先王妃の産んだ娘は
    “普通” の知能ではあるけど、とにかく元気だけは良いらしい。
     
    我が娘は、どうやら先王妃の娘に王位継承権1位を渡したいようじゃな。
    後妻の立場としては、正気の沙汰とは思えん。
     
    父公爵は召使いに旅支度を命じた。
    我が娘は、まだ自分を見失っているらしい。
    わし自らが見舞って、元気付けてやらねば。
     
     
    東国と西国の北側の国境は、険しい岩山が連なっていて
    とても歩けるものではない。
     
    チェルニ男爵領が東国の北西の端、西国との国境沿いだからと言っても
    馬車が通れる道は、東国中西部の平地をグルリと迂回せねばならず
    東国の首都に行くのと変わらない時間が掛かる。
     
    いや、道が悪いから、首都に戻る方がラクかも知れぬ
    我が娘は、こんな辺境の地に閉じ篭もっておるのか、と
    不憫に思う、父公爵。
     
     
    「国一番の公爵さまだって。」
    「おお、あれがお妃さまのお父さまでいらっしゃるのか。」
     
    街の者たちが、遠巻きに覗いている。
    ふむ、人は素朴そうなところだのお。
     
    父公爵が微笑んで手を振ったら
    思った以上に大きな歓声が上がり、少し驚く。
     
    「公爵さまだよ、公爵さまがおいでになられたよ!」
    「ご立派そうなお方じゃのお。」
     
    相変わらず距離は遠いが、どんどん増える見物人に
    別段、面白いものでもないのに、と
    父公爵は何だか申し訳ない気分になり
    供の者に、集まってきた者たちに菓子を振舞うよう命じた。
     
    娘への土産に持ってきた、西国の珍しい菓子の数々を配ってしまい
    純朴というのも一種の罠かもな、と疲労感が倍増する父公爵。
     
     
    「お父さま、遠いところをよくおいでになってくださりましたわ。」
    娘の顔付きは、昔通り、いや、昔以上に自信にあふれていた。
     
    父公爵は、その表情を見て即座に “慰め” を諦めた。
    と同時に、菓子大放出の諦めも付いた。
     
    今のこの娘には、菓子などいらぬであろう。
    無辜 (むこ) の民に喜んで貰えたので、それで良い。
    いや、このわしは菓子ごときでグダグダ言わぬがな。
     
     
    「おまえには、おまえの考えがあるのだろうな。」
    公爵家の娘は、その言葉に微笑む。
     
    「ええ。
     しかも国のためを想う考えですわ。」
     
    その言葉に、父公爵は黙り込んだ。
    今の東国で内戦の可能性など、低いであろうに
    我が娘は本気で王位を、先王妃の子に譲りたいというのか・・・。
     
     
    父親の落胆を見た公爵家の娘が、口からカップを離してクスクスと笑う。
    「いやですわ、お父さま。
     うちなら、王の系譜になどいつだって加われるではありませんか。」
     
     
    父公爵が、娘の完全復活を確信した瞬間であった。
     
     
     続く 
     
     
    関連記事: 継母伝説・二番目の恋 57 12.11.15 
          継母伝説・二番目の恋 59 12.11.29 
          
          継母伝説・二番目の恋 1 12.6.4 
          カテゴリー 小説・黒雪姫シリーズ 
          小説・目次 

  • ババア’s トーク 2 病気の巻き

    (ピンポーン)
     
    ヨネ 「具合はどうね?」
    ウメ 「だいぶよかばってん、体力がなかなか元に戻らんとたい。」
    ヨネ 「病院には行ったとね?」
    ウメ 「いや、もうちょっと元気にならんと行っきらんばいた。」
    ヨネ 「病院ほど、元気じゃないと行く気がせん場所もなかよね。」
    ウメ 「絶好調で行っても、風邪ば貰って来たりするきね。」
     
     
    ウメ 「にしても、引きこもりのおめえが、うちに来るなんて珍しかね。」
    ヨネ 「独居老人のおめえが寝込んだとなったら、しょんなかたい。
        食欲はあるとね?」
    ウメ 「まあ普通じゃけども、その強い匂いのするタッパーは何ね?」
    ヨネ 「キムチおかゆたい。」
    ウメ 「・・・ピリカラ作ね?」
    ヨネ 「うちの嫁以外に誰がおかゆにキムチを入れるね?」
     
    ウメ 「ピリカラ、おかゆの存在理由を知っとっとね?」
    ヨネ 「・・・おめえが突っ込むと思って
        ちゃんとコンビニでレトルト粥も買うて来たたい。」
    ウメ 「これは突っ込みじゃなかばってん
        おめえ、そぎゃん料理せん女だったかね?」
    ヨネ 「結婚当初に嫁に言われたったい。
       『おかあさんはこれからはノンビリしてくださいね。
        家庭に 主 婦 は ふ た り も い り ま せ ん し』 て。」
     
    ウメ 「ヒイイイイイイイイイッ!
        ピリカラ、意外に戦闘的な女だったてわけね?」
    ヨネ 「何かめんどそうだったけん、なるべく逆らわんようにしとったら
        その後しばらくして、古新聞の束に隠すように
        “結婚は最初が肝心”“姑はこうやってコントロール” とか
        わけわからん特集のマリッジ雑誌が捨てられとったけん
        いらん情報を仕入れて気張っとったようじゃね。」
    ウメ 「息子のエロ本を見つけて気まずかった数年後に
        嫁の禁断本を見つけたんなら、次は孫の番じゃろうね。
        おめえは “知り過ぎた祖母” として
        家族の秘密を発見してショックを受け続ける運命じゃねえ?」
     
    ヨネ 「勝手に人の運命ば、しかもいらん方向で決めんでくれんね?
        で、キムチにするね? レトルトにするね?」
    ウメ 「キムチにするたい。
        レトルトは腐らんけん、下の棚に入れといて。」
    ヨネ 「こんレジ袋の中身は全部もうおめえのもんね?」
    ウメ 「それが “お見舞い” じゃなかとね?」
    ヨネ 「まあ、そうじゃけど、何か腹立つ気がするがね。」
     
    ウメ 「あ、うちじゃ存分に主婦ぶってよかけんね。」
    ヨネ 「主婦ぶりたかわけでん、なかけども・・・
        て、何ね、この洗いもんの山は。」
    ウメ 「午前中にチヨさんが見舞いに来て
        自分で買うてきたケーキを自分で飲み食いして行かしたとよ。」
    ヨネ 「これ相手に主婦ぶれてね?」
    ウメ 「まだフラフラなとに、ブレンディを淹れるにも
        受け皿付きのウエッジウッドを、ちゅうちょなく使わすけん
        それ、誰が洗うとね? て、イライラさせられたったい。
        そもそもそれはコーヒーカップじゃなく、ティーカップで
        しかもうちじゃ飾り用に置いとるだけじゃて言いたかったたい。」
    ヨネ 「で、そのお高い食器をうちが洗わなんとね?」
    ウメ 「お礼に冷蔵庫のケーキ、食ってよかけん。」
    ヨネ 「家事のお礼がチヨさんの食い残してね?」
     
     
    ヨネ 「で、こん、ショボいロールケーキは何ね?」
    ウメ 「チヨさんがお取り寄せした、某三大ロールケーキのひとつてたい。
        さすがに実名は出しきらんけん、察してくれんね。」
    ヨネ 「・・・ああ・・・、とにかく有名なものが好きな
        うちの嫁が喜ぶもの、という事だけはわかったばい。」
    ウメ 「これがヤマザキパンで売っとるとなら、美味しいて思うけんど
        “パティスリー” で作られとるとなると、納得いかんよね。」
    ヨネ 「・・・“人それぞれ” で逃げさしてくれんね?」
    ウメ 「さすが、嫁に非戦闘員と見なされた姑じゃね。
        丸くなったたいねえ。」
    ヨネ 「そん、褒められとるようで、けなされとる気分にさせる物言いを
        おめえにさせたら秀逸たいね。」
    ウメ 「おめえほどじゃなかけどね。」
    ヨネ 「どっちもどっち、というこっで手打ちにせんね?」
    ウメ 「それが嫁をあざむく手口ね。」
    ヨネ 「否定はせんけどね。」
     
     
    ヨネ 「にしてん、おめえが万が一ん時はどぎゃんすりゃよかとね?」
    ウメ 「どぎゃんもせんでよかよ。
        ハエが異常発生したら隣近所が通報するじゃろ。」
    ヨネ 「そういうリアルな最期の話じゃなく
        知らせたい人とか、墓とかよ。
        おめえ、付き合いのある身内はもうおらんじゃろ?」
    ウメ 「うん、じゃけん、一番知らせたいのはおめえたい。
        葬式とかはいらんし、無縁仏でよかし。」
     
    ヨネ 「・・・わかったわん。
        葬式やら墓は、うちがどげえかしちゃるけん
        遺言と費用はちゃんと残しときなっせよ。」
    ウメ 「そうね? そりゃ嬉しかねえ。」
    ヨネ 「葬式費用の使用で、銀行やらと揉める事が多かそうだけん
        公証役場に行って、きちんとした遺言を作っておきなっせよ。」
    ウメ 「うん、わかったたい。」
     
     
    ヨネ 「さあて、充分に主婦をさせてもろうたけん、もう帰るたい。
        他に何かしてほしい事はなかね?」
    ウメ 「ああ、ひとつだけ。 出来れば、でよかけんど。」
    ヨネ 「何ね? ややこしか事は言いなすなよ。」
    ウメ 「うん、うちより先に死なんでほしか。」
    ヨネ 「・・・わかったたい。
        難しかばってん、鋭意努力するたい。」
     
     
    ヨネ 「んじゃ、何かあったら、すぐに連絡しなっせよ。」
    ウメ 「わかった。
        いざとなったら枕元に立つけん。」
    ヨネ 「だけん、そぎゃん縁起でもなか事ば言うなて!」
    ウメ 「ちょっと体力が落ちると、気も弱くなるとたい。」
    ヨネ 「だけんて、死ぬ死ぬ詐欺をしなすなよ!」
     
     
    ヨネ 「んじゃ、またな。」
    ウメ 「うん、またね。」
     
     
     

    評価:

    ウエッジウッド(Wedgwood)


    ¥ 9,818

    コメント:かあちゃんが持ってたのはこれ。 シンプルで好きだったけど、これで茶を飲んでたら兄が飛んできて激怒された。 普段使いするものじゃないのは、今初めて値段を見てわかった。 物の価値がわからないんだから、私対策に値札を付けといてくれよ! ヒイイイイッ

  • 病欠の言い訳

    皆さん、何日も更新を休んでしまって申し訳ありませんでした。
     
    新しい薬が合わなかったのは、4日で抜けたんだけど
    一番の問題は、飲まず食わずで1日寝た事が悪かったみたいなんだ。
     
    食が細いデメリットって、別に何もないかと思っていたんだけど
    今回ものすごく実感したよー。
     
    飲まず食わずは全然平気なんだけど
    その後の体力が中々戻らなくて、ただ座るだけでもしんどく
    通常の生活が出来なかったんで、ブログにも来れなかったんだ。
     
    たった1日の断食でこうなるとは・・・。
     
    皆、私に言われるまでもないだろうけど
    常日頃から食って運動して、体力を付けとくようにな。
     
     
    今もまだ、ちょっと下ネタじゃない方のハアハアなんだけど
    そもそも超・長文ブログじゃないなら
    こんぐらいの記事でも普通にアップできるんだよな・・・。
     
    長文ブログのデメリットにも気付いた!!!
     
    でも今週末のせっかくの連休も台無しにして
    年末大掃除も置いといて
    とにかく体力回復に食って寝るから
    来週からは、いつものペースに戻る事を
    約束・・・は出来ないけど、真面目に努力するよ。
     
     
    皆、心配かけてごめんね。
    そして、ありがとう。
     
    ババアに付き合う、と言う事は
    まず確実に冠婚葬祭の “葬” の部分に関わる、という事なので
    それも、ごめんね & ありがとう。
     
     
    はあ・・・、何歳になっても、“初体験” ってあるんだな・・・。
    今回は地獄をちょっと見たけど、死神も来なかったし
    しんどくて空しいだけの病欠だったよー。
     
    やっぱり何もない日々が一番幸せだね。
    でも、あの曲はアフィらないぜ!
     
     

    評価:

    沖縄ちゅら企画


    ¥ 2,680

    コメント:初体験” で検索かけたら、これが出てきたんだよー。 何でだ? つい、あらゆる妄想をしてしまい、「食い物で遊ぶな」 という道徳観念で育った私としては、ものすごく罪悪感にさいなまれておるんだけど、罪はアマゾンにあるよな?

  • 病欠

    休み明けに必ず体調を崩すヤツがおるが
    今回は、ほぼ私のせいじゃないぞ!

    いやあ、病院で貰ういつもの薬が変わったんだよ。
    そしたら合わなかったのか、どうかわからないけど
    嘔吐 & 昏睡状態で、週末ずっと臨死体験!

    覚せい剤は抜けるの、3日ぐらいだったよな?
    普通の薬もそんぐらいだろうか?
    だったら明日には復活できてるはずだけど
    飲まず食わずで、ひたすら寝てたもんで体力がゴッと落ちてて
    今、パソコンの前に座って、さすがの文豪もちょっと書けないぜ。

    と言う事で、ドーピングの副作用によりお休みさせて。
    ほんとすみませんほんとすみません

    ・・・何か、不謹慎な内容になっとるが
    真面目な薬が真面目に合わなかっただけなんで
    心配と通報はいらないからなー。

    皆も、ヤクには気をつけるんだぞー。
    んじゃ、クスリが抜けたら、すぐ来るから
    (ほんと、反社会的表現・・・)
    休んでごめんねー。

  • ミンティア シャープエバー フォーエバー

    ミントを探す旅の途中で、お勧めしてもらったミントを買ってみた。
    左から、カルディ ミント 国産 7g ね・・だん・・・、220円?
    中央、ヒントミント アイロニー・ブラックラベル ペパーミント
        アメリカ産 10g  ね・・だ・・・ん? 250円ぐらい?
    右、ミンティア ワイルド&クール 7g (50粒) ね・・・略
     
      
     
    何でこうも値段を忘れるのか、っちゅうと
    記事を書く時まで、覚えている自信があるからだ!
    なのに忘れてしまってるので、今度からなるべくメモっておくよ。
    ごめんな。 ほほほ ← 何故、笑う
     
     
    この2つのミントの容器が面白いので、開けた状態の画像も。
    アイロニーは上部スライド式蓋が全部取れるけど、その価値、不明。
    カルディは、最後の最後でストッパーがあるようで、蓋は独立しない。
     
    カルディ、詰め替え袋入りのお徳用があって
    それがえーと50gで、7g本体と同じ値段。 約220円なので
    多分、上蓋が取れ、プラスチック中蓋も取れると思うんだが
    分解して試したくない。 不器用ですから!
     
       
     
    以前の粒サイズ比較は、私の大いなる勘違いで終わったが (左画像)
    今回のミント粒のサイズは、明らかに違う。
     
     
     
    ミンティア粒を基準にすると
    カルディもアイロニーも、直径はミンティアと同じ。
    だが、アイロニーだけが、粒の厚みが約2倍の幅。
    カルディとミンティアの厚みは同じ。
    食った時の違和感もなし。
     
     
    味は、アイロニーは甘い。
    後味も、ちょっと甘い普通のペパーミント。
     
    カルディは、ミンティアのワイルド&クールに似ているけど
    後味に苦味が残る。 辛めなのかな。
     
    今までの総合で言うと、ペパーミントよりスペアミントが好きで
    ミンティアのシャープエバーが好みの私としては
    純粋な “ペパーミント” 味で言うと
    くっ・・・。
     
    フリスク・ペパーミント > トップバリュー > アイロニー >
    ミンティア・ワイルド&クール > カルディ の順。
     
    ジラとアルトイスは、常食はしない予定だしスペアミント味なので省いたけど
    スペアミントのランキングをするなら
     
    フリスク・スペアミント > ミンティア・シャープエバー
    ジラ・スペアミント > アルトイス・スペアミント
     
    つまり、私がフリスクを買わないのは、値段がネックなだけなのだ!
    次位についてるトップバリューは、何か素性が怪しいので買わない。
    カルディは後味が気になるけど、お徳用が魅力的すぎる値段なので
    慣れを期待して、常食はカルディが最有力候補である。
     
     
    ここで、お約束の説明書き重箱ほじくり。
     
    ・・・・・・・・・・・・あら・・・・・・・・・
    カルディの裏書きに
    「一度にたくさん食べるとお腹がゆるくなる事があります。」
    と書いてあって、キシリトールでも入っとんのか
    だったら弱腹ババアの私にはヤバいな、と材料丸写し。
     
    カルディ ミント 原材料名
     甘味料 (ソルビトール、アセスルファムK)、香料、ステアリン酸
     
    調べてみたら、合成甘味料に大量摂取で下痢を起こす作用のものが
    かなり多いみたいなので、どのミントでも大量摂取はすな、って事だな。
    詳しくは調べんぞ、私の負の自己暗示パワーはものすごいから!
     
     
    んでは、お待ちかね、ゆとりあるアメリカのミントの裏書き。
     
    ・・・・・・・・・・・・あら・・・・・・・・・
    何か、ほじくりようがないマトモさだわ。
     
    「天然ミントハーブを贅沢に使用した、
     ナチュラルで爽やかなテイストが魅力。」
     
    天然って事は、合成ミントも使用してるんか? と不安になるけど
    改行も美しいし、いじくりどころがない。
    つまらん・・・、輸入物はヘンな説明も味わいのひとつなのにー。
     
    あ、ついでだからアイロニーの材料も丸写ししとくよ。
    甘味料 (ソルビトール、スクラロース)、香料、ステアリン酸Ca
     
     
    もう、値段やら成分やら出自やら、どっかに必ずネックがあって
    たかがミントいっちょでも、貧乏人には制約が多いんか!
    と、心がどんどん、やさぐれてきて
     
    必要のない赤アルトイス (ペパーミント) に手を出したり
     
     
     
    トップバリューの詰め替え用を買ってみたり
     
     
     
    ついでにジラ青 (ペパーミント) も買ったり
     
     
     
    迷走に迷走をしてたら、・・・・・・あら・・・・・・?
     
     
     
    え? 何であるの?
    店員さん、もう入ってこないみたいに言ってたじゃん!
    もしかして最後の大放出?
    だったら買うよ? 買い占めるよ? 全部!!!
     
     
     
     
    その後、コンビニでもシャープエバーを発見。
    こ、これはまさか奇跡の復活か? とメーカーサイトを見に行ったら
    ミント一覧の中央に鎮座しておった。
     
    うわあああん、シャープエバー、お帰りーーー!
    今まで、値段のみの惰性でフリスクを横目に見ながら
    おめえを渋々買っていたけど、おめえがいなくなったら
    ものっすげえ苦労をさせられたよーーー。
     
    シャープエバー、おめえは最高のミントだよー、値段も含めて。
    今後も存在し続けてくれ、お願いーーー。
     
     
    で、めでたし、めでたし、と。
     
    あ、ここで土下座しつつ訂正を。
    「アルトイス」「アルトイス」 と連呼していたけど
    正しくは “アルトイズ” だった。
    SUじゃなく、ZU。
     
    何で “S” なのに “ズ” だよ? と憎みかけたけど
    全体名をよく見たら、ALTOIDS。
    Sの前にDがありましたとさ。
     
    ごめんね、アルトイズ!
    Dを大事にね。 (私がだ!)
     
     
    関連記事: ミント探しの旅 12.8.2
     
     

    評価:

    ビューティネイラー


    ¥ 588

    コメント:これ、フリスクにカパッとはめるタイプっぽい。 カルディ、フリスク、ミンティア、トップバリューの粒は同じサイズなので、これに詰め替えられる。 つまり全員、フリスクヅラ出来るわけだ。 ミント業界、弱肉強食・・・。

  • 継母伝説・二番目の恋 57

    王はチェルニ男爵領の州都にある、小さな教会の前で馬を停めた。
    王以外のすべての者が、馬ですらも、ゼイゼイ言う中
    公爵家の娘を抱きかかえたまま、教会のドアを蹴って中に入る王。
     
    その騒動に、窓から怪訝そうに顔を出した神官は
    多くの兵と馬、王の旗と領主の姿に驚愕し
    転げるように講堂へと入ってくる。
     
     
    「これから、そなたと結婚する。」
    公爵家の娘への王の言葉に、一番慌てたのが神官であった。
     
    「おおおおおお待ちになってください!
     わたくしめは、ほんの末席の神職。
     国王さまの結婚を見届ける地位にございません。
     すぐに首都から大神官さまをお呼びして・・・」
     
    「ここがどこだろうと、そなたが誰であろうと構わぬ。
     わしの結婚はわしが決める!」
     
    奇しくもその言葉は、南国の娘にプロポーズした言葉と同じであった。
    王もそれに気付き、わしも変わらんな、と少し苦笑した。
     
     
    抱きかかえられたまま、唖然とする公爵家の娘に王が言う。
    「そなたは、わし以外の者と結婚する気であったのだろう?
     そんな女に “契約” をせずして、ただ待つような
     愚かな男ではないぞ、わしは。」
     
    こう言われると、公爵家の娘には返す言葉もない。
    大人しく王に従うしかなかった。
     
     
    国の北西の端っこの、山あいの小さな街の小さな教会で
    緊張で祈りの言葉も忘れそうになる、今にも気絶しそうな神官の前で
    王は公爵家の娘に、膝を付き右手を胸にあてる。
     
    「東国の王の名において、そなたの願いはすべて叶えよう。
     どうか、わしと結婚をしてほしい。
     もう二度とわしの側を離れないでくれ。」
     
    公爵家の娘は、お辞儀をした。
    「謹んでお受けいたします。」
     
    見守るのは、チェルニ男爵と兵たち。
    高価な服装ではあったが、“王の結婚式” には
    不釣合いな地味な出で立ちのふたり。
     
    指輪も用意していなかったが
    このふたりに、そのような “印” は必要はなかった。
     
     
    式が終わって外に出ると、噂を聞きつけた街の人々が集まって来ていた。
    「ここにいる、そななたち全員が証人だ!
     わしらは互いに互いを待たせ、ようやくここに結ばれた。
     さあ、皆の者よ、祝ってくれ!」
     
    王妃の死後、公爵家の娘を待ち続けた王の再婚を、喜ばない者はいなかった。
    祝福の言葉が歓声になって飛び交った。
     
    チェルニ男爵の息子夫婦やその子らも、式には間に合わなかったが
    取るものも取りあえず駆けつけて、祝福の辞を述べた。
    初めての “貴人” の存在に、緊張してつっかえながら。
     
    その夜は、近隣の領主も駆けつけて
    街のいたるところで一晩中、盛大な宴が催された。
     
     
    後日、“王のご乱心” の話が国中を駆け巡った。
    その恋の激情に人々は酔いしれ、東国のロマンス劇の定番となる。
    王と公爵家の娘が式を挙げた教会は、観光名所となり
    その日は祝日となった。
     
    想像以上の王の勝手な大暴走に、渋い顔の大臣たちも
    国民の熱狂的な支持に許すしかなく
    首都の大神官長も、正式な式典の約束の取り付けで諦めるしかなかった。
     
     
    すべては、王の作戦勝ちであった。
    が、そのヤリ手の王も、公爵家の娘には敵わない。
     
    「わしに、これも待てと申すのか!」
    初夜の拒否に対するこの脅しも、倍返しをされる。
    「あたくしが何年待ったのか、お忘れですの?」
     
     
    王は、またしても公爵家の娘からおあずけをくらい
    二日酔いの兵士を引き連れて
    見送る我が妃を振り返りながら、フラフラと首都へと帰って行った。
     
    公爵家の娘は、これから2年間
    州都のチェルニ男爵の城に滞在する事になる。
     
     
     続く 
     
     
    関連記事: 継母伝説・二番目の恋 56 12.11.13 
          継母伝説・二番目の恋 58 12.11.27 
          
          継母伝説・二番目の恋 1 12.6.4 
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  • ババア’s トーク 1

    注: この物語はフィクションです。
       使われている方言は、九州あたりがゴッチャです。
     
     
    (ロマサガのメール着信音)
    『今から行っていいね?』
    (ぴぴ・・ぴ・ぴぴ・・・ぴぴぴ)
    『よかよ』
    (送信)
     
    (ピンポーン)
    ヨネ 「何ね、手ブラね。」
    ウメ 「すまんね、呪いのビデオ、借りられとったとよ。」
    ヨネ 「またね? 誰が借りよっとだろか?」
    ウメ 「いっぺんカチ合うた気がするのは、アラサー男子だったばい。」
    ヨネ 「ニートてゆうやつね?」
    ウメ 「知らんくさ。」
     
     
    (コタツに腰を下ろす)
    ヨネ 「え、よっこいしょういち、と。」
     
    ウメ 「モンハンどこまで行ったね?」
    ヨネ 「孫に牽引してもろうて、港クエは終わったたい。」
    ウメ 「よかね。 うちゃ、イビルジョーで詰まって
        ねぎまクエを回しとるたい。」
    ヨネ 「いまだにね? おめえ、どんだけ金貯まっとっとね?」
    ウメ 「護符2つを現金で買うても、屁でんなかばい。」
    ヨネ 「じゃあ、ネブラ装備を作りゃよかたい。」
    ウメ 「港の亜種ばい? 倒せるわけなかろうも。」
    ヨネ 「・・・まあ、そういう遊び方もあるたいね。」
     
    ヨネ 「茶ぁ飲むね?」
    ウメ 「いつ出してくれよるか、待っとったったい。」
    ヨネ 「何がよかね?」
    ウメ 「フォションのバニラフレーバーで
        牛乳だけで出すロイヤルミルクティーにしてほしか。」
    ヨネ 「・・・そぎゃん、めんどかとは自分で淹れてくれんね?」
     
    (ズ・・・ズ・・・ と茶を飲みつつ)
    ウメ 「何ね、このカップは?」
    ヨネ 「イケアで買うたマグたい。」
    ウメ 「北欧の食器ならロイヤルコペンハーゲンぐらい出してほしかね。」
    ヨネ 「おめえ、えらい高級ぶった事言いよると嫌わるっけんね?」
     
    ウメ 「嫌わるっで思い出したけんど
        チヨさんが 『ディナーに行かんね』 てたい。」
    ヨネ 「あん人、この前もランチとか言いよったろ?」
    ウメ 「おめえ、行かんかったろ?」
    ヨネ 「自由が丘で飯て言われたら、デパートに服を買いに行くための服を
        無印に買いに行かにゃいかんじゃなかね。
        もう、めんどくさか。」
     
    ウメ 「今度は恵比寿てよ。」
    ヨネ 「何で恵比寿ね?
        あん人、ちょっと情報が古くなかね?」
    ウメ 「バブルん時も、うちらの年代はカスリもしとらんとに
        あん人だけはマハラジャに通いよったけんね。」
    ヨネ 「あん人が夜遊びを引退したのは、“クラブ” になってからだけんね。」
    ウメ 「この前は生キャラメルを持って来よらしたよ。」
    ヨネ 「アンテナが張りきれとらんね。」
     
    ウメ 「で、行くね? ディナー。」
    ヨネ 「行かんよ。
        山の手も中まで入れば気楽かばってんが、JR周辺はしんどか。
        国鉄時代は中の方が、かしこまっとったとにねえ。
        これが逆転現象て言うやつだろか。」
    ウメ 「千代田線より、チヨとせなんたい。
        どがんすっね? 断ると悪口言わるっよ?」
    ヨネ 「それ、全然上手い事言うとらんけんね。
        どうせ、そこにおらん人の悪口になるけん
        どこにおろうが皆、満遍なく罵られとるよ。」
    ウメ 「それもそうたいね。」
     
     
    「ただいまーーー。」
    ヨネ 「おかえりー。」
    ウメ 「ああ、流風吹 (ルフィー) くん、おかえりー。」
     
    流風吹 「お久しぶりっす。」
    ウメ 「今、何のゲームば、やっとるね?」
    流風吹 「あ、一応ドラクエやってます。」
    ウメ 「・・・そうね、よかね・・・。」
     
    ヨネ 「おめえもオンラインをすりゃよかじゃなかね。」
    ウメ 「老化で根気が失せとるのに、若いもんと張り合おごんなか。」
    ヨネ 「オンラインは高LVが神扱いじゃしねえ。」
    ウメ 「気力体力がないと廃人にはなれんばいた。」
     
    ウメ 「にしても、誰がワンピースのファンね?」
    ヨネ 「・・・嫁たい・・・。」
    ウメ 「何で流風威じゃなくて、流風吹ね?」
    ヨネ 「知らんたい。
        暴走族漢字と一線を隔したったろ?」
    ウメ 「初孫、グレんとよかね。」
    ヨネ 「大丈夫じゃろ。
        同級生もアニメキャラばかりだけん。」
    ウメ 「うちゃ、ハンターハンター派たい。」
    ヨネ 「綺流明 (キルア) も、ちゃんとおるけん心配せんでよか。」
    ウメ 「ヒソカは・・・」
    ヨネ 「とうの昔におる!
        この話題は引っ張らんでほしか!」
    ウメ 「地雷ね?」
    ヨネ 「Sマイン級たい。」
    ウメ 「おめえも、たいぎゃ古かね。」
     
     
    「ただいまー。」
    ヨネ 「おかえりー。」
    ウメ 「愛美 (えみ) さん、おかえり。」
     
    愛美 「ウメさん、こんにちは。
        お夕飯、一緒にどうですか?」
    ウメ 「ああ、もうそんな時間ね。
        ありがとう、うちで用意しとるけん、帰るよ。」
     
    ヨネ 「ほんとに晩飯、食うていかんね?」
    ウメ 「おめえんちの嫁さんの
        何でんかんでん “ピリカラ” 味付けは食いきらんわ。」
    ヨネ 「・・・言わんでくれんね・・・。」
     
     
    (玄関でつっかけを履きながら)
    ウメ 「来た時に突っ込もうかと思ったばってん
        その、パチモンクロックスはどぎゃんしたとね?」
    ヨネ 「そん話は、来た時点で終わらせとってほしかったたい。」
    ウメ 「ああ、ピリカラね?」
    ヨネ 「・・・そうたい。」
     
    ウメ 「ピリカラ、ワゴンセールで 『ヴィトンを買うた』
        と言うような女だけんね。」
    ヨネ 「うちとしては本物を買われるよりマシたい。」
    ウメ 「いつ真実に気付くか楽しみたいね。」
    ヨネ 「いらん知恵つけさしたら殺すけんね!」
    ウメ 「うちよりチヨさんに気ぃつけなっせ。」
    ヨネ 「・・・敵が多すぎて、たまらんばい・・・。」
     
     
    ウメ 「んじゃ、またな。」
    ヨネ 「おう、またな。」
     
     
     

    評価:

    カプコン


    ¥ 3,927

    (2012-12-08)

    コメント:何か妙にリアルなでっかい生き物たちが、噛むわ蹴るわ殴るわしてくる、生きた心地がしないゲームです。 コントローラーダコと腱鞘炎には必ずなるので、1日3時間ぐらいまでにしとこうね・・・。

  • 継母伝説・二番目の恋 56

    「黒雪姫が7歳になるまでの2年間で
     あたくしは、このチェルニ男爵領を豊かにしてみせますわ!」
     
    公爵家の娘の言葉に、廊下に控えていたチェルニ男爵も
    驚いて、つい顔を覗かせる。
     
    「いくら呆けていたとは言え、大変な迷惑を掛けましたね。
     そのお詫びも兼ねて、今度はあたくしが皆の役に立ちますわ。」
    チェルニ男爵に向かって宣言する公爵家の娘を、王が止める。
     
     
    「待て、待て待て待て!
     礼なら、わしが存分にする。
     そなたがここに残る必要はない!」
     
    「いいえ。」
    公爵家の娘は、プイと横を向いた。
     
    「このまま宮廷に帰っても、単なる病後扱いをされるだけです。
     それにあたくしが世話になった場所を、貧困のままにしておくのは
     あたくし、引いては公爵家の沽券に関わります。
     あたくしは、チェルニ男爵領を国内有数の優良領地に生まれ変わらせて
     宮廷に華々しく、再デビューを果たしますわ!」
     
     
    公爵家の娘がこう言い出したら、もう誰も止められないのは
    王もチェルニ男爵もわかっていた。
     
    おそらく、父公爵も娘の回復に喜びつつも
    散々に “恩返し” の片棒を担がせられるのであろう。
     
    溜め息を付きながら、王はすべてを承諾せざるを得なかった。
    自らが傷付けた公爵家の娘を、再び手中にするには
    大きな代償を払わねばならないのは、覚悟をしていた。
     
    並の女なら、宝石や城でも与えてやれば一発なんだがな
    王の乾いた笑いの意味は、チェルニ男爵には痛いほどに理解できた。
     
     
    「・・・わかった・・・。
     ただし、ひとつだけ条件がある。」
     
    何ですの? と訊こうとする公爵家の娘を、王はいきなり抱き上げた。
    そのまま城を出て、馬に乗って走り出す。
    「道が悪いゆえ、喋ると舌を噛むぞ!」
    その言葉で、王は公爵家の娘の追求を封じた。
     
     
    首都からの強行軍に、ヘトヘトになって
    庭で座り込んで、くつろいでいた兵たちは
    またしても、不意を付く王の暴走に
    持っていたカップを落とし、大慌てで後を追うハメになった。
     
     
     続く 
     
     
    関連記事: 継母伝説・二番目の恋 55 12.11.9 
          継母伝説・二番目の恋 57 12.11.15 
          
          継母伝説・二番目の恋 1 12.6.4 
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  • 偏食

    偏食になる理由は、ただひとつ
    “親に甘やかされて育った”、これに尽きると思うが
    この偏食にもタイプがある。
    食えないタイプと、食わないタイプ。
     
    食えないタイプは、食べた事がないものや
    自分の思う食い物像から、かけ離れた見た目や食材は
    はなから口に入れる事が出来ない。
     
    食わないタイプは、美味いと思える味覚の幅が狭いだけで
    食えと言われたら嫌々食うけど・・・、というヤツ。
     
     
    育ちの悪い私も、もちろん偏食なのだが
    私は後者のタイプである。
     
    グルメな兄に無理矢理、色んなものを食わされて
    (「食わずに文句を言うな!」 が兄の決めゼリフなのだが
     食って文句を言うと、「食い物に文句を言うな!」 に
     バージョンアップされるという罠が。
     どう転んでも、兄の勧めるものは喜んで食う道しかないようだ。)
    蛙料理まで食った事がある。
     
    確かに言われているように、鶏肉系あっさり味だったが
    私は 鶏 肉 も 大 嫌 い なんだよ!
    ほんと、しなくて良い経験のひとつだったぜ、蛙食はよ。
     
     
    私がひとつ、偏食で疑問を持っているのが
    兄弟が多いという環境に育った偏食家を見た事がない、って事。
     
    今までに会った偏食家は、ひとりっこか割と年が離れた末っ子だった。
    三人兄弟とか、全員モリモリ食う。
    それこそジュースの注ぎ分けをmm単位でして、平等平等うるさい。
     
    犬猫で食が細い子は淘汰されるけど、まさか人間界でそれはないだろう?
    大家族の偏食家、どっかにいるはず。
    話を聞いてみたいものだ。
    競争社会での意欲のなさが、どう人格形成に影響を与えたか。
     
     
    そう。 偏食は、人格を疑われる。
    偏食家である私でさえ、偏食なヤツを情けないと思ってしまう。
     
    私の場合、親族間では知れ渡っているので
    もう大っぴらに食い散らかしを出来るのだけど
    やはり友人知人には気を遣う。
    食い物に興味がないヤツは、付き合っててつまらんらしいからだ。
     
    何を偏食を他人事のように言ってるんか、っちゅうと
    珍しくこの私が、あくせく策略をめぐらせている項目だからだ。
    “食う” に関するイベントは。
    ない知恵を絞って、偏食がバレないよう苦労してるんだから
    それに関しては偉そぶるよ? という気分なんだよ。
     
     
    その横柄な気分の流れで、ついでに文句を言いたいけど
    ええ? これにお金を取るってどんな神経?
    という料理を出す飯屋、あれ何なんだ?
    そんでそれを喜んで食ってるの、それ演技じゃないんか?
     
    とりあえず私も、場の雰囲気を壊さないよう穏やかに食うんだが
    貧乏ゆえに、その出費、ものすごーーーく痛く感じるんだよ!
    ああ、こんなもん食わなかったら、あのゲームソフトを買えたのに
    とか思いつつ食うんで、余計に不味く感じるんだよ。
     
    そんで、量、多すぎ!
    偏食は必死になって隠すけど、少食は許してもらいたい。
    この項目は、私にはどうにも出来ない。
     
     
    と、このように円滑な人間関係を築く努力をしてきた私だが
    他人の目、あなどれんよな・・・。
     
    美味い > 普通 > 食える > 不味い > 食えない
    私が内心、この5つの評価をしていた事を見抜かれているようだ。
    ある日のふいの 「どう? 食べられる?」 の問いに
    ギクーーーーーーーッ としたよ。
     
    自分では完璧に自然に演じていたつもりなので
    どこの部分でどんな態度に出てたのか定かではないが
    「うん、食える」 など認めると、今までの努力が水の泡だろ。
     
    「えーーー? 美味しいよ?」 とか
    背中にダラダラ汗をかきながら、ウソを付いたさ。
    偏食、ほんと育ちを疑われるから、とことん猫をかぶらせてもらう!
     
     
    ウソだとバレていても、気の毒に思われるんかわからんけど
    追求をされた事はない。
    ただ、たまに誤解されるのが辛い。
     
    美 食 家 だと・・・。
     
    ウソを付くのって、すぐさまバチが当たるっちゅうか
    何でこんな保身にまで代償が必要なんか
    人生、ほんと厳しく作られてるよな・・・。
     
    単なるしつけの悪い偏食の上に、安物食いなのに
    “舌が肥えてる” とか、グサグサくるんだ。
     
    あ・・・、もしかしてイヤミを言われてるんだろうか?
    でも私にお勧め飲食物を訊くんだから、それはないよな???
     
    こういう事をチマチマ悩むのも、何だか面倒だよなあ。
    “真っ当” でいるのって、本当に難しい。
     
     
    そんな私だけど、ひとつだけ忠告したい。
    何でも食べられるヤツ、味覚が破壊されてねえか?
    あまり辛いものを食うな、味覚細胞の害にしかならんぞ。
    それだけ気をつければ、おめえらの天下だ。
     
    んで、偏食家仲間、とにかく隠し通せ。
    食わず嫌いとか、飯に文句を言うとか
    ほんっっっっっと嫌う人が多いから。
     
     

    評価:

    永樂 和重

    教育評論社


    ¥ 1,680

    (2006-10)

    コメント:内容については賞賛が多いけど、著者が実践してるだけでデータがないんだと。 私の美容法みたいなもんかな? (ごめん、読んでない。) 私・・・? 剥いてくれたら食うよ。 果物、それが面倒くせえ。(はい、人間のクズ決定!)

  • 継母伝説・二番目の恋 55

    「黒雪姫は今、5歳だ。
     心配いらぬ、健康に育っておるぞ。」
     
    5歳・・・?
    あたくしは5年も呆けていたの・・・?
    自分のダメージの大きさに、驚く公爵家の娘。
     
     
    「静養は、もう良いであろう?
     わしは王妃とそなたを同時に失って以来
     愛人をひとりも作っておらぬ。
     それを、わしのそなたへの誠意と受け取ってはくれぬか?」
     
    その言葉をすんなり信じられたのは
    以前の公爵家の娘が情報通だったからである。
     
    結婚前には、時々 “お遊び” の噂を耳にはしていたけれど
    このお方は恋愛に関しては、達者な方ではなかった。
    だからこそ、あの王妃との恋を貫いたのでしょうし・・・。
     
    そう思った直後に、ハッと驚く。
    この5年間、考えないように思い出さないようにしていた、あの王妃の事を
    こんなに、さり気なく考えられるとは!
     
     
    公爵家の娘は、王の顔を見つめた。
    もしかしてあたくしに必要だったのは、逃げ出す事ではなく
    分かち合う事だったのかしら、同じ痛みを持つこのお方と・・・。
     
    公爵家の娘の視線に、王は答を読み取った。
    「最初から愛しているのだ。 わが姫よ・・・。」
    王は再び、公爵家の娘を抱きしめる。
     
     
    公爵家の娘は、王の抱擁に身を任せた。
    そして目を閉じて、心を起こした。
     
    あれから5年・・・、もう止めましょう。
    あたくしの時間を再び進めましょう。
    今までに起きたすべての事は
    きっとこれからのあたくしに必要な経験だったのでしょうから。
     
     
    このお方もお辛かったでしょうに、ひとりあの宮廷に留まり
    そして、こうやって迎えに来てくれた。
    “あたくしたち” は、これから始めればよいだけの事。
     
    公爵家の娘の無抵抗に、“許し” を感じた王は
    改めて公爵家の娘に口付けようとした。
     
     
    「ですが、まだ2つ問題がございます!」
     
    グイと王の顔を押し返した公爵家の娘は、鬼だった。
    「ひとつは、黒雪姫がまだ正式なる王位継承権を得ていない事です。」
     
    東国では7歳になってようやく、王位継承権を持つ事になる。
    このままいけば、黒雪姫の王位継承権は1位になれる。
    「黒雪姫が王位継承権を得て
     その厳守をあなたが命じないと安心できません。」
     
    王に異存はなかった。
    「ふむ、それは約束した事であるから、任せてよい。
     2年、子を作らねば良いだけだ。
     わしは、そなたが側にいるだけで良いのだ。」
     
     
    「そこで2つ目の問題ですわ。」
    すり寄ろうとする王を制し、公爵家の娘が上品に微笑む。
    その表情は、もう以前の誇り高き姫に戻っていた。
     
    「チェルニ男爵領に恩返しをいたします。」
    王は、これも快諾した。
    「うむ、それも許可する。 何の問題もない。」
     
    「では、今日のところは、おひとりでお帰りください。
     2年後に迎えにいらしてくださいね。」
     
     
    公爵家の娘の別れのお辞儀に、王は大慌てをした。
     
    「な、何と申した?」
     
     
     続く 
     
     
    関連記事: 継母伝説・二番目の恋 54 12.11.7 
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