投稿者: あしゅ

  • ブログの信念の変更

    “ブログの使い方” 他の記事で言ってきた、私のブログを書く上での信条。
    これは今でも、ほぼ変わっていない。
     
    ・ 通りすがってくれる人のコメントは
      反論でも罵倒でも、“意見” として大事にする。
      
    ・ 貰うメールやコメントには、必ず返事をする。
     
    特にこの2つは、貫き通したかった項目である。
    いや、貫く。
    けど、ここに条件を付ける。
     
    ただし、私基準でマトモな人にだけ
     
    この、“私基準” というのが、ものっすげえユルユルなのは
    皆、容易に想像が付くだろうから
    大抵の人には、今までと何ら変わりはないんだよ。
     
    問題は、何かヘンなヤツだ。
     
     
    ブログを始めて10年以上経ってるけど
    当初から、数か月おきに困った人がやってくる。
     
    その共通点とは
     
    ・ 自分と同じ
    ・ 自分をわかってくれるのはあなた
    ・ 自分とは特別に付き合うべき
     
    こういう感覚で、私はこうなの俺はこうだ、と
    自分の事を私に訴えてくる。
     
     
    それは良いんだ。
    ただ、こういう人は、こっちの話は聞かないor理解しない。
    だからか、私が自分の友達になるのが当然、と
    一方的にガンガン距離を縮めてくる。
     
    気持ちはわからないでもないんで
    傷付けないように、やんわりと断ろうとするけど
    なんせ人の話、特に自分にとって都合の悪い事は聞こえないようで
    結局は、はっきりと断らなければならなくなるんだ。
     
    そうしたら、「信じてたのに」「そんな人だとは」「ひどい」
    と、被害者になって、罵倒や批判を繰り広げて
    去って・・・くれるのなら、もう通り魔だと諦められるんだけど
    名を変えてメールをくれたり、コメントしたり。
     
     
    私も年老いて、目の不具合で長時間のブログ作業が出来なくなり
    この前もヘンな人が来ていて、対応に時間を取られて
    ふと気付いたんだよ。
     
    普通に来てくれる人と、迷惑な事をする人を平等に扱うのは
    普通の人にとって、不公平じゃないか?
     と。
     
    このブログにどんどん制約が出来たのも
    迷惑な人に対する予防線だし
    普通の人に対しても、用心してしまうとこもあるんだよ。
     
    社会の決まり事は、ドグラ封じ。
     
    私はこれをブログでやっちゃってたんだな・・・。
     
     
    だから、ここに宣言する。
    反論や批判は構わないけど、私が “常軌を逸脱してる” と感じる人は
    メールも返事をしないし、コメントも消す。
     
    ここに普通に来てくれる人とは、そりゃもう誠意で応えるけど
    私基準でダメな人に、それは適用しない。
     
     
    そしてそういう判断も含めて、ここの管理は、かいねに任せる。
    かいねは私の事を想ってしてくれるので
    それによって問題が生じた場合の責任は、私が取る。
     
     
    ネットでのこういう事に気付くのに、10年以上掛かったよ。
    色んな人の目に付く事をやってる人は
    男女関係なく、こういう事に悩まされる可能性があるんで
    違和感を感じたら、ちょっと警戒するようにな。

  • メールアドレス変更のお知らせ (かいね)

    えー管理人兼時々読み手のかいねです。

    色々ありまして問い合わせのメールアドレスを
    あしゅの個人アドレスからブログの問い合わせ
    専用のアドレスに変更いたしました。

    # JUGEMの仕様上コメントは編集不可のため、
    # 変更に伴い、旧メールアドレスを載せている
    # コメントは非公開にしました。
    # ご了承ください。

    新しいメールアドレスはこちらです。

    nashural_info@yahoo.co.jp

    基本的にあしゅは直接受信しません。
    私が受信し、必要なものをあしゅに転送します。

    どれを転送するかの判断は一任されていますので、
    私の独断で行います。
    不適切と私が判断したものは、あしゅに転送しません。

    あしゅがブログを書く目的は
    「自分の意見を書き、それに対する他人の意見を聞く」 ことです。
    「プライベートな友達や恋人を作ること」 ではありません。

    ですが、ブログを読みに来てくださる皆さんとの交流は、人一倍大切にしています。
    今まで律儀に全てのコメント、メールに返事をしていたようですが、
    あしゅの体調を考慮し、私がそれは止めるように助言し、
    あしゅもそれを受け入れてくれた形です。

    真に勝手ながら今後、メールでは人生相談とお便りコーナー、
    ブログ全体へのご意見 (不具合報告等) のみとさせて頂きます。

    ブログの内容に関するご意見・ご感想・ご批判は
    各記事のコメント欄のみをご利用ください。
    公序良俗に反する内容でない限り、あしゅが必ず返信します。

    公序良俗に反する内容であると、あしゅか私が判断した
    コメントは非公開とさせて頂きます。
    (証拠として残しておくため削除はしません)

    ここは 「個人」 が 「非営利」 にやっているブログですので、
    非公開にする判断基準はこちらにあります。
    非公開とされたことによる抗議は受け付けません。

    人生相談やお便りメールを送られる場合は、件名を以下のようにしてください。

    人生相談: ハンドルネーム 「タイトル」
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    タイトルはそのままブログのタイトルになるとは限りません。
    ハンドルネームは、何でもいいので決めてください。

    人生相談やお便りコーナーのメールは、掲載できない場合を除き、
    近日中のブログ記事を持ちまして、返信とさせて頂きます。

    ブログの不具合報告につきましては、
    調査を行った後、私のほうから返信致します。

  • 人生相談 41 初めての交際

     <質問>
     
    わたしはつきあって2ヶ月の彼氏がいる高校2年女子です
     
    彼は同じ部活のひとで
    向こうから告白してくれてつきあいはじめました
     
    彼とは帰り道がいっしょで、
    1年生のときから共通の友達何人かといっしょになって帰ることが多かったんです
    第一印象はすっごいクールなひとっていうか、
    あんまりしゃべらないひとだなーって
    わたしが話してもあんまり会話にのってくれないから
    嫌われてる?ってちょっと不安だったこともあります
     
    でもつきあってからはしゃべってくれるようになったし、
    あの時とは違うんだなーって嬉しいんですけど、
     
     
    でも最近、彼のことはLIKEのほうの好きなんじゃないかって思うようになりました
    それは彼に、キスしたいと言われたからです
     
    ちょうど修学旅行の夜ホテルで会って
    ふたりでプールサイドをあるいてるときでした
    わたし的にはすっごく嬉しかったんですが
    手をつないでどっか歩こうよー って提案したのもわたしで
     
    そもそも今夜会おうよー ってメールしたのもわたしで
    ふだんのメールもでんわも全部わたしからで
    (さすがに最近は毎日メールはしないですけど)
     
    せっかくの修学旅行もクラスがちがうからぜんぜん会えなくて
    会いたいけどつかれてるだろーな、とかおもって
    最終日の前の日にやっとメールして
     
     
    なのにいきなりキスとか…
    そういうことだけしか考えてないの?ってちょっとモヤモヤして
     
    それにキスしてるときに知り合いがきたらどうしようっていう
    恥ずかしさとかもあって、わたしが黙ってたら彼が
    「あ、そろそろ就寝時間だから部屋もどんないと�」
    って言ってくれて、このはなしはなかったことになったんですけど…
     
     
    でもやっぱり好きだったらキスしますよね?
    わたしはだれかとつきあうのはこれがはじめてで、
    ちょっと恋愛に期待してるというか
    手も好きなひとからつないでほしいし、ひっぱってほしいって思っちゃうんです
     
    でも彼もだれかとつきあうのははじめてで、
    しかもふだんが静かなひとだから余計に行動に移してくれなくて
    (友達は照れてるだけ、って言うけど)
     
    たしかに彼の性格的にあんまりひっぱってもらうのを
    期待しちゃいけないってわかってるんですけど、でも期待しちゃうっていうか…
     
    なのに彼から動いてくれると、
    ムードに流されそうになってなんかずるいな、ってなって…
    いきなりひっぱられたから抵抗?びっくりしちゃって
     
    嬉しいはずなのに、だってまだ2ヶ月だから
    そんなに焦らなくてもいいかなー、って意味不明な言い訳したり
     
    …なんでだろう、信頼関係の問題でしょうか?
    実際まだ彼にまかせるのが怖いって思ってしまった自分がいました
     
     
    手をつないだらドキドキするし、話しててたのしいし、
    側にいられるだけでうれしいです
    彼も告白のときにLOVEのほうだって言ってくれました
     
    でもこれってわたしもLOVEのほうの好きなんでしょうか?
    最近自分でもわからなくなりました
    自分でもわからないのに人に聞くのもどうかと思うんですが�
     
     
    もし本当に彼のことが好きなら
    わたしは彼のためになにができますか?
    どうしたら彼ともっと信頼関係を築けますか?
     
     
     <回答>
     
    性欲薄い立ち枯れババアに、初体験相談をするおめえは勇者!
     
    ・・・じゃなくて、ここを通りすがるマトモな人々に訊きたいんだよね。
    んでは、私は私の意見を思う存分。
     
     
    男性って、“嫌われる” のを、ものすごく恐がるよ。
    そりゃ誰だって嫌われたくないけど、男性のそれは異常。
     
    でも、「嫌いになんてならないよー」 とか言いながら
    女性は、箸の上げ下ろしいっちょで、愛が嫌悪感に変わったりするんで
    男性のビビリは、正当防衛だと思う。
     
    彼も多分、どうして良いかわからないから
    電話もメールも自分から出来ないんだろうよ。
     
    と言うのも、「キスして良い?」 みたいに訊いたんだよね?
    それは見事に女性慣れしていない男性のセリフ。
    こなれたヤツなら、女性の “流される瞬間” を狙って
    がぶり寄って、押し倒して、もろ出すもん。 え? すすす相撲技の話だぞ?
     
     
    純情高校生に、“リード” を求めるのは酷だよ。
    同時におめえも、好意と愛を見極めるのは無理だと思う。
    てか、その2つ、何歳になっても錯覚するんだ。
    その内に恋愛なんて、LIKEもLOVEもゴッチャで支障がなくなるさ。
     
    「付き合おう」 とか 「好きだ」 とか言われた相手とは
    それがどんなヤツだろうと、一緒にいたらドキドキするもんだ。
    ・・・色んな意味でも。
    で、相手をちょっと好きになったりもする。
     
    恋愛ってのは、始めるか、継続させるか
    この2つの要素で、いくらでも作りだせる。
     
     
    さあ、こっから飛ばすけど
    私の場合、セックスって一度したら、何かそう重要でもなくなるんだよ。
    多分、私って今よく言われる “草食系” のはしりだと思うんだけど
    セックス、キスよりどーでも良い。
    手を握ってドキドキ、の内が一番楽しい。
     
    だけどそういう時期って、女性に焦らしテクがないと長くは続かない。
    ヤらせない女性は、揉めるフラれる盗られる (他の女に)。
     
     
    「男性は、ヤる事ばかり考えてる。
     特に中高生なんか、ちくわの穴でも興奮する。」
     
    と、私は友人知人の男性女性に注意されまくりましたさ。
    私は男じゃないので、それを聞いてもピンとは来ないんだけど
    一応、防犯も兼ねて、用心はしとくに越した事はないんじゃないかな。
     
     
    で、ヤる事ばかり考えてるのが事実だとしても
    それが “男性” なら、そう認識するしかないけど
    女性にも、女性の気持ちや都合っちゅうのがあるので
    受け入れるかどうかは、おめえ次第。
     
    てか、既におめえ、彼に物足りなさを感じてねえ?
    一緒にいるとドキドキして嬉しいけど
    その時間を、彼が積極的に作ろうとしてくれないんだろ?
     
    おめえが大事だから嫌われたくない、としても
    それで行動しない男性は、モテない人生になる確率が高いぞ。
    照れ屋とか無口とか、大人になったら
    “社交性に欠ける” と、欠点とも捉えられる場合も多いから
    出来るなら、早い内から訓練した方が良い。
     
     
    だからおめえが彼に出来る事は
    自分に対する傾向と対策を教えて、こうして欲しい、と具体的に望む事。
    これで彼の、“対・女の子” のスキルが上がる。
    それと同時に、今後の付き合いの方向性も見えてくる。
     
    これをやってると、話し合い話し合いで
    ロマンもへったくれもないけど、その彼と付き合うなら、しょうがない。
    余裕ある男性と付き合って、“初恋” を堪能するか
    お互いに手探りで、初めてを乗り越えるか
    どっちも考え方ひとつで、良い思い出に出来るんで大丈夫さ。
     
     
    あ、ごめん、私、最初から最後まで別れる前提で言ってるよな。
    これは、学生の時の初めての相手と結婚は可能性が低い、という
    一般論に基づいてるだけだから、気にしないでね。
     
    戸籍に×が付いてるババアの、ビッチなたわごとなんぞ
    ここは “人それぞれ” で、ひとつ何とぞ。
     
     
    キスをするかどうかは、うーん、もったいねえなあ。
    ずーっと取っておいて、ここぞという時の
    「私、こういうの初めてで・・・。」 より強力な武器はないしなあ。
     
    あいまいな気持ちでの行動を否定はしないけど
    “女の子の初めて” は、どれも国宝級だぞ。
     
    守り過ぎると欲が出て、使いどころを見失いかねないけど
    程々に大事にした方が良くねえ?
     
     
    あとな、セックスの時にコンドームをつけない男性とは絶対にしちゃダメだよ。
    コンドームは、挿入前からきっちり装着する事。
    ナマでしてイキそうだから一旦抜いて装着、とかが
    俗に言う “コンドームをしてたのに妊娠した” の原因だからな。
     
    て言うか、ナマでしたがる男なんか、ロクでもねえと思うがな。
    断り方は、「だったら、しない!」 でオッケー。
     
    コンドーム必須の理由は、女性サイドの避妊では性病感染は防げないから。
    ナマ中出しは、夫となった人だけに許される最高の贅沢だ!
    と、世に啓蒙したいな。
     
     
    ・・・あっっっ、未成年か!
    こここここれは “性教育” だと受け取るように。
    実践は成人してからだぞっ絵文字略
     
     
    さあ、お待たせしました、良識ある皆さま。
    どうか、この清らかな女の子に助言を!
     
    ・・・私、いっその事、人生相談では黙っといた方が良い・・・?
     
     
    :::::::::::::::::::::::::
     
    人生相談は、あまり受け付けておりませんでしたが
    ここを通りすがる人々の意見が、えらい素晴らしいので
    それに期待をして、ペリー以来の門戸開放の方向で行きます。
     
     
    相談はメールでお願いいたします。
    念のために、相談前に私の他の記事をご一読ください。
    こういう “私” に相談する、というその選択について
    もう一度よくお考えくださるよう、お勧めします。
     
    アドレスはプロフィールにあります。
    メールシステムが変わりましたので、ご一読ください。
     
    匿名で結構です。
    いらん個人情報ばかり書いてこないで
    肝心の相談内容の情報の方にこそ気を遣ってください。
     
     
    なお、ここの相談では、通りすがりの人にも回答されます。
    むしろ、通りすがった人に回答を丸投げする思惑です。
     
    なので相談後の意見、返事、報告等がありましたら
    出来れば記事のコメント欄に書いていただけたら、ありがたいです。
    答えた人ここを読んだ人全員、結果を気にしていると思いますので。
     
     
    ※ 相談内容を転記の際、状況によって
      伏字、改行、修正などをさせていただく場合があります。
     
    ※ 精神的に打たれ弱い方はご遠慮ください。
     
    ※ 相談文の情報のみを基に考え、相談者のためにだけなるような
      相談者をえこひいきした回答になるのを、ご了承ください。
      ここに来てない人の事まで知ったこっちゃありません。
     
     
     <通りすがりの人の、回答上の注意>
     
    偽名、匿名、無記名で結構ですので
    相談内容に沿った、ご自分の意見、経験を教えてください。
     
    相談者にも、詳しく言えない事情もあるかも知れませんので
    相談文のみの情報で、お考えください。
     
    貰った意見をどう解釈して取り入れるかは
    相談者が勝手に決めて良い事なので、意見を書く人は
    相談者に一方通行の贈り物をするつもりでお願いします。
     
    相談者には相談者の個性や性格があるので
    願ったものとは違う答を出しても
    助言がムダになったわけではないのです。
     
    相談者が意見募集を締めた後も
    似たような状況の人も関係ない人も、何かの参考になって
    皆が何かを得る事ができたら良いな、と願っておりますので
    いつでも経験談などの意見を書いてくだされば、ありがたいです。

  • 継母伝説・二番目の恋 49

    しばらく考えさせてくれ、とは言ったが
    公爵家の娘のあの様子では、今にも出て行きそうである。
    その “スキャンダル” は、絶対に起こしてはならない。
     
    王の答は、すぐに出ていた。
    確かに全てにおいて、“王妃” として完璧な公爵家の娘を
    後添えに据えたら、その女との子を国は次の王へと欲するであろう。
     
    そこに黒雪姫を傀儡にしようと目論む輩が現れたら
    内戦へと発展していく可能性も、充分にありえる。
    公爵家の娘の読みは正しい。
     
     
    だからこそ、手放したくない。
    王は改めて、自分の愚かさを感じた。
    南国の姫をめとってから、何度も何度も繰り返し感じた自己嫌悪である。
     
    しかし、あの娘を妃にした事は後悔していない。
    今でも脳裏に鮮やかに甦る。
    か細い肢体の通りに、か弱い少女であった。
     
    わしが壊してしまった・・・。
    王は毎夜、ひとりで泣いた。
     
    だが、それは “王” の取る種類の責任ではない。
    王は公爵家の娘を手放す決意をする。
     
     
    公爵家の娘は、チェルニ男爵の元へと行く事になった。
    公爵家の娘にとっては、最早 “どこ” に行くというのは
    さしたる問題ではなかった。
    逆に知り合いである事、しかも気配りが出来る相手である事を
    幸運だとすら思った。
     
    しかしそれは決して、“昇格” ではないので
    公爵家の娘は、長年使ってきた召使いたちの次の職場を斡旋した。
    どこも一流どころである。
     
    付いて行く、との申し出もあったが、すべて断った。
    公爵家の娘は、何もかも捨てて
    身ひとつで、国の果てへと嫁いで行く決心をしていた。
     
     
    父公爵は、始めは腹を立てていた。
    あれ程、知力と政治力に長けていた懐刀とも呼べる愛娘が
    辺境の血筋の悪い貧乏貴族のところに行くという。
    わしの面目も丸潰れじゃわい!
     
    だがその怒りは、娘をひと目見た途端に消えた。
    微笑みつつ丁寧に挨拶をしたが、静かに毅然と座ってはいるが
    その後ろに、果てのない無気力感が漂う。
     
    これは・・・
    体面にこだわっていたら、娘を失うかも知れない・・・。
     
    父公爵は、そういう例をいくつも見聞きしていたので
    我が家の悲劇は、未然に防ぐ方向を選ぶ事が出来た。
     
    にしても、王といい我が娘といい
    あの小汚い王妃に、何の魅力があったというのか・・・
    父公爵には理解できなかったが、自分の娘の聡明さを信頼していたので
    得体の知れない理不尽な怒りは抱かなかった。
    あの娘がああなるには、それだけの理由があるのであろう、と。
     
     
    公爵家の娘は、常に孤独感に苦しんできた。
    人は大きなものを失った時に、自分への愛に気付かされるものである。
    だが、今はそれを見つける余裕すらなかった。
     
    公爵家の娘が乗った馬車が、城にいる者全員に見送られながら城内を出る。
    長い長い人の列ができた。
    皆、馬車が目の前に来ると、お辞儀をして見送る。
     
    馬車はゆっくりと人の列の間を走った。
    公爵家の娘は、落ち着いた態度で目礼をする。
    しかし、それはまだ終わりではなかった。
     
     
    街なかでは、国民が列を成す。
    高貴な姫を一目見ようという人だかりである。
    この見送りも当然の事。
    毅然と手を振る。
     
    街の終わりの門のところで、馬車が急に速度を落とした。
    見ると、多くの南国人街の住人たちが列をなしているのだ。
     
    何故?
    公爵家の娘には不思議な光景に思えたが
    現在の南国人街の流通が良くなったのは
    南国から来た王妃を思いやる姫さまのはからい、というのを
    “権力者” ケルスートを通して、知れ渡っていたからであった。
     
    南国人たちが口々に叫ぶ。
    「姫さまーーーっ、どうかお大事にー。」
    「また戻ってきてくだせえー。」
    「ありがとうごぜえますー。」
     
    公爵家の娘は、彼らの肌の色につい記憶をたどりそうになったが
    その行為を打ち消して、今の自分に出来る限りの微笑みで
    馬車の窓から顔を出して、見送る人々へと手を振った。
     
     
    もう街の影も見えなくなった時に、道の脇に2頭の馬が見えた。
    ウォルカーとケルスートであった。
     
    地面に伏して最敬礼をするふたりの前を
    再び速度を落とした馬車が、ゆっくりと通り過ぎる。
     
    公爵家の娘は、ただ2人を見つめるだけだった。
    その無表情さに、2人に対する公爵家の娘の信頼が表われていた。
     
     
    すべての “見送り” を受け終わって
    公爵家の娘が、少しうつむきかけた時に
    チェルニ男爵が優しく言った。
     
    「どうぞ、ゆっくりお休みください。
     これから先は、一切の “社交” は必要ありません。」
     
     
     続く 
     
     
    関連記事: 継母伝説・二番目の恋 48 12.10.19 
          継母伝説・二番目の恋 50 12.10.26 
          
          継母伝説・二番目の恋 1 12.6.4 
          カテゴリー 小説・黒雪姫シリーズ 
          小説・目次 

  • 継母伝説・二番目の恋 48

    子供は女であった。
    世継ぎ誕生の喜びに、王妃の死はかき消された。
     
    公爵家の娘は、病いを口実に部屋に閉じこもった。
    もう、何もかもが嫌になっていた。
     
    あんなバカ娘のせいで!
    自分の落ち込みようも、更なる落胆の積み重ねでしかなかった。
     
     
    そんな公爵家の娘の元に、王がやってきた。
    「具合はどうだ?」
    公爵家の娘は、無表情で答える。
    「あまり・・・。」
     
    その様子に、王は少しちゅうちょしたが切り出した。
    「我が娘の名前を、そなたに付けてもらいたいのだ。」
     
     
    その要望に、公爵家の娘がどれだけ驚いたか。
    王族の名は、神官を中心とした会議で決めるのが慣例であったからだ。
     
    王は王なりに、公爵家の娘に礼を尽くそうとしているのか。
    公爵家の娘は “あれ” 以来、初めて少し微笑んだ。
     
     
    「では、黒雪姫と・・・。」
    何故かスッと口を付いて出た名前に、王はすぐに同意をした。
     
    「おお・・・、それは良い名だ。
     雪のように汚れを知らぬ美しい心を持った、あの黒い母の娘に
     それ程、ふさわしい名はあるまい。」
     
     
    そう、あの汚れなき美しさに、どんなに傷付けられたか・・・。
     
    でももういない
    あたくしの傷は、もう癒えない
    あなたがいないのだから、仕返しも追い越しも出来ない
    あたくしは永遠にあなたを、遠い思い出の中でしか憎めない・・・。
     
     
    今の公爵家の娘の視線は、気を抜くとすぐに下に落ちている。
    こんなの、あたくしらしくないのはわかっている・・・。
     
    公爵家の娘には、どうすべきかはわかっていた。
    しかし頭が出す答に、心が付いていかないのである。
     
    「王さま、以前に何でも望みを叶えてくださる、と
     あたくしに約束なさったのを覚えておいでですか?」
     
     
    王は思った。
    そんな “約束” など持ち出さなくても、と。
    しかし、それは的外れであった。
     
    「あたくしを、どこか遠くに嫁がせてください。」
     
    公爵家の娘の思いがけない “お願い” に
    王は動転して、しばらく声も出せなかった。
    そして、やっと口から出た言葉がこれだ。
     
    「そなたまで、わしを置いていくと言うのか・・・。」
     
     
    公爵家の娘は、冷静であった。
    「このまま、あたくしが王さまの側にいると
     周囲は再婚を望むようになるでしょう。」
     
    「それのどこが悪い!」
    王が怒鳴る。
     
    「国はあたくしが産む子を、次の王にと望みます。
     そうなると、内戦の可能性が出てきます。」
     
    「そんな事はさせぬ。
     そんな心配はいらぬ。
     わしがこの国の平和を守る。」
     
     
    王の懇願を、公爵家の娘は冷たく拒絶した。
     
    「王さまは、勘違いなさっていらっしゃいますわ。
     “あのお方の御子以外は、絶対に次の王にしない”
     これが、あたくしの願いですのよ。」
     
     
    じゃないと、あのお方がここに嫁いだ証しが消えてしまう・・・
    それが公爵家の娘には許せなかった。
     
    このあたくしが、ここまで憎んだ者なのに!
     
     
     続く 
     
     
    関連記事: 継母伝説・二番目の恋 47 12.10.17 
          継母伝説・二番目の恋 49 12.10.22  
          
          継母伝説・二番目の恋 1 12.6.4 
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          小説・目次 

  • 子供のしつけの意味

    昨今の育児書は、子供の “心” を大事にするような風潮らしいけど
    まずは子供の “命” を守る事が一番だと、私は思う。
     
     
    まずは身も蓋もない鬼畜な事を言うけど
    割にこれは、世の隠された本音。
     
    他人は、迷惑な子供なんか可愛くない。
     
    他人が、「子供だからしょうがない」 と言うのは
    自分自身にそう言い聞かせて、忍耐力アップを図っているのである。
     
    決して、その子供を許しているわけではない。
     
     
    なお、この記事は全編に渡って
    “私” が狭い範囲で経験したり感じたりした事を
    独断と偏見に満ちた意見で言っているので
     
    全部が全部、全員が全員、そうではありません。
    また、私の言う事が正しいわけでもないかも知れません。
     
    単 な る 個 人 の 一 意 見 !
     
     
    私が遭っている、近所の騒音問題の一例で説明をすると
    関連記事: 騒音のつらさ 12.10.16
     
    1.幸せな人なら、笑って許す。
    2.でもちょっと疲れてきたら
      「あの家族、宝くじでも当たって
      どこかに引っ越して行ってくれないかしら」 と思う。
    3.自分がしんどい時は、とにかくどっかに行け、と願う。
    4.病んできたら、ついつい 「死ねばいいのに」 と思ってしまう。
    5.自分が不幸に思えてきたら、「死ね!」 と呪う。
    6.・・・・・・・・・・・・
     
     
    この 「死ね」 な、実際に何度も聞いた事があるよ。
    走り回っていたり、奇声を発している子供を遠目に見つつ
    「うっせーな、死ね、クソガキ!」 と、つぶやいて通りすぎるのを。
     
    今時は簡単に 「死ね」 と言われるんだよな。
    自分が言われるのは、当然キッツいけど
    他人が言われるのを聞くのも、自分に関係がなくてもかなりズキッとくる。
     
    と言う私は上の3番まで到達し、あやうく4に行きかけた。
    このままいけば人を呪うかも知れない、そう案じて薬を処方してもらった。
    もう、安定剤ではダメで、抗ウツ剤になった。
     
     
    その時に思ったのが、「こりゃ、殺したくもなる。」(6)
    今までに、ご近所トラブルで多くの殺傷事件が起こっていて
    何も殺さなくても・・・、とニュースを観ながら思っていたけど
    当事者になって、ようやくその心理がわかったような気がする。
     
    もし私がブレーキの壊れたヤツだったら
    騒音住人を殺しに行ったかも知れない。
     
    そして標的は、間違いなく騒音を出していた子供。
    親ではなく子供を狙っていたであろう。
     
     
    騒音トラブルを訴えた時に、ある男性が怒った。
    「言われる方も被害者なんですよ!」
     
    その男性の娘さんが、よそのマンションに住んでいるけど
    自分の子供の出す音で下の階の住人から苦情がきて、ノイローゼになりそうだと。
     
    その時は、こっちが加害者のように言われ
    私が悪いんだろうか、と自分を責めたけど
    何か月もそれについて自問自答してきて、ふと気付いた。
     
    その男性は、娘さんにしつけをしなかったのかも知れない。
    しつけられなかった娘さんもまた、我が子をしつけられない。
    確かに娘さんは被害者である。
    モラルのない親の。
     
    この一件で、騒音問題の根本に気付いた。
    すべては、しつけ。
     
     
    子供が住宅街の路上でギャアギャア騒ぐのも
    駐車場の車の横でボール遊びをするのも
    ショッピングモールで突然奇声を発するのも
    家の中で走り回るのも、子供の仕事ではない。
     
    子供は、しつけをしないといけない生き物なのだ。
    それをしないと、人間社会で生きにくくなる。
     
     
    可愛い我が子が出す音は、親には気にならないだろうけど
    他人には、ものすごく耳障りな場合が多い。
    この時に恨まれるのは、親だけじゃなくて子供も。
     
    我が子が他人に、「死ね」 と思われているなど
    想像もしないから、親は対処をしないのであろう。
     
     
    しかし親が子供をしつけないと、その子は無神経な人間に育ちかねない。
    “天然” とか言われている内は、まだ良いけど
    無神経は他人の迷惑を考えない上に、人を傷付けもする。
     
    他人の “ムカッ”“イラッ” に気付かず、どんどん流して
    当人は何事もなく生きているつもりでも
    そういう、「死ね!」 と思われかねない行為を繰り返していると
    本当に殺しにくるヤツがいないとも限らないのが、人間社会の恐いところ。
     
     
    しつけは、モラルや道徳を学ばせる事である。
    それは、社会の中で人をイラ立たせないための作法を養う意味を持つ。
     
    しつけがなされていない人間は、その無神経さで
    普通の人が、10年の内に10人に憎まれるところを
    100人に憎まれるかも知れない、という
    いわば “リスク” が、はね上がる。
     
    10人の内に、ヤバいヤツが入っている可能性より
    100人の中に入っている可能性の方が、高い。
     
    つまり、人間関係において、トラブルの危険性が強まるわけだ。
    “しつけ” が必要な理由は、これなんだ。
     
    しつけは、子供に制限をかける事ではなく
    生存率を高めるための予防策なのである。
     
     
    せっかく産み育てた子を殺されたくないんなら
    「子供だからしょうがない」 とか言っていないで
    ちゃんとしつけるのが、親の義務であり、愛だと思う。
     
    注: この記事で言う “しつけ” は、最低限のものである。
     
    しつけは、出来て初めて 「しつけた」 と言えるんだぞ。
    「しつけてるのに・・・」 は、しつけていない段階の話。
     
     
     

    評価:

    カワセ(KAWASE)


    ¥ 2,899

    (2012-04-05)

    コメント:“子供 うるさい” で商品検索をしたら、これが出てきて、もう・・・。  まさかとは思うけど、集合住宅でこれは や め て !!!!!

  • 継母伝説・二番目の恋 47

    「王さま、あたくしたち、騒ぎ過ぎましたわ!
     皆、王妃さまがお亡くなりになる前提で
     “見舞い” に来ておりますわ!
     そんな誤解、ひどすぎますわ、何て縁起が悪い!!!」
     
    ヒステリックに訴える公爵家の娘を、王が抱きしめる。
    「姫よ・・・、王妃は死ぬ。」
     
     
    その残酷な宣告に、公爵家の娘が無言だったのは
    王の声が震えていたからである。
     
    「そなたは、4日も眠っておったのだ。
     皆、王妃に続いて姫までもが、と大層心配しておった。
     そなたが目覚めてくれて、本当に良かった・・・。」
     
    王の公爵家の娘を抱きしめる全身に、痛いほどに力が加わった。
    公爵家の娘は、自分の事をこんなに気に掛ける王の様子に
    王妃の死を覚悟せざるを得ない事を感じた。
     
    「で・・・は・・・、王妃さまは・・・?」
    「南国の医師が6人来たが、全員わからないと匙を投げた。
     このままでは腹の子も危ない。
     もうすぐ、子を取り出す手術が始まる。」
     
     
    公爵家の娘は、王の腕を振りほどいた。
    「では、王妃さまはまだ生きていらっしゃるのね?」
     
    裸足で部屋を飛び出る公爵家の娘を、王の言葉が追う。
    「行くでない!!!」
     
    だが、叫ぶしか出来なかった。
    王は公爵家の娘のベッドに座ったまま、両手で顔を覆った。
     
     
    寝巻き姿で髪を振り乱して、裸足で廊下を走る公爵家の娘。
     
    行きかう者は、一瞬ギョッとするが
    即座に背を向け、壁に向かって頭を下げて目を閉じる。
     
    国一番の高貴な姫の、ありえない狂乱を
    城の人々は皆、見ないようにした。
     
    王妃の命が絶たれようとしているのだ。
     
    通常なら、正妃の死は側室にとっては喜ばしい事であるので
    人々はその時改めて、王妃と公爵家の娘の間の愛情が本物だ、と思い知った。
     
     
    手術室の前の衛兵には、公爵家の娘を止められない。
    「待って! 止めて!」
    侍医に追いすがりながら、公爵家の娘は叫んだ。
     
    「王妃さまのお命を諦めないで!
     生きてさえいれば、また御子は授かるわ!」
     
    侍医たちは冷静であった。
    王妃が昏睡してから、何日も話し合った結果である。
    「姫さま、その願いは叶えもうせません・・・。
     御子だけでも助けないと、国は両方を失う事になるのです。」
     
     
    常人なら、ここでまた気を失う程の絶望が襲うであろう。
    その顔色を見て、休ませるよう看護婦に言う医師を
    公爵家の娘は拒否した。
     
    「それでは、あたくしも立会います。」
     
    侍医の返事を待たずに、意識のない王妃の枕元に行き、その手を握る。
    その決意に満ちた横顔に、止める者はいなかった。
     
     
    このバカ娘に、あたくし以外の誰が付いててやれると言うの?
    公爵の娘がギュッと握る手に、何の反応もない。
     
    もうダメなのだ。
    本当にこれで終わりなのだ。
     
     
    手術が終わって、赤子の泣き声が響き
    周囲が喜びに包まれても
    公爵家の娘は王妃の手を握ったまま、うつむいていた。
     
    この、握り締めた手を覚えている。
    星に近い場所でふたりきり踊った、あの祭の最後の夜。
     
     
    王妃は最期まで、ピクリとも動かなかった。
     
     
     続く 
     
     
    関連記事: 継母伝説・二番目の恋 46 12.10.15 
          継母伝説・二番目の恋 48 12.10.19 
          
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  • 騒音のつらさ

    実は、ここ2年ぐらい、とても辛い。
    露悪趣味とも言えるぐらいに、いらん事までここに書いてきた私が
    それをする事も出来ないぐらいに、苦しんでいる。
     
    だけどリアルでは、「しょうがない」 の言葉ばかり。
    どこにも味方がいない。
    だから私はリアルでもネットでも口をつぐんだんだ。
     
     
    そのぐらい、しんどい騒音問題。
    それを何故、書こうと思ったか。
     
    それは管理人かいねに打ち明けた時に
    その辛さを理解して貰えたからである。
    今じゃないと、もう書けないかも知れない。
     
    騒音問題は、経験のある人じゃないとわからないほど
    他人の生活を、人生を壊すんだ。
    経験したからには、世の中に伝えたい。
     
     
    なお、この記事の内容は、全ての事は明かしていない。
    本筋に影響しないところでは、フェイクも入れている。
    それは私の都合が主だけど、相手のプライバシーもあるからだ。
    私は私の言い分を一方的に書くけど、嘘は書かない。
     
    コメント欄はオープンにしておくけど
    質問疑問には答えられないかも知れない。
    それどころか、返事も出来ないかも知れない。
     
    この記事に関して私が望んでいるのは、同意、同情、
    似たような話、経験談、
    そして騒音問題で私にとって有利な情報のみである。
    他は一切、聞きたくない。
     
     
    近所部屋の子供たちが騒ぐんだ。
    毎日毎日。
     
    私は聴力が弱い。
    普通の人の半分ぐらいしかない。
    でも重低音は振動として体に伝わるんだ。
     
     
    最初は、お互い様だから、と気にしないようにした。
    次に、子供なんだからしょうがない、と思いやった。
     
    だけど、毎日毎日響くんだ。
    ドスーンドスーンと飛び降りる音、タンタンとボールをつく音
    ドッタンドッタンと飛び跳ねる音
    そして一番耐えられない、ドドドドドと走り回る音。
     
    これが毎晩ひどい時には夕方から、短くとも数時間
    ひどい時には、深夜0時近くまで続く。
     
     
    一度出くわした時に、奥さんは
    「子供がいるのでうるさいでしょうけど、すみませんー。」
     
    その、当然といった言い方に
    私は言葉が、いや、声が出せなかった。
    かろうじて、お辞儀だけはしたけど顔がこわばっていたと思う。
     
     
    それから、耳の下が痛くなった。
    病院に行ったら、耳鼻科に行けと言われる。
    歯科に通院中だったんだけど、口も開けられない。
     
    歯科医が言うに、どうやらストレスで歯ぎしりが再発したらしい。
    その後、顎の関節部分まで痛くなり
    耳鼻科に行って、顎関節症と診断される。
     
    口が開けられないので歯の治療も困難になり、物が噛めなくなる。
    その積み重ねで食欲もなくなり、今は食道炎を起こしている。
     
    リラックスが出来ない日々の、続く緊張で
    ひどい肩凝りと頭痛で目の疲れも最大になる。
    眠りも浅くなり、うなされ、頭がモウロウとして考えが鈍ってくる。
     
     
    これらの原因は、すべて近所の騒音によるものだけど
    医師に相談したけど、それを私は証明できないそうだ。
    だから裁判も無理。
    何より、そういう費用もない。
     
    管理人にお願いをしたら、自分で言えと言われる。
    これはマンションの規則だから、管理側の仕事だろ。
    何故、私が規則違反を注意して近所と揉めなきゃいけない?
     
    文書で提出したり、理事会に掛け合ったら
    「子供だしねえ」
    「これから、もっとうるさくなるわよ」
    「文句を言われる側も被害者なんですよ」
    等、まるで2次被害のような目に遭う。
     
     
    管理人がみかねたのか、騒音家に注意してくれた。
    奥さんが 「夜の9時までは自由なんですよね?」 と噛み付いたので
    ご主人に言ったら、改善するよう努力する、と謝ってくれたそうだ。
     
    もう、管理人が動いてくれた事と
    そのご主人の言葉だけでも、救われる想いだったので
    出来る限り、我慢をしようと決心した。
     
    一応、それ以来、気をつけてくれてはいるけど
    しつけが出来ない母親のようである。
    と言うか、母親自体が、ドスドスバタンガタンとうるさいのだ。
     
     
    だけど、少しは静かになったので
    努力しようという気持ちはあるんだな、と自分に言い聞かせて耐えているけど
    1~2ヵ月で徐々にうるさくなり、また元の騒音家族に戻る。
     
    それを数ヶ月我慢して、精神的にもう無理だとなったら管理人に言ってもらう。
    またしばらくは静かになる、この繰り返し。
     
     
    私も近所の家を追い詰めているのかも知れない。
    今までに2度、対策をしてくれたから。
     
    1度目の防音マットか何かでは
    ちょっと音が静かになったけど、地響きは変わらず
    2度目ではかなり静かになったけど、振動はやはり気になる。
     
    この “振動” が問題で、録音機を借りて試してみたけど
    振動は録音されないんだ。
    耳栓も効かない。
     
     
    ここのマンションの防音構造は、かなりしっかりしているんだよ。
    本当に人が住んでるのか? というほど、生活音が聞こえない。
    音がするのは、椅子を倒した、とかの事故の時ぐらい。
    うるさい家は問題の騒音家だけ。
     
    たまに違う近所の中高生の子とオヤジが、ものすごい大喧嘩をし
    その時は、物は投げるわ、床は踏み鳴らすわ、壁は蹴るわ
    ハラハラするほどのバイオレンスなんだけど
    お互いに窓を開けていて、その状態で騒音家と同じぐらいのうるささなんだ。
     
    それで、騒音家の騒ぎがどれだけひどいのかがわかった。
    もしかしたら、トランポリンみたいな室内遊具があるのかもな。
    でも都会では一軒家でも、この一家の騒音はアウトだと思う。
    100坪単位の土地レベルの田舎じゃないと、近所迷惑。
     
     
    注意をして貰った時は、無音になるので
    静かに出来ないわけじゃないんだよな。
    子育ては大変だから、しつけがおろそかになる時もあるよね
    でも、他人の子供のために私が犠牲になるのか・・・。
     
    ある時、騒音家の玄関前で首を吊ろうかとまで思いかけたので
    これはヤバい、と慌てて医師に頼んで、抗うつ剤を処方してもらった。
    それで何とか、しのげた。
     
    今では、ちょっとした物音にも敏感に反応するようになってしまった。
    こういう事は、精神科医にかかるべきだろうけど
    行ける範囲にないし、何より医療費が圧迫してて
    これ以上、通院は増やせない。
     
     
    こういう時に対応できない理由は、いくつもある。
     
    ・ お金がない
    ・ 気力がない
    ・ 理解されないと、自分を否定された気分になるので言えない
    ・ あちこちに相談してダメで、可能性がゼロになるのが恐い
     
    その他、もろもろの事情。
    弁護士の無料相談も、相手次第だから恐い。
    ムリだ、どうしようも出来ない、と言われるのだけは避けたい。
    それを言われたら、私は生きていけない。
     
     
    でもでもだって、じゃなく、出来る範囲で戦ったけど
    他人事で、心無い事を言われる事が多いので
    自分を保つので、精一杯である。
     
    もし騒音家も苦しんでいるのなら、それでどうしようもないのなら
    苦しむ人は、なるべく少ない方が良いので
    自分が出来る限り我慢しよう、と思っている。
     
    なのに、ギャアギャア騒ぎながら外を歩く騒音家の子たちの声を聞くと
    心臓がキューーーーッとなるよ・・・。
     
     
    それでも私がやって行けるのは、ここがあるから。
    私は私の意地で、ここを続けている。
     
    何でもないように振舞って、大丈夫、と自分に言い聞かせる。
    それでも、たまにスサむのが申し訳ない。
     
    時々荒れた事を言ってるかも。
    それは元々の性格の悪さもあるけど
    ここんとこの私は、ちょっと不安定すぎるよな。
    皆、ごめんね。
     
     
    苦しい経験をした分、人の苦しみもわかりたい。
    得るものなく、ただ苦しみたくない。
     
    そうやって、私は皆に救われている。
     
     

    評価:

    橋本 典久

    新曜社


    ¥ 3,990

    (2012-05-25)

    コメント:こういう本のタイトルを見ただけで、胸が苦しくなるんで読めない・・・。 こうなる前に、知識を入れて対策をするべきだと助言するよ。 大丈夫、耐えられる、と過信していたら、気がついたら沈んでしまってたりするから。

  • 継母伝説・二番目の恋 46

    ベイエル伯爵の次男の死の一報が、城を駆け巡った時には
    政略結婚の可能性が消えて、公爵家の娘は内心安堵した。
     
    同時にノーラン伯爵の死が、またしても脳裏に甦る。
    しかし、その疑念もすぐに消えた。
     
    ベイエル伯爵の突然の帰還は、次男の病気が真の理由で
    その事は周囲には隠しておきたかったらしい。
     
    それを聞き、公爵家の娘は少し同情をした。
    あの時の憤怒は、息子の病気で気が立っていたのね
    身内に死が続いて、お気の毒に・・・。
     
     
    だが、人に同情しているヒマはなかった。
    王妃の体調が悪くなったのである。
     
    王妃は少しずつ少しずつ動かなくなり
    眠っている時間が長くなっていった。
     
    これはどういう事か、と侍医に問うても
    わからない、という言葉しか返ってこない。
     
     
    「あたくしの料理が悪かったのかしら?」
    心配も頂点になった公爵家の娘を、王が慰める。
    「いや、それは断じてない。
     何者であろうと、王妃には何の手出しも出来る隙は与えておらぬ。
     これは、“病” だ。」
     
    「でも、侍医ですらわからないと言っているではないですか。」
    「東国人の医師には東国人の体しか・・・」
    言い合いながら、ふたりは顔を見合わせた。
     
    次の瞬間、慌てて王妃の寝室から飛び出し
    互いに互いのルートで、南国の医師探しを命じる。
    「とにかく急いで!」
    「何人でも構わぬ!」
     
    本来なら、身篭った王妃の急病など隠さねばならない。
    しかし、なりふり構っている状況ではない事は
    誰もが何となく察していた。
    あの王と姫が、あれだけ慌てているのである。
     
     
    王妃の病を知った貴族たちが、続々と見舞いにやってくる。
    あれだけ王妃をさげすんでいたくせに・・・
    それでも、その形ばかりの見舞いも受けねばならない。
     
    どんなに辛くても、余裕がなくても
    きちんと対応をして礼を述べる、それが社交なのである。
    それを避けたいから、ベイエル伯爵も次男の病気を隠したのであろう。
     
     
    その表面だけの見舞い客の中に、南国からの使者がいた。
    その使者は、王ではなく公爵家の娘に謁見を申し出た。
     
    あのバカ娘のせいで、忙しくて目が回りそうなのに
    南国人は、使者までうっとうしい。
    謁見は王に任せて、女のあたくしが側に付いていないといけないのに・・・。
     
    公爵家の娘は、内心イライラしながらも
    落ち着いて威厳ある風情で、南国からの使者の前に立った。
    「遠くからのお見舞い、痛み入ります。
     貴国からお迎えした王妃さまのお具合が悪くなり
     どうお詫びをしたら良いのか・・・。」
     
     
    南国からの使者は、意外な言葉を告げた。
    「我が王は、嫁に出した娘の事は
     すべてそちらにお任せする、と申しております。
     今日は、今まで良くしてくださった公爵家の姫さまに
     心ばかりのお礼を届けるよう、言い付かってまいりました。」
     
    その言葉に、公爵家の娘は頭から血の気が引いた。
    王妃は生きてるのに、この者は何を言っているの?
     
     
    公爵家の娘は、ベッドの上で目を覚ました。
    ああ・・・、王妃が病気になるなど
    何て悪い夢を見てしまったのかしら・・・。
     
    痛む頭を抱えながらグラスの水を飲んでいるところに、王が入って来た。
    公爵家の娘は、その王の姿を見た瞬間、すべてを理解した。
     
     
    これからまた、その悪夢の続きが始まるのだ。
    終わらない夢が。
     
     
     続く 
     
     
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  • ディアナチュラ コンドロイチン

    日々、関節の痛みを訴える、傷んだヤツらに
    コンドロイチン教を説いて回っている私は
    アサヒフードアンドヘルスケア株式会社社名が長えよから
    粗品のいっちょも贈答されても良いと思う。
     
     
    私が右膝が痛くなったのは、30歳か31歳か32歳か
    とにかくそこらへんの年齢で
    まだ “老朽化による関節のガタ” など辞書にも載っていない
    ピッチピチのお年頃と言うには、ジャロが怒るじゃろう。
     
    面白くもなんともない事を得意がって言うようになったら、立派な老害!
     
    この痛みというのが、ジッとしてたら何ともないのに
    立とう歩こうとしたらズキッとくるのだ。
    そんでそれが何の前触れもなしに、ある日突然今日から!
    まるで嫌な生まれ変わりのように、痛みが出現したんだよー。
     
    たまに痛いな、とかだと、まだ納得できるだろ?
    それもなしにいきなりだから、え? 何で? と
    パニックを起こす事は間違いなし。
    いや、私の場合は、な。
     
     
    病院に行ったら 「水が溜まってた」 とか言われて
    ぶっとい注射器を刺されて、チューーーッと吸われた、とか
    ロクでもねえ体験談しか耳にしなかったので
    とりあえず、“受診” はなしにする。
     
    代わりに薬屋さんに行って、薬剤師さんにどうしよう? と訊いてみた。
    すると、これなんかどうでしょう? と
    ゼリア新薬のコンドロイチン錠を勧められる。
     
     
    そう、あの石原良純がCMをしているあれである。
    私が買った時は、1ヵ月分で5800円で
    その時に消費税が導入されてたか、定かではないけど
    サイトを見てみると
     
    ゼリア新薬 コンドロイチンZS錠 1回2錠 1日3回
    税込み価格 60錠(PTP) 2.520円
    108錠 3.880円  180錠 5.880円 270錠 7.880円
     
    と書いてあるので、180錠のやつだろうけど
    私が飲んでたやつはアルファベットは2個も付いてなかったような気がするので
    多分、今のやつは成分が違うと思う。
     
     
    これがな、ほんと2~3日で劇的に効いたんだよ!
    歩くのがやっとだった痛みが、きれいさっぱり消え失せたんで
    治った! と思って、薬を飲むのを止めると、また数日で痛くなる。
    飲むと治る。
     
    これを数ヶ月繰り返して、思ったよ。
    コンドロイチンは、もう一生止められない・・・、って。
    だって飲むのを止めると、3日で痛みが出てくるんだ。
     
    となると、問題は値段だろ?
    1ヵ月で5800円、キツくねえ?
     
     
    よって、あんだけ助けられたゼリアのコンドロイチンに別れを告げ
    安いサプリを探す旅に。
     
    安いサプリはすぐ見つかった。
    それもゼリアとまったく同じく、抜群に効く。
     
    私が名を明かさないのは、悪口が始まるから。
    そのバカメーカーな、新成分を配合しやがったんだよ。
    「関節痛に本当に効くのはこれ。
     コンドロイチンは、この成分の補佐的役割でしかない。」
    みたいな事を言うので、おお、そりゃ凄い、と思うだろ?
     
    ・・・それが、まったく効かず・・・。
    期待満々の時の私のプラシーボは凄まじい自己暗示力があるのに
    効かなかったんで、そのメーカー自体に見切りをつける。
     
     
    次に話題になったのが、グルコサミン。
    これも期待値MAXで挑むも、まったく効かず。
    ヒアルロン酸はもう試しもせず。
     
    だって、膝の傷み、切実なんだよ。
    私だけかも知れないけど、コンドロイチンが一番効くんだ。
    他の成分を混ぜて、コンドロイチンの量を減らさないでくれよー。
     
     
    もう一生飲むものだから、そんで安物で見事に効くから
    出来るだけ安いものを、と探して、今は買いやすいこれにしている。
     
    ディアナチュラ コンドロイチン 90錠 1.575円 1日3錠 
     
    <原材料 丸写し>
    コンドロイチン含有サメ軟骨抽出物、ヒアルロン酸、セルロース、
    グルコサミン(エビ・カニ由来)、ビタミンB1、デンプングリコール酸ナトリウム、ビタミンB6、ビタミンB2、ステアリン酸Ca、セラック
     
    <栄養成分表示も丸写し>
    1日3粒(993mg)あたり
    エネルギー 3.33kcal、たんぱく質 0.29g、脂質 0.0050g、炭水化物 0.53g、
    ナトリウム 31.48mg、V.B1 25mg、V.B2 12mg、V.B6 10mg、
    コンドロイチン(サメ軟骨抽出物由来) 455mg、グルコサミン 100mg、
    ヒアルロン酸 1mg
     
     
     
     
    一生飲む、と言ってもさ、栄養の一種なわけだから
    自分の痛みに合わせて、1日3錠を2錠や1錠にして良いんだよ。
    そんで痛みが出たら、量を増やしながら調整する、と。
     
    ただ漫然と飲んでも良いけど、ムダはしたくないじゃん。
    サプリは適量以下なら、勝手に増減できるから気楽。
     
     
    こうやってリアルで私が勧めた人で、治らなかった人はまだ0人。
    他にも合う成分があるかも知れないけど
    とりあえずコンドロイチンは万人受けすると思う。
     
    これに関しては、すっげー感謝されてるけど
    やっぱり飲むのを止めたら、痛みがブリ返す人が多いんで
    一生のお供が、割と重荷だよな。
     
     
    なお、私は運が良くて何十年もコンドロイチンでしのげているけど
    痛みが起きたらまず病院、は常識な。
     
    私が言っても説得力に欠けるだろうけどさ。
     
     
     

    評価:

    アサヒフード&ヘルスケア


    ¥ 1,062

    (2011-03-07)

    コメント:ちょ! 1400円台で買ってた私、涙目!!! ああ・・・、もう何の提灯記事 (提灯は持ち上げるもの = 褒める事の比喩。 勉強になるだろ? ババアの知恵袋は。) も1行たりとも書きたくないね! 皆、ここで買って得せえ、バカ野郎ーーー!