投稿者: あしゅ

  • 黒雪伝説・略奪 8

    「頭領にだけ全部話して、海賊たちにどう言うかは
     頭領自身に任せりゃ良いんじゃない?」
    黒雪のこの言葉で、王子は頭領にすべて話す決心をした。
     
    “事実” を聞いた頭領は、意外にもすべてを信じた。
    「いくら貴人の言う事とはいえ、鵜呑みは感心せんなあ。」
    混ぜっ返すような黒雪の言葉に、頭領は真面目に返した。
    「鵜呑みにするだけのワケが、こっちもあるんだ・・・。」
     
     
    頭領が顔をグイッと近付けて訊いた。
    「あたしらが何故、海賊をやっているかわかるかい?」
    黒雪も顔をググッと近付けて答える。
    「暴力で稼ぎたいから?」
     
    王子がバシーーーッと黒雪の頭をはたいた。
    「皆が皆、あなたみたいな人じゃないんですよっ!」
     
     
    「あたしらの部族は、昔は海賊じゃなかったんだ。
     ちゃんとした “村” があったんだ。
     それが偶然にもここ、この地なんだよ。」
    見回すと、確かに廃屋がポツポツ残っている。
     
    「うちの村は男たちが船を作り、畑を耕し
     女たちが漁に出る、という風習だったんだよ。
     海の神様は男性なんで、男が海に出たら荒れる
     という言い伝えがあってね。」
     
    「それは珍しいですね。
     多くの地では、海の神は女性だと言われてますよ。」
    「へえ、じゃあ、さっきのタコは男だったから
     触手攻めをしてたのね?」
     
    下ネタのつもりは、さらさらない黒雪だったが
    王子が青ざめた顔で、たしなめる。
    「奥さま、軟体動物が相手でも私は妬きますよ!」
     
     
    頭領がイラ立った様子で、溜め息を付く。
    「あんたたちが仲が良いのは、よーくわかったから
     今は “こっちの事情” に集中してくんないかな?」
     
    「あ・・・、すみません。」
    王子だけが恐縮して詫びた。
    黒雪はテヘヘと笑っている。 悪気はないようだ。
     
     
    「あたしがまだ10代の頃だった。
     嵐で何日も海上で立ち往生させられて
     やっと村に戻ってこれた、と思ったら
     村はこの通り、廃れてしまっていたんだ。」
     
    両手を広げて訴える頭領。
    「留守にしていたのは、ほんの数日だったのに。
     その時に村にいた人々は行方不明さ!」
     
    「王子をさらったのは、何か知ってるんじゃないかと思ったからさ。」
    と言ったが、王子をおとりに黒雪を呼び寄せたのは
    ついでに、噂の黒雪を見てみたかったからでもある。
     
    頭領は頭を抱えた。
    「何かがおかしいんだ。
     世界が変わったとしか思えないような・・・。」
     
     
    「ああー、それ多分、王子組み込みリセットされた時だわ。
     洋上にいたから、見過ごされたんじゃない?
     結構、適当な再生をしてるっぽいし。」
     
    「無神経な言い方をしないでください!」
    怒る王子に、黒雪があっさりと言い捨てる。
     
    「だって神さまのやってる事自体が無神経なわけでしょ。
     人間は少しは被害者ヅラしても良いと思うわよ。」
    「それを言われると・・・。」
     
    暗い顔をする王子の顔を覗き込んで、黒雪が優しい口調で言う。
    「ああ、あなたは人間出身じゃないけど
     根本的には、あなたのせいじゃないんだから
     ウジウジしないでねー?」
     
    「ウ・・・ウジウジですか・・・。」
    王子は複雑な気分になったが
    黒雪はこれでも慰めているつもりなのであろう。
     
     
    「じゃ、あたしらには文句を言う事すら出来ないってわけだね?」
    説明を受けた頭領は、怒りに満ちた表情で言ったが
    黒雪は容赦なく言い捨てた。
     
    「ふん。 型通りのセリフを言わないでよ。
     しょうがないじゃない。
     おまえ、あのデカい手を見て、かなうと思える?
     自分個人のプライドやらを大事にして、強大な敵を作るより
     弱者ヅラして、ご褒美をむしり取る方が
     ずっと国のためになると思わない?」
     
    黒雪は、握っていた鉄の石をグッと突き出す。
    「だから真実は、あまり知らせたくないのよ。
     被害を実感しなきゃ、傷も付かない。
     おまえ、どの仲間にどの程度伝えるか、よく考えることね。
     知って良かった真実なんて、実際はどうでも良い事ばかりなのよ。
     ほとんどの事が、知らなきゃ良かった~~~(泣) なんだから。」
     
    頭領は言葉に詰まった。
    黒雪の言う事はドス黒いけど、的を射ている。
     
    「不思議な事もあるものね、で終わらせときなさいよ。
     皆が皆、現実に耐えられるわけじゃないんだし。」
     
     
    こんな脳みそが筋肉の姫さんに、要点を突かれるとは・・・
    固まって狼狽する頭領を見かねて、王子が入れ知恵をした。
     
    「あの・・・、“使命感” なら
     比較的、変換しやすいと思いますよ?」
     
     
     続く 
     
     
    関連記事 : 黒雪伝説・略奪 7 11.7.11 
           黒雪伝説・略奪 9 11.7.15 
           
           黒雪伝説・略奪 1 11.6.23 
           
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  • さあ逃げよう

    「何事も経験」 と言うけれど、歳を取ってくると
    “する必要のない苦労” ってのがある、とわかってくる。
     
    この、“何事も経験” とかいう、一見正義ジャンルの言葉は
    何かヤバそう、って時に、奮起や諦めを呼び起こす呪文だったのだ。
    必要なようでいて実は必要じゃなかった、と気付かないための・・・。
     
     
    実際に、不本意な経験が後々役に立つ事もあるんだが
    それはその時点では判断しようがない。
    と言うか、実際に経験して痛い目に遭わなくても、習い聞けば済む話である。
     
    周囲であれこれ起こるから、どう生きていても
    長生きしているだけで、経験豊富にはなれる。
    よって、年寄りの知恵ってのは
    同年代老人なら、すべからく持っているものなので
    偉そうに披露できるのは、主に若い者に対してのみ。
     
    経験をどこでどう生かすかの判断は、個人の力量によるものだが
    それを真に発揮できるのは、大概は老齢になってから。
     
    つまり我々人類は、生き字引きとなるために
    日々コツコツと経験を重ね、精神の鍛錬を繰り返して生きているのだ。
     
    こう考えると、人生イヤになるよな・・・。
     
     
    その “罠苦労” とは、役に立つ苦労のフリをして
    何の吉事ももたらさないどころか
    ヘタに関わると、人生の汚点になってしまう事になるもの。
     
    たとえば、シワだらけのシーツはまだ良い。
    ウォッシャブル加工だと言い張る事も出来ないでもない。
    しかしそこに1個でもシミが付いたら、途端に全体が薄汚れて見える。
    “人生の汚点” というのは、こういうもの。
     
    人生に汚点が付いてしまうと、もう、寿命全部がワヤ!
    大開きしていた天国の門も、鼻先で閉じられる予感がしてくる。
     
    そこで、それ以上愚行を重ねないように、年寄りは慎重になる。
    年寄りの頭が固い、と思われるのは、多分このせいだ。
     
     
    道に倒れている人を介抱したら、それがB国の兵士で
    私、関係ないA国人なのに、B国C国2国間の戦争に
    いつのまにか介抱した兵士の側として参戦しちゃってた
    みたいなトラブルって、多々あるだろ。
     
    こういう、巻き込まれ事故に遭わないためにはどうするか?
    倒れている人を素通りするのか?
     
    っちゅう人道問題になるのだが
    積み重ねてきた経験を基に、脳細胞を総動員させ
    “倒れている兵士を、本人に気付かれないように
     いかに隣国の敷地内に戻すか”
    という解決法を取れるのが、知恵袋称号を持つ年寄りの真価である。
     
     
    何を手放せるのか、いかに損失を最小限に抑えられるか
    あらゆる方向から分析判断して、正しく逃げろ。
    逃げたらみっともない、とか、予定調和の世界のみの話。
    成功したからこそ、「逃げなくて良かった」 と言えるんだろ。
     
    上級者ともなると、自分に正義があるかのように錯覚させて
    しかも華麗に逃げる。
    突っ込み玉砕は誰にでも出来るが、これは難しいだろうー?
     
    相手に 「逃げた」 と気付かせないのは、もはや神の技。
    仕事においても付き合いにおいても、無敵!
     
     
    思えば人生って、「如何に逃げられるか」 を最終目標にした
    シミュレーションゲームのような気がする。
     
    生き字引きだの、逃げチキン推奨だの
    ほんと “生” に夢がなくなる表現ばかりしているけど
    そんだけ現実には、落とし穴がいっぱいあると思う。
     
    “逃げるという選択肢がないと思われる状態でも
     頭の片隅で逃げる算段を、一応は取ってみる”
    そういう保険的な思考のクセを身に付けておけば、割に安泰だぞ。
     
     
    年を取れば、全員フル装備できるはずの逃げスキルなのに
    ドアホウな私は、年寄り初心者になっても
    まだまだ見極めが甘く、生き字引きの称号も持っていない。
     
    とりあえず降りかかった火の粉も、落としどころがわからず
    及び腰に挑んでいる真っ最中である。
     
    穏やかな老後を迎えようと、キイキイひとり騒ぎしているところに
    いらん行事を組み込むなよ、万が一が危ねえだろ。
    縄1本かろうじて残っている足場の上で、はしゃぐ余裕があるかよ。
     
    このような、神にも悪魔にも決して評価されない姿勢でいるので
    天国への階段すら見つかっていない状況である。
     
     
    教訓: 逃げる事の大事さを、知っているのと知らないのとでは大違い!
     
     
     

    評価:

    浩生


    ¥ 2,610

    コメント:毎回、記事のひとことをキーワードに商品検索をしとるが、今日は “逃げ”。 ちょ、この商品、本当? うちの地域、鳩がどんどん勢力拡大してるんだよ。 鳩、恐えよ、平和の象徴が何であんな無機質な目をしてるんだよ、てか現に図々しくて凶暴だぞ。 鳩、お願い、来ないで!

  • 黒雪伝説・略奪 7

    「で、説明をしてくれないかな。」
    頭領に詰め寄られ、王子は悩んだ。
    どこまで言って良いものか・・・。
     
    黒雪は、隣でスープとパンをガッついている。
    船酔いもまだ覚めない王子には、酷な風景である。
     
     
    「奥さま、どうしましょう?」
    王子がボソボソと黒雪に相談する。
     
    「ん? フツーに言えば良いんじゃない?
     王子と私は、魔王に頼まれてこの国にいる魔族を捕まえてんのよ。
     はい、これで終わる話じゃん。」
     
    ノンキな黒雪に頭領が突っ込む。
    「終わるか!
     何でこの国に魔族がはびこってるんだよ?」
     
    このセリフに、王子と黒雪はハッと目を合わせた。
    「そう言えば、何で・・・?」
    「そうですよね、何で魔族が?」
     
     
    青ざめて見詰め合うふたりに、頭領はイライラした。
    「王子さまよお・・・、あんた頭脳担当じゃなかったんかい。
     こんな大変な事の理由さえ疑問に思わなかったんかい?」
     
    「あ、いえ、そこは色々とあって・・・。」
    「だからその、“色々” を聞きたいんじゃないか!」
     
    高貴な身分なのに、平民にしかも海賊に怒られてしょぼくれる王子と
    とりあえず飯、とパンをおかわりする、全身ヌルヌルの黒雪に
    海賊たちは王家のイメージを変えざるを得なかった。
     
     
    「奥さまーーーっ」
    泣きつく王子に、黒雪がキレた。
    「細かいなあ、もう!
     国大変 → 戦う これ当然じゃん。
     しかも国から災いを除ける度にご褒美が貰えるんなら
     一石二鳥でしょうが!」
     
    「ご褒美?」
    「あっ、着いた!!! 話は後!」
     
    船室から勢い良く飛び出して行く黒雪の背を見て、頭領は思った。
    猪のような女だね・・・。
     
     
    「私、私、私が一番乗りーーー!」
    ゴネにゴネて、黒雪が最初にボートで上陸した。
    「金鉱カモーーーン!!!」
     
    ダッシュした途端、ズザーーーーーッとコケる黒雪。
    目の前にはホッカホカの温泉があった。
     
     
    「ええ・・・? また温泉・・・?
     どんだけ茹だれって言うの・・・?」
     
    ヘタリ込む黒雪の横を、頭領がスッと追い越す。
    「何やってんだい。
     その温泉は、あたしらが利用してる秘湯だよ。
     さっきの落雷場所はあそこだろ。」
     
    え? と見ると、その先の岩山から煙が立ち昇っている。
    黒雪は慌てて頭領の指差す方向へと走った。
     
     
    「こ・・・これは・・・もしや・・・」
    黒雪が手にした石を覗き込んで、王子が答える。
    「ああ、これ、鉄っぽいですね。」
     
    「じゃ、ここ鉄の山・・・?」
    「ええ、多分。」
    ニッコリ笑う王子に、黒雪がうおおおおおおおおおと吠える。
     
     
    「やったーーーーーーっっっ!!!!!
     鉄の剣 鉄の斧 鉄の槍 鉄の盾 鉄兜 鉄の鎧
     武器防具作り放題ーーーーーーーーっっっ!!!!!!」
     
    両手で石を掲げて踊り狂う黒雪を、海賊たちは呆然として見ていた。
    「一体、何なんだい・・・?」
     
     
     続く 
     
     
    関連記事 : 黒雪伝説・略奪 6 11.7.7 
           黒雪伝説・略奪 8 11.7.13  
           
           黒雪伝説・略奪 1 11.6.23 
           
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  • 人生相談 31 兄嫁がカス

     <質問>
     

    つい最近ですが、兄の彼女の妊娠が発覚し
    籍を入れる予定だという事を聞きました。
     

    できちゃった結婚ではありますが
    お目出度い事なので祝福してあげたいのですが
    素直におめでとうと言えない心境にあります。

    実は彼女(20代後半)はバツイチで二人連れ子がいます。
    バツイチだろうが子持ちだろうがしっかりしていてくれれば問題ないのですが
    私の中でひっかかる事がありまして…。

     

    元々、兄(20代後半)は私(20代前半)の紹介で私の知人と付き合っていました。
    が、しかし兄の二股が発覚。
    その相手が今の彼女だったんです。
    しかもその時彼女はまだ離婚していなかったんです。

    その話もまぁまたごちゃごちゃと揉めたのですが、兄は私の知人と別れ、
    彼女は離婚して本格的に兄と付き合うようになりました。
    何となく会う前から「旦那がいるのに他の男にちょっかいを出すような女」
    というイメージでよくは思っていなかったのですが
    お正月に初めて子供を連れて家に遊びに来た時の事。

    まず、初っぱなから正月に来るなんてちょっと礼儀知らずじゃ?と思ってたんですが
    それよりも何よりも子供達の行儀がとにかく悪かった。
    ご飯食べながら寝そべったり、
    うちの両親から貰ったお年玉をその場で速攻あけるわ
    障子を指でつついて破くわ…
    そして、彼女はそれを怒りませんでした。

    両親は気を使ってそれでも彼女の子供の面倒を見ていたのですが
    彼女と兄はずーっと携帯をカチカチ。
    結局お昼すぎから真夜中まで居座り、手伝いも片付けもしないまま
    母にお礼も言わぬまま帰っていきました。

     
    それに私はぶちぎれまして
    「ちょっと彼女常識ないんじゃない!?ってか、
    あんたがそういうのちゃんと教えないとダメでしょ!!」と怒ったのですが
    兄は「初めてきたから、気ぃつかって何も言えなくなってたんだよ」
    とこれまた訳のわからない弁解をしてきました。

     

    そして、その後からどんどんと私の家に入ってくるようになり
    子供を見れないから見てくれと私の親に頼み(結婚もしてないのにですよ?)
    母が迎えにいったりもしてますし
    今住んでる家を引っ越すから荷物の置き場がないと
    家にどんどん洋服や家財を持ち込んできたり…
    自分の母親の家に車がおけなくなったからと
    母親の車を私の家の駐車場に停めてたり…
    私にとっては「ありえない」の一言です。
    何だか、家をどんどん彼女に侵蝕されてるような気がして…。

     

    そして、今回の妊娠の件も私が兄達から直接聞いたわけでなく
    うっかり者の母がうっかり口を滑らせてしまった事で知りました。
    母は兄達の話を私に隠すので(恐らく、私が二人の事をよく思っていない為
    あまり私を怒らせないようにと黙っていたのでしょうが…)
    それも無性に腹立たしかったり。

     
    そして、気を付かった母が「○○(私)には何も言わないの?」と兄に聞いても
    兄は「お母さんから言っといて~」と。
    ふざけるにも程がある。

     

    私は、このまま二人が何も言ってこないようなら
    結婚祝いも出産祝いもしたくないし
    その先ずっとある色々なお祝いもしてあげたくないなと思いました。
    でも、実際問題そうする事によって関係は悪化するでしょうし
    罪のない兄夫婦の子に嫌な思いをさせてしまうのではと悩んでしまいます。

     
    ちなみに姉も子供がいますが
    その子にはきちんと色々なお祝いをしてあげてるので
    大きくなれば差別されてる事に気づいてしまうんじゃないかと…
    (ちなみに兄は姉の結婚も出産もお祝いしてません。困った兄です)

    兄は、私が言った所で聞きやしませんし
    彼女も身重なので、私がグチグチ言って心労をかけさせるのも
    何だか気が引けて…

     
    でも、やっぱり納得がいかない。
    人の親になるんだからちゃんと常識、礼儀は知っておいてほしいんです。
    家族は「○○(私)がうるさすぎる」と言いますが
    変わってるのはうちの家族の方だと思うんですね…
    よその家はもっとちゃんとしてるし。

    味方も賛同者もいない中で
    でもやっぱ腹立つ!!というこの気持ちを
    どこに向けて
    どう発散して
    どう処理したらいいのか悩みます。

    是非、意見を聞かせて下さいm(__)m

     

     <回答>

     

    これから、すっげー鬼畜な事を言うんで、その前に念押し。
    家族は、「相談者 “が” うるさすぎる」 と言ってるんだな
    家族は、その兄嫁 (予定) をどうにかしたい
    と、相談者に言っているわけじゃないんだな?
     

    私としては、お腹の子のDNA検査を勧めたいところだが
    その嫁と別れても、兄、また似たようなんを連れてくるだろうし
    そんで、多分おめえんち、懲りずに
    それを受け入れるような気がするなあ・・・。

     

     
    私の意見は、相談者の幸せだけを考えて言う。
    きっと受け入れられないだろうけど、記憶には留めておいてくれ。

     
    そんで出来れば、白く輝く真っ当な意見を
    通りすがりの誰か、どうか書いてください頼む!

     
     

    まず、家族と滅多に会えない距離に引っ越すんだ。
    そして、家の事には何も口出しせず、見聞きせず
    自分に必要な時にだけ、1000円ぐらいの土産を持って里帰りして
    5万円価値ぐらいの物資を持って帰る。

     
    家族との付き合いは、ごく自然に、それだけにしろ。
    自分に都合が良い時のみに自分のしたいようになら、積極的に動き
    それ以外は、最小限の儀礼的なものに抑えるべき。
    見返りは何も期待せずに。

     
    くれぐれも表面的には愛想良く冷静にな。
    感情的になるなど、子供扱いされるだけだぞ。

     
    出産祝いとか、5千円ぐらいの服セットでも贈っとけ。
    「ごめんね、私もひとり暮らしで物入りで~。」 で。
    子供に罪はないけど、平等にする必要はない。
    我が子がぞんざいに扱われないために
    “普通” の親は、“ちゃんと” するものなんだから。
     

     

    その内、親が兄嫁のグチとかを言ってくると思うけど
    相談者は一切、兄嫁の悪口を言うな。
    「まあまあ、そう言わないで。
    将来、お義姉さんにはお母さんたちの老後をお願いするんだし。」
    これだけを呪文のように唱えておけ。

     
    この言葉の目的は、長男嫁が親の面倒をみるのが普通、と親を洗脳して
    兄嫁に対する期待度を上げる事にある。
    余計な期待をすると、人間関係は壊れやすくなる。
    特に他人が “家族”“身内” になるなら。

     

     
    同居してても、これを出来るヤツがいるけど
    相談者は多分、距離の犠牲を払わないと無理だと思うんだ。

     
    つまり私は相談者に、「家族を見捨てろ」 と言ってるんだな。
    家は、親から兄へと代替わりをする。
    家族の改心はよっぽどの事がない限り、ない。

     
    一番可能性が高いのは、相談者が家族に悪者にされつつ
    とことん利用されるパターン。
    私は、これが何より恐くて嫌なんだ。

     
    人間もやっぱり動物でさ、出会い直後に力関係がほぼ決まるんだよ。
    相談者んちの場合、兄嫁 > 兄 > 親 > 相談者 っぽい。

     
    親は相談者に気を遣ってるようでいて、言う事は聞かないだろ。
    そういう場合は後々に、相談者を利用しにかかるかも知れない。

     例: 兄嫁がしてくれないから、あんたが○○をして 等   
        相談者は文句を言いつつも、してあげる。
        相談者の労力はマキシマム、家族のお礼と感謝はミニマム。

     

     
    相談者が多くを望んではいないのはわかる。
    「皆、ちゃんとしようよ」 だけだろ。
    やったらやっただけ返ってくれば良いんだよな。

    それは当たり前で正しい事だけど
    “きっちり” と望むから、つらいんだよ。

     
    自分を尊重しない家族のために生きるか、自分の幸せを探すか
    相談者の場合、この両方揃って当たり前のような事が
    不可能に近いかも知れない。

     
    だから兄の事を言ってる場合じゃなく、自分の事に集中した方が良いぞ。
    この世はそういう、真っ直ぐな世界じゃないから
    まずは自分の事を第一に考えろ。

     
    じゃないと、自分が結婚した時にも
    婚家で似たような嫌な想いをするかも知れないぞ。
    と言うか、婚家先が古い家柄なら
    兄のその結婚は、自分の破談に繋がりかねない。

     
    相談者は相談者で、自分の家庭を築く時が来るんだから
    “血の繋がり” だけじゃ、家族をやってはいけない
    と思い知る良い機会だった、と思うしかないよ。

     

    親と別居が無理なら、まずは何で出来ないのか
    その、“自分自身” の問題とじっくり向き合えよ。
    別居が出来ていない自分だから
    家族間で、今の立場にあるんだと思うよ。

     
    自立していない、とかじゃなく
    自分の地位を自分で操縦出来ていない、って意味で。

     
    人はな、逃げるものを追いたくなるもんなんだ。
    ベッタリくっついてくるヤツは、逆にうっとうしい。
    あああ? 私が “うるさい” ---?
    だったら離れてやるよ! ぐらいの気概を持ってくれ。
     

    多分、相談者が家の事をかえりみなくなれば、家族は頼ってくる。
    はねのけろよ、それは “甘え” であって愛ではないからな。
    けど、溜飲は下がるだろ。

     

     
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

     

    人生相談は、あまり受け付けておりませんが
    ご相談はメールでお願いいたします。

     
    相談前に、私の他の記事をご一読ください。
    こういう “私” に相談する、というその選択について
    もう一度よくお考えくださるよう、お勧めします。

     
    アドレスはプロフィールにあります。
    件名に、「人生相談」 と入れてください。
    迷惑メールに紛れる危険性がありますので、何とぞ。

     
    匿名で結構です。
    いらん個人情報ばかり書いてこないで
    肝心の相談内容の情報の方にこそ気を遣ってください。

     

     
    なお、ここの相談では、通りすがりの人にも回答されます。
    むしろ、回答を通りすがった人に丸投げする事もあります。

     
    なので相談後の意見、返事、報告等がありましたら
    出来れば記事のコメント欄に書いていただけたら、ありがたいです。
    答えた人ここを読んだ人全員、結果を気にしていると思いますので。

     

    ※ 相談内容を転記の際、状況によって

      伏字、改行、修正などをさせていただく場合があります。

     
    ※ 精神的に打たれ弱い方はご遠慮ください。

     

    注: たまにこちらからのメールが届かない人がいますが

       その “私ブロック” を解いておいてください。

     

     
     <通りすがりの人の、回答上の注意>

     
    偽名、匿名、無記名で結構ですので
    相談内容に沿った、ご自分の意見、経験を教えてください。

     
    貰った意見をどう解釈して取り入れるかは
    相談者が勝手に決めて良い事なので、意見を書く人は
    相談者に一方通行の贈り物をするつもりでお願いします。

     
    相談者には相談者の個性や性格があるので
    願ったものとは違う答を出しても
    助言がムダになったわけではないのです。

     
    相談者が意見募集を締めた後も
    似たような状況の人も関係ない人も、何かの参考になって
    皆が何かを得る事ができたら良いな、と願っておりますので
    いつでも経験談などの意見を書いてくだされば、ありがたいです。

  • 黒雪伝説・略奪 6

    何とかタコの足に近付こうと、もがく黒雪の横に頭領が滑ってきた。
    「あっ、何で来たの! 死ぬわよ?」
    「それはこっちのセリフだよ。
     立てもしないこの揺れの中、あんたら、どうするつもりなの?」
     
    ズザーッズザーッと甲板を滑りながら、何とか会話をする。
    「何か刃物持ってない? カギ爪とか。」
    「ダガーナイフならあるけど・・・。」
    「2個ある?」
    「いや、他は斧ならある。」
     
    「じゃあ、それ両方貸して。 多分返せないけど。
     んで、あなたは武器庫に向かっている王子の手伝いをして。
     最後の手段は、こいつの爆破だから。」
    「わかった。」
    黒雪はタコのいる船首へ、頭領は地下への階段へと滑って行った。
     
     
    王子と頭領が、爆弾と銃を抱えて甲板に出ると
    黒雪は遥か上空で舞っていた。
    タコの足に斧とナイフを刺して、しがみ付いているのである。
     
    生きてるタコがこんなにヌルヌルするとはーーー!
    料理をしないヤツにはわからない話である。
     
    「ああ・・・、奥さま・・・。」
    気絶しようとする王子を、頭領が怒鳴る。
    「そういうのは後にしな!
     早く船首に行かないと、あんたの奥さんが海の中にドボンだよ!」
     
     
    タコが黒雪を振り払おうと、足を上げた瞬間
    黒雪は斧とナイフを抜き、タコの頭の方へとダイヴした。
     
    タコの頭に叩き付けられた瞬間、右手の斧を振り下ろし
    左手のナイフを刺し、タコの頭部に自分を固定させる。
     
    とっさによく出来たもので、マジでファイト一発のCMに出られそうな
    ラッキーとしか言えない曲芸である。
     
    それは黒雪にもわかっていて、とうとう音を上げた。
     
     
    「魔王ーーーーーーーっ、魔王ーーーーーーーーーーっ
     こいつ、レベル的に私らには絶対に無理ーーーーーっ!!!
     やれても、頭部爆破で殺すしかないから
     これで “捕まえた” と解釈してーーーーーっ!
     おーーーねーーーがーーーいーーーっっっ!!!」
     
    確かに、両手両足を広げてタコにしがみつく姿は
    “捕獲している” と見えなくもないかもしれない。
    かなりな拡大解釈ではあるが。
     
     
    「彼女、何を言ってるの?」
    頭領が黒雪の錯乱を疑いかけたその時、声が響いた。
     
     了解ーーーーー
     
    空中に巨大な手が現われ、タコの頭部を掴んだ。
    黒雪どころか、船ごとである。
     
    「魔王ーーーっ、道連れ禁止ーーーっ
     タコだけ回収してーーーっ!」
     
    黒雪が慌てて叫ぶと、手がもうひとつ出現して
    船をベリッと丁寧に剥がし、海に浮かべた。
    黒雪も摘まみ上げられ、船の上にソッと戻された。
     
     
    「あっぶなーい。
     今度は魔界にワープするとこだったわ。」
     
    「奥さま、大丈夫でしたか? ケガなど・・・」
    胸を押さえてヘタり込んでいる黒雪のところへ
    王子が駆け寄って抱きしめようとして、・・・止めた。
     
    「だよね、全身ヌメヌメだもんね。
     こんな事であなたの愛を量ろうとはしないから
     遠慮なく、ちゅうちょしてて良いわよ。」
     
    黒雪は悪気なく、いやむしろ気を遣って言っているのだが
    王子にはものすごいイヤミに聞こえて
    でも、そのネバネバヌラヌラは潔癖症の王子には耐えられず
    愛との天秤に、ひとり苦悩した。
     
     
    それを横目で見ながら、頭領が訊く。
    「で、あの不可思議な手は何なんだい?」
     
    「あ、説明はちゃんとするから、ちょっと待って。
     魔王ーーーーーーっ、聞こえてるーーーーーーーー?
     今回は大物だったんだから、お礼も相応のを希望ーーーっ!」
     
     
    次の瞬間、遠くに見える陸地の端に雷が落ちた。
    「あそこ! あそこに向かって!」
    黒雪は頭領をせかした。
     
     
     続く 
     
     
    関連記事 : 黒雪伝説・略奪 5 11.7.5 
           黒雪伝説・略奪 7 11.7.11  
           
           黒雪伝説・略奪 1 11.6.23 
           
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           小説・目次 

  • 見せるか 隠すか

    この問いには、私は 完!璧! な答を持っている。
     
     
    外見コンプレックス 10.6.30 に書いたように
    うちのかあちゃんの外見は特殊である。
     
    あっ、もう、こんな最終兵器を出されたら
    外見うんぬんとは言えなくなるじゃん、と思うだろ?
    まあ、聞け、更に奥の手があるんだよ、うちの無敵ママン。
     
    うちのかあちゃんの顔の肌にはな
    治療や薬の副作用で、顔全面に細かいシミがあったのだーーーっ。
    色は薄茶だけど、ダルメシアンの模様のようにビッシリと。
     
     
    たったひとつの難病で、人生のほとんどが失われるよな。
    うちのかあちゃん、悲観しても誰も責めないよな。
    腰は曲がって背は縮むわ、顔中斑点だわ
    年老いてやっと授かった子はドバカだわ。
     
    だけどかあちゃんはそれらを、ものともしなかった。
    悲しみは持っていた。
    たまに嘆く事もあった。
    だけどかあちゃんは、プライドが激しく高かったようである。
     
    ファンデを塗っても消えないシミだけど
    厚化粧をせずに、普通に塗り口紅をひく。
    きちんとした服装に、上品な言動。
     
    この気の毒な、でも教養のある老婦人をムゲに出来るのはドグラだけ
    という踏み絵になってしまったようで
    かあちゃんは、どこに行っても大事にされた。
     
     
    さあ、ここから何を学んだ?
    私はな、“思いやりの表し方” だ。
     
     
    人は、自分が良いと思った格好をすれば良いんだ。
    100%自由!
     
    こうなると逆に何を選ぶか、迷うだろ?
    だから通常はそこに、他人の目を介在させるんだよ。
     
     
    かあちゃんは、ファンデの厚塗りで模様を隠す事も出来た。
    そういう専用のメーカーもあるよ、と教えたんだけど
    かあちゃんは、あえて模様を隠そうとはしなかった。
     
    厚塗りをしていると、人は目のやり場に困る。
    そして少しでもシミが見えると、ああ、これのせいか、と同情する。
     
    かあちゃんは、最初から薄っすらとシミを出して
    “事情” を素早く提示した。
    メイクをする事で、“隠そうと努力をしている” と
    周囲にわからせたので、相手の動揺は最小限に抑えられる。
     
     
    大抵の事は、自分がしたいようにして良いんだけど
    そこで、人がどう思うかを考えると
    「自由でしょ! 迷惑は掛けていないし。」 と堂々とする人と
    「もし不愉快だったら、ごめんなさいね。」 という態度の人、
    どちらに好感を持つ?
     
    かあちゃんは、シミを隠す気はなかったんだけど
    “相対すれば、嫌でも自分のシミを見なければならない周囲の人”
    に対する気遣いとして
    “ファンデを塗って隠そうとした努力” を表現していたのである。
     
    病気になった人には罪はないけど、病気になっていない人にも罪はないのよ。
    周囲の人に、必要以上に気を回させないためには
    最初に 「ごめんなさいね」 と言葉なり態度なりで
    さりげなく伝えておけば、お互いにさっさとラクになれるのよ。
    この “ごめんなさい” は、礼儀よ。
    悪くないから謝らない?
    ああ、どっかの国の人がそんな事をよく言ってたわね、ほほ。
           
           by かあちゃん
     
    相変わらず、いらん一言がくっついとるが
    そうでなきゃ、私もこんな娘に育たなかったわけで。
     
     
    見せるか? 隠すか?
    答えよう。
     
     見せるにしても隠すにしても、隠すフリをせえ
     
    見せたいんなら、隠してるんだけどあらついうっかり
    隠すんなら、実は隠してるんだよと無言のアピールをしながら。
     
     
    この “隠すフリ”、○○するフリ、
    人生の色んなところで、摩擦解消の有効な手段になるんで
    上手く “フリ” を出来る人間になってほしい。
     
    隠すフリは、隠す気がなくてもポーズする事。
    つまり、それは紛れもない “思いやり”。
    このひと手間を惜しまないでやれば
    反感を減らしつつ、かなりの範囲で自由に生きていけるんだ。
     
     
    私はそう学びとったんで、次はおめえらにバトンタッチ。
    それぞれ自由に解釈していってほしい。
     
    またこれでひとつ、肩の荷を降ろせたよ。
    古き良き日本人の思いやり (?)、繋いでいければ良いなあ。
     
     

    評価:

    株式会社ワンダーワークス


    ¥ 238

    コメント:もうこれ必需品! ピアスの穴、ふさがらねえ! 若気の至り、永遠!!!  穴な、臭いぞ。 こまめに掃除せえ。 んで、いらん穴は増やすな。  何でここでこれをレビュるんかっちゅうと、“隠す” 検索でシリコンピアスが出たからだ。 あっ、穴掃除、買っておかないと、と。

  • 黒雪伝説・略奪 5

     化け物に襲われる3号船を前に、全員が凍り付いていた。
    2号船に、ドデカいタコが絡み付いていたのである。
     
    「・・・オクトパスってやつ・・・?」
    RPGで化け物の名前を覚えたヤツがほとんどのはず。
     
    「ねえ、水生動物に効く雷系の呪文は誰が習得してたっけ?」
    「この世界に魔法があるのなら
     まず私に回復呪文を掛けてもらいますよ・・・。」
    逃避する黒雪に、船酔いでヨロヨロの王子が言う。
     
     
    「とにかく、3号船の乗員を全員こっちに避難させてください。」
    真っ青な顔色をしつつも、王子が海賊たちに指示を出す。
     
    「何でおまえの言う事を聞かなきゃならないんだよ!」
    こんな時にまでそんな反抗をする手下に
    黒雪が思いっきりケリを入れる。
     
    「それはな、この王子の妻である私が
     おまえらのために命を賭けるからなのよっ!
     立場やらメンツやらの話題は、生き延びた暁にして!」
     
     
    3号船に次々にロープが架けられ、それを伝って乗員が逃げてくる中
    黒雪は逆に3号船へと渡って行った。
     
    「あの女、まさかあの大ダコに向かって行くのか?」
    頭領が王子を引きとめる。
    「あれを退治するのが、私たちの使命なのです。
     あの船の武器庫はどこにあるんですか?」
    「船の中央後部の地下二階にあるけど・・・。」
     
    「奥さまーーーっ、武器庫は船中央後部の地下二階ですってー。」
    黒雪に向かって叫んだ後、頭領に言う。
    「私が渡り終えたら、ロープを切って
     あなた方は港へと急いで逃げてください。
     これを見せたら、軍隊長はあなた方を処刑はいたしませんから。」
     
    王子は頭領に、指輪と共に手紙を渡した後
    ロープをえっちらおっちら伝い始めた。
     
     
    大ダコが絡みつく船は
    何のアクティビティーなのか、と問いたいほど揺れていた。
    こ・・・これで地下まで行くの無理!!!
    甲板を前後左右に滑りながら、黒雪はなすすべがなかった。
     
    王子が甲板に転げ落ちてくる。
    「王子! あなた、よく渡ってこれたわね。」
    「ええ、ロープを腰に巻いて何とか。」
    王子がゼイゼイ言っている。
    もう生きる屍のようにヤツレている。
     
     
    「この生物は、魔界産ですよね?」
    「うん、そう思う。
     てか、そうであってほしい。
     人間界にこんな生き物、いらんわ。
     そういうつもりで、カタを付けましょ。」
     
    「ですよね。
     でもヘタに傷つけると、もっと大暴れするでしょうし
     最悪、逃げる可能性も・・・。」
     
    ズシャーッ ズシャーッ と滑りながらも、話し合うふたり。
    「アチッ、摩擦で服が燃えそうですよ。」
    そこへザッパーーーンと波が掛かる。
    「冷たっ! 熱いか凍りそうか極端な責めですね。」
     
    まったく男は、暑い寒い暑い寒い、いっつもうるさい。
    言っても、何も状況は変わらないのに。
     
    しかし打ち付ける波しぶきは
    大勢の幼児に往復ビンタをされてるように、不愉快な痛みがある。
    「もう・・・、このタコも何でこんなに元気いっぱいなのよ?
     何のハッスルタイムなの?」
     
     
    「あなた、地下に行って爆弾か何かを探してきて。
     最終的には、それを口に放り込んで爆発してもらおう。」
    「あなたはどうするんですか?」
     
    「私はとりあえず足を切ってみるーーーーー。」
    言いながら黒雪は、タコの足の方へと平泳ぎで甲板を滑って行った。
     
     
     続く 
     
     
    関連記事 : 黒雪伝説・略奪 4 11.7.1 
           黒雪伝説・略奪 6 11.7.7  
           
           黒雪伝説・略奪 1 11.6.23 
           
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  • シワはどこからきてどこに行くのか

    夏だな!
     
    おめえそれ、何も着てないも同然じゃないか? な露出で
    男子をときめかせて、海でイチャイチャ山でベタベタは
    3 0 歳 以 下 の 女 子 に、まかせる!
     
     
    いやあ、長年ナイスバディーをやってきてさ
    とうとうこの日がきたか・・・。
     
    2011年 夏  肌露出封印
     
    私、あしゅはよっぽどの事情がない限り
    極力、肌を見せないファッションに切り替える事を
    ここに宣言いたします!
     
    これさ、議題に取り上げるような事でもない、と思うだろ?
    ところがな、真夏に露出ゼロって
    売ってるものを探す的にも、着ている本人的にも、見た目的にも
    とても大変な事なんだぞ。
     
     
    真夏に長袖、これ売ってるやつの8割がたがババアテイスト。
    服飾業界もよくわかってらっしゃる、と感心するけど
    ババアがババアの服を着たら、超・ババアにしかならねえじゃん。
    いやだよ、そんな自分の年齢をクローズアップさせるファッションは。
     
    だったら、とユニクロのパーカー系
    これが、私ならまだイケるかも知れんけど
    あざとい若作りに見えんでもないんだ。
     
    いや、そこまでウガつ必要もないだろうけど
    若作りだとは思われたくないババア心なんだ。
     
    んで、真夏の長袖、クソ暑い!
    暑くない長袖は、紫外線を通す。
    長袖を着てるのに、日焼け止めは塗りたくない。
    肌も服も傷む!
     
    だから、しっかりした生地を選ばざるを得ないけど
    真夏にそういう長袖、ほんとうっとうしい!!!
     
     
    何故、急にファッションまでも引退宣言をするかっちゅうと
    相変わらずナイスバディーなんだよ。 骨格は。
    肉付きも、まだ大丈夫レッグマジックばんざい棒読み
     
    だけどな、ひ・・・皮膚感がババアになってしもうたんだ!!!
     
    どんな皮膚感がババア風味かっちゅうと
    キメがはっきりしてるのに、皮膚自体がふっくらしていないんで
    皮1枚下の肉の形がくっきりわかる、
    何ちゅうか・・・、皮膚が毛布じゃなくてシーツ状態?
     
     
    さあ、おめえら、指を1本立てろ。
    その指を腕に置いて皮膚を押さえ、皮だけ左右に動かしてみい。
     
    イヤな雰囲気のシワが寄らないか?
    場所によって、シワがあまり出来ないとこもあるけど
    えらい遠くまでシワが波及する部分もあるだろ?
     
    この方法、顔でも出来るぞ。
    シワの寄り方で、何となく老化の具合を感じるはずだ。
     
    このシワな、太ってても痩せてても中肉でも出来るけど
    体型によってヒドくなる部分が違うっぽい。
    スレンダーナイスバディ私は、関節周辺が特にヤバい。
    手首、足首、・・・そして本家、首。
     
     
    ・・・正直、私以上にキレイな鎖骨の持ち主を見た事がない。
    私のナイスバディーは、骨格の美しさが起因である。
    天空の剣を、小汚いカバーで覆ってるわけね
    という突っ込みには、賛同をせざるを得ないのが辛いとこだが
    そのビュリホー鎖骨の下に、1本の深い横ジワが出来た。
     
    ひいいいいいいいいいいいいいいいいいいっっっ!!!!!!!
     
    もう、「ババアはノースリーブは着れない」 どころじゃない。
    ヒジもヒザも隠さなきゃいけないし
    首は、蓮舫以上に立てて隠すべき!
    夏でもタートル! スタンドカラー! マフラー! ストール!
     
     
    もう、自分の人生の太陽が今まさに夕日! な時に
    人の美容の心配までしたくもねえけど、ここは美容ブログ。
    私より新しい人生を歩んでいる女性たちに
    経験談を聞かせ、忠告をし、私の轍を踏まないように導くのが使命・・・。
     
    さあ、まだババアになっていない者どもよ
    頭皮マッサージをするが良い!!!
     
     
    シワというのは、体丸ごとで考えると
    皮膚が老化で痩せ細り、ペラペラになったところに
    重力が覆いかぶさるので出来る。
    一番重要視される顔は、その過程の一部でしかない。
     
    脳天のてっぺんから、皮膚がタルんできて
    顔を通り、首を通り、乳をたるませ、腹肉をたるませ、尻肉へいくのだ。
    乳や尻は、それぞれでも存分にたるんでくれる。
     
    もう、こういう事を何でもっと真剣に伝えないのか
    美容業界では、頭部と体を切り離して考えているようだけど
    人は全身でババアになっていくんだよ
     
     
    重力は下へ下へと作用するのを、我が体で実感したいか?
    そのところどころで、深い大ジワを残されるのだぞ。
     
    顔が崩れ始めたら、後は早いぞ。
    体もお手入れをするようにな。
    まずは頭皮だぞ、良いな?
     
     
     

    評価:

    コモライフ


    ¥ 2,458

    コメント:恒例のマイ・買うものリスト!(つまりレビューじゃなし。) 歳を取りすぎると、体にもシワが出来る。 皮膚は頭皮から緩み始める。 手遅れババアからの忠告だ。 若々しくいたければ、即刻、顔のマッサージより、頭皮マッサージを日課にすべし。 買うべし!揉むべし!

  • 黒雪伝説・略奪 4

    急に打ち合いを止めた頭領に
    打ち込みかけた黒雪が、勢い余って甲板に転げる。
     
    「あ、すまない、何やら緊急のようだ。
     あんたら、船を降りて良いよ。
     勝負はまた今度、って事で。」
     
    頭領は、仲間の危機だというのに
    “黒雪に勝たない” 理由が出来て
    ホッとしている自分の心理が不愉快だった。
     
     
    操舵室に入ろうとする頭領に、王子が訊ねた。
    「“救助要請” という、重大事件に驚きもしない。
     あなたには3号船に何が起きたのか、わかっているようですね?」
     
    へえ? と、うがつ表情をする頭領に黒雪がノンキに言う。
    「この人、頭脳担当だから。」
     
     
    「実は数年前から、ここら近辺の海で怪物の目撃情報が多発していて
     あたしたちはそいつを、“シーデビル” と呼んでいる。
     3号船は、多分そいつに襲われている。」
     
    「She Devil? Sea Devil?」
    「海の方だよ、海の悪魔。 どこぞの映画ではない。」
     
    「それはイカなの? タコなの? エビなの? カニなの?」
    「寿司ネタかい!
     よくわからないけど、とにかく化け物らしい。」
     
    王子と黒雪は目を合わせた。
    「これは・・・。」
    「ですよね・・・。」
     
     
    王子が甲板から身を乗り出して、軍の隊長に叫んだ。
    「ちょっと事故が起きたので、調査に行ってきます。
     あなたがたは、1週間はここで待機
     だけど雪で道が封鎖される前には、首都に戻ってください。」
     
    黒雪がヒョイと横から顔を出す。
    「あ、私たちが死んで、こいつらが生きてた場合
     王族殺害の見せしめとして、こいつらを根こそぎ退治してねー。」
     
    無邪気にそう叫ぶ黒雪を見て、海賊たちはゾッとした。
    それを知ってか知らずか、黒雪が微笑む。
    「さあ、協力して3号船を助けましょう。」
     
     
    「ちょっと待て!
     何故おまえらも行く?」
     
    「それは多分私たちじゃないと、やっつけられないからです。
     その海の悪魔は。」
    頭領がいぶかしげに訊く。
    「どういう事だ?」
     
    「王族には、国を守る義務と力が与えられていて
     あなたたちも国民だ、と言う事よ。
     さあ、さっさと出港して!」
    タルをガンと蹴る黒雪。
    もうシビレを切らしたらしい。
     
     
    冬間近の北の海を、ふたりはナメていた。
    ザッパンザッパンと上下左右に揺れ動く船で
    ものすごい船酔いで、王子が完全にダウンしたのである。
     
    「ああ・・・、足の下に地面がない・・・。」
    王子はうなされにうなされている。
     
    「あんたは大丈夫なのかい?」
    様子を見に来た頭領に、黒雪は笑った。
    「あはは、知恵が回るから目も回るのよ。」
     
     
    頭領がジロジロと黒雪を見る。
    「何かしら?」
    「あんたみたいな女が、何故あの弱っちい男と結婚したわけ?」
     
    黒雪は即答した。
    「北国を豊かにしたい気持ちが一緒だったからよ。」
    頭領はバカにした笑いをした。
    「それは表向きだろう?」
     
    黒雪は仁王立ちで腕組みをした。
    「今から遭う化け物を退治できたら、あなたにも理解できるわよ。
     キレイ事だけでは命を張れないのよ!」
     
     
     続く 
     
     
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           カテゴリー 小説・黒雪姫シリーズ
                  
           小説・目次 

  • 美容法の変遷

    そういや、このブログは、美容ブログとして始まったはず。
    どっからそれを忘れたかも、定かじゃないけど
    ブログの紹介とかに、管理人ぷらちッが
    美容美容と言い張るのは何故だろう? とか思ってたよー。
     
    当の本人が忘れてんじゃねえよ、って話だよな。
    ぷらちッ、使命を忘れてほんとすみません。
     
     
    んで、その肝心の美容法も、この10年で
    210度ぐらい変わった。
    (真逆にいって、ちょっと戻ったぐらい?)
     
     
    皆がするから、とりあえずお手入れ
     ↓ 
    化粧品きれいー、お手入れ楽しー
     ↓ 
    科学の力でお金を湯水のように使って最先端美容
     ↓ 
    高い化粧品いらなくね? と、安物化粧品に移行
     ↓ 
    ノンオイル美容をしてみよう!
     ↓ 
    ポリマー・シリコンを避けてみよう!
     ↓ 
    無添加って、オーガニックしかないんかー
     ↓ 
    いくら化粧品を使っても変わらないじゃん、とサボリ美容
     ↓ 
    ・・・化粧品、いらなくね・・・? ← 今 ここ
     
     
    上の図が、ひとりの女性が高校生からババアになるまでの
    美容意識の移り変わりであるが
    私が真に美容にハマり出したのは、30歳を過ぎてから。
     
    「とりあえずお手入れ」 から、「お手入れ楽しー」 まで
    10年以上の時を経ているんだな。
     
    何でこの 「お手入れ楽しー」 になったかは
    お金があって、寂しかったからだ。
    昔の人の言う通り、アホウがヒマを持て余すとロクな事にならない
    という良い見本になってしもうた。
     
     
    さて、「お手入れ楽しー」 から
    必要以上に美容に試行錯誤し始めたのだが
    今、「化粧品いらねー」 になっておる。
    自分の肌で数十年の人体実験をした結論が、これである。
     
    このブログで、美容うんぬん叫んでいた割に
    こんなまさかの意見に落ち着いて
    読んだ人は、「は???」 だろうけど、これも世の無常。
    真実はいつの世も残酷なのかも知れない・・・。
     
    とか、キレイにまとめようと必死だけど
    しょうがねえじゃん、化粧品、意味わからんのだから。
    すっげー信じて夢見て、その結果がこれって
    私だって、騙された気分にならないわけじゃないぞ。
    化粧品にいくらつぎ込んだと思ってんだよ?
    あー、言いたくないー、計算したくないー、忘ーれーたーいーーー!
     
     
    だけどな、思うんだ。
    途中で 「化粧品いらない」 と気付けたか? と。
    人にそう言われても、ダメだった。
     
    だって、そういう本系は大抵ナチュラルコスメ (自称) を
    ひそかに推す洗脳本だから。
    え、結局、この化粧品を使えという宣伝? となるんだ。
     
    私のように、純粋に美容お試し結果を言ってる人や本なんて
    ほとんどいねえよ。
    て言うか、つけよ、スポンサー、私に!
    現品送ってこいよ、きちんと試して正直にレポしちゃるよ。
     
    ・・・その行為が、いかにメーカーのイメージダウンになるか
    私にもわかるので、私が相手にされないのは至極当然だと納得しとるよ。
    それに人の肌なんて、千差万別だしな。
    たったひとりのレポなんて、提灯記事じゃないと宣伝の意味なしだもんな。
     
     
    つい私利私欲に目がくらんで、一瞬暴れかけたが
    私の真の目的は、私という個人のレポが
    女性たちの美容の参考になれば良いな、という崇高なものである。
     
    化粧品がいらないなら、美容も意味なしか? と問われれば
    即座に NO! と答えよう。 いきなり英語で何人だよ?
     
    「化粧品なんて(笑)」 と、お手入れをしないヤツに
    キレイを出し切ってるヤツはいない!
     
    「美意識を持たなきゃ!」 と、うっとうしい信念を持つヤツは
    ドブサイクが多いけど、美しいんだ。
     
    そう、女性の美は信念によって生まれるのである!
     
     
    生まれつき美人だけど無頓着なヤツは、雑踏に埋もれる。
    ドブサイクだけど、美容に必死こいてるヤツは際立つ。
    ヘタすると、たまに美人扱いもされる。
     
    これは、心の必死さが “迫力” としてにじみ出るからである。
    “磨けば光る” は本当なんだよ。
     
     
    現実的な事を言うと、キレイに光る保証はないけれど
    一般人の生活なんて、他の人に丁寧に扱われる事以上は望まないじゃん。
    「逆らったら面倒そう」 と思われて
    ほんのちょっとチヤホヤされたら、それでもう良いわけじゃん。
    私が望んでるのは、この程度なんだ。
    これ以上を望むヤツは、カウンセリングかモデル事務所に行け。
     
    えっらい低い目標を掲げてすまんこったが
    通常の人生で、途方もない高い指針を追っても挫折するだけだぞ?
    そこいらへんで手を打っておこう、な?
     
     
    と言うわけで、化粧品はいらなくても、お手入れは必要。
    自分の美意識を保つためには、化粧品は手軽な道具。
    キレイな化粧品を見ると、テンションが上がるだろ
    この興奮を抜きに、光るように磨く美容なんて無理だよな。
    そういう意味で、今後も化粧品の使用レポをするよ。
     
    あ、肌をどうにかしたいなら美容クリニックに行くべき。
    化粧品は、“健康な肌” に使うものなので
    トラブルがある場合は、“治療” をしたまえ。
     
    “お手入れ” は、一生必要だぞ!
    ここは、これからも美容ブログカテゴリー!
     
     
     

    評価:

    ハーバー


    ¥ 2,100

    コメント:今使ってるのがこれ。 ダブルクレンジングいらずだから使用。 乳化もいらず、オイルクレンジングよりもスッキリ洗い流せる、夏に最適の一品。 メイクが完全に落ちてるかはわからんけど、肌に1個も支障なしだから多分落ちも良し。 あ、無添加じゃあないぞ。