投稿者: あしゅ

  • 殿のご自慢 25

    姉上の相手が “苗字を貰った” と聞いた時に、父上は
    「どの名家にも “初代” はいる。」
    と、八島の無礼を気にしなかった。
     
    それは良い。
    私の思うところは他にある。
     
    “どうせなら千早さまが良かったのに・・・”
     
     
    元服を済ませ、矢風 (やかぜ) という名になった弟は
    姉の結婚相手が結納の品を持って来る、と聞いた時に
    父親と同様に、しかし密かにそう思った。
     
    だがその婚姻は千早家の身分を更に引き上げ
    敵対視されて高雄を、引いては青葉をも危険に晒す事になりかねない。
    どうやら “血統” というものは
    自分が思っている以上に、立場に影響を与えるものらしい。
     
    矢風が高雄に憧れる、その気持ちも
    自分と似た境遇にいながら、私欲を抑え
    立派に家を背負っているからである。
    しかも今の矢風よりも、ずっと幼い時に家を継いだという。
     
     
    結納の品々を揃えた部屋で、一向は龍田家と顔を合わせた。
    「敷島伊吹と申します。」
     
    その声に、ハッと顔を上げた青葉は
    部屋の向こうに愛しい人を見つけた。
     
    まさか愛する人と結ばれるなど、夢にも思っていなかったので
    目の前の現実が信じられない。
     
    一方、父と息子は納得していた。
    さすが高雄の友で、娘が好きになった男。
    その晴れ晴れとした男っぷりには、文句の付けどころもない。
     
     
    だけど、気に食わぬ。
    矢風は、よくわからない不愉快さを感じた。
    あいつに姉上を守れる気がしない。
     
    八島の殿は、この婚姻による同盟に大いに乗り気で
    祝いとして、城下に立派な屋敷も用意してくれ
    所領 (領地) までくれるという。
    家柄以外、龍田家がこの婚姻に異議を唱える隙はない。
     
     
    一通りの儀式も終わり、帰途に就く時に
    高雄が、矢風と話があるから待てと言う。
     
    別に話などなかった。
    伊吹の懐に、組み紐があるのを知っていただけだ。
    高雄は矢風を連れて、スタスタと歩いて行った。
     
     
    伊吹は、どうしたものかと迷った。
    八島の殿が笑った安物の組み紐。
    そんなものを再び渡されても、相手も困るであろう。
     
    結婚の申し込みをしに来たのに、そしてそれを受け入れられたのに
    それでも伊吹は弱腰であった。
     
    馬具を整えていたら、従者が何か言いたげである。
    振り向くと、花が、いや、青葉が立っていた。
     
     
    いかんいかん、俺にはどうしても姫が花に見えるようだ。
    伊吹が目をこすっていると、従者が見かねて言った。
    「敷島さま・・・、おなごから来させるものじゃありませんぜ。」
     
    「あ、ああ。」
    伊吹は慌てて、青葉の元へと走って行った。
     
    伊吹が青葉の間近に立ったのは、それが初めてである。
    近くに行くと思ったより、その背が小さく感じたのは
    美しさの迫力で、大きく見えていたのであろう。
    しかし伊吹はやはり圧倒されて、声すら出せずにいた。
     
     
    いつまでも無言で、ただただ青葉を見る伊吹に
    木の陰、柱の陰、馬の陰、荷物の陰、軒下、屋根裏、
    潜んでいるすべての者たちが、ジリジリと苛立たされた。
     
    「あの・・・、いただいた組み紐は・・・。」
    青葉が言い終える前に、伊吹が大慌てで
    バタバタと袖や胸元を捜し始めた。
     
    「こっ、これ!」
    見つけた組み紐を、青葉の手にグイッと押し付ける。
     
     
    その時に手が触れ真っ赤になる伊吹に、青葉まで赤くなる。
    その空気に耐えられず、伊吹は背中を向けた。
    「そ、それではっ!」
     
    馬の方に向かったが、急にきびすを返し、再び青葉の方に走って来る。
    青葉の目の前に、つんのめりそうに止まって叫ぶように訊いた。
    「お、俺で良いんですか?」
     
    驚きつつも青葉がうなずくと、もう一度訊く。
    「ほ、本当に、お、俺で良いんですか?」
     
     
    青葉はその真っ直ぐさが、たまらなく愛おしくなった。
    「伊吹さまですから良いのです。」
     
    伊吹はその答を聞くなり、無言で走り出し
    馬に飛び乗って駆けて行ってしまった。
     
    従者は呆気に取られて、身動きすら出来なかった。
    青葉は渡された組み紐を胸元で握り締め
    伊吹が見えなくなっても立ち尽くしていた。
     
     
    塀の陰で、高雄は苦々しい顔で矢風に詫びた。
    「すまぬ。
     あいつは、ああいうヤツなのだ・・・。」
     
    矢風も思わず苦笑いをしてしまった。
     
     
     続く 
     
     
    関連記事 : 殿のご自慢 24 13.4.19
           殿のご自慢 26 13.4.25 
           
           殿のご自慢・目次 

  • ババア’s トーク 6 スタバ

    ウメ 「今日の手土産はひと味違うけんねー。」
    ヨネ 「スタバのコーヒーに見えるけんどん・・・。」
    ウメ 「チヨさん御用達のトッピングコーヒーたい!」
    ヨネ 「・・・おめえ、そういう事に異様に喜びよるよね。」
    ウメ 「まあ、そう言わんと、聞いてくれんね。」
     
    ウメ 「いやあ、さっきイオンモールのスタバの前を通りかかったら
        我が目を疑う光景を見たとよ。」
    ヨネ 「チヨさんがi-Padでもしよらしたね?」
    ウメ 「そこまでいけば、うちも認めんでもなかけど
        こん、寒の戻りの真っ最中に、オープンテラスで
        ELLEのしかも英語版を広げとらしたとよ!」
    ヨネ 「何ね、その変化球は?」
    ウメ 「そぎゃん思うど?
        もう、うち、居ても立ってもおられんで、写メ撮ったたい。」
    ヨネ 「うわあ・・・、美魔女目指しとらすのが
        ジョワジョワにじみ出とらすね・・・。」
    ウメ 「イオンモールにシャネルスーツて、思うた以上に浮いとったよ。」
     
    ウメ 「で、何を飲みよんのか訊いたばい。
        えー、ちょっと待ってはいよ。」
    (ガサガサ・・・)
    ヨネ 「スタバのナプキンに走り書きね。
        おめえ、よお、しきったなあ、こぎゃん失礼か事。」
    ウメ 「チヨさんお勧め注文を飲んでみたかー、でホイホイたい。」
    ヨネ 「・・・おめえの書いた、その文字、日本語ね?」
     
    ウメ 「えーと、カプチーノのホット熱めグランデをショット追加
        チョコソース追加バニラ多めのソイラテ低脂肪乳で。」
    ヨネ 「・・・営業妨害ね・・・?」
    ウメ 「よくわからんよね、ショットとバニラで濃い味にするとしても
        チョコソースを入れたら、モカになるんじゃなかと?
        その後、更に “ラテ” 言うとるし、カプチーノ台無したい。」
    ヨネ 「スタバで豆乳と低脂肪は両立せんかったと思うけんど・・・。」
     
    ウメ 「とりあえず、このメモを持って注文してみたたい。」
    ヨネ 「おめえ、よお、しきったねPART2。」
    ウメ 「もちろん、『あそこの婆さんのお勧めなんですけど』 の
        前置きはきっちり言うたたい。
        店員さん、ちょっとゲンナリしとらしたよ。」
    ヨネ 「そりゃ、店内でアダナが付いとるとみたね。」
    ウメ 「“突飛ingババア” とかね。」
    ヨネ 「ツイッターで盛り上がっとるかもね。」
    ウメ 「写メ付きで 『突飛ingババアご来店なう~』 ね?
        何か腹が立つがね、それ。
        チヨさんをいじくってよかとは、うちだけたい!」
    ヨネ 「何ね? 歪んだ愛を更に裏返しとったとね?」
    ウメ 「せからしか! (うるさい、の意味)
        そこに愛はなか!」
     
    ウメ 「で、出てきたのが、これたい。」
    ヨネ 「・・・何か、えらい複雑な味じゃね。
        おめえのは何ね?」
    ウメ 「コーヒーフラペチーノのホイップなしショット追加たい。
        この注文をする事で、うちはボケてなか、一緒にせんで!
        て、店員さんに無言の証明をしておいたたい。」
    ヨネ 「おめえ、愛する人と一緒にせんでて、割にクズじゃね。」
    ウメ 「だけん、別に愛してなかて!」
     
     
    ヨネ 「あー、妙に複雑な味の飲料で気分が悪か。
        チヨさん、味覚細胞が死に絶えとらっさんね?」
    ウメ 「辛い料理ばかり食わされとるおめえより絶滅ね?」
    ヨネ 「それで思い出したけんどん、うち、人間ドックに入ってみるべきだろか?」
    ウメ 「人間なんか犬なんか、よくわからん検査名じゃね。」
    ヨネ 「冗談のつもりかん知れんけど、年寄りが言うと半笑いされるけんね、それ。
        念のために言うとくけんどん、“ドッグ” じゃなくて」
    ウメ 「わかっとるたい!
        船の修理場とかをいう “ドック”だろたい?
        いくら英語ん偏差値が40台でん、そんぐらいは知っとるけん!」
    ヨネ 「そういうつまらん冗談しか言えんくせに
        国語の偏差値が70台て、学校の教育に疑問を持たざるを得んね。」
    ウメ 「うちの通信簿の話はいい加減やめんね!」

    ヨネ 「そうだったたい、うちの死活問題の話たい。
        年寄りに辛い料理は酷でたい。
        ただでさえ胃液がよお出らんくなっとるとこに
        唐辛子やら胡椒やらをドッサリ入れられたら、天空闘技場たい。
        うち、嫁に殺されかけとるかも知れん。」
    ウメ 「おめえがHUNTER×HUNTER派なのはわかった。
        人間ドックでんホットドッグでん、行ってみるたい。
        多分、何の悪いとこもなか気がする。」
    ヨネ 「何を根拠に言いよっとね?」
    ウメ 「死臭たい。」
     
    ヨネ 「・・・一緒に心療内科に付いてってやろうか?
        大丈夫、今は心の病は普通に認識されとるし
        精神病院にも入ったら出て来れんとかなかけん。」
    ウメ 「いや、心の病を疑ってくれてん、よかけど
        ほら、時々おらんね? 影が薄くなってきとる人とか。」
    ヨネ 「ああー、あそこん爺さんとか、確かにそうだったわん。」
    ウメ 「うちの父親は死ぬ前に死臭がしよったとよ。
        そんで、うちが本気で 『パパ、大丈夫ね? 死臭がしよっよ』 て
        言うたばってん、相手にされんで、間もなく死んでしもうたたい。」
    ヨネ 「・・・おめえ、実の父親に死刑宣告ね?」
    ウメ 「しかも中年になっても 『パパ、ママ』 だったけんね。」
    ヨネ 「どっかで呼び方を修正すべきだったたいね。」
    ウメ 「うちの兄は 『おとうちゃま、おかあちゃま』 だったとよ。
        中学で 『おやじ、おふくろ』 に自力矯正しよらしたが。」
    ヨネ 「おとうちゃまおかあちゃま、て花畑かあちゃんの夢たいね。
        おめえの兄貴、立ち直れて良かったたい。」
    ウメ 「でん、娘のうちは呼び方を替えられんとよ。
        うちん場合、母親の産後の肥立ちが悪くて、よそに預けられて
        そこんちに “おとうさん、おかあさん” がいたけん。」
    ヨネ 「気の毒か話に聞こえるけど、おめえは気にするタイプじゃなかろ?」
    ウメ 「ふたりずつ親がおると、色々便利かよー。」
    ヨネ 「これ以上にない予想通りの答がキターーーッ絵文字略たい。」
     
    ヨネ 「で、人間ドック・・・」
    ウメ 「あ、もういっちょ語らせて!
        父親が死臭がし始めたけん、お願いしたたい。
        もし霊になったら合図して! て。
        葬式で位牌を倒すとか、遺影が笑うとか。」
    ヨネ 「おめえの父親、よりによって死に前に育て方に悩んだろね。
        死因は精神的苦痛によるものじゃね?」
    ウメ 「で、すっげえ葬式会場を見回しとったけど
        何の合図もなかったたい。」
    ヨネ 「おめえが式の間中、キョロキョロしよった理由が今判明したたい。」
    ウメ 「死んでも使えん父親だったたい。」
    ヨネ 「おめえにバチが当たらんで、誰に当たるとかねえ・・・。」
     
     
    ヨネ 「ああ、もう人間ドックはよか。」
    ウメ 「うんうん、大人しくピリカラに殺されときなっせ。」
    ヨネ 「・・・・・・・・・・・・・・」
    ウメ 「あ、今度ピリカラに助言してやっとくね。
        年寄りに一番悪かとはササニシキてよ、て。」
    ヨネ 「それ、うちの大好物だけんどん?」
    ウメ 「どうせピリカラはコシヒカリ派だろ?」
    ヨネ 「いいや、最近は米を研ぐのもサボり始めて無洗米たい。」
    ウメ 「・・・・・・・・・・・」
    ヨネ 「おめえもね?」
    ウメ 「あれに手を出したら、もう止められんとよ・・・。
        でん、おめえにはササニシキを食うてほしかけん
        “饅頭恐い” 作戦たい。」
     
    ヨネ 「でん、嫁があぎゃん高か米を買うかねえ?」
    ウメ 「それで殺意も量れる、一石二鳥のミッションじゃね。」
    ヨネ 「やっぱ、いらん事はせんでよか。」
    ウメ 「うん、遺恨を残す死に方はしたくなかもんね・・・。
        でも、うちゃ化けて出るおめえも見たかとよね。」
    ヨネ 「やっぱ、おめえは鬼じゃね。」
     
    (“饅頭恐い” とは、落語のひとつで、簡単に言うと
     嫌われてる相手んちに言って、饅頭が恐い、と言って
     相手がそれを信じ、嫌がらせのために饅頭を出すのを
     内心喜んで恐がりながら美味しく食う、という話だったかな?)
     
     
     

    評価:

    スライブ


    ¥ 5,163

    コメント:今狙っているのがこれ。 家電店であれこれ試して、腰にも応用が利いて “叩く” があるから。 ただし、ちょっと重い。 けど自分じゃ器具を持つ必要もないから、そのぐらい我慢せえ、っちゅう話だよね!

  • 殿のご自慢 24

    これは結婚を餌に、大殿に相当な難題を押し付けられたのか?
    そう高雄が危惧していたら、伊吹がようやく喋った。
     
    「青葉姫と結婚をしろ、と大殿に言われた。」
    ふむ、それで?
    高雄は次の言葉を待っていたが、伊吹はそのまま口を閉じた。
     
     
    ・・・・・・・・・・・?
     
    まさかとは思ったが、念のために訊いてみる。
    「嫌なのか?」
     
    それを聞いた途端、伊吹は激昂する。
    「嫌なものか!
     あの姫を、じ、自分のものに、で、でき・・・るなど
     嫌な男がいるものか!!!」
     
    耳まで真っ赤になる伊吹に、高雄は腹が立った。
    私は嫌だがな。
    あのような美しいだけの能なし女など。
     
     
    「大殿は、龍田家の権威を貶めよう (おとしめよう) としているのだと思う・・・。
     おまえだって、そう思ったからこそ、詳しく言わなかったのだろう?」
    伊吹は岩にヘタり込むように座って、両手で顔を覆った。
     
    「帝の血を引くお姫さまを、孤児である俺に嫁がせるなど
     姫がこれから、どれだけの苦労をなさるか・・・。
     考えただけでも恐ろしい。」
     
    高雄は伊吹の気持ちを聞いて、自分の考え足らずを後悔した。
    それを言おうかどうか迷っていると、伊吹が再び立ち上がった。
     
    「俺は姫を陰ながら守りたかった。
     それだけで良かった。
     それ以上、望んではいなかった。
     それは姫を穢す (けがす) 事に・・・」
     
     
    「言うな!」
    高雄は伊吹を抱き締めた。
    それは慰めのためではなく、自分の顔を見られないようにであった。
     
    「すまぬ・・・、伊吹・・・。」
    高雄は伊吹を抱き締めたまま言った。
    「この婚姻を計画したのは私なのだ。」
    伊吹の体がピクッと動いた。
     
    「あの時、戦場で相対したおまえたちが
     好意を持ちおうている事を知った時に・・・。
     それしか思いつかなかった、すまぬ・・・。」
     
     
    高雄は罵倒を覚悟した。
    まさか伊吹が、身分の違いを気にするとは。
    そこまで気が回らなかった自分の不覚。
    私は伊吹の人生を狂わせてしまったのかも知れない・・・。
     
    だが、伊吹の声は逆に落ち着きを取り戻していた。
    「そうか、それならよい。」
     
     
    驚いた顔で伊吹の体を離すと、伊吹は高雄に微笑みかけた。
    「おまえの考えだったのならば、安心だ。
     姫の苦労は、俺が出来る限り守れば良い。」
     
    これが伊吹の性格であった。
    答が出たら、あっさりと受け入れる。
    その単純さに、高雄も乾行もどれだけ救われたか。
     
     
    「高雄・・・、ありがとう。」
    背中を向けた伊吹の言葉に、高雄は意表を突かれた。
    「・・・何がだ?」
     
    「陰で見守るだけで良い、などと綺麗事を言ったが
     姫が他の男に嫁いで平気なわけがない。
     どうせ同じく苦しむのなら姫が欲しいのが、俺の醜い本音だ・・・。」
     
     
    どう応えて良いのか迷う高雄から
    遠ざかるように数歩進んで、伊吹は振り向いて笑った。
     
    「ああ、姫を貰うから、と大殿から苗字を拝領したぞ。
     敷島 (しきしま) だとさ。」
     
    再び前を向き直って歩を進めながら、つぶやいた。
    「俺は今日から、“敷島伊吹” だそうだ。」
     
     
    高雄はその場に立ち尽くしたまま
    竹林に遮られて遠くなる伊吹の背中を見つめた。
     
    身分違いの婚儀は、普通は身分のない側が
    相手と釣り合いがとれる、どこかの家に養子にいき
    その家の苗字になって、取り行なわれるのが慣例。
     
    新しく家を興す (おこす) だと・・・?
     

    大殿はそこまでして、龍田家の “恩恵” を他家に与えたくないのか・・・。
    これを私は龍田の殿にどう言えば・・・。
     
    高雄は自分の浅薄さに、自己嫌悪に陥った。
     
     
     続く 
     
     
    関連記事 : 殿のご自慢 23 13.4.17
           殿のご自慢 25 13.4.23 
           
           殿のご自慢・目次 

  • 目薬の点しかた

    緑内障で、眼科の担当医にお勧めされた目薬の副作用が
    “目の周りが黒ずむ” という、とても気に入らないものなので
    いやいやいやいや言うて、一番古い目薬を処方され
    こりゃあ気合いで効かせるしかねえ、と頑張ってる私独自の
    目薬の点し方を伝授しようと思う。
     
    もちろん正しい事ではないのは、わかっているだろうけど
    間違ってもいないので、参考にして。 自己責任で。 ほほほ
     
     
    私はドライアイらしい。
    最近、この言葉をよく聞くし、よく診断されるけど
    ドライアイ言いたいだけじゃねえんかい?
    と思いたくなるほど、自覚症状がない。
     
    けど、光に弱い目が、ドライアイ用目薬の乱用によって
    目の疲れが軽減され、それに伴う頭痛肩凝り首凝り吐き気が改善されたので
    これって、治ってからわかる、という類のものなんかのお???
     
    とりあえず私はドライアイらしい。
    そんでもって、よく眼球に傷が入る。
     
    これは、ゴールデンレトリーバー並に短い私のマツゲが
    ポロポロ抜けて、しょっちゅう目に入るせいである。
    コンタクトもこれで挫折した。
    初期費用を7万円も掛けたのに、1~2か月ぐらいで心ボッキリ。
    レンズが入っている時の、目にゴミが、の痛み、半端ねえ!
     
    余談だが、アフガンハウンドのマツゲはむちゃくちゃ長い。
    まるでマスカラのCMのようなマツゲが
    目尻に向かってどんどん長くなっていて
    最後はアイラインをはね上げたように、切れ長に生えている。
    クソ憎たらしいビュリホーまつげで
    それだけで私はアフガンと敵対して良いと思う。
     
     
    と言う事で、今、目薬を4種類も点しておる。
    ドライアイ用2種類、傷用1種類、これらを1日3~4回
    緑内障用1種類を、1日2回。
     
    緑内障の方がおおごとなのに
    何故ドライアイに手間ヒマを掛けなきゃならんのやら。
     
    担当医も大丈夫ですか、ややこしくて混乱するなら減らしましょうか
    と優しい思いやりで言うてくださったが
     
    ふざけんなや、たった4種類の目薬が点せんで調理料理が出来るかや!
    と、内心キレる年寄りになりつつ
    ほほほ この天才わたくしにとってはそんな事屁でもございませんわ
    と、4種類引き取ってきただよ。
     
     
    この4種類の目薬の点し方は、ドライアイ用1種類 → 傷用 以外は
    もう1種類のドライアイ用はどこに挟んでも良く
    緑内障用は朝晩の2回。
     
    種類の違う目薬の間は、最低5分空けるのが鉄則で
    一番効かせたいものを最後に持ってこい、という事らしい。
     
     
    そこを天才わたくしは、もっと面倒な事をやっている。
    だって全部効かせたいじゃん!
    でも面倒くせえじゃん。
     
    えらい担当医の前と矛盾した本心だが
    「おばあちゃん、できますか~?」
    みたいなニュアンスは、それが図星であるほど意固地になるんだよ
    覚えとけ、若い衆!
     
     
    一番大事なのは緑内障の治療。
    この点眼には、むっちゃリキを入れる!
    軽減されてわかった、影の薄い (実は大事なんだけどさ) ドライアイは後回し。
     
    それでも、ドライアイのも1種類点したら、最低15分~30分おいて次のを点すぞ。
    待ち合わせでも、5分言われたら15分前に行くもんだろ。
    前の目薬に慌てて吸収させんと、ゆっくりしてもらえ、という意味で。
     
    これを3種類1日4回やっていると、一日中目薬を点している気分になるが
    いや、現に一日中点しているわけなんだが
    コトを大変にしているのは、緑内障用の目薬なのだ。
     
     
    緑内障用の目薬だけは、「この薬の方が良いのに」 by担当医
    に逆らっているので、意地でも効かせにゃならん。
     
    そこで、朝一と寝る前に点す。
    目薬は1滴で良いらしい。
    ならば1滴にしようぞ。
    ただし、この1滴を最大限にまで効かせる!!!
    と、点眼した後に、目頭を軽く押さえるようにした。
     
    皆、知ってたか?
    涙の供給口は目尻上部にあって、排出口は目頭下なんだぞ。
    これを知ったんで、緑内障の目薬だけは
    どうぞゆっくりしてって、むちゃくちゃ染み込んでください!!!
    と、目頭を押さえて、排水溝に指でフタをする手間を掛けるのである。
     
    これに1分~15分。
    この幅の広さは、心と時間の余裕に左右される。
    その後、指を外しても目を閉じたまま、1分~15分。
    この幅の広さ略。
     
     
    冬はホットアイマスクも併用してたのだが
    今年はすっかり忘れていたら、検査結果がとても悪く
    目薬を替えられそうな雰囲気がジワジワと・・・。
    次の検査が山だな。
     
    この方法で注意をするのは、眼球を押さえない事と
    目頭も、あまりギュッと押さえない事。
    爪で眉頭の下にシワが刻まれる・・・。
    ああ、しもうた・・・。
     
     
    あ、ひとつババアの知恵袋な。
    ほら、ものもらいとかで目薬を点すじゃん。
    あれ、できたのが片目だけでも、両目に点すべきなんだと。
     
    右目と左目は、排出口でつながってるから
    ものもらいが出来た側に点した目薬液が
    健康な方にも逆流して行って、そっちにもものもらいを作る例もあるんだってよ。
    ババアの知恵袋じゃなく、薬剤師さんの知恵袋だったな、てへ。
     
    んで、目薬の容器の先にマツゲが触れて
    中身が汚染される事が、とても多いから
    点眼は、マツゲの長さをものすごくサバを読んで2階から目薬!
     
     
    最後に目薬が恐いヤツに助言。
     
    目薬が痛いか? 死ぬか?
    その動物的反射運動をコントロールせんと
    ジジババになって、万が一の時にものすごく苦労するぞ。
    よって、方向修正がしやすい若い時から訓練しとくんだよ。
     
    ああ?
    おめえは今の人生上、“この瞬間” が一番若いだろ。
    それに気付いたら、さっさと始めれ!
     
    あ、コンタクトを一度作るのも良いかも。
    私はそれで吹っ切れて、眼球も触れるようになっただよ。
    ただコンタクト、ものすごく目に悪いから
    お勧めどころか止めたいがなあ。
     
     
     

    評価:

    ヘルス&ビューティー


    ¥ 560

    コメント:目はあまり洗っちゃいけないけど、ゴミが入った時 “だけ” は洗ってください by 眼科医。 目は自分で出す分泌液で保護されているんで、それを洗い流すのが悪いんだって。 だから洗眼を習慣にはしないようにね。

  • 殿のご自慢 23

    青葉が無事であった事に安堵した伊吹であったが
    高雄の言葉に、叩き落とされた。
     
    「龍田の姫が同盟のために嫁いで来るゆえ
     龍田の本城に結納の品を持って行け。」
     
     
    伊吹が立ち去る背中を見つめる高雄の真横に、乾行が並ぶ。
    「あーあ、ありゃ、相当の衝撃を受けてるせえ。
     何ではっきり言わねえんだ?」
     
    「私は何ひとつ嘘は言っておらぬ。」
    ぶっきらぼうに言い放ち、立ち去る高雄だったが
    廊下の角を曲がり、乾行の姿が見えなくなった途端
    壁に手を付いてうなだれた。
     
     
    伊吹の青ざめて唇を振るわせる顔に、しまった! と思った。
    傷付けるつもりではなかった。
    ただ、少し意地悪な気分になっただけなのだ。
     
    あいつが勝手に勘違いしたのだ!
    「じゃ、ねえだろお?」
     
    はっ、と振り向くと乾行がニヤニヤしながら、そこにいる。
    「ちょっと妬けただけなんだよなあ?
     思い合ってる二人が結ばれちゃう事によお。」
     
     
    「別に羨ましくなどないっ!」
    睨む高雄に、乾行のニヤニヤは止まらない。
     
    誰も羨んでいるなど言っちゃいねえんだが
    これ以上つっついても、本気で怒りだすと高雄はめんどくせえからなあ。
    「ま、さっさとあいつの早とちりを解いておかないと
     落ち込みすぎて、体でも壊されたら大変だぜえ?」
     
     
    乾行のその言葉を聞き、今度は高雄が青ざめて走りだした。
    どっちもガキだな・・・。
    やれやれ、俺がいないとあの二人はどうなるやら。
     
    すべてを見通している、と、気分に浸る乾行も
    そんなガキの群れの一員であった。
     
    だがそのような “仲間” は、ひとりの異性の出現によって
    いとも簡単に、その均衡を崩す。
     
     
    高雄が伊吹を見つけたのは、かなり時が経ってからであった。
    「おまえ、どこに行ってた?」
    「・・・大殿に呼ばれていた・・・。」
     
    伊吹の顔色は、まだ優れない。
    何だ? 大殿も勿体を付けているのか?
    それとも婚姻の話ではなかったのか?
     
    「・・・大殿に何を言われた・・・?」
    伊吹が顔を上げ、高雄を見つめるその目に
    とてつもない不安がにじんでいたので、高雄は伊吹を引っ張った。
     
    きっと、こんなところで立ち話をする内容ではない。
    高雄は三人だけの秘密の場所へと伊吹を連れて行った。
     
     
    そこは城の一角にある竹林の中の岩場であった。
    竹に阻まれて、人目には付かないし
    人が来ても、笹の音ですぐわかるので
    内緒話をするにはもってこいの場所である。
     
    風に奏でられる笹の葉の音が心地良いので
    高雄はひとりでも、よくこの場所に来ては寝転んでくつろいでいた。
     
     
    いつもの岩のところに来ると、座る時間も惜しむかのように
    高雄は伊吹を問い詰めた。
    「どうした? 何があった?」
     
    伊吹は口を開いたが、言葉を選んでいるのか
    中々喋り出そうとしなかった。
     
    これは困った時の伊吹の癖であった。
     
     
     続く 
     
     
    関連記事 : 殿のご自慢 22 13.4.15 
           殿のご自慢 24 13.4.19 
           
           殿のご自慢・目次 

  • 何となく

    皆、日常で “何となく” ってものすごく理由になってねえ?
    おそらく人々の動機No.1だと思う。
     
    私が雑談記事で書く文章は、本当に私の言葉なんだ。
    “何か” って、しょっちゅう書いているけど
    リアルでも、しょっちゅう言っている。
     
    他にも、“ていうか”“いや、”“ちが (違う)” 等
    私は口癖がとても多いのが、自分でもわかって凄く嫌。
    口癖、何かバカみたいじゃん。
    ああ・・・また “何か” 言いよるし。
     
     
    この “何か”、どういう意味だろうな、と、ふと考えてみた。
    これ、“何となく” と、ほぼ同じニュアンスで使っているようだ。
     
    やる気のねえ時の例えにばかり、飯の話を出すのはごめん、として
    「んーーー、今日は何か麺類かなあ・・・。」
    ってのは、「んーーー、今日は何となく麺類って気分かなあ。」
    な? 同じ事だろ?
     
    同じかどうかは主観によって違うだろうけど
    少なくとも私には、この2つは同じ心境。
     
     
    私の “何か” は、まあどうでも良いとして
    何故にもこんなに世の中に “何となく” がはびこっているのか?
     
    それは私たちが一生懸命な民族だからだ!
     
    さあ、お約束の注釈。
    これは他の民族を貶める (おとしめる) 意図はありません。
    ただ単に、“日本人日本人” 言ってたら
    すぐに右翼扱いするバカがいるので、それ避けです。
     
    おめえら、時代遅れなんだよ!
    右翼左翼は、高度経済発展時の民間人の流行的思想でしかない。
    ブルジョアジーの知的ぶりっこさ。
    (ブルジョアとは、確か金持ちだけど身分がない平民、という意味だったはず。
     調べないから、間違ってたら教えて。 今後、私が恥をかくから。)
     
     
    ここらへんに悪意的につっつかられると、キイキイ言いだす私は置いといて
    何故、一生懸命 → 何となく なのか?
     
    それは我々日本人が (← 結局日本日本言ってる)
    必殺仕事人の中村主税の要素を持っているからである。
     
    ただし中村主税は昼夜逆転の “何となく” ね。
    普通の日本人は、仕事となるとシャキーン! とする。 はず。
    そしてそれに全力投球するから、オフの時間はダラけてしまって
    割にどうでも良い部分が多くなる、というのが私の説なんだ。
     
     
    かくいうこの私も、キーボードを持つと
    どっかにある “やる気スイッチ” がポチッとな、と入る。
    そして文豪に変身するのである。
     
    キーボードを持っていない私は
    ただの上品で知的でナイスバディーな淑女でしかない。
    若さについては、もう自信ゼロ。
    ゴッと老けちゃったよー。
    マスクを付けない真夏は、ババアのコスプレをせにゃならん・・・。
     
     
    あ、余談だがな、この前服を買った時に
    「うーん、これ、いくつまでイケますかねえ?」 と
    店員さんと話してて、「アラフォーまでなら充分ですよ。」 と言われたさ。
     
    ほーーーーーーーーーほほほほほほほほほほほ
     
    ごめん! マスクしててごめん! 卑怯くさくてごっめーん!!!
    でも店員さんは売れれば良いだろうし、恥を掻くのは私だし自業自得だよなっ。
     
    にしても、マスクの威力、いや顔半分下の老け方か、問題は。
    冬は良いけど、買ったの、春夏ものなんだよな・・・。
    かなり特殊なデザインなんで、今年の夏の私は笑い者か?
     
     
    ・・・・・・なあ、皆、気付いてた?
    私、この記事で論点1行ぐらいしか言ってない・・・。
    あと全部、余談雑談・・・。
     
    とうとうここまで井戸端的な事しか言えなくなったか・・・
    と、自分の凡化に感慨深いものがあるよ。
    これで、そこらへんのジジババ相手に世間話を楽しく出来る日も近い。
     
    ・・・あ、そうか、そういう時に “何となく” 喋っていれば良いのか。
    でもご近所付き合いって、むちゃくちゃ大事だし
    無難な話題って、人の地雷がわからないと難しいし
    お天気、気温、あと何があるっけ?
    私には、食い物どうでもいい、というハンデがあるんだよな。
     
    ・・・そういう時、日本人ならではの協調性!
    (ほら、日本日本言ってる。)(良いじゃん!!!)
     
     
    今日の記事、くだらなさ過ぎてヤベえ・・・。
     
     

    評価:

    不二家


    ¥ 1,916

    コメント:これのイチゴ味がむっちゃ美味かった! 身も蓋もないレビューすいませんーーーっ! いや私、ミルキーはイチゴ味の方が好きでさ。 外硬く、中サクサクのドロリもあるでよ、というエロイ食感。 下品レビューすいませんーーーっ!

  • 殿のご自慢 22

    「では、わたくしは戻らねばなりませぬ。
     これが今生のお別れとなりましょうが
     親不孝な娘をお許しください。」
     
    長女の葬儀が終わった直後に、挨拶にきた青葉を父親が引き止める。
    「いや、弟の元服の儀が終わったあと
     おまえには八島に嫁いでもらわねばならぬ。」
     
     
    青葉の胸に何かが刺さった気がした。
    「で、でもわたくしには約束が・・・。」
     
    「八島家とは新たな約束を交わしたのだ。
     これから東の地は、同等の勢力の大名家たちが主権争いをする。
     この前のいくさで山城に加勢が来なかったのは
     理が完全に我が方にあったせいもあるだろうが
     一番の勢力を誇示していた山城家が、他大名には邪魔であったせいであろう。」
     
    龍田の殿は地図を畳の上に広げた。
    主な領地争いは、北や東の方で行われていた。
    山城家が東の地のほぼ中央に位置し
    地の利を良い事に、あちこちにに手を出していたからである。
     
    龍田家は東の地の南西の端に領地を持っている。
    八島家は、西の地の中央少し北に領地を構えているのだ。
    地図上では近いようでいても、実際にはかなりの距離がある。
     
    「いくさに意欲的ではない、つまり他の大名家に “敵” と見なされない龍田家は
     領地と自治権を守るためにも、八島家と同盟を組まねばならぬ。
     八島家が遠方ゆえ、この同盟が差し迫った脅威とは見なされにくいところが
     我が龍田家にとっては、この上なき好都合なのだ。」
     
     
    それはそうですわね・・・
    青葉は納得した。
     
    お姉さまも、そうやって山城に嫁いだ。
    わたくしの結婚もそれが当たり前。
    でしたら、置いてこなければ良かった・・・。
    返していただけるかしら?
     
    青葉は胸元から、古ぼけた灰色の手拭いを取り出した。
    それをただボンヤリと眺めていると、胸が苦しくなってきた。
    青葉は手拭いを握り締めて泣いた。
     
     
    「姉上が泣いておられるようですが、何故ですか?」
    息子の質問に父親が答える。
    「八島に嫁ぐよう言ったからであろう。」
     
    その答を、息子は理解できない。
    「嫁ぐ相手は姉上のお好きな方なのでしょう?
     何故、泣く必要があるのです?」
     
    「相手が誰かは言うておらぬ。」
    父親が苦々しい顔で言う。
     
    「あの時とは状況が違うのだ。
     八島の殿の気が変わっても、うちは文句を言えぬ。
     青葉に下手な期待を持たせたくないのだ。」
     
    「しかし千早さまが約束なさってくれたでしょう!」
    「千早どのは、八島の家臣だ。
     大殿には逆らえぬ。
     そしてうちも同様に、強国には逆らえぬ。」
     
     
    怒りを隠そうともせず立ち上がる息子を、父親がたしなめた。
    「おまえには弱い男に見えるだろうが
     この父の教えを、しかと聞け。」
     
    そして父親も立ち上がる。
    「自分の現在の力量を見誤るな。
     わしは戦わぬ道を選んだが、戦うおまえなら尚更に。」
     
    優しく微笑みながら、息子の頬をペシペシと叩く。
    「心を顔に出すな。
     それはいくさ場で鎧を脱ぐのと同じ事。
     おまえは強い男だが、まだ未熟だ。
     それを忘れなければ、もっともっと強くなれるであろう。」
     
     
    変わらず仏頂面になっている息子の見下ろし、父はつぶやいた。
    「本来なら戦場で斬られるか、陵辱されてうち捨てられるはずの娘を
     無傷で帰してくれただけでも
     千早どのには、感謝してしきれぬものよ・・・。」
     
    そして息子から目を離すと、眩しそうに言った。
    「おお、山桜が咲き始めたようであるぞ。
     今年の春は、早いのお。」
     
     
     続く 
     
     
    関連記事 : 殿のご自慢 21 13.4.11 
           殿のご自慢 23 13.4.17 
           
           殿のご自慢・目次 

  • 3DS ファンタジーライフ

    おおい、これ、誰もやってねえんかよー?
    難波でもすれ違いが1人だけなんだよー。
     
    皆、“とびだせ!どうぶつの森” というゲームにでも行ってるんかのお。
     
     
    ゼノブレイドで 「スターライトニー!」(技名) を繰り出し
    モンハン3Gでイビルジョーから逃げ回り
    戦国無双3で雑兵相手に 「俺さま強えええええええええええ!」 をやり
    ヘラクレスの栄光でLV上げにゲンナリし
     
    ちょっとノンビリしたいな、と買ってみたのが、“ファンタジーライフ”。
     
     
    このゲームは、12の職業 (ライフ) をするゲーム。
    王国兵士、傭兵、狩人、魔法使い がバトル職
    採掘師、木こり、釣り人 が材料調達職
    料理人、鍛冶屋、大工、裁縫師、錬金術師 が生産職。
     
    一応メインストリーはあって、それをクリアした方が
    行ける場所や仲間に出来る人は増えるけど
    メインを丸無視しても、全然オッケー。
     
    あ、伝説になれないか。
     
    ライフにはランクがあって
    みならい → かけだし → いっぱし → うできき → たつじん
    そしてマスターになったら、その職業を達成した事になるんだけど
    その上に “えいゆう” そして “でんせつ” があるんだ。
    それを狙ってこそのライフ!
     
     
    ・・・こういうシステムがあると、コンプリートゲーマーは落ち着かないだろ?
    全職でんせつを目指してキイキイやるハメになっちゃってよお
    こんなノンビリゲームでもゲーム腱鞘炎の再発・・・。
     
    これが私の S・A・G・A。 ノン・ロマンシング。
     
     
    そこで、大体のこのゲームのコツを書いておこう。
    これ、割に単純なゲームだから、すぐにわかるよ。
    あ、初心者向きかも。
     
    まず戦闘は戦闘職以外は、あまりしなくてよろしい。
    遠くから狙える弓と杖のLV3を持っていれば良い。
    特に杖は回復魔法も使えるから。
    ただしSPが必要なので、SP回復に重点を置いてな。
    SPの最大値は100。
     
     
    職業は最初に全部を “かけだし” までやっておく事。
    じゃないと、メインストーリーが進んでいる時に、職替えが出来ないから。
    ・・・でも、メインストーリー、職、何でも一緒なんだけどね・・・。
    LVも10台でクリア出来るんじゃねえ?
     
    んで、狩人や魔法使いをしつつ、まず材料調達職をする。
    そして生産職で、防具や作業道具を作りつつ狩りをする。
    この繰り返しを、猿のようにやってやってやりまくり、手首に湿布を貼る、と。
     
     
    でも、こんな事をしなくても、一日木を切ってても
    ボーッと釣りをしてても良いんだよ。
    正に自由、フリーダム!!!!!
     
     
    全然自由じゃない、コンプリートに囚われている私は
    今、LV70台なんだけど (LVストップは99)
    メインストーリーをクリアして、ライフ極めを継続中なんだ
    王国兵士と傭兵は、かけだしのまま放置している。
     
    他は採掘師がでんせつになった以外は
    全職、えいゆうかマスター。
    (釣り師なんか、釣り師として釣りをした事が一度もないのにえいゆうw
     他職で通りすがりに釣ってただけで、えいゆうwww)
     
    何でこんな偏ったライフ上げをしてるのかと言うと
    登場人物たちと一番絡むのは王国兵士で
    クエストが一番厳しい、強敵相手なのは傭兵のような気がするからだ。
     
    全職でんせつにして最高の武具を作って、それを着せて傭兵をやり
    王国兵士で、でんせつじじいに会いに行って終わろうかな
     
     
    と思っていたら、新たなクエスト配信予定があるんだと。
    喜んでいたら有料っぽい。
     
    こういう、お金をどんどん絞り取る商売を許可して良いのか? 任天堂よ。
    これじゃあ、ケータイのゲームと変わらないんじゃねえの?
    ケータイショップのおにいちゃん、言ってたよ
    月に十数万円かけてる人とかいるんですよ・・・、って。
     
    これが日本経済に貢献するとは思えないけどな。
    「ゲームは子供のおもちゃ」 と言っている任天堂は
    そういう商売に手を染めたらいけないと思う。
     
    ゲームはソフトひとつで世界を完結せえ!!!!!
     
    配信課金式じゃないと遊べなくなったら
    私はゲームを卒業する。
     
    大丈夫、他にも趣味は沢山あるし、時間はない。
    死ぬまでゲーマーだと思っていたのに
    まさか引退宣言をする日がくるかも知れないとはな・・・。
     
     
    任天堂、マジで考えてほしい。
     
    そしてファンタジーライフの制作会社LEVEL5
    せっかく良いゲームを作ったのに、誇りを捨てるな!
     
    儲けないと次が作れないだろうけど
    世の名作の多くは、そうやって生まれてるじゃん。
    低予算のスピルバーグの “激突” とか、カナダの “CUBE” とか。
     
    ドラクエを見てみい。
    何が 「廃人を作るゲームにする」 だよ。
    とうとう視野が狭くなって老害化したか、堀井。
     
     
    ゲームは普通の人生を送りながら、趣味で楽しむもの!
    じゃないと、長く続かない文化だと何故わからん?
     
    これからの企業は、自国の事も考えれ!
    エコエコ言うなら、人間社会の事も忘れるな!
     
     
    そんで、何で途中からこんな激怒してる? 私。
     
     
     

    評価:

    レベルファイブ


    ¥ 4,700

    (2012-12-27)

    コメント:一応メインストーリーはあるけど、本当に何をしても良い自由度の高い生活系ゲーム。 ダウンロード版では追加配信が利用できないらしいので、製品版を買った方が良いと思う。 そんで今日の記事は、奇跡の真面目レビュー!

  • 殿のご自慢 21

    今度は山城側にも加勢は来なかった。
    帝の血を引く正妻を、自害を邪魔してまでも首をはねたなど
    さすがの属国も、顔をしかめる所業であった。
     
    しかもそこに、捕らわれたはずの青葉が戻って刀を握る。
    龍田家は八島家に組み込まれた、と見られて当然。
     
    だが加勢が誰も来なくとも、さすがの山城家。
    大義を得て、総力で来る龍田家にその大部分を削られながらも
    山城の殿には容易に辿りつけない。
     
     
    「出てこーい!
     山城、おのれ、卑怯者めーっ!」
     
    「あなたがたに恨みはありません。
     わたくしどもが憎むのは、山城の殿だけなのです。」
     
    血に濡れ叫ぶ弟と、涙に濡れて訴える姉。
    馬上の二人は、対の飾り雛のようで
    その美しさを、人は見た事もない “帝” と結びつけ
    畏怖すら感じていた。
     
    自然と人垣が割れ、道が出来て行く。
     
     
    表に出て来ない帝は、いまやその秘密主義で
    神にも等しい印象を持たれている。
     
    高貴な血は必要なくとも利用されるのだ、息子よ・・・。
    父親は、陣営から子たちの進撃を見守りつつ
    戦いを選んだその行く末を、案じるばかりであった。
     
     
    混乱の戦場に出来た一筋の道の先に、総大将の旗が立っていた。
    いた! 山城だ!
    先に走り出したのは青葉。
     
    負けじと弟が馬の腹を蹴ろうとした時
    何と青葉は急に馬を止め、降りてしまった。
     
     
    「姉上、何をやっておられる!」
    「お姉さまが・・・」
     
    青葉が駆け寄ったのは、上の姉の亡骸。
    討ち捨てられた時のままなので、見るも無残な姿になっている。
    「誰か布を。」
     
    「姉上、今はとにかく山城を!」
    焦る弟に青葉が叫ぶ。
    「お姉さまをこのままにして行けない!」
     
    くそっ、こうなれば私だけでも
    弟は山城の陣に突っ込んで行った。
     
     
    山城の殿は生き延びて、行方をくらます。
     
    龍田家は長女の遺体を回収し、手厚く弔う事で
    振り上げた刀を下ろすしかなかった。
     
     
    それだけでも悔しいのに
    弟には、ひとりでは仇討ちを果たす事が出来なかった情けなさが残った。
     
    やはり私はまだ子供なのだろうか?
    姉上がいないと、いくさひとつ出来ないのだろうか?
     
     
    “仇討ち” に関わらぬよう、近くの丘陵から戦いを見守っていた高雄が
    その夜、ボンヤリとかがり火を眺める弟の隣に立った。
     
    「私の初陣はオロオロして、それはもう無残なものだった。
     そなたは凄いな。」
    「慰めはいりませぬ。」
     
    高雄はニコリともせずに言った。
    「事実を言っているだけだ。」
     
     
    弟は、高雄の冷徹な言い草に救われる。
     
    「山城は、どこの誰ともわからぬ輩に殺されるのが似合うておる。
     最初のいくさで、そなたの刀に汚いものを斬らせるな。」
     
     
     続く 
     
     
    関連記事 : 殿のご自慢 20 13.4.9
           殿のご自慢 22 13.4.15
           
           殿のご自慢・目次 

  • 憑いている?

    ちょっと前の話。
     
    知人に数か月ぶりに会った。
    途端、叫ばれた。
     
    「どうしたんですか? 真っ黒ですよ!!!」
     
     
    ・・・そんなん言われたのは、日本でも4人ぐらいしかいないと思う・・・。
    その知人は霊感があって、いわゆる “視える” 人なのだ。
    そんな人が、私が真っ黒い霧がかって見える、と言う。
    そりゃ、霊だよな!
     
    だけど、うーん、と悩んでいる。
    最近何かしましたか? どっか行きましたか?
    と尋問されたんだけど、その問いへの私の答も合わせて
    知人は 「霊かなあ?」 と疑う。
     
    それは霊だってば!
     
     
    その知人は、霊が憑いていた事のない人には会った事がないけど
    唯一、私だけは一度も霊が憑いてるのを見た事がない、と言ってたんだよ。
    私は霊感がゼロどころかマイナス方面のヤツなんで
    霊にも無視されるんだと・・・。
     
    最後の1行は聞いてなかった事にして
    勝手に、私はきっとものすごく偉い生命体とかの生まれ変わりとかだから
    霊も恐縮して近寄れないんだわ、ほーほほほほ
    と、内心、高飛車になっていたんだけど
     
    とうとう憑いたか、ほーほほほほ
     
     
    高次元の存在から普通の人間になってしまうけど
    “憑いてる” の方を、やたらプッシュするのは
    人のせい、いや、霊のせいに出来るからである。
     
    「ものすごく辛い事になってませんか?」
    知人のこの指摘、ナイス!
    なってるんだよー、辛い事、ものすごく。 何でカタコト。
     
     
    騒音のつらさ 12.10.16 で書いた
    (また根に持っているリンク攻撃)
    騒音家族は、相変わらず注意しても1~2か月で徐々にうるさくなり
    我慢して我慢して、半年ぐらいで気が狂いそうになって
    また管理組合に注意してもらう、というパターンに疲れ果ててきてるんだ。
     
    しつけてるんですけどねー、とボヤいてるらしく
    どうも、しつけが出来ない親のようだ。
    怒るのとしつけは違う。
    注意して説明するのが、し・つ・け !!!
     
    で、ほとぼりがさめたら書くけど、色々あって
    いよいよヤバ気になってきたんで、精神科に通い始めたんだ。
    病院系の話もいつか改めて記事にするけど、中々薬が合わないでのお。
    モウロウとしつつ文豪をやってるあたりが、私の天才なとこなんだけど
    天狗になり過ぎてるんで呪われろ、てか?
     
     
    んでな、今年の初詣に、ふと 「今年で最後かも」 という考えが
    何の脈絡もなく頭に浮かんだんだ。
     
    そして毎日、夢の中で懐かしい人たちに会う。
    あの元飼い犬のヘルハウンド、アフガンハウンドどころか
    私眼中なし (こっちも元飼い犬) の、ゴールデンレトリーバーまで出てきたし
    子供の頃に住んでいた村に挨拶に行ったり、そんな夢ばかり見るんだ。
     
    年寄りは年末年始になると、1年の開け閉めに寿命問題を持ちだすんで
    とうとう私もそれになったかな、ぐらいに軽く考えていたんだけど
    飯が食えなくなってたのが、引っ掛かってな。
     
    これは、エンシュア・リキッド 13.4.2 で解決したけど
    不思議なほどに食いたくなかったんだ。
    その時なら、断食で即身仏可能なぐらい。
     
    人は死ぬ前になるべく痩せて、乾いて燃えやすくなるのが
    エコなんじゃないか、と思うんで
    身の回りの整理でもしとくかな、と思ってたんだよ。
     
     
    こういう具合に、何だか死が間近に来てる気がしてたんだけど
    この弱ったところに、霊って付け込むもんじゃん。
     
    で、私、思ったんだ。
    子供の暴れる音が許せないのは、私の狭量さが悪い
    と、ずっと自分を責めていたんだけど
     
    ここんとこの絶不調は、霊のせいなんじゃん!
     
    だよなあ。
    知的で冷静で上品な私がここまで弱るなんて、普通じゃありえんもんな。
    霊かーーー。
     
    とか思ってたら、嬉しそうな顔をしてたようで
    本当に引っ張られて死ぬ場合もあるのに、バカじゃないかと怒られた。
     
     
    だもんで、ここでしか本音を言えないけど
    苦しい私に苦しい霊が寄ってきた。
    何か、“ひとりじゃない” って感じじゃねえ?
     
    て言うか、こいつが苦しんでて私にすがるんなら
    その苦しみも一緒に抱えてあげたいな、と思うのは
    もう囚らわれてる事になるんかな。
     
     
    とにかく私に頼って来てるんだから、一緒に頑張ろうね、霊。
    偶然か必然か、私の今年の目標は “無理をする” だし。
     
    と思いつつも、ちょっと自分に都合の悪い事が起きたら
    例: 寝坊した 作った飯が不味い エロマンガ選択に失敗した
     
    何やってんだよ、もっとちゃんとサポートせえよ!
    そんなイイ加減な事をやってると、さっさととり殺されてやるぞ
    私が死んだら、おめえまた他のヤツを探さにゃならんのだぞ
    そいつがこんな大人しくおめえを受け入れてくれるか?
    チャッチャとお祓いに行って、浄霊じゃなく除霊、
    つまり成仏じゃなく地獄に叩き込まれるだけだぞ!
     
    と、もうすべて霊のせいにしていたら
    何か、いなくなった気がする・・・。
    いや、最初から “いた” 気も、まったくしていないんだが
     
    再び孤独に?
    うわあああああああああああああん
     
     
    ちなみにな、知人が 「霊じゃないような」 と言ってたのは
    あまりに辛すぎて魂?が沈み始めている、みたいな気もするんだと。
     
    それって、すごく簡単に言うと
    “あまりに辛すぎて、私の性根が腐り始めてる” だよな?
    知人はそっちの方を疑ってるんだ。
     
    え? まだ腐ってなかったの? と思われるだろうけど
    知人いわく、私は霊的?には凄く正しい存在?なんだってよ。
    意味がよくわからなかったんだけど
    とりあえず私、俺さまで良いのね? と、これまた都合の良い解釈をしてたんだ。
     
    でも、その存在自体がにごり出している、とかイヤ過ぎるじゃん。
    だから私は霊説支持なのさ。
     
     
    何か、更年期から騒音問題から体調の悪さから
    と続いてきて、ここに来て意外な展開になったよな。
    ビックリだよー。
     
    滅多に会えない知人なんで、今度会えた時に私がどうなってるのか
    訊くのが楽しみ。
     
     
    あ、誤解されないように言うとくけど、私は真面目に対応してる。
    今回は保留になったけど、知人の言う事に従うつもり。
    知らないなら知ってる人に素直に従う、これ鉄則。
     
    でも方針が出る前に、えらい好き勝手にやるのが私の欠点だけど・・・。
     
     

    評価:

    日本グランデックス


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    コメント:ヘナに変わる自然派毛染め。 ただしジアミン入りなので、完全天然じゃないってさ。 BBの後の数字が低いほど暗い色。 これにブルーを混ぜれば、多分某社会主義国家首脳陣の真っ黒頭髪になれるはず。