地図や文献などは、城にはあるだろうけど
一般の妖精の家にはないらしい。
「詳しい人とかいないんですか?」
王子の問いに、小人が答える。
「だから、賢者さまが・・・」
「あんな伝書バトの役割りしかしてないフクロウじゃなく
もっと他に生き証人みたいなんはいないの?
って訊いてるんだってば。」
えらいな言い様だが、黒雪姫の怒りももっともである。
「うーん、樫のじいさまなら知っとるかもしれん。」
「出た、木!」
メルヘンの知識係って、いっつも大木よねー
と暴言を吐く黒雪姫に、王子が感心したように同意する。
とりあえず、会いに行こうと全員で家を出る。
王子が黒雪姫に小声で訊ねた。
「小人たちの数人は、家に残しておいた方が良いんじゃないですか?
賢者さまとバラバラに動き過ぎるのも無駄が多いでしょう?」
黒雪姫が驚いたように、王子の顔を見る。
「へえ、あなた、そこまで能無しの馬鹿ボンでもないのね。」
「ふっ・・・、己の能力をひけらかすのは下品ですしね。」
王子が髪をかき上げながら、余裕で答えているのを無視して
黒雪姫はスタスタと先へと歩いて行った。
「どこの国でも姫は我がままなもの。 ふっ・・・。」
王子は憂いに満ちた笑みを浮かべながらも
女走りで黒雪姫の後を追った。
「で、どこにその樫の木が植わっているんだってー?」
叫びながら、黒雪姫が茨の藪をナタでバッサバッサと叩き切る。
離れて後ろを付いていく小人のひとりが答える。
「茨の藪を抜けて、2時間ほど歩いた先の高原らしいんじゃ。」
「こっから更に2時間・・・?」
黒雪姫は、茨を叩き切る手を止めた。
「てゆうかさあ、何でこの中の紅一点が力仕事をさせられてんの?」
「おお、すみませんでした、姫。
実は私、こう見えても剣術が得意でして。」
王子がスッと前に出た。
「後はこの私にお任せを。
この茨を瞬時に切り開いてみせます。」
王子が右手を上に左手を前に構えた。
剣はどうした。
「南 斗 水 「」 待って!!!」
黒雪姫が、慌てて静止する。
「いや、もういいから! 私が手動で切るから!
それもう既に、この前私がやった芸だから!!
そろそろ真面目に苦情がきそうだから!!!」
言うなり、凄い勢いで茨を滅多切りし始めた。
「姫というのは気まぐれなもので。 ふっ・・・。」
王子は両手を上げて、ヤレヤレのポーズをした。
王子のこの言葉が黒雪姫に聞こえなかったのは
命拾いをした、と言えよう。
とりあえず王子以外の全員が、ムダに疲労度ゲージが上がった。
続く
関連記事 : 黒雪姫 19 10.9.1
黒雪姫 21 10.9.7
カテゴリー 小説・黒雪姫シリーズ
黒雪姫 1 10.7.5
投稿者: あしゅ
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黒雪姫 20
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人生相談 24 仕事への感覚
<質問>
私は仕事は「やりがいがあって楽しくやれる仕事
(楽したいわけでなく、むしろきつい思いは喜んでする)」
をやりたいと思っているのですが
それを言うと友達に「仕事はきつくて、嫌な事があって当たり前。
皆が皆、好きで仕事やってるわけじゃないんだよ。」と、言われます。
そう言われると…楽しみたいというのは
私がわがままなだけなの?
と、悩んでしまって…。
どっちが正しいとかじゃなくて
みなさんはどう思われますか?
よかったら、意見を下さい。
<回答>
「皆が皆、楽しくてやってるわけじゃない。」
これの後には、“楽しくない人もいっぱいいる”
これが付くんじゃないか?
当たり前の話だよな。
この “当たり前の話” を、わざわざされるって事は
おめえの言動に問題があるんじゃないのか?
えらい夢見がちなヤツのように受け取られている、とか
なりたい職業が、実現ちょっと無理、とか
わがままとかじゃなく、別方向で考え方に問題ありかも知れない。
私も人からおかしい変だと言われ続けて
自分では、何が原因なのかさっぱりなんだけど
何かあると、あっ、私おかしかった! と
他人の意見の鋭さに平伏させられる。
だから人の意見はかなり正しい、と思っているんだけど
人によっては、本当の思いやりで言ってるわけじゃない場合もある。
「それで幸せなのが信じられなーい。」
「えー、私が仕事辛いのに
だからあなたが楽しい仕事をするなんて許せなーい。」
こういうヤツも現実にいる。
その友達が、どういう気持ちで言ってるのか
これも密かに考えた方が良いと思う。
足引っ張りな友達、現実にいるぞ。
でも結局は、自分のやりたい職業に就けるのなら
それになって楽しくやりゃ済むんじゃないか、と思う。
もしかして、具体的な職業が決まってなくて
「楽しい仕事をやりたい」 の段階か?
もしそうだったら、それは論外だな。
仕事をするというのとは、社会に属する事なんだ。
自分がしたい事ではなく、やれる事をする
自分に合う仕事じゃなく、自分が仕事に合わせる
やっていく上で、こう考える必要も出てくる。
“やりがい”“楽しい” とかは、後から付いてくる場合が多い。
このあたりについては、詳しくは
人生相談 21 やる気が出ない 10.8.23
を読んでくれ。
これが私の考え方だ。
なお、仕事上で “評価されない” という不満は贅沢だ。
評価は給料として貰っているだろうー。
その上、何を望むんだ?
どんだけ自分を過大評価してるんだよ? と思う。
出にくいからこそのレア宝!
仕事上では、やる気は己の使命感に頼るしかなく
そこが人生相談 21 とは、ちょっと違う点なので注意。
就職の参考にするために
皆に訊く質問に、ちょっと加えよう。
ここを読んだ人、偽名、匿名、無記名で良いから教えてくれ。
どれかひとつだけでも、お願いします。
1.相談者が質問している事への答や意見
2.自分がやってる仕事、楽しい?
3.何でその職業に就いたんだ?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
人生相談は、あまり受け付ておりませんが
ご相談はメールでお願いいたします。
相談前に、私の他の記事をご一読ください。
こういう “私” に相談する、というその選択について
もう一度よくお考えくださるよう、お勧めします。
アドレスはプロフィールにあります。
件名に、「人生相談」 と入れてください。
迷惑メールに紛れる危険性がありますので、何とぞ。
匿名で結構です。
いらん個人情報ばかり書いてこないで
肝心の相談内容の情報の方にこそ気を遣ってください。
なお、ここの相談では、通りすがりの人にも回答されます。
むしろ、回答を通りすがった人に丸投げする事もあります。
なので相談後の意見、返事、報告等がありましたら
出来れば記事のコメント欄に書いていただけたら、ありがたいです。
答えた人ここを読んだ人全員、結果を気にしていると思いますので。
※ 相談内容を転記の際、状況によって
伏字、改行、修正などをさせていただく場合があります。
※ 精神的に打たれ弱い方はご遠慮ください。
注: たまにこちらからのメールが届かない人がいますが
その “私ブロック” を解いておいてください。
<通りすがりの人の、回答上の注意>
偽名、匿名、無記名で結構ですので
相談内容に沿った、ご自分の意見、経験を教えてください。
貰った意見をどう解釈して取り入れるかは
相談者が勝手に決めて良い事なので、意見を書く人は
相談者に一方通行の贈り物をするつもりでお願いします。
相談者には相談者の個性や性格があるので
願ったものとは違う答を出しても
助言がムダになったわけではないのです。
似たような状況の人も関係ない人も、何かの参考になって
皆が何かを得る事ができたら良いな、と願っております。 -
黒雪姫 19
「とにかく、話をまとめてみよう。」
小人の提案に、黒雪姫が異議を唱えた。
「いや、まとめるまでもなく、鏡がポイントでしょ。
ハブ女王の乱で、どっかに鏡が出てこない?」
小人たちが首をひねる。
「・・・あなたたち、ザコだから事実とか全然知らされてないのねー。」
黒雪姫のこれ以上にない失礼な発言が
小人たちのちっちゃなハートにグサッと突き刺さった。
黒雪姫が立ち上がり、落ち込んでいる小人たちを急かす。
「ほら、どうすんの?
今回もエキストラで背後でうごめいとく?
それとも主役を張る?」
小人たちが相談をしようとすると、黒雪姫が怒鳴った。
「やりたいヤツはやればいい。
やりたくないヤツはやらなきゃいい。
今度の事は、危険もあるかも知れないから
自分の判断で決めろ!」
「・・・やらないと、ザコ扱いなんじゃろ?」
小人たちが、イジイジしながら言う。
「当たり前でしょ。
死ぬかも知れんこっちとしては、安全圏にいるヤツには
最後っ屁のひとつもかましてから、出撃したくなるってもんじゃない。
まあ、自己満足でしかないから、そう気にしないで良いから。」
「・・・ひどいヤツじゃのお・・・。」
「じゃが、この女に好き勝手にさせたとバレたら
わしらの立場も悪くならんか?」
「てゆーかさ、嫌がっても協力してもらうしー。」
真顔でテーブルの底をガンガン蹴り上げる黒雪姫に
小人たちはゾッとさせられた。
「・・・この女、本当は魔界から来たんじゃないのか?」
未来は既に決まっている事に
絶望する小人たちと、高笑いをする黒雪姫。
そして、それをキラキラした眼差しで見つめる王子と
ウツロな目で、嫌な未来を覚悟する執事。
それぞれの思惑が、微塵も交錯しないまま
この話がどっちへ行くのか、どう言い訳をしようか
頭を抱える “舞台裏” の事は、気にせずともよろしい。
ええ、そりゃもう、1mmたりとも。
続く
関連記事 : 黒雪姫 18 10.8.30
黒雪姫 20 10.9.3
カテゴリー 小説・黒雪姫シリーズ
黒雪姫 1 10.7.5 -
平等な恋愛
人生相談 23 結婚を待たせる彼氏 のコメントを読んでて、ふと思った。
“平等な関係” を望む人が多いんかな、と。
私が見聞きした中で、平等なバランスの夫婦やカップルは皆無だった。
(この見分け方、九州じゃ難しい。
表面上は男性が威張るからである。)
お互いが同じだけ依存 or 自立していて
同じだけ相手を尊重して、同じだけ我慢している、
これ、1個も例がない。
他人なんだから当たり前だよな。
理想を語っているのではなく、現実に “平等” を願う人は
現在の境遇に不満があるんじゃないだろうか。
ある程度満足しているのなら、権利の主張はしないからである。
しかし人間関係に、平等はないと思う。
別に差別をしているからではなく
“違い” によるズレを容認しているからである。
これはすべての人間関係に思っているけど
今回は恋愛関係だけに焦点を当てて語る。
男女関係での黄金バランスは
どちらかに30度ぐらい秤の針が傾いている状態。
きっちり同重量だと、逆に収まりが悪いように感じる。
その理由は、お互いが別人格だからである。
他人が2人以上集まって、補い合うためには
個々に能力や役割りの差があるために、リーダーが必要になる。
性格や考え方の違いがないと、伸びしろも少ないのである。
1 + 1 (同個性2人) より
1 + 2 (別個性同士) の方が、答も大きいだろ。
そしてこの場合、2ある方が余計に頑張るのが効率的であり
頑張った2が威張るのも当然なのだ。
もちろん1側が頑張る場合は1が威張れば良い。
数式で例えるのは、結婚式の退屈なお偉いさんスピーチのようで
嫌いなんだが、上手い説明が見つからんのだ。
まあ私はこういう考えなので、平等はどうでも良い。
上の立場も下の立場も、両方経験したけど
断然ラクなのは下の立場である。
私は常に仕える方を望むのだが、いつも相手が不満を持つ。
基本性格が何様気質なのと
後ろを付いていくだけなのに
必ず何かしらの迷惑を掛けてしまうからであろう。
そんな私の決めゼリフが
「悪気はないんだ。」 になるのも必然の流れ。
皆、この言葉を言うヤツは、本当に悪気がない。
だけど悪気があった方が、まだマシなんだよ。
無意識の結果なのに、悪意を感じさせるなど
頭か運がものすごく悪い、疫病神のようなものだからだ。
いつものように話を逸らしたが
恋愛において、平等なバランスはない。
これはもう、絶対的な真理、とまで断言しよう。
離婚で 「性格の不一致」 と、よく言う。
この意訳は、“相手に合わせる事をしたくない” だが
その原因が、能力と立ち位置を間違えた事にある場合も多いんだよな。
性別は上下を決める材料にならないのに。
上は威張って良い、と書いたけど
それはご褒美であって、別に上の位置が偉いわけではない。
この勘違いも、バランスを崩す要因になる。
そして意外な事に、性格の強さも上下とは関係ない。
引っ張る系能力と突き上げる系能力、と言えば良いのか
攻めと守り、どっちも大事、って言うのか
あっ、SMは実は女王様の方が重労働、みたいなものかな。
これで察して納得せえ!
ここは読む側の能力が重要になるブログだ!
上に立つ者は、責任を持て。
下にいる者は、忠誠を持て。
自分の立場と役割りを自覚して、相手に合わせて踊れ。
これが法則だと思う。
私は失敗こいたけど、皆は頑張れ。 -
黒雪姫 18
コトが収まったのを見計らって、王子と執事が戻ってきた。
何やら密談もしていたようだ。
「あのー、ちょっとよろしいでしょうか?」
「ダメ。」
手を上げる王子を、見もせずに却下する黒雪姫。
「話ぐらい聞いてやらんか。」
黒雪姫がそっぽを向く。
「だって、こいつ、黙って待ってようというチキンじゃん。
発言の権利なんかないわ。」
「まあ、待て。
体力がない者は知力があるのがデフォじゃ。
聞いてみようじゃないか。」
アザだらけなのに、まだ意見をする小人たちは
実は最強なのかも知れない。
しかも何気にイヤミな言い方。
案の定、頬杖をついた黒雪姫が、ジロリと小人たちを睨む。
「非力なあなたたちも頭が良い と言いたいわけ?
はっ!!! まさか、遠回しに私の知能を否定してるとか?」
「とととととんでもない!」
小人たちは全力で否定した。
「まったく、やりにくいおなごじゃのお・・・」
「ここで王子がロクでもない事を言い出したら
こっちにまで被害が出るぞ。」
「この王子、ちゃんと空気を読んでくれるじゃろうな?」
ボソボソと苦情が出てくる。
小人たちが祈るような気持ちで見つめる中
空気を読んでいるのかいないのか、王子が芝居がかった喋りを始めた。
「北国のある地方では、鏡がご神体だという村があったのです。」
「ふむ、呪術などで使われる場合もあるそうじゃからの。」
「いえ、その村はそうではなく、伝説だけが残っていて
今では鏡どころか、村もなくなってしまっています。」
黒雪姫が、王子の話に初めて反応した。
「ちょ、その話、詳しく。」
「はい、姫の仰せとあらば。」
王子は深々とお辞儀をした後
遠くを見るような表情で、詠唱し始めた。
「かつてその地方で一番栄えていたというその村は
北国でも、とりわけ厳しい風が吹きすさぶ北海の近くにあり
しかし村人たちは、魚の酢漬けをつまみに地酒を飲み
暖炉の周囲で歌い踊る事で気をまぎらわせ
長く辛い氷に閉ざされた季節を、皆で支え合っ・・・」
「代打、執事!」
黒雪姫の怒号に、執事が はっ と1歩前に出た。
「とある村の鏡が、ある日突然お告げをするようになり
村人はその鏡を神として崇めていたけど
鏡を巡って争いが起きて、村は滅びたという話です。
約300年ほど前の話なので、真偽はわからないのですが
その場所に村の跡は確かにあります。」
「300年前・・・?」
小人のひとりが考え込んだ。
「その頃、ここでは戦いが起こってなかったかの?」
「戦い?
ここ数百年間で戦いといえば、ハブ女王の乱ぐらいじゃろ。」
「ちょっと待って! ストップストップ!!
この話、名作二股のパクリにすんの?」
黒雪姫の突っ込みに、小人が非難めいた口調で答えた。
「“妖精王” という呼称が出た時点で
転がる可能性は覚悟しとかんと。」
「ああーーーーーっ、頼むからボーフーリンとか
そっちにまで話を広げないでほしいーーーーーーっ!」
「大丈夫じゃ。
その話は知識として知ってるぐらいで
読んだ事はないらしいから、そう盛り込めんじゃろ。」
「だけど後先考えなしに、そういう無謀な事を軽々しくして
激しく後悔するのが、いつものパターンじゃない?」
「舞台裏の話をするでない!」
小人のひとりに怒られて、黒雪姫はテーブルに突っ伏した。
続く
関連記事 : 黒雪姫 17 10.8.26
黒雪姫 19 10.9.1
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黒雪姫 1 10.7.5 -
人生相談23 結婚を待たせる彼氏 2
前記事: 人生相談 結婚を待たせる彼氏 10.8.25
状況のまとめ
・彼 25歳 相談者 23歳
・相談者の両親と彼は、もともとから顔見知りで
相談者と彼の両親は、付き合って一年半頃に初対面。
・彼のお家は真面目で誠実。 とっても古風なお家。
・今は彼の希望もあって、事務の仕事をしている。
・相談者が以前していた仕事では、彼の親に会ってすらもらえないだろう
ということで転職した。
結婚の前の段階として、両親に会う為の転職。
「聞こえのいい仕事を」という思いが強かったと思う。
・彼も相談者も、納得の行く仕事が見つかるのかを毎日毎日考えている。
・結婚を先に言い出したのは彼。
結婚は先がいいといいつつも
「○○(私)はいい奥さんになるよ」
「○○(私)もお母さんになる日がくるんだよ~」
「○○(私)と俺の子供って、めっちゃ可愛いはず!!」等
結婚をほのめかす言葉がある。
・彼は「もっと経済的にも精神的にも
お互いがちゃんとできるようになってから結婚をしよう。
何年先かわからなくて
下手したら5年後10年後になるかもしれない。」 と言っている。
・彼が一昨年にちょっと金額の大きい車を買い
そのローンがあと月々50000円×36回残っている。
・彼はブランド物には興味がないので、車好きだと思う。
・そのローンを払いながらの結婚を、彼の親が反対している。
相談者 「一緒に住む?」
彼 「いや、親が許さない」
相 「一緒にお金貯める?」
彼 「うん、二人で貯めよう」
相 「じゃあ、私使ってない口座あるからそれに貯めよう」
彼 「いや、新しい口座に貯めたい」
相 「いやでも私平日仕事だから銀行いけないし
新しい口座作る時間ないからさ…」
彼 「んー、何か今まで使ってた口座って嫌じゃない?
貯めるなら新しいのがいい。」
相 「いや、でも…作れんし…時間ないし…」
彼 「んー…(譲る気無し)」
相 「じゃあもういいよ…別々に貯めよう(泣)」
・婚約の話も出したけど
「もう、絶対結婚する!!…って決めてから親には正式に挨拶する」
と一蹴される。
・彼はわがままで、譲らないし横着。
でも、人に可愛がられる不思議な人。
・彼の意見
「お互い落ち着いてからゆっくりしたい」
「結婚前にお金の管理はされたくない」
「とにかく、結婚してからじゃないと色々と任せられない」
・相談者の意見
「ダメでも、二人で乗り越えれるようじゃないと結婚は無意味」
「結婚する前でも、お互いの意識、責任感の為に
ある程度の束縛(金銭的にとか)は大事」
「結婚に『向けてこそ』一緒にしなければいけない事がある」
・相談者の第一志望は結婚
・彼に誠意を見せなければと、仕事をやめ収入が減ったため一人暮らしもやめ
更に彼の両親に知られるとまずいので、タバコもやめた。
・としてる間に「彼は何かしてたっけ?あれ?あれ?」となってしまい・・・。
読んでいる人の反響が大きく
相談者の事をとても心配していて
また相談者も、苦言も助言も受け入れて
自分の道を自分で決めたい、という姿勢なので
実に特殊なケースだけど
引き続き、色んな意見をお待ちしています。
ただ、貰った意見をどう解釈して取り入れるかは
相談者が勝手に決めて良い事なので
意見を書く人は、一方通行の贈り物をするつもりでお願いします。
相談者には相談者の個性や性格があるので
願ったものとは違う答を出しても
助言がムダになったわけではないのです。
ご自分の経験や意見を教えてください。
似たような状況の人も、何かの参考になって
皆が何かを得る事ができたら良いな
と、珍しく人のためになるような事を願ってしまっている
私らしくない事になっております。
そして相談者、これは単なるお願いなんだが
一旦ここを離れていっても
また数年後に、皆の意見を読み返してみてくれ。
そんで、またその時にコメントをくれ。
年数が経っての感覚の違いはあるか
どういう変化があったか、どの道を選んだのか、など
とても興味があるんだ。
すまん、善意でやったんだけど、危険に気が付かなかった。
特定されるような個人情報は
あまり書かないでくれ。
万が一、彼がここに気付くような事があったら
結婚どころじゃないトラブルになるかも知れない。
そんで日本中には、このような彼氏が数人はいるだろうから
「俺の事か?」 と、覗きに来た時のために
なだめる言葉と、更生するような言葉も書いてくれれば万全だ!
例: よお、彼氏、彼女はおめえと上手くやりたいんだよ。
こんなところで相談するほど、追い詰めてんじゃねえよ。
飼い殺しはやめて、はっきり応えてあげろよ。
んでな、老人になるとわかるけど
若い頃に待たせた相手ほど、上玉なもんよ。
ああ、あれ惜しい事をしたな、って思うぞ。
人生、そういうもんだぜ・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
人生相談は、あまり受け付ておりませんが
ご相談はメールでお願いいたします。
相談前に、私の他の記事をご一読ください。
こういう “私” に相談する、というその選択について
もう一度よくお考えくださるよう、お勧めします。
アドレスはプロフィールにあります。
件名に、「人生相談」 と入れてください。
でないと、迷惑メールに紛れる可能性がありますので。
匿名で結構です。
いらん個人情報ばかり書いてこないで
肝心の相談内容の情報の方にこそ気を遣ってください。
相談内容によっては、相談した事自体を怒りだす可能性もあります。
相談後の意見、返事、報告等がありましたら
出来れば記事のコメント欄に書いていただけたら、ありがたいです。
通りすがりの人も、結果が気になると思いますので。
※ 相談内容を転記の際、状況によって
伏字、改行、修正などをさせていただく場合があります。
※ 精神的に打たれ弱い方はご遠慮ください。
注: たまにこちらからのメールが届かない人がいますが
その “私ブロック” を解いておいてください。
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黒雪姫 17
小人のひとりが黒雪姫の前に進み出た。
「結論は出た?」
腕組み仁王立ちで訊く黒雪姫は、とても被害者とは思えない。
「んと、ひとつ頼みがあるんじゃが
もし妖精王さまにバレた時には・・・」
「はいはい、わかってるって。
私があんたらを脅して従わせた、って言うから。」
小人たちは、ホッとして顔を見合わせた。
王子がまたしても執事にささやく。
「自分を犠牲にする義侠心もある。」
「て言うか、脅し、事実にさせてもらうから!
さあ、あなたたち、私のためにチャッチャと動かないと
木に吊るしてお仕置きだからね!」
ひいいいいいいいいいいーーーーーーー
と、叫びながら逃げ回る小人たちを
いいから! と、黒雪姫が集めて回る。
ダイニングの椅子にドカッと座り、黒雪姫が話し始めた。
「あのバカ賢者、私の話を最後まで聞かずに飛んで行ったけど
私・暗殺未遂事件、まだ続きがあるのよ。」
「何じゃ?」
「窒息して倒れた後、まだ微かに意識があったのね。
その時に聴こえたのが、鬼ババが帰ろうとしたんだと思うけど
『鏡、鏡、さあ、通して』 って言ったのよ。」
小人たちがザワついた。
「“通して” とは、もしかして結界の穴かいな?」
「うん、わしもそう思ったぞ。」
「鏡とは?」
「あのね、鬼ババ、よく城の塔に行くようになってから
おかしくなったような気がするんだけど
その塔から時々、ガラスが割れるような音がしてたのね。
侍女が言ってたんだけど、大量の皿を塔に運ばせて込んでいて
塔からは割れた皿を回収させてるんだって。
んで、その部屋には、大きな鏡があるんだって。
布をかけてあったけど、光が反射してチラッと見えたらしい。」
「何じゃ?
その部屋で鬼ババは、何のために皿を割るんか?」
「うーん、そこは私もよくわからないんだけど
“鏡” ってのがキーワードのような気がするわ。」
「鏡・・・、鏡・・・」
小人たちは考え込んだ。
「ここじゃ、猛禽類が賢者なぐらいだから
鏡が動いても何の不思議もなくない?
そういう部族、いないの?」
黒雪姫のムチャ振りに、小人が呆れた。
「いくら妖精とは言っても、無機物は動いてはおらんぞ。」
「・・・そうよねえ・・・。」
黒雪姫も、諦め顔になった。
「で、もうひとつ解せないのが、鬼ババが
『これで私が世界一の美人よーっ!』 って叫んでたんだけど
風鈴が鳴らなかったのよねえ・・・。」
私の時は警報機のごとく鳴ったのに・・・
と、黒雪姫が憮然としている横で、小人たちが騒然とした。
「え? じゃあ鬼ババは、風鈴も認める美人って事じゃよな?」
「ちょっと待て、その鬼ババを抑えてNo.1なのがこの女だろ?」
「じゃ、この女、美人なのか?」
小人たちが風鈴の周りに集まり、口々に唱えた。
「黒雪姫は美人。」「黒雪姫は可愛い。」「黒雪姫は美しい。」
風鈴は気が狂ったようにジリジリ鳴りまくる。
「うおっ、鼓膜が損傷する!」
「こんなにやかましかった事は、かつてない!」
「わかった、すまんじゃった、鳴り止んでおくれ。」
誰もが勘違いしているが、風鈴が鳴るのは嘘を付いた時だけ。
本人が事実だと信じているのなら、それは嘘ではない。
継母は本当に自分を、世界一の美人だと思い込んでいるから
風鈴は鳴らなかったのである。
「うむ! やはり黒雪姫はブスで決定じゃな!!」
背後にどんどん暗黒の闇が広がっていく事を
満足してうなずき合っている小人たちは、まだ気付かなかった。
王子と執事は、さりげなく席を外した。
続く
関連記事 : 黒雪姫 16 10.8.24
黒雪姫 18 10.8.30
カテゴリー 小説・黒雪姫シリーズ
黒雪姫 1 10.7.5 -
人生相談 22 結婚を待たせる彼氏
<質問>
今、結婚を考えている彼氏がいます。
お互い親にも顔を合わせているので、結婚も近いうちにするのだろうと勝手に思っていたのですが
彼氏は「もっと経済的にも精神的にも、お互いがちゃんとできるようになってから結婚をしよう」と言っています。
それは、何年先かわからなくて
下手したら5年後10年後になるかもしれないし、それでも結婚するっていうのは絶対決めてる事だから気持ちは変わらない。と言われました。
私は私で「結婚まっしぐら!」になってたので
若干肩透かしをくらいました。
彼の言い分もわかるので大人しく聞きいれましたが
本心としては早く結婚して落ち着きたいのです。
そして、今は彼の希望もあって
事務のお仕事をしているのですが
「アルバイトか?」ってくらい給料も安いし、元々やりたかった仕事じゃないので
何だか毎日気持ちがフワフワしています。
彼が「結婚はまだ先だ」というのなら今の仕事を辞めて、自分のやりたい仕事、もしくは結婚にむけて貯金ができるようにもっと割りのいい仕事につきたいと思っています。
ただ、このご時世だから無職状態が続いてしまったら…と怖くて動けずにいます。
やるべきことをやらないで結婚したいと思う気持ちは甘えなのか
自分のやりたい仕事をと思う気持ちが甘えなのか
自分でいくら考えても答えがでません↓
結婚が一年後二年後なら転職はしないでいいと考えてますが、五年後六年後となれば早いうちに転職して、先を見据えたいとも考えています。
でも、結婚を早いうちに踏み切ってくれない彼にも多少の苛立ちを感じています。(彼の気持ちはわかるんですけどね…)
あしゅさんはどう思われますか?
いつもの如くぶった斬ってほしいです(笑)
あと、なるべくたくさんの意見を聞いてみたいので何か思われた方がいれば一緒にアドバイス貰えればすごく嬉しいです(^^)
宜しく御願い致しますm(_ _)m
<回答>
さあ、ここに居合わせたヤツ、
運が悪かった、と諦めて、死ぬ気で考えれ。
そんで意見をバシバシ言え。
匿名、無記名で構わん。
こういう相談では、バツ1ババアの意見ほど役に立たんものもないんだから
汚れていないおめえらが頑張らんでどうする!
なお、今回は相談文を丸のまま載せている。
伏せている事はない。
だから、ここに書いてある事だけを鵜呑みにして、判断するのが絶対条件。
相談者も回答者も、これを大前提に頼む。
んじゃあ、私の意見。
年齢に関わらず、転職はチャンスがあれば狙っていくべき。
仕事を、彼氏や夫の都合で設定するのは危険すぎる。
金銭面で自立をしていないと、人生の自由度がものすごく減るぞ。
彼氏の気持ちが変わるか変わらないか、何年後に結婚するのかしないのか
そんな事と切り離して、自分のためだけに仕事を選べ。
結婚の方はだな・・・、まったく同じケースを経験者から聞いた。
お互いの親にも紹介済みで、資格が取れたら結婚するから、と言われ
彼女は彼氏の言う通りに、新卒で就職もせずにアルバイトで
彼氏が “ちゃんとする” のを待っていた。
結果、数年後に彼氏の気持ちが冷めて (浮気はなかったらしい)
彼女んちに来て 「ごめんなさい」。
彼女の両親、泣きわめいたそうな。
娘の人生を台無しにされた、と。
私の場合も、結婚願望がなかったもんで
彼氏の 「結婚しよう」 を引き延ばして
フったりフラれたり。
いや、その時は本当に思っているんだよ
結婚はするから、って。
絶対するから、もうちょっとお互いに色々経験しようよ、とな。
でも途中で何が起こるかわからんのだよ。
しかも結構あれこれ起こるんだよ。
よって、私はこの相談の彼氏に、良い印象は受けない。
経済、精神、何年経ったら落ち着くんだよ?
そのどっちも一生無理なヤツから言わせれば
結婚はゴールではない!
完璧イイ状態で結婚しなきゃいけない理由がどこにある?
はいはい、バツ1の分際ですいませんねえ。
だから私が思いつく可能性はふたつかな。
1.おめえ、彼氏を追い詰めた?
2.その彼氏、何か独裁者?
1の意味は、おめえが結婚したがって
すんげえ外堀を埋めていってるんじゃないか? って事。
意識的にか無意識にかわからんけど
彼氏に結婚のプレッシャーを与えている。
で、彼氏がビビって、勢いにストップをかけたくて
でも断るまでの拒絶心はなくて
時が来たら結婚へと気持ちが固まるんかも、とか問題先送りに走って
待たせる方向でおめえを言いくるめてる、みたいな。
だったら、とにかく正式に婚約をしてもらえ。
理由は、女性側の親の心痛を軽減させるため
アンド 女性の人生も掛かっているため。
本当に彼氏のその言葉に偽りがないのなら
正式な婚約は当然の事だろ。
断る理由もないぜ。 踏み絵だ。 ふはははは
2の意味は、彼女の仕事にも口を出す男性だから
何でも自分のペースで仕切りたがるヤツなのか? って事。
結婚時期ってのは、男性側よりも女性側に配慮するべき。
親にも公認されているのなら余計に。
女性には色々と期限っちゅうもんがあるから
女性側の親に、すげえ心配をされているかも知れない
という想像を働かせなきゃいかんだろ。
彼氏、結構な無神経かも知れない。
このタイプだったら、結婚後すげえ大変そうなんだけど
そこは相談箇所じゃないし、そういうプレイが好きならオッケーだし
彼氏のそこを直してもらおう、とか無理だと思うんで
受け入れられるなら、待っても良いと思うぞ。
まあ、純粋に覚悟が必要な人もいるだろうけど
前もっての覚悟なんぞ、その場になったら案外役に立たんもんよ。
いずれにしても、彼氏の気が変わらない保証は出来ないんだよなあ。
おめえが悩んでいるのも、この1点だろ?
“結婚の保証”
当たり前の不安で、甘えじゃないと思うよ。
結婚したい = 自立していない
こういう風潮があるから、“甘え” とかいう単語が出るんだろうけど
どっちかっちゅうと、甘えてるのは彼氏のような気がする。
おめえさ、どっちに転んでも良いように準備しとけよ。
愛がダメなら金だけでもムシリ取れるように、きっちり婚約するか
「うん、わかった」 と従順に答えておいて
陰で他候補を探して回るか。
鬼畜? 何言ってんだよ。
言葉ひとつで何年も待たせようという彼氏こそ、鬼だぜ。
遅刻にも程があるだろ!
ああ? ほぼ破局前提に言ってないか? って?
・・・うーん、結婚って勢いでしないと
熟考していたら、実現しない気がするんだ。
そんな計画を立てて、キチキチ実行できるものかなあ。
なーんか、グズグズしてるようにしか思えないんだよ。
原因が彼氏にあるのか相談者にあるのかわからんけど
彼氏、結婚に乗り気じゃない or 相手の都合を考えない
の、どっちかのようでさ・・・。
すまん、異論を誰か頼む!!!
俺すんげえ長期で予定立てて、その通りにやったよ
ってヤツも、いたらカモーン!
続き: 人生相談23 結婚を待たせる彼氏 2 10.8.27
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その “私ブロック” を解いておいてください。 -
黒雪姫 16
賢者が戻ってくるまで、王子たちも現場待機という事で
小人の家の庭先にテントを張った。
「て言うか、すんごい段取り悪くない?」
皆を集めて、黒雪姫が文句を言った。
「何か1個あるたびに、王に訊く王に訊く って
行ったり来たりしてる時間、むっちゃロスだっての。」
「じゃが、この森は妖精王さまによって治められているから
わしらが勝手に行動する事は出来ないんじゃよ。」
「ふーん。
じゃ、この森所属じゃない私らなら、勝手に動けるわけね。」
この発言には、小人たちだけじゃなく王子たちも慌てた。
「ちょ、“私ら” って、私たちふたりも入ってるんですか?」
この言葉に、黒雪姫はジロリと王子を睨んだ。
「あなた、状況わかってる?
私ら、被害者なのよ?
加害してんのは、この世界のヤツなのよ?
だから解決もお願い、って加害者側に全任せして気長に待つの?
そうこうしてる内に、私らの世界で戦争とか起きたらどうするの?
結果はどうあれ、自分に出来る事をすべきじゃない?
それが巻き込まれた私らの責務だと思わない?」
黒雪姫は、すっくと立ち上がった。
「とにかく私は一国の姫の名に恥じぬよう、何か行動をする!」
ドアを出て行こうとする黒雪姫を全力で止めようと
小人たちがその手足にしがみつく。
「ちょっと待ってくれ。」
「あんたに暴れられたら、わしらが困るんじゃ。」
黒雪姫は、すがる小人たちをジロリと見下ろした。
「私に好き放題にされたら困る、って?」
「そうじゃ、わしらの立場もわかってくれい。」
黒雪姫は小人たちをぶら下げたまま、グルリと振り向いた。
「わかった。 じゃあお互いに譲歩しましょう。
あなたら、私が単独暴走しないように協力して。」
「だから、大人しく待っててくれ、とお願いしとるのにーーー!」
「暴れる気があれば、とっくの昔に破壊行為に及んどるわ!」
黒雪姫が右腕を激しく振ると
しがみついていた小人が、隣の部屋に飛んで行った。
隣室から漏れ聞こえてくる小人の呻き声にも動じず
黒雪姫は演説を続ける。
「いい?
この不可思議な事件には、人間も関わっている。
しかもマイ継母。
私にも、この事件を解決する責任と義務があるのよ。
ひとりで勝手にやっても良いけど
あんたらにもあんたらの都合があるだろうから
一緒にしよう、と言ってるんじゃないの!」
小人たちは円陣を組んで、なにやら相談をし始めた。
「ほらほらほらほら
さっさと決めないと、壁をブッ壊して出ていっちゃいますよー?
ハリアップ! ハリアップ! せいやせいやせいやせいや!」
腕組みして、壁を靴でドカドカ蹴り鳴らしながら
小人たちをせかす黒雪姫。
「ああーーー、うるさくて集中できん!」
「完璧な環境下じゃないと考えられないなんて
死亡フラグが立ってますよー。
ほらほら、とっとと考える!」
小人たちは、すっかり集団パニックに陥っていた。
黒雪姫は、そんな彼らに容赦なく追い討ちをかける。
「急がないと、もっと騒いじゃいますよー?」
ドッコーン ドッコーン
壁に頭突きまでし始めた。
掛けてあった額縁が、振動で次々に落ち始める。
小人たちの脳内も、轟音を立てて土砂崩れを起こし始めた。
「どどどどどどうする?」
「わしゃ、あんたに任せる。」
「わしもあんたに同意する。」
「うん、わしもあんたの意見に賛成じゃ。」
誰も何も提案すらしていないのに
全員が他のヤツの決定に従うと言い始める始末。
王子が執事にささやいた。
「決断力と実行力、そして政治力に長けた姫ですね。」
執事は、そうか? と、思っただけだった。
続く
関連記事 : 黒雪姫 15 10.8.20
黒雪姫 17 10.8.26
カテゴリー 小説・黒雪姫シリーズ
黒雪姫 1 10.7.5 -
人生相談 21 やる気が出ない
<質問>
○○がつまらない。
やる気が出る方法がないかな
<回答>
こういう言葉をよく聞く。
まあ、何気なしに言っているのだろう。
私も言う時があるから、気持ちはよくわかる。
しかし、これを “相談” されたら話は別である。
これはリアルでの相談が元の記事である。
いや、この手の話、リアルであまりにも多いんで
先手を打って、ここに私が答える事を記しておこうと思ってな。
なお、ここで扱う “やる気なし” とは
ウツとかの病気は省いた、ありふれた不満に限る。
私の答は一貫している。
やる気は出すものじゃなく、自然に出るものである。
やる気一切関係なしに、自分がやるべき事、自分に出来る事を
コツコツとやっていくだけ、それが人生である。
これがイヤなど、どんだけ自分を大事にしてるんだよ?
“自分にご褒美” ? 甘やかすのも大概にせえ!
人生とはRPGと同じ。
フィールド左右10cmぐらいをウロウロウロウロして
ザコとの単調なボタン連打のバトルを延々と繰り返す。
ご褒美は、♪ チャラララッチャチャ~ ♪ の曲。
LVUPである。
そこで、よっしゃあ! と、やる気が出て
更なるLV上げへと励むのである。
そしてダンジョン探索。
あー、このダンジョン、クソ長えーーー、敵出すぎ!
と、ウロウロウロウロしていたら、目の前に宝箱。
剣! やったあ! 攻撃力が上がるーーー!
よっしゃあ! と、やる気が出て、ダンジョンボスへと進むのだ。
LV上げもダンジョン攻略も、ゲームクリアのためには
イヤでもやらなきゃいけないだろ。
ワクワクドキドキなんてな、パッケージを開ける時ぐらいだぜ。
後はひたすら、パシリとLV上げに終始する。
このようにたとえ遊びであっても、やる気なんて維持できねえんだよ。
やる気は、ご褒美がないと出ない。
ゲームでのやる気は、LVUPや宝箱だが
リアル生活でのやる気は、他人の賞賛、それが最大である。
他人の賞賛は、LVUPと同じく
地道に経験値を溜めていかないと得られない。
“下積み”“陰での努力” が不可欠なのだ。
(努力は表でやっても良いけど、その場合
他人の評価は著しく下がるぞ。
「俺、頑張ってるよ!」 という態度は好まれないから。
そういうつもりじゃなくとも、一生懸命な姿を見られたら
“頑張ってるアピール” と取られる可能性が高い。
うっとうしい話だろうが、世の中こういうもんさ。)
自分でご褒美を用意しても良いが
最上級の達成感は、他人からしか貰えない。
そしてご褒美を貰った時に、やる気が発生する。
これがやる気の仕組みである。
だとしたら、「やる気が出ない」 と嘆くのは大間違いだろ?
何もしない内からご褒美は出ないんだから。
つまり、やる気に頼らずに作業をするしかないのだ。
欲を出さずに自分を守らずに、淡々と実績を積んでいけ。
これを言うと、大抵の人が落胆する。
そんなのやってて楽しい? とか言われる。
誰が言いだしたんかなあ、この “楽しい”。
ああー、そう言えばオリンピック選手もよお言うとるよな。
「楽しんできます。」 とか。
真のご褒美は、オリンピック出場じゃなくてメダルなんだがな。
あのな、戦時中、日本中が言ってたぞ。
“欲しがりません 勝つまでは”
兵隊さんたちが、戦地で命を賭けて頑張ってるんだから
日本にいる私たちが我がままを言ったらいけない、我慢しよう
こういう意味だ。
これは戦争標語というもので
国民から公募したものらしいけど
これを考えた人は戦犯として裁かれた、という話も聞いた事がある。
真実はわからんけど。
だけどこの言葉、人生の真理だと思う。
人生、自分との戦いである。
ラクしたい、休みたい、遊びたい、怠けたい、得したい
そんな邪念を抑えながら、頑張って生きていくのである。
私の人生、かなり自分に連敗しとるが
それでも継続してやってきている項目では
結構なご褒美がもらえている。
だから私は、自分を規律で縛るのが好きなんだ。
習慣付けをしないと継続できないから
規律を作って、自分を枠にはめるのだ。
やる気満々でコトに励むのではなく
無心で当たり、くじけそうになるのをひたすら耐えつつ
途中で思いがけずに降って来るご褒美で、やる気が出るのを
ラッキー! と、ありがたがる。
これが人生の基本形だと捉えて、贅沢を抜かすのはやめろ。
そうすれば自分の心に負担が掛からなくなる。
現実って、楽しいばっかりなど不可能で、楽しくないのが普通なのに
今の世の中、楽しくないと負け みたいな思想が蔓延しているせいで
自分で自分に “ダメ” の烙印を押しちゃうんじゃねえの?
“やる気が出ない相談” なんて、その最たるものだと思う。
やる気が出ない事ばっかり、やらされるのが人生だ!
やる気は出なくて当たり前!
楽しくないおめえは、戦闘真っ最中!
頑張れ!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
人生相談は、あまり受け付ておりませんが
ご相談はメールでお願いいたします。
相談前に、私の他の記事をご一読ください。
こういう “私” に相談する、というその選択について
もう一度よくお考えくださるよう、お勧めします。
アドレスはプロフィールにあります。
件名に、「人生相談」 と入れてください。
でないと、迷惑メールに紛れる可能性がありますので。
匿名で結構です。
いらん個人情報ばかり書いてこないで
肝心の相談内容の情報の方にこそ気を遣ってください。
相談内容によっては、相談した事自体を怒りだす可能性もあります。
相談後の意見、返事、報告等がありましたら
出来れば記事のコメント欄に書いていただけたら、ありがたいです。
通りすがりの人も、結果が気になると思いますので。
※ 相談内容を転記の際、状況によって
伏字、改行、修正などをさせていただく場合があります。
※ 精神的に打たれ弱い方はご遠慮ください。
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