投稿者: あしゅ

  • 殿のご自慢 20

    「龍田家はすべてをかけて戦います。」
    龍田家嫡男はきっぱりと言った。
     
    「父上には姉上の仇を取るこのいくさで、総大将として構えていただきます。
     一歩も立ち上がらなくて結構。
     ただ、そこにいてください。
     私と青葉の姉上が、父上に勝利を捧げます。
     龍田家は、勝って八島家と同盟を結び
     自分の国を平和に治める事に専念できる道を模索します。」
     
     
    青葉はうつむいたまま、ひとことも発しなかった。
    その顔に垂れた短い髪を、父親が撫ぜる。
    「美しかったあの長い髪を・・・。」
     
    青葉がうつむいたまま、か細い声で言う。
    「わたくしの命は、捕らわれた場所に置いてまいりました。
     わたくしはこのいくさ、勝って、死にに戻らねばなりませぬ。」
     
    「そのような・・・」
    父親の言葉を息子が遮る。
    「私たちは戦わねばならないのですよ、父上。」
     
     
    平和な世なれば、身分ある者は歌を詠んで鞠を蹴って過ごせば良かった。
    なれど今は乱世。
    刀を抜いて向かってくる相手に
    戦いたくない、と叫びつつ殺されるのもひとつの選択。
     
    なれど、“大名” に生まれてきた以上
    その一手一歩が、自分ひとりの問題ではなくなる。
    意に沿わぬ事でも、自国の民の多数が生き残れる道を・・・。
     
     
    多くの雑兵を従えた2人の若武者の姿を見て
    山城の陣中は驚愕した。
     
    ひとりは蒼の鎧、もうひとりは赤の鎧。
    遠くからでもわかるほどの、堂々とした誇り高さ。
    蒼の武者が手を挙げ、赤の武者が走ってくる。
     
     
    龍田の殿の美しい3人の子供たち。
     
    優しく儚げな上の娘は、椿のようにその命を地に落とし
    嘆く娘と怒る息子が、羽ばたくように荒れ野に舞い降りる。
     
    龍田家の戦う地には、いつも見事な花が咲く。
     
     
    青葉が実際に人を斬ったのは、これが初めてであった。
    骨に当たったのかキインと戻る刃に、思わずキャアと叫んだ瞬間
    まるでそれを待っていたかのように、弟が怒鳴った。
     
    「姉上、地獄はこれからですよ!」
     
     
    馬上の青葉を守る槍兵たちに、水滴が降りかかる。
    それは血ではなく、青葉の涙であった。
     
    泣きながらも馬を止めない青葉に、槍兵たちが叫ぶ。
    「姫さまを守るぞーーーーーーーっ!」
     
    おおおおおおおおおお と、戦場が揺れた。
     
     
    「まるで子供の喧嘩のような有り様でしたよ。」
    密かに紛れ込ませた物見が、クックッと笑いながら語る。
     
    「青葉姫の腕はどうじゃ?」
    「まるで駄目ですな。」
     
    「ふむ、それもまた一興。」
    八島の殿は、その報告に満足した。
     
     
     続く 
     
     
    関連記事 : 殿のご自慢 19 13.4.5 
           殿のご自慢 21 13.4.11 
           
           殿のご自慢・目次 

  • 馬油と育毛

    この議題で何度も記事を書いているんだが
    今回はちょっとグチを言わせてくれ。
     
    私の年代のお付き合いともなると
    “ない” か “白い” かで、無事な頭髪の男性の方が少ないんだけど
    中高年の男性って、何でああも頑固なんかのお?
     
    相談してきてるくせに、あれは嫌これは嫌で
    ちょっとした習慣を改善しようという気持ちがない。
     
     
    これは、美容をやってない女性も似てて
    褒めてきて、「何を使ってるの?」 と訊くので
    化粧品は関係なくやり方だ、と答えると
    途端に 「元々の肌がキレイなんでしょ」 とくる。
     
    えらいな当て逃げをされた気分になるけど
    手を掛ける、工夫する、継続する、などは努力の範疇で
    努力もまた才能だとするならば、出来ない人もいるんだろう
    と、自分で自分を慰めている下ネタじゃないぞ!
     
    そこで、ひとこと怒らせて。
    いや、これはリアルでも言っているけど
     
    そのままのおめえだから相談事項が解決しないんだよ!!!
     
     
    と言う事で、育毛の相談をされた時に
    逆らわれるのがうっとうしいので、これをプリントアウトして渡そう
    という思惑で、ここにメモっとく。
     
    ::::::::::::::::::::::::::::
     
    < 2013年4月現在の、私の育毛理論 >
     
     
    ・ 美容の一番のコツは “触らない”、これに限るので
      頭髪に関しても、これを心掛けるのが大事
     
     
    育毛を促すのに有効な行為
     
    1.頭髪の長さを短くする。
     
      理由: 弱った毛根は、自分から生えてる髪の重さも負担。
          髪が長いと、つい触る機会が増える。
          髪を伸ばして毛を傷めない人は稀有。
     
    2.整髪料を使わない
     
      理由: 素髪より汚れを落としにくい。
          毛穴に詰まるのは大抵、髪に付けるものが原因で
          そこに自分で出す皮脂等が引っ掛かって、毛穴を塞ぐ。
          同じ意味で、シリコン系の成分入りシャンプーも避ける。
          ただし、髪の絡みを防ぐためにリンスは必要。
          出来ればこれも、ノンシリコンで。
     
    3.洗髪時に “軽く” マッサージをする。
     
      理由: 血行を良くして悪い事はない。
          このマッサージで、毛穴に詰まった汚れも取れやすくなる。
          
      方法: 何年も掛けて頭蓋骨と頭皮を分離させるように
          頭に置いた指をずらすようにカクカクと動かす。
          絶対に頭皮をこすらないように。
          下から頭頂部に向かって、少しずつ満遍なく。
          多分1cmぐらいしか動かないので
          時間が掛かる、えらい地味な作業になる事請け合い。
          
      注意点: “軽く” ね。
            どんなに言っても、そのやり方は多分、しつこい強いそしてザツ。
            本当にフェザータッチでお願いします。
     
    4.触らない。
     
      理由: 髪が傷んで良い事がない。
          髪はちょっと触っただけでも傷む。
          クシは引っ掛かりやすいのでブラシにする。
          そのブラシも暴風等の緊急時以外
          1日2回、朝の整髪時と夜の洗髪前だけにする。
     
    番外編.床屋にあまり行かないで済む髪型にする。
     
      理由: 髪が傷む。
      
    私が腰までの超ロングだった頃、なのに枝毛がない事をよく驚かれていた。
    ロングはツヤが命!
    美容院ではそれをセットで出す。
     
    よって私の場合、髪を切りに入った美容院で傷めた髪を
    立て直すのに、3か月以上掛かっていた。
     
     
    こう言うとカドが立つ方々もいらっしゃるだろうけど
    普通の美容院の美容師さんで、髪が傷んでいない人っていないだろう?
    客のお手本になるよう、色んな髪型をしたり
    同僚の練習台になったりしなきゃいけないからで
    私の知人の美容師さんは、「職業病」 だと言っていた。
     
    美容院は髪型を整えに行く場所で、髪を健康にする場所とはまた違う気がする。
    かと言って、エアエステも今のところどうかな、と思う。
     
    不安が大きい人は、自分で自分をケアをするようお勧めするよ。
    ヘア業界、怪しいとこが多いだろ?
    そういうところに駆け込む前に、私の言う事を1年間実践してみて。
     
     
    あと、急に毛が薄くなった気がする場合は
    甲状腺等の病気の可能性もあるので、体の調子をよく観察してね。
     
     
    ::::::::::::::::::::::::::::
     
    私式、髪の取説書、こんなもんかなあ。
     
     
    ああ、以前さ 馬油の育毛効果 08.2.15 で書いた人、
    浮いた場所に4本ぐらい毛が生えた人、
    あれから言い付けを守っていたらしく、随分毛が生えてたよ!
     
    ・・・でもやっぱり、実にに独立した部分に間隔を空けてポツポツと。
    そこの毛根は生きてたんだろうなあ、と思った。
     
     
    その人がさ、今度は頭頂部が気になる、と言うてきたんだ。
     
    だから馬油を塗れば良いじゃない!
     
    と言ったら、額はともかく頭はベタつくから嫌なんだと。
    ・・・もうーーーーーーーーーーーーっ!
    整髪料でベットリのくせに、馬油のベタ付きが嫌って
    妙な心理が働いているよな。
     
    そして、応用力がない!
    その人に帰宅してすぐ風呂に入るか訊いたら
    晩ご飯を食ってTVを観てからだと。
     
    なので、まず整髪料をやめろ、と言った。
    帰宅したら、“うがい・手洗い・馬油” のために。
     
     
    整髪料を付けなくても、髪に汚れは付いてるじゃん。
    でも馬油にはクレンジング効果があると思うんだ。
    私の馬油マッサージでは、白髪染めが落ちるもん。
     
    日中の髪に塗りたくないのなら
    帰宅後の数十分、数時間だけでも、馬油を塗れば
    何らかの効果があると思うんだよ。
     
     
    これは完全に私の賭けだったけど、それで生えるから! と
    断言して暗示に掛けておいたんだ。
     
    それからどのぐらいかなあ。
    数か月後とか、割と早い時期に報告があった。
     
    「抜け毛が減った」 には、プラシーボおめでとう、と思ったんだけど
    行き付けの床屋の理容師さんに
    「髪の減りが止まりましたねえ。」 と言われたそうだ。
     
    馬油、とことん、その人に合ってるんだろうなあ。
    安く入手しやすいもので効果が出るなんて、凄く幸運だと思う。
    あと、説得力と創意工夫の天才、私と知り合いなのもラッキーだよな!
     
     
    病気以外で、薄毛に不安な人は
    とりあえず馬油を信じて試してみてはどうだろう。
    んで、障害には出来る工夫を探してみるんだぞ。
     
    美容に興味がない人って、人から塗れと言われたら、ただその通りにして
    自分で考えようとしてないんだよな。
    まあ、だからこそ暗示も効く場合もあるんだけど
     
    世の中そうそう上手い事いかないぞ!
    (私は甲状腺が弱って薄毛になっている可能性が出てきている。 ううう)
     
     
     

    評価:

    ソンバーユ


    ¥ 1,205

    コメント:少しお高めだけど、液体だと水に溶けやすいんで、馬油のベタつきが嫌な人も頭皮マッサージがしやすいかも。 水に溶かさなくても、固形よりベタつきは控えめ。 容器はガラスじゃなくポリみたいなものだから分別もしやすいぞ。

  • 殿のご自慢 19

    青葉の供は、高雄と安宅のふたりだけであった。
    しかし青葉に用意された馬を見て、高雄は納得した。
    八島の殿の愛馬の1頭だったからだ。
     
    それは、青葉の後ろに八島の殿がいる事を示す。
    供が何人だろうが、何かあれば即座に八島家が介入をする、という意味。
     
    だが、青葉はそういう事に構わずに
    さっさと馬に乗る。
     
    この女は賢しい (さかしい) のか馬鹿なのか・・・
    高雄は青葉を測れずにいた。
     
     
    走り去る馬を、城から見送る伊吹を八島の殿が呼ぶ。
    「行ったか?」
    「はい・・・。」
    伊吹の声に張りがない。
     
    「これは、そちから再び渡してやるがよい。」
    八島の殿が差し出したのは、青葉の髪。
    伊吹が贈った組紐で束ねられている。
     
    「そちというやつは・・・
     名家の姫なのに、もうちょっと良いものをやれぬのか。」
    八島の殿は呆れていたが、伊吹の返事に興味を惹かれた。
     
    「はあ・・・、町娘だと思い込んでおりましたので・・・。」
    「何と! 素性を知らずに惚れ合うたのか!」
     
     
    高雄が心配していた “大殿の邪念” は、ここで消え去った。
    八島の殿の性格では、たかが女ひとりの味見より
    この、滅多にない奇跡の手助けをする方が、楽しそうに思えるからだ。
     
    「名家相手に、そちが恥をかかぬよう
     わしがすべて整えてやるから、案ずるな。」
     
    この言葉は、逆に伊吹の気を重くさせた。
    相手が何者であろうと、気持ちに変わりはないのだが
    現実というものは、そうそう思い通りにはいかない事ぐらいは
    思い知っているからである。
     
     
    伊吹が重い現実に葛藤をしている時に
    青葉の現実は、残酷なものとなっていた。
     
    山城の殿が、いくさを再開するよう言ってきた。
    「捕らえられた娘など、もう死んだも同じ。
     もし生きて戻って来れたのなら、わしの妾にでもしてやろう。」
     
    その伝令は、正妻である青葉の姉の前で行なわれた。
    反論する者はいなかったが、青ざめた正妻に
    さすがの家臣たちも皆、同情をした。
     
    気が進まぬいくさを押し付けられたあげくに
    2人目の娘 “も”、山城の殿の犠牲にさせられるのだ。
     
     
    その夜、龍田の家臣の手引きで、姉は城を逃げ出す。
    それに気付いた山城の殿は、馬を駆る。
     
    草履が脱げても必死に走る妻に、後を追う夫。
     
    真後ろから蹄の音がし、振り向いた姉の目に映ったのは
    満月に浮かび上がる鬼畜の形相の、馬上の我が夫。
     
    姉は諦めて懐刀を取り出した。
    首を突こうとしたその手が、腕から離れる。
    返す刀で、頭が宙を舞った。
     
    逃げる手引きをした者を見逃したのは
    野ざらしにした亡骸を龍田自身が取りに来い、という意味なのだろう。
     
     
    「わしが甘かったのだ・・・。」
    涙に暮れる父を、青葉は責める気にはなれない。
    自分が捕まったからこうなった、と思ったからである。
     
    だが弟は違った。
    まだ元服も済ませていない少年は言った。
    「事なかれ、と願う心が、次の犠牲を生み出すのです。」
     
    この言葉に、高雄は感動を覚えた。
    無能な父親に代わり、自分が家を背負わねばならない辛さはわかる。
     
     
    しかしこの少年の境遇は、更に過酷であった。
    「八島家とのいくさに、山城家の者は誰ひとり来ませんでした。
     父上、この意味がおわかりでしょうか?」
     
    あの三日の遅れの理由を、高雄は納得した。
    なるほど、うちと同じく龍田家も加勢が来なかったのだな?
    しかし、うちの場合と違って、龍田家側は・・・。
     
    「山城家は龍田家を潰すつもりでしょう。」
    息子の言葉に、父親は反論しようとした。
    「しかし、うちは帝の・・・」
     
    「・・・高貴な血など、もういらないのですよ、父上。
     世は力の時代。
     それをわかっているからこそ、帝は都から出て来ない・・・。」
     
     
    あどけない顔をしていながら、その目には
    世の中に対する憂いが含まれていたが
    父親と違うのは、そこに諦めがなかった事である。
     
     
     続く 
     
     
    関連記事 : 殿のご自慢 18 13.4.3 
           殿のご自慢 20 13.4.9 
           
           殿のご自慢・目次 

  • アフィリのお礼 6 ボダム

    耐熱2重ガラス構造のボダムのマグを、長年愛用しているんだ。
     参考記事: ボダムのグラス 07.3.16
     
    これがな、・・・何故か割れるんだよー。
    目ぐすりの木茶を飲むために買ったやつも、2か月でこれ。
     
      
     
    取っ手のとこの縦長のヒビ、わかるかな?
    ガラスものって、ほんと撮影が難しいよー。
    何とか眼力で察してくれ。
     
     
    このマグは、目ぐすりの木茶を飲むための、400ml入りのやつ。
    この割れ方、明らかに設計ミスだと思わん?
    400mlの液体を入れて、この小さい取っ手でそれを支えてたんで
    入ったヒビだと思うんだ。
     
    私、何も悪くないあるね!
    (自己正当化にピッタリの言葉遣いだよな、この言い回し。)
     
     
    ボダムは通常2個セットで売ってるので
    もう1個、同じマグがあるんだけど
    それも飲み口のところにヒビが入ってるんだ。
    恐る恐る使ってるよ。
     
     
     
    使ってるよ! だって高いグラスじゃん!
    ボダムが割れるか、私の唇が割れるかだよ。
    うわ、恐ええええええええええ!
     
     
    よって、新しいマグを買う事にしたが
    ボダムの大容量マグは、タイミング悪くその時どこも売り切れでさあ。
    目ぐすりの木茶は最低500mlで飲むはずのものなのにー。
     
    水筒は洗いにくいし、ピッチャー?みたいなものに入れて
    洗いものを増やしたくないーーーっ!
     
     
    という事情で、貯めていたアフィリポイントを
    全部吐き出すハメになりました・・・。
     
    BISTRO ダブルウォール保温マグ 0.48L 2個セット 6825円
     
      
     
    480ml入りで、今度はあまり好みではないずんぐり型。
    容量と丈夫さのみを追求してみました。
     
     
    6825円には、かなり迷ったけど
    これが最後のボダムだ! と、意を決して買ったら・・・
     
    これさ、送られてきた時に、水滴の跡や指紋が付いてて
    誰か返品した気がするーーー、もおおおおおおおおおお!!!
    外国製品に贅沢は言わんけど、もちっとキレイにしてくれよ。
    前のボダムには毛玉がガラスの内側に入っていたし。
    ( 参照: 上のリンク記事 )
     
     
    メイドインジャパンの、サービスのキメ細やかさが懐かしいよ。
    文字通り、最後のボダムになりそうだぜ。
    日本メーカー、大容量の耐熱ガラスマグ分野、頑張って!!!
     
     
    メイドインジャパンでも、耐熱2重構造マグを作ってるのは
    私が知ってるのは2社しかないんだよな。
     
    冷めにくいなら、水筒素材のカップで良いじゃない
    と、ハンズで買ったマグは
    使ってる内に、一番外側と内側の間に水が入り込んで
    しかもそれが、マグを振ると泡立って洗剤混入かい!
    ( 右写真の、青い部分の右上が入り込んだ洗剤の泡 ) 
     
      
     
    もうボダムにするしかない、と思って買ったんだけど
    今度割れたら、ボダムはもう買わないかも・・・。
     
     
    そもそも繊細な食器が好きなんで
    2重ガラスのブ厚さは、口の端から飲みこぼして
    これで私が若い可愛い娘さんなら
    牛乳でも飲んで画像アップをしたいところだよ!
     
    何か、どんどんお気の毒なババアになってきとる気がするが
    ボダム、夏場のキンキンに冷えた飲み物でもコースターいらずだし
    私は冷たいお飲み物は飲まないけど
    冬場は冷めにくい気がするし
    2重ガラスなので場所を取るけど
    一旦使いだしたら、不思議と執着してくれる一品だぞ。
     
    ・・・これで褒めてる事になるのか、よくわからんけど
    何となく愛しちゃってんのかなあ?
     
     
    皆のアフィリ協力のお陰で、よく考えたら
    貧乏人には不釣合いな、えれえ高いコップを買うとるが
     
    これは私が緑内障のために、目ぐすりの木茶が欠かせないせいなの
    ほんとすみませんほんとすみませんーーー!
     
    (皆、これが言われても困る、“病気を盾に被害者ぶる” 初歩だぞ。
     本当に謝罪の気持ちがないと、陰口バリバリ叩かれるからな。)
     
    て言うか、実は謝罪の気持ち、あまりない。
    ボダムの大きいのが来て、ほんと嬉しい!!!
    これで目ぐすりの木茶も、より一層効く気がする。
     
    皆、どうもありがとうーーー!
     
     
    水切りとボダムを、短期間の内に買っちゃって
    アマゾンマジックに掛かった気もせんでもないけど
    残高は銀行口座も開けない金額になっちゃったんで
    また1から出直すよ。
     
    何か、一生、布団乾燥機が買えない気がしてきたけど
    それもまた、縁なんだろうな。
     
     
    貧乏家 高い物から すぐ損壊
     
    一句詠んで、知性を表現してみましたー。
     
     

    評価:

    Bodum (ボダム)


    ¥ 6,100

    コメント:これこれ、今使ってるのは。 健康茶用にこの大容量が良いんだよー。 でもふと思うけど、飲み口のとこだけは2重じゃなくても良いんじゃないだろうか? ブ厚くて飲みにくいんだよ。 ボダム、今度は割れないでね。

  • 殿のご自慢 18

    着飾って化粧をした龍田の姫は、香り立つほど美しかった。
     
    乾行は、伊吹の “花のような娘” という説明を
    女に不慣れな未熟者の表現だ、と微笑ましく思っていたのだが
    おいおい、これは正に花そのものじゃねえか
    それも大輪の鮮やかな、と驚くばかりだった。
     
    伊吹は、青葉を見るのは三度目だったが
    町娘の姿や甲冑着とは、あまりにも違いすぎて
    初めて、自分が大それた想いを抱いていた事を自覚した。
     
    これが帝の血を引くお姫さまなのか・・・
    伊吹に現実がのしかかるが、その美しさに目が逸らせない。
     
     
    高雄は青葉の美しさに、心の中で舌打ちをした。
    大殿がこの姫を所望したらまずい・・・。
     
    しかし青葉は部屋に一歩入るなり、伊吹の姿を見つけた。
    両側にズラリ居並ぶ家臣団の中から、伊吹だけを見つけ出したのである。
     
    表情さえ変えなかったが、その眼差しは伊吹を優しく抱きしめた。
    ふたりの見つめ合いに、周囲の方が顔を赤くするほどであった。
     
     
    馬鹿! 早よお、大殿に挨拶をせぬか!
    高雄がイライラしながら伺い見ると、八島の殿はニヤニヤしながら
    ふたりの見つめ合いを楽しんでいるようであった。
    これは良い事なのか、悪い事なのか・・・
     
    青葉は、実に自然に伊吹から視線を外し
    部屋の中央ほどまで進み、ゆっくりと正座をし、お辞儀をした。
    「龍田家次女の青葉と申します。」
     
     
    「うむ、さすが伊吹が見初めたおなごよ、実に美しい。」
    八島の殿は、満足げに言う。
     
    「して、今日は何用じゃ?」
     
    その言葉に、一同が驚いて八島の殿を見る。
    この招集は会議ではなく、龍田の姫が望んだ事だったのか!
     
    「はい、捕われの身で厚かましいとは重々に存じておりますが
     ひとつだけお願いがございます。」
    「何じゃ? 言うてみよ。
     そちの美しさに免じて、叶えてやろうぞ?」
      
    八島の殿は、青葉の頼み事は龍田家への加勢だと推測していた。
    それは山城を潰すためなら、頼まれなくてもしたいとこだが
    この美しい姫に、わざわざ恩を売るのも良い。
     
     
    「龍田家は山城家といくさになります。
     必ずここに戻ってまいりますので、わたくしを家に帰してくださいませ。」
     
    この言葉に、全員が耳を疑った。
    「何を言うておるのだ?
     いくさなら八島家が助けてやるのに。」
    家臣のひとりがつい口を滑らせたが、青葉は引かない。
     
    「このいくさは、龍田家の仇討ち。
     そのようなわたくし事で、八島家のお手を煩わせはいたせませぬ。
     お願いいたします!
     この手で姉の仇を討ちたいのです!!!」
     
     
    こ、この女は・・・
    高雄は内心、驚愕した。
    “仇討ち”、この言葉で八島の付け入る隙をなくしたのは
    計算か? 偶然か?
     
    「だ・・・だが、戻ってくる保証は・・・」
    青葉はスッと立ち上がり、近くの家臣の刀を抜いた。
     
    皆が、何か起きているのか理解するのに時間が掛かっている中
    青葉は自分の長い髪を持ち、刃を沿わせた。
    真っ直ぐに伸びた長く美しい髪が一瞬、宙を舞いフワッと顔に掛かる。
     
     
    青葉は再び、中央へと正座した。
    刀と切った髪を前に置き、深く頭を下げた。
     
    「大殿さまの前で刀を抜いた咎 (とが) は、後で必ず受けます。」
    そして顔を上げて、髪の上に手を添えた。
     
    「わたくしの命、ここに置いてまいります。
     必ず生きて戻りますので、どうかわたくしを行かせてくださいませ!」
     
    殿の前で刀を抜く、ご法度であるこの行為を誰も止められなかった。
    これは、その場にいた者全員が処分に値するので
    青葉の罪を追求すれば、自分も危うくなる。
     
     
    「髪は女の命とは言うがのお・・・」
    八島の殿が渋る。
     
    「いえ、姫の命はその髪ではなく、髪を束ねた紐でありましょう。」
    言ったのは乾行であった。
    「その紐は、伊吹から贈られた物です。」
     
    伊吹は気付かなかったが
    乾行は、着物に似合わない安物の組み紐に気付いていた。
     
     
    伊吹がたまらずにひと膝前に出て
    額を畳みに押し付けんばかりに、土下座をした。
    「大殿! 私からもお頼み申します。
     どうか、龍田の姫の願いをお聞き入れくださいますよう。」
     
    その声を聞いた途端、青葉の瞳から大粒の涙がこぼれ落ちた。
    美しい姫の、涙の願いを断れるなら男ではない。
     
     
    「そちたち、わしが優しい男で良かったのお。」
    ふーっと溜め息を付き、八島の殿が苦々しく言う。
     
    「姫を捕らえた責任も合わせて、高雄、そちが付いてゆけ。」
    「は・・・、はっ!」
    意外な指名に、高雄は慌てて頭を下げる。
     
     
    「殿! 供なら私が!」
    叫ぶ伊吹に、八島の殿が耳をほじりながら言う。
     
    「駆け落ちでもされたら、かなわぬ。
     伊吹、そちは、わしと仲良くしていろ。」
     
     
    家臣たちがドッと笑い、ようやくその場の雰囲気が柔らかくなった。 
     
     
     続く 
     
     
    関連記事 : 殿のご自慢 17 13.4.1 
           殿のご自慢 19 13.4.5 
           
           殿のご自慢・目次 

  • エンシュア・リキッド

    実はここ半年以上、飯を食いたくなくてな。
    理由?
    もちろん騒音によるトラウマだよ。
     
    関連記事: 騒音のつらさ 12.10.16
     
    えらい根に持ったリンクの乱れ貼りだけど
    不調がここに起因していて、しかもまだ現在進行形なんだから、しょうがねえ。
     
    この記事を書いて、コメント欄での助言もあって
    精神科に通うようにしたんだ。
     
     
    通うのなら心療内科とか、そういう優しい雰囲気じゃなくて
    ギスギスした精神病院! と決めてたのに
    実際に通ったら、優しい先生で通院患者も
    私以外、みんな普通の人っぽくって、ショック! ← ?
     
    で、薬が合わなくて、それがすっごく辛くて
    何度も何度も薬を替えて、それでもまだ合うのが見つからず
    精神科の薬って、こんな大変だったっけ?
     
     
    で、話を戻して、私、お腹は減るけど、ご飯を食べたくなくてな。
    嫌々食うけど、食事量が減る一方で
    大好きな駄菓子も食べたくなくなって
    こりゃ重症だ、とカロリーメイトのリキッドを飲んだら腹を壊したんだ。
     
    そんで乳を見て思ったんだけど、かなり痩せたんだよー。
    私の乳、増えたり減ったり、大忙しだよー。
    なのに、頑なにタレているのは腹が立つがな。
     
    目まいがするんじゃなく、足元がフラついて真っ直ぐに歩けず
    これは体が死に支度をしてるんじゃないか? ぐらいに思ってたんだ。
    だって、ほら、ウツだもん。
    いつ死んでも構わない精神状態なんだよ、今の私は。
     
     
    でも良い大人なんだし、やっと寿命ゴール間近なのに
    騒音ストレスによる餓死とか、ちょっと恥ずかしいどころか
    騒音家族の人たちの人生にも、影を落としかねないじゃん。
     
    騒音家の玄関前首吊りが頭をよぎってたくせに、よく言うよ
    と思われそうだけど、あれぞ “魔が差す” ってやつだな。
    ほんと、自分が聡明で良かったと心の底から自分に感謝だよー。
     
    ほら、何だっけ? 情けは人のためならず、みたいに
    良い事をしてると、回りまわって自分に戻ってくるアレの変形版で
    悪い事を止めとくと、自分にされてる悪い事も止めてもらえる願望。
     
    あまり人様に迷惑を掛けちゃいかん。
    迷惑を掛けられたからこそ、わかる話。
    天才・私なら納得できる、大丈夫!
     
     
    で、お医者さんに相談したら、体重の減りを訊かれ
    「体重は量ってないけど、FカップがDカップぐらいになりました。」
    と答えたら、ちゃんと体重を量れと怒られる。
     
    この前、体重を量ったのは、夏バテから回復しつつある10月ぐらい?
    キャラメル・サレbyカンロで栄養補給をしたから
    また乳と下腹にしか肉が戻らず。
     
    その時が確か私史最高体重の55~56kgだったはず。
    これがベスト体重だと思うんだ。
    ・・・肉が全身に分散してくれれば。
     
    あ、ちなみに身長は165cmぐらい。
    “ぐらい” というのは、そろそろ骨祖しょう症で背が縮み始めそうだから。
    このように堂々と身長体重を晒せるのは、私がナイスバディーだからさ。
    3サイズは乳がタレて下腹が出たから言いたくない!
     
    で、体重を量ったら、49kg。
    え? 禁煙太りする前までは47kgで平気だったのに何で?
    と、不思議でしょうがねえよ。
     
    ついでに最低体重は、30代の時の43kg。
    その時は、食い物を口に入れると吐き気がする、という重症で
    拒食症じゃないか、とブルったぜ。
     
    それこそ、カロリーメイトのドリンクでしのいで
    そうめんから始めて、めんつゆに生姜、ごま油、ラー油、
    すり胡麻と刻みネギを山盛り、というレシピをあみ出してリハビリしたよ。
     
     
    そんなこんなで、ようやく本題。
    最低限の栄養が接種できるエンシュア・リキッドという
    カロリーメイトドリンクのプロ?版があるらしい。
     
    エンシュア・リキッド メーカーはアボットジャパン
    左から コーヒー味、ストロベリー味、バニラ味
     
     
     
     
    1缶 250ml 250kcal
     
    カゼインナトリウム、カゼインナトリウムカルシウム、分離大豆たん白質
    トウモロコシ油、大豆レシチン、デキストリン、精製白糖
    レチノールパルミチン酸エステル、コレカルシフェロール
    トコフェロール酢酸エステル、フィトナジオン、アスコルビン酸
    チアミン塩化物塩酸塩、リボフラビン、ピリドキシン塩酸塩
    シアノコバラミン、塩化コリン、葉酸、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム
    ビオチン、炭酸水素ナトリウム、塩化マグネシウム、クエン酸カリウム
    第三リン酸カルシウム、塩化カリウム、クエン酸ナトリウム水和物
    硫酸亜鉛水和物、硫酸鉄水和物、塩化マンガン、硫酸銅
     
    よくわからんので、↓ こういう栄養らしい。
     
    たん白質、脂肪、炭水化物
    ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンC
    ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12
    コリン、葉酸、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ナトリウム、カリウム
    塩素、カルシウム、リン、マグネシウム、マンガン、銅、亜鉛、鉄
     
     
    これは病院で医師免許のある人に、“必要” と診断され
    処方箋を書いてもらわないと、入手できないドリンク。
     
    一瞬、置き換えダイエットに良いかも、と思ったろ?
    でも、これな、デロンデロンになったマックシェイクの味なんだ。
    すっげえゲロ甘!!!
     
    これで甘いものに歯止めが効かなくなる、とかあると思う。
    現に私もこれを飲み始めて、飯の量もちょっとは増えたけど
    プリンとかゼリーを食うようになったんだよ。
     
    そう、・・・下腹だけ太る特別な私ヴェルタ略の再来!
     
    これ、血糖値、上がると思うぞーーー。
    痩せの糖尿はきっつい、と聞くから
    これは本当にフラつき始めた時用にして
    普通にご飯でリハビリをしていかんと・・・。
     
    と、私にマトモな食事論を語らせるほどの甘さだった。
    飲めるけどな。
     
     
    にしても、カロリーメイトドリンクはラインナップが替わってて
    ココア味、コーヒー味、カフェオレ味、という
    わけのわからん顔ぶれになっとったぞ。
    キャラがかぶったやつがいねえか?
     
    昔は確かフルーツ味を飲んでしのいでいたんだけど
    何で腹壊し仕様になったんだ?
    この副作用は、私の内臓老化のせいか?
     
     
    あ、それと注意された事も伝えとく。
    食事が摂れなくなった人は、こういうので栄養補給をするのと同時に
    ポカリみたいな、浸透する水分を飲まないと
    水分補給だけはしているつもりでも、脱水症状を起こすんだと。
    これ、意外な話だよな。
     
    これは私の勝手な憶測だけど
    どうも問題は塩みたいだぞ。
     
    だからといって、塩水に飲みやすくするために砂糖を入れて
    ブフォオオオオオオオオオオオオオオオオッッッ!!!
     
    となるような事は止めとけ、な?
    そんなバカ野郎なマネは、私はしてないぞ!
     
     
     

    評価:

    ナジャペレーネ


    ¥ 1,890

    コメント:あら、ナジャペレーネなんだ! ヘナ100%製品も取り扱ってたよね。 これは合成染料と混ざっているヘナなので、天然ではないよ。 でも天然ヘナは疲れてくるよ・・・。 自然とともにって、結構しんどいよ。 という事で、お勧め。

  • 殿のご自慢 17

    「龍田の殿は、姫と伊吹の婚姻による同盟に前向きでおられます。」
     
    高雄の報告に、八島の殿は高笑いをした。
    「何と、龍田どのはそこまで、いくさがお嫌いか。」
    はっはっは と、笑いが起こる中、高雄は無表情で頭を下げていた。
     
     
    「立場は違えども、祖父と同じく身分違いの恋をする我が娘を
     わしが止められるわけがない。
     高雄どのよ、わしの愛娘の人生、そなたに任せよう。」
     
    高雄は驚愕した。
    龍田の殿からは何の要求もなかった。
    普通の大名の娘は政治の道具であるのに
    その婚姻を、親の愛で決めようと言うのか。
     
     
    古い家柄の者は、昔の帝が権勢を振るっていた時代の名残りで
    浮世離れしているところがあるもので
    千早の家も例に洩れずに、随分とノンビリしていた。
     
    そのせいで戦乱の世になった今、私が苦労をさせられているのだが
    どうやら龍田家も、子が大変な思いをしそうだな・・・。
     
    高雄は、龍田の殿の後ろに座る、自分よりも年若い少年をチラリと見た。
    その幼さの残る面立ちに、青葉姫が先陣を切った理由がわかる。
     
    この少年が、自分と同じく
    早くに家督相続をせねばならなくなりそうな事にも同情をした。
     
     
    青葉姫は良い。
    好きな男と一緒になれるのだから。
     
    ただ、後で身分の違いによる不都合に気付いても
    それは私のあずかり知らぬ事。
    伊吹に任せるべきだ。
     
     
    誰にも色々な思惑があるだろうが
    こうやって、いくさを中断しての縁談話を
    高雄は慎重に進めていくつもりであった。
     
    八島の殿は、この結婚に反対はすまい。
    問題は山城側をどう抑えるか、である。
    この件を、龍田の殿は “話し合う” と言っていたが、甘い。
     
    “無血” での龍田家同盟を考えていたのだが
    龍田家長女が山城家に嫁いでいるのなら
    龍田、山城間で大きないくさが起こる可能性が高くなった。
     
     
    そこに八島家をどう動かすか・・・
    悩んでいた高雄に、信じられない一報が入った。
     
    次女を八島の者に嫁がせる、と知った山城の殿が
    正妻である龍田の長女を殺したという。
    この知らせは、八島の城中を駆け巡った。
     
    あの愛情深い父親は、それを許さないであろう。
    八島の殿に参戦を決意してもらわねば
    そう切り出そうと思っていた時に、家臣の招集がきた。
     
    八島の殿を奥に、家臣一同が並んで座る。
    高雄は年齢の割には上座の方だが、伊吹と乾行は末席に並んで座っている。
    身分からすると、それでも家臣団の中に入れる事自体が異例の出世である。
     
     
    居並んだ家臣一同は、誰もが
    山城家とのいくさをどうするか、の会議だと思っていた。
     
    しかし八島の殿は、一向に口を開かない。
    真っ直ぐに座しながら、これはどうした事かと皆が思い始めたその時
    ふすまがスッと開いた。
     
    入って来たのは、美しい着物を着た女であった。
     
     
     続く 
     
     
    関連記事 : 殿のご自慢 16 13.3.28 
           殿のご自慢 18 13.4.3 
           
           殿のご自慢・目次 

  • 不思議な虹

    パイプ椅子状の脚立に座ろうとして、指を挟んだ。
    反射神経に優れている私は、とっさに腰を浮かし空気イスをしたが
    やはり私の美しい指は、かなりダメージを負ってしまった。
    反射神経の天才なのに避けられていないのは、年のせい。
     
    しばらくその場で指を抱きしめて、うずくまった。
    そして少しでも腫れを抑えるために、保冷剤でちょっと冷やす。
    こういう場合、神経が刺激されるせいかわからんけど
    手がガタガタ震えるのである。
     
    むっりゃ痛いけど、大した事でも骨にも異常がない事もわかるのは
    私がこのような痛みに慣れているからである。
     
    そう、あの悪魔の犬、アフガンハウンドで。
     
     
     
     
    アフガンに噛まれた時には、1日ずっと手が震えていた。
    椅子に挟んだ痛みの震えは、十数分ぐらいで治まった。
    ・・・・・・アフガン、どんだけ強く噛んでたんだよ!!!
     
    手を冷やしながら、アフガンを思いだしつつイライラしまくる。
    そういや、最近よくアフガンが夢に出てくるんだ。
     
    離婚して元夫のところに残して来たアフガンは
    私がいなくなって食欲が出た、と元夫が活き活きと報告してくれるし
    死んでからも、枕元に立つとかお盆に来るとか、まったく音沙汰がないから
    私が死んでも虹の橋の向こうには誰もいねえな、と思っていたんだけど
    こりゃ大穴でアフガン、あるかもな。
     
     
    さて、季節の挨拶も終わったんで、こっから本題。
     
    ・・・私さ、虹の始まりを見た事があるんだ。
    車で走っていた時の事。
     
    雨がポツポツ降ってて、遠くに虹が見えた。
    その虹が、何だかダブって見えたので
    ああ、老眼が・・・、とか思っていたら
    近付くにつれ、虹がくっきりと2重に見え始めた。
     
    おお、神のような人 (注: 私) が通るから、美しいアーチが
    と、感動していたら、何とその内側に3つ目の虹が出現!
     
    2重の虹は何度か見た覚えがあるけど、3重は初めてだった。
    普通はここで、信号待ちの時とかに写メとか撮るんだろうけど
    面倒くせえので、心のシャッターを切る。
     
     
    その後、どんどん薄れる虹とは反対方向に曲がって
    1時間ぐらい走ったかな。
     
    雨は降ってる場所もあれば、晴れてる地域もあって
    天気予報なんて絶対に当たらない地形だな、と思ったさ。
     
     
    すると突然雨がザーッと降り始め、虹が現れる。
    全体的に “雨!” って感じの薄暗さだったので
    太陽、どこに出てんの? と、見回してもどこにも出ていない。
     
    その日1日で4個の虹を見るなんて凄え事なんだけど
    それも、今、考えると、で
    その時の私は、あれ? 虹って7色じゃなくねえ? と
    虹の色数を数えるのに必死だったよ。
     
    どうも、5色か6色にしか見えないんだけど
    絵の先生に色盲扱いされるほどの
    前衛的な色彩感覚の持ち主の私なので
    色の見分けなど付くわけがねえな。
     
     
    ま、7色にしといてやろう、と虹に恩赦を与えていたら
    虹、すっげえ太いんだよ下ネタじゃなく。
     
    まあ! こんなに太いの初めて!下ネタじゃなく
    と驚いていたら、更に驚く事にその虹の根元が見えるんだ!!!
     
     
    なあ、虹ってさ、根元が見えないから
    メルヘン話とかになってんじゃねえの?
     
    私、初めての事だから驚いたけど
    虹の根元、普通に見られるものなんか?
     
     
    とりあえず、その虹は集落の外れの
    失礼だけどあまりキレイとは言えない、道沿いの民家から出ていた。
     
    その時に私は虹をくぐった。
    振り返ると、虹はそこにまだあった。
     
    一応、理科も習った事があるので、虹が出来る理由は知っている。
    だから虹はくぐれるはずがない、と思うんだが
    そういう事もあるんかな?
     
     
    それにな、もう私の義務教育、木っ端微塵な事揃いなんだけど
    3本の虹を見た時には私は東に向かって走っていて
    虹の根元を見た時には、西に向かって走っていたんだ。
     
    時間は正確じゃないけど、とにかく昼過ぎで
    それも14時か15時から日暮れまでの時間帯の出来事。
    季節は覚えていない。
    寒かったような・・・、ああ、でもこれも確かじゃない。
     
     
    もういっちょ、そこ、私が通る度にいつも天候がヘンなんだ。
    いきなり豪雨、ってのが多い。
     
    どこかっちゅうと、伊賀。
    伊賀醤油 12.4.20 の “はさめず” を買いに、時々通るんだよ。
     
    はさめず、アルコール臭が凄くて、餅には激しく合わなかった。
    お陰で餅を食って喉に詰まらせて死ななくて良かった。
    そういう命の恩人だからじゃなく、値段と味のバランスで買っているんだ。
    あの値段であの味は上出来だと思うんだ。
    私は海腹雄山か。
     
     
    とにかく、ただひとつ言えるのは
    私にはとても不思議な体験だった、って事だけなんだ。
     
    吉兆か凶兆かわからんけど、知ると気にするんで言わないで!
    まあ、私の現状から考えると、明らかに凶・・・。
     
     
    ああいうきたな・・・いや、えーと、こじんまりとした
    年季の入った民家に、アフガンは待っているんだろうか。
     
    ・・・とか、アフガンの事をメルヘンに考えてたら
    絶対に痛い目に遭うのも、もう学習済みなので
    きっと、あいつが来るとしたら
    地獄の釜のフタを、前足でパカッと開けて
    ささ、どうぞ、てなもんだろう、ヘルハウンドめ!
     
     
     

    評価:

    木月 けいこ

    新書館


    ¥ 840

    (2013-03-06)

    コメント:★5なのは、知り合いだから。 Theえこひいき! あ、じゃなくて、本当に面白いってよ。 アマゾンレビューの絶賛を見れ。(ここの存在価値なし) 入手がしにくくてまだ買えてないんで、星1つ引く。(え? ここ星6つ?)(注:5つです)

  • 殿のご自慢 16

    「これが姫さまからの書状にございます。」
    高雄から渡された手紙を読む龍田の殿。
     
    青葉直筆の手紙には、たいへん丁重に扱われている事
    周囲には女性しかおらず、身の危険もない事
    そして、捕らわれてしまった謝罪と
    自分のために家を危険に晒さないように、と書かれていた。
     
     
    その手紙を何度も何度も読み返す仕草に
    龍田の殿の、青葉姫に対する愛情がにじみ出ている。
     
    「・・・そんなに大事になさっている姫さまを
     何故にいくさ場に立たせたのか、伺ってもよろしいでしょうか?」
     
    「・・・我が家は、子が少なくての。
     2人の娘と1人の息子の内、上の娘は山城に嫁いでおる。
     いくさをする気がないゆえに、婚姻で逃れてきたツケで
     我が家には、武に長けた者が少ないのだ。
     これは、わしの責任。
     今回のいくさを最後に、わしは隠居しようと思っていたのだ。」
     
    そう語る龍田の殿は、確かにいくさなど好みそうにない、
    品のある雅な人、といった風情である。
     
    「家を傾けて渡すなど、息子には申し訳ないが
     あれたちの母が死んでからというもの、
     わしはもう何もしたくなくての・・・。」
     
     
    「そのような事では、亡くなられた奥方さまも悲しんでいらっしゃるでしょう。
     殿には遺されたお子さまたちがおられましょう。
     その未来を手助けしておあげになる事が
     家長として、親として、殿の成すべき事でしょうに。」
     
    龍田の殿が、驚いたような表情になったので
    高雄は我に返って、頭を下げた。
    「で、出すぎた事を、申し訳ございませぬ。」
     
    高雄の胸の家紋を見て、龍田の殿は察した。
    ああ、この青年は千早家の嫡男であるか。
    あそこの当主も風流な男だと聞いた事がある。
     
    「こたびのいくさでは、八島側の総大将とも言えるそなたが
     何故、使役に参られたのかな?」
     
     
    ようやく本題に入れる、高雄は座り直した。
    「私は八島の家臣。
     戦え、と言われれば戦うしかござりませぬ。」
     
    この言葉は、龍田の殿と高雄にとって同じ意味を持っていた。
    “新興大名は武力に頼った国づくりをする”。
     
    だが安穏と存えてきた “伝統ある大名家” が
    その “力” で負けたのもまた事実。
    現状では、どういう正論を言おうが、所詮負け犬の遠吠えなのである。
     
    「しかし、こたびのいくさでは
     犠牲を出さずに済む道が見えたのでございます。」
     
     
    「では、わしの娘をその伊吹という男に嫁がせろと?」
    龍田の殿の言葉に、高雄は伏せて乞い願った。
     
    「伊吹は確かに身分はございません。
     しかし、これから、のし上がる男にございます!
     養子には、しかるべき家を選んでもらいます。
     どうかお許しを!」
     
     
    龍田の殿は、ふふっ と笑った。
    「わしにとっては、そなたにこそ娘をやりたいがの。」
     
    その言葉は、高雄が一番恐れていたものである。
     
    高雄の家は、“名家”。
    しかも当主である高雄は有能である。
    それが帝の血を引く娘を娶るとなると、八島家にとっては脅威となる。
     
    八島の殿は、絶対に龍田の姫を自分より良い家には嫁がせない。
    姫が恋をしたのが伊吹だったのは、幸運だったのである。
     
     
    「思い出すのお・・・。」
    龍田の殿は立ち上がり、障子を開けに行った。
    「高雄どの、都はあちらの方角だ。」
     
    高雄も立ち上がり、少し後ろに控えた。
    都の方角には、山々が連なっている。
     
    「わしはよく祖父から聞かされたのだ。
     帝に娘を、わしの祖母じゃが、嫁に欲しいと日参した時の話を。
     今は亡き山城の曽祖父は人格者で、間に入って随分と奔走してくれたらしい。
     山城の爺は、領地をかなり手放したそうだ。
     『なあに、また増やせば良い』 と笑って。」
     
     
    金銭か・・・、いくら工面できるか頭の中で計算をする高雄に
    龍田の殿が振り返って、厳しい口調で言う。
     
    「そうして山城家はいくさを重ねて、領地を増やし
     我が龍田家はこのザマよ!」
     
     
     続く 
     
     
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           殿のご自慢・目次 

  • 白髪染めの迷い

    1から懇切丁寧に、善意の説明をすると
    私は美容師さんいわくの、地毛黄色系茶色、剛毛、直毛、多毛
    ただし、最近の心労に次ぐ心労で
    毛量が普通になったあげく、白髪が全体の6割ぐらいになってしまった、
    上品で沈着冷静なナイスバディーババアである。
     
    今の白髪の処理は、100均のブラウンヘナにマックのインディゴを
    8:2ぐらいの割り合いで混ぜたのを、3週間に1度。
    はい、使い回しの写真ドン。
    左、ダイソーのブラウンヘナ、右、マックのインディゴ
     
      
     
     
    それが合わなくなってきたのか、痒くなってきたあげくに
    自分で染めるというのが、何かどんどん面倒くさくなってきたので
    トリートメントに染料が入っていて、洗髪の度に徐々に染まる系の
    ヘアカラートリートメントを試すようになった。
    ケミカル毛染めがイヤでヘナをやっとんのに、何たる本末転倒。
     
    しかも洗髪後にトリートメントとして使え、というのを
    独自製法で、入浴前に塗って30分後にシャンプー
    という変則的な使い方をしているグレよう。
     
     
    最初は頭全体にヘアカラートリートメントを塗っていたんだけど
    ヘナが100円、インディゴ1箱が半年以上持って1500円
    そこに1000~2000円台のトリートメントを、ふんだんに使えるか?
     
    濡れてる髪になら、伸びるから10~20回は使えるだろうけど
    悲しい事に、本来のトリートメントとしての使用法では染まりが悪い。
    でも乾いた髪だと、頭全体に4~5回で1個使い切ってしまうんだよー。
     
    これでは経済が破綻する、と外出時に見える分け目部分にだけ
    ヘアカラートリートメントを部分塗りするようにしたんだ。
    私はギリシャとは違い、経済政策も怠らない。
     
     
    で、下の写真は、ヘアカラートリートメント2 13.3.8
    で使う予定で撮ったもの。
    ショックが薄れるまで、記事が書けなかったんだ・・・。
     
    この写真も出したくなかったけど
    うちは都合の良い事しか言わない、提灯ブログじゃねえからな。
    (提灯 = 昔の懐中電灯の方。 “持ち上げるだけ” という皮肉。)
     
     
    この時の使用ヘアカラートリートメントは
    “白髪染め トリートメント
     テンスター カラートリートメント ソフトブラック 250g 1890円”
     
    左がヘアカラートリートメントを塗ってる部分
    右が塗っていない部分。
     
      
     
     
    左には何の文句もないどころか、ブラボー!!!
    問題は右・・・。
     
    これ、ヘナをしてちょうど2週間後の状態なんだよ。
    あと1週間でヘナをせねばならない時期。
     
    ここは隠れて見えない側頭部なんだけど
    何? この容赦ない色落ちの早さと、ほぼ白髪は。
     
    しかも昔は真っ白だった白髪が、黄色味がかってきているのは
    老化によるDNAの黄ばみ (ディオールが美白化粧品でこんな理論を言ってた)
    か、もしくはヘナによる色残りか?
     
     
    「自分に見えないなら、ないも同然」
    これをモットーに、ヘアケア手抜きをしてきたわけだけど
    見てしまったんで、存在を認識。
     
    ヘナ2週間でこれって、色落ち早過ぎで面倒くささ倍増の絶望感!
     
     
    で、ヘナを頭全体にしてみて3日後の写真。
    上の写真と同じ位置。
    ・・・あれ? 上下逆かも? ま、ほぼ、この辺。
     
    左がヘアカラートリートメントをしている方
    右がヘナ+インディゴだけの方。
     
       
     
     “3日後” に意味はない。
    ちゃんと染まってるか、急に気になったんだ。
    ・・・何かやっぱり赤くて不満ーーーーー。
    インディゴをケチり過ぎだな・・・。
     
     
    今後、私は白髪をどうすれば良いんだろう・・・、と悩み
    美容師さんに相談した。
     
    白髪の放置は老けるから止めて、と言われたんで
    じゃあ、逆ブラックジャックのように、ブリーチして部分黒染めは?
    と聞くと、「もっと派手にしません? 全ピンクとか」 。
     
    関西で全身ピンクの服の老婦人、結構いるんだよ。
    関西とピンクにどういう関係が?
     
     
    て言うか、この美容師さん、前々から “ふんわりパステル” とか
    私にメルヘンなファッションを勧めるんだよ。
    で、髪ピンクって、ガガ化計画?
     
    そこで、はっきり言ったんだ。
    そういうのって、可愛い人だと似合うだろうけど
    ブサイクでナイスバディーなら、格好良い系を目指すしかなくねえか? って。
     
    「ああーーー、なるほど、それはそうですよねえ。」
    ・・・・・・・・だから私は、この美容師さんを長年指名してるんだよ。
    遠慮ない意見、ありがとよ。
     
    じゃ、やっぱりブラックジャックか? と話し合っていた時に
    ふと関口宏が脳裏に浮かび、白黒案はお流れになった。
     
     
    あああああああああああああああ
    毛染め、クソ面倒くせえ!
    特に精神的に余裕がない時の美容、しんどい!
     
    だが動物は自分が弱ってる、と知られたら死の危機。
    こういう時ほど、気合いを入れねば。
     
    そう、おしゃれは女の武装!
     
     
    一体、どこの危険地帯にいるのか、わけわからんが
    とにかく白髪は、抜け道を見つけるまでは
    今のまま、面倒さを我慢して続けるしかない。
    メンドーサって何かの外国人選手、いたような。
     
    誰か、安価でラクな白髪の処置法を教えて!
    じゃないと、また私の脳みそが働かねばならないじゃないかい。
     
     
     

    評価:

    イケア


    ¥ 570

    コメント:歳を取ると強い光が目に厳しい。 若者は明かりに寄って行くよな、コンビニとか。 要するに、虫から深海魚に変化するわけだな。 でも間接照明は恐い。 影が変な動きをして霊かと思うもん。 これの提灯は “柔らかい光” でOK?