投稿者: あしゅ

  • 黒雪姫 10

    黒雪姫を消して、継母が何をしていたかっちゅうと
    お肌のお手入れである。
     
    人を殺しといて、しかもそれはこの王国の姫で
    それを暗殺したんなら、次にする事は王国乗っ取り!
     
    と、普通なら考えるのだが、この継母の関心事は美容のみであった。
    ある意味、とても純粋な女性である。
     
     
    今日も鏡に向かって、コットンパックなどをやっていたら
    鏡が何をヒマしとんのか、口を出してきた。
     
    「なあ、あんさん、美容道を追求するのなら
     次にするのは処女をさらってきて、生き血をすする
     とかじゃないんかい?」
     
    「はあ? おまえ一体いつの時代の魔物よ?
     血なんか飲んで、何の成分が肌に効くってのよ?
     今アンチエイジングで気になってるのは、EGFなのよ。
     細胞の再生を促がす成分なのよ。
     美容は科学なの!
     最新の情報と、ある程度の知識が必要なの!
     妙なおまじないとかと一緒にしないでね。」
     
    「はあ、さいでっかー。
     そりゃえらいすまんこって。
     ちゅうかなあ、お手入れ用に使うんなら
     鏡、別にわいじゃなくても良いんちゃいますの?」
     
     
    鏡はあまりの退屈さにイライラしているようだ。
    「誰が一番美人かっちゅうのも
     国内の各自治体に調査員を置けば済む話で
     そんなん、お后権限で簡単に出来まっしゃろ。」
     
    継母が鏡面をジロリと睨んだ。
    「おまえ、バカ?
     調査員を置くなんて、私がそこまで他の女を気にしてる、と
     国内中に言いふらしてるのと同じじゃないの!」
     
    「んー、まあ、そうでっけど
     あまりにヒマだと、心がすさむんですわー。
     もちっと自分の存在意義を感じられる場所に行きたいんで
     ちょっとおヒマを取らせてもらえませんかねえ。」
     
    「ほっほっほ、心配しなくとも
     おまえの価値は、あたくしが一番よくわかっててよ。
     では訊きますよ。
     
     鏡よ鏡、世界で一番美しいのは だ・あ・れ ?」
     
     
    「はあ・・・、最初にこの質問に答えてしもうたのが悪いんやろか。
     このババア、バカのひとつ覚えのようにこれしか訊かへん。
     わい、もっと世界の壮大な真理を知っとるっちゅうに・・・
     ほんに宝の持ち腐れとは、正にこの事や。」
     
    鏡はウンザリしながらも、答えようとした。
    「それは、お・・・、え・・・? ああ?」
     
    鏡が心なしか、青ざめた色になってる前で
    継母が被害者意識満載の物語を、脳内でやたら発展させる。
     
    「『おえああ』 って何よ?
     『おえええ』 なら、まだ話もわかるけど。
     って、あたくしを見て 『おえええ』 とはどういう事よ!」
     
     
    継母が大概にしてほしい動機で激怒しているのに
    鏡は引き続き呆然としている。
     
    「なあ、姫さん、ほんとに殺ったんでっか?」
    「何よ? その証拠にあたくしが美人No.1になったじゃないの。」
     
    「そう。 この前はそうだったんでっけど
     今、わいのモニターには黒雪姫が映ってまんのや。」
    「何? あのにっくき黒雪姫が生きていると申すのか!!!」
     
    鏡は、うーん、とうなり
    后はすっくと立ち上がった。
    「おのれーーー、許すまじ黒雪姫!」
     
    見事に型にはまった悪役っぷりである。
    継母には、独創性というものが欠けていた。
     
     
     続く
     
     
    関連記事 : 黒雪姫 9 10.8.4
           黒雪姫 11 10.8.10
           
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           黒雪姫 1 10.7.5  

  • 本当は恐い聞き間違い

    自称天然ちゃん等の、ちょっとおっちょこちょいな あ・た・し ☆彡
    という武器にされやすい、“聞き間違い”。
     
    そういう事を気軽に利用していると、痛い目を見るぞ。
    だってこの聞き間違い、万が一がひそんでいるかも知れんのだから。
     
     
    “静寂な雑踏”(05.12.1) を書いた時に
    難聴をちょろっと調べた。
    何と自分が難聴だったからである!
     
    私の事だから、調べてもそう大した知識は付かなかったが
    今になって思い出す部分がある。
    難聴とは関係なさそうな、“聞き間違い” の項目。
     
    最近、聞き間違いをする事が増えてきているので
    聞き間違いに対する知識が、脳内によみがえり
    それがまた、漠然としか記憶になく
    あいまいである分、余計に恐怖をあおってくれる。
    見えないものほど恐い、ってやつだな。
     
     
    最初の聞き間違いは、熊本時代の多分あれだった。
    プルサーマル。
    今でも頭の字がpuなのかbuなのか、聞き取れないが
    始めはこれを、“古沢丸” だと思っていた。
     
    そんで家事をしながらニュースのチラ聞きをしてて
    どうも原発絡みの話のようで
    へえ、日本に原子力の船舶の計画があるんか。
    でもそれって、非核三原則に違反するんじゃないんか?
    とか、えらいな的外れな感想を抱いていたのだ。
     
    この話は、“ファイティング・ニモ” や “養老院サンバ” 
    (ファイディング だと、つい昨日知った。 不思議なぐらいにショック。
     養老院は谷村しんじの you rolling thunder? )
    レベルの聞き間違いかも知れないけど
    しっかり者の私にしては、珍しい事だったのである。
     
    それが・・・、この頃は我ながら 「ふざけてんの?」 と
    自分の耳に問いたいぐらいに、聞き間違いが多い。
    だけどこれは私ぐらいの年齢では、しょうがない事らしい。
     
     
    聞き間違いとは、実は耳が悪いわけじゃない。
    ・・・いや、えっと、耳が悪いんかも知れないかな?
    調べたのが5年前で、しかもついでの情報でしかなかったので
    ものすごいウロ覚えなんだ。
     
    とにかく、“言葉がわかる” っていう仕組みは
    耳から入った言葉を、信号化して脳に送り
    脳がその信号を解読して、言葉として識別するんだと。
     
    聞き間違いは、そのどっかで誤作動を起こしているそうだ。
    耳の信号化か、脳の解読か、はたまたその経路での事故か。
     
    年寄りになると、どっかが必ず老朽化するので
    聞き間違いの頻発も、よくある話なんだけど
    若い者がそれだと、何かが異常を起こしているかも
    という可能性が出てくるので、Go to 病院 だとさ。
     
     
    ほら、“ドジ” ってさ、ものすごく自然体でやってねえ?
    生まれつきの人はもちろん、演技でやってる人も。
     
    最初は演技かも知れなかったけど、繰り返しやってる内に
    自分でも、「私、ドジッ子」 と本気で思い込むようだし
    ものすごくナチュラルに、型通りの言動をするようになる。
     
    性格は一生変わらない、などと言うけど、これは私も納得の説だけど
    “心の底からなりきる” って事は、可能だと思う。
     
    本来の自分以外のものに、人はなれる。
    自分も周囲も全員騙す、って出来ると思う。
    こういういらん面では、人は自分のなりたいようになれるのである。
     
     
    だけど、聞き間違いの技はやめとけ。
    聞き間違ったら、とりあえず自分を責めろ。
    無意識にクセになったらマズい。
     
    聞き間違いは、年寄りになるまで封印しとくべき。
    年老いたら、TVのニュースが暗号のように聞こえるようになるから
    その時までのお楽しみ、で待っておけ。
     
    もう、私なんか、「えっ? 今何と言った?」 と
    TV画面を2度見する事が、すんげえ増えたよ。
    おちおち作業をしつつ、TVを “聴く” 事も出来んくなった。
    ひとりマルチプレイが得意だったのに・・・。
     
     
    若いヤツで聞き間違いの頻度が多い、ありえない聞き間違いをする
    等の症状があるヤツは、速やかに耳鼻科へお行き!

  • 黒雪姫 9

    バキーーーッッッ!!!
     
    「また黒雪姫が寝返りで壁を蹴り破ったぞ!」
    最近の定番の目覚ましは、黒雪姫の起こす轟音である。
     
    「うーん、この音でも起きないとは・・・。」
    「足、痛くないんじゃろうか?」
    「ある意味、大物じゃよな。」
    「実サイズ上でもデカいと思うが。」
    「文字通り大物、と言うべきじゃな。」
    小人たちが、大口を開けて爆睡している黒雪姫を囲む。
     
     
    「にしても、最近ちょっと女性に見えないか?」
    「見慣れただけじゃろう。」
    「最初は野人だと思ったほどだったからのお。」
    「汚れでナチュラルな迷彩色になっとったしのお。」
    「今は毎日風呂に入って、栄養も行き届いているものなあ。」
    「ああ、わしらをコキ使ってな・・・。」
     
    小人たちはヤレヤレと溜め息をつき、散会した。
     
     
    昼過ぎにドッカンドッカンと爆音がするので
    何事かと集まってきた小人たちの目に映ったのは
    大槌で壁を叩き壊す黒雪姫の姿であった。
    「!!!!!!!!」
     
    「あ、あんた、何をしとるんじゃね?」
    小人のひとりが慌てて止める。
     
    「ん? 今朝、また壁が壊れてるのを見つけたのよ。
     もう古いようだし、修理ついでに増築しようかと思って。」
     
     
    それはあんたが蹴り壊しとるんじゃ!
     
    小人たちは全員、心の中で叫んだが
    寄らば大樹の陰、長いものには巻かれろ
    誰もあえて波風を津波にはしたくない。
     
    それに、小人たちも寝ていて
    いつ黒雪姫の腕や足が飛んでくるかわからない恐怖があるので
    部屋が広くなるのは賛成であった。
     
    と言うか、いつまでここにいるんだろう?
    小人たちの胸中には、常にモヤモヤした疑問が渦巻いていた。
     
     
    「この際、家の増改築をとことん
     あの怪力女にさせようじゃないか。」
    小人のひとりが提案した。
    「うむ、食費も光熱費もバカにならんしな。
     その分の労働はしてもらわんと。」
     
    小人会議の決議案を黒雪姫のところに伝えに行くと
    黒雪姫は快諾してくれた。
    「うん、いいわよー。 私がやる気の時ならねー。」
     
     
    「おい、だったらやる気がない時は何もしない、って事か?」
    「知らんよ、本人に訊けよ。」
    「どこに地雷があるかわからん巨人にか?」
     
    固まってボソボソと小突き合う小人に、黒雪姫が叫んだ。
    「おーい、お茶ー。 あと茶菓子ー。」
     
    「はーい、わしがー。」
    「あっ、卑怯な! そっちはわしがやる。」
    「あんたは黒雪姫に詰問せえ。」
    「いや、わしが茶を淹れる。」
    「何じゃと! 自分ひとりおべっかか!」
     
    小人たちは団子状に押し合いへし合いしながら
    台所になだれ込んで行った。
     
     
    ・・・茶ぁぐらい、ひとりで淹れられないのかしら
    何でも皆で一緒に仲良くやりましょー、ってか?
    まったく、人間と違って妖精はノンキで良いわよね。
     
    黒雪姫は呆れたが、この家で一番ノンキなのはこの女であった。
     
     
     続く
     
     
    関連記事 : 黒雪姫 8 10.7.26
           黒雪姫 10 10.8.6
           
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  • パソコン強制初期化 2

    さて、原因不明のパソコントラブル。
    専サポの対応策としては、リストア?をしたい、と。
     
    しかし私のパソコンをリストアするのは
    1ヶ月以上掛かるらしい。
    何か知らんけど、プログラムがいっぱい入ってるんだってさ。
     
    私が実際にやってるのって、ブログ書いて
    たまに化粧品チェックやショッピングぐらいで
    このパソコンの機能の6%ぐらいしか使ってないと思うのに
    いつの間に誰が何を入れてるんだよ?
     
    何だ? パソコンのプログラムというのは
    ちょっと目を離していたら
    勝手に増殖する不法滞在者のような仕様なんか?
    (不適切な表現がございました事を、深くお詫びいたします。) 
     
     
    1ヶ月もパソコンを使えないのは困る、と嘆いたら
    セカンドでノートパソコンを買え、と言われた。
     
    TVも地デジタイプのに替えたばかりで、無理!
    だけどこのパソコンも、もう無理! なんだと。
     
     
    もうしょうがないよな。
    故障でブログを休む事も増えたし、潮時なのかも知れない。

    パソコンが引退するか、私が引退するか、っちゅうたら
    そりゃ世界の願いは、私の引退だろうけど
    問答無用でパソコンに身代わりになってもらうに決まってるだろうが!
     
     
    私が観念したのを感じた専サポは
    こういうとこが神経を逆撫でしてくれるんだけど
    ちょっとウキウキして、どういうのにしますか? と
    早速ノートパソコンのサイトみたいなんを出してさ。
     
    私のパソコン使用法なんて、ブログぐらいだし
    メンテ修理その他はどうせこいつがするんだから
    「出来るだけ安いのなら何でも良いよ」 と答えた。
     
    すると、とても楽しそうに、「パソコンで何をするかによるんですよねー」
    とか、未来の希望を語る語る。
    おめえが買えよ! んで、それを貸せ! 無期限で!
    (これを寸借詐欺という)
     
     
    「パソコンで主に何をやってるんですか?」
    と一番答えたくない事を訊かれたので
    動揺しつつも、脳内をフル回転させた。
     
    こいつにだけは、私のブログの存在を知られちゃならないので
    「うーん、インターネットかな。」 と答えたら
    (脳みそ最大出力で ↑ この答・・・)
    明らかにイラッとされた気がしたから、慌てて
    「ネットショッピングとか!
     あっ、そういやパソコンの希望、あった。 速いのを頼む!
     ほら、アマゾンとか重くて困るんだよ-。」
    と、話題を逸らすためにも、アマゾンのページを開いた。
     
     
    ・・・アマゾンってさ、親切のつもりか知らないけど
    “最近チェックした商品” ってのが出るじゃん。
    出たんだよ、ズラリと!
     
    レッグマジック、ヒップシェイパー、レッグクィーン・・・。
     
    もう、何をしちゃってくれてるんだよ?
    空気を読んでくれとは言わないけど、ちっとは控えてくれよ
    更に誤魔化さなきゃならん事が増えたじゃねえかよ!!!!!!!
     
     
    案の定それを目撃した専サポの顔が、もんのすごーーーく引きつってて
    私、ものすごくエマージェンシーーーーー!!!
     
    他のページに行こうと焦るあまりに
    どんだけ慌ててるんか、マウスを掴めず転がしたところで
    専サポが横からそれをワシッと握って
    ページをスクロールして熟読しやがった。
     
    私、終わった・・・、と本気で涙目。
    お年寄りが半泣きだというに、一切動じない専サポは
    予想通りの説教をたれてくれたさ。
    それがまた、反論するところが1mmも見当たらない正論、ときたもんだ。
     
    「何ですか?
     あなた、お金ないお金ない言ってるくせに
     こういう、なくても良い器具を買うつもりなんですか?
     運動したいなら、歩けば良い事じゃないですか。
     いつもパソコンが壊れたら、えらく焦ってますよね?
     だったら、どっちが優先順位が高いかわかってますよね?」
     
    軽蔑の眼差しでギッと睨まれて
    そこで顔に出したつもりはないんだけど
    私の顔を見た専サポが、あっ! という表情をし
    「買ったんですね?」 と、叫ばれたよ。
    もう、こいつ恐えよ、何でわかるんだよ?
     
     
    ・・・・・そう、既に買ってるんだ・・・・・。
    組み立ての時のネジ切りが出来ずに、寝室に積んであるんだ。
     
    専サポは激しく罵りながらも、組み立ててくれたよ。
    お礼は言いたくない。
    何でここまでケナされるんだ? というほど罵倒されたもん。
     
    でも一応オトナなんで、深々と土下座して言ったさ。
    どうもありがとうございます。
     
     
    いや、ちげーよ、ほんと切羽詰って買ったんだってばー。
    歳を取ると、足腰が弱くなるだろー?
    ウォーキングとかすりゃ良いんだろうけど
    ほら、ゲリラ豪雨だし、この辺は治安が良くないしー。
     
    こういうバカ丸出しの言い訳も、まるで聞く耳を持ってくれずに
    専サポのノートパソコン選択の基準が緩くなっただけだった。
    「そういうのを買う余裕があるのなら
     パソコンの方もどうにかなりますよね。」
     
    レッグマジック、14800円なんだが
    パソコンもそのぐらいで済むんかのお?
     
     
    はあ・・・、パソコン、買わにゃならんのかー・・・。
    パソコンショップになんか行きたくない、と渋っちゃったんだが
    まさかいきなり現物を持って来ないだろうな?
    恐ええええええ! 不安で眠れない日々に突入!
     
    高価なものなのに、何でここまで他人任せなんだ、と怒られそうだけど
    パソコン本体には、とことん興味がないんだ。
    むしろ、嫌いなんだよ。
     
    すぐ壊れるし、しかもわけわからん壊れ方をするし、あげくに直らないし
    私の守備範囲の物体じゃねえよ、パソコンはよー。
     
    パソコン好きの専サポも、私クラスのド素人に
    あれこれ口を出されたくないだろうし
    また、何か希望があったとしても
    絶対にムチャな事しか言わない自信があるので
    全任せにするのは、逆に己をわきまえている証拠、というわけだ。
     
     
    とりあえず今は、このパソコンを騙し騙し使うんで
    ブログの更新がない時は、ああ・・・ と思ってくれ。
     
    レッグマジックの使用報告は、もちろんする。
    1ヵ月後ぐらいが良いかな。
     
     
    関連記事: パソコン強制初期化 1 10.8.2   
           レッグマジックX 10.8.13  

  • パソコン強制初期化 1

    皆様、パソコンがーパソコンがー、と
    度々ブログ更新を中断させて、まことに申し訳ございません。
     
    が、今の私は正直、八つ当たりしたいほど心がすさんでおります。
    ほんと、今回も痛い目に遭いました。
    もう、ギャフンだよ。 ケチョンケチョンだよ。
     
    何、わけわからん壊れ方をしとるんだよ?
    パソコンって、本当にこういうものなのか?????????
     
     
    ここ2週間ぐらいの間に、うちのパソコンは突然
    ↓ こういうお知らせが出て
     
     
     
    ↓ こういう状態になる事があった。
     
     
     
    このデスクトップ、私式ではない。
    私はデスクトップにアイコンは置かないし
    ましてや画像なんぞ、貼らない。
    そんな潤いなどいらん!
    つまり起動時に、強制的に初期化?されるんだ。
     
     
    で、一度は専サポがどうにかしてくれたんだけど
    数日後に、今度はフリーズしてくれたんだ。
     
    専サポにメールをすると、タスクバーで右クリックと
    Ctrl + Alt + Delete を5分置きに交互にしろ
    と返信が来て、素直にその作業を繰り返した。
     
    で、30分ぐらいして、ふと気付いたのだ。
    私が押していたのは、Delete ではなく
    Back Space だったのである!!!
     
    この30分に私が必死にやっていたのは
    Ctrl + Alt + Back Space だった・・・。
     
     
    まあ、30分で気付いて良かった良かった。
    とにかくデリートってどこ? と
    キーボードを端からガン見して、探しまくり
    ようやく見つけた時に、タイミング超極悪に
    専サポから、どうなりました? の電話が入った。
     
    「えーと、カーソル、アルト、デリートをさ・・・」
    何も考えずに口にする私が、ここまで言ってふと思った。
    バックスペースの事は、言わない方が良いんじゃないか? と。
     
    すると、専サポがイラ立ったような声で
    「Ctrl! (すまん、また読み方を忘れた。)
     オルト! デリートが何ですって?」
     
    その口調に、あっ、更に違う方面でも間違ってた!
    と、血の気がザーッと引いた私は
    もう、大慌てでその3点をガシガシ押しまくりながら言いつくろったさ。
    「いや、今連打してるんだけど、どうにもならなくってー!」
     
    これも余計に火に油だったらしい。
    「連打しないでください!!!」 と、怒鳴られた。
     
     
    んで、何とかネットには繋げられたんだけど
    それで普通に使うのも不安があるみたいなんで
    速やかに電源を落として、専サポ待ちになった。
     
    いっつもいっつも全任せは悪いなー、と
    珍しく殊勝な気持ちになったんで
    電源を落とす前に、調べてみた。
     
    すると、教えて具ーに、強制初期化の質問が載ってて
    ウィルス感染とか言われていたんで
    その方向で調べて、URLをメールしてみた。
     
    書いてて今気付いたけど、この推測が正しかった場合
    ウィルス感染したパソコンからメールを送るって
    ものすごくダメじゃないか?
    私、何でこうなんだろうな・・・・・。
     
     
    その後専サポが来てくれて、何かしてくれた。
    私のウィルス説は即却下されて、かなりムカついた。
    却下理由は、私のウィルス防御ソフトはカスペルスキーなんだけど
    それがウィルスを感知していないからだそうだ。
     
    カスペルがウィルスと認識していないかも知れないじゃないか
    という反論も即却下されて、かなりムカついた。
    理由も教えられたかも知れないけど、覚えてねえよ。
    私の説だから却下したんだろ! とヒガんで
    心の雨戸を閉めたからさ。
    シャッターじゃなくて雨戸さ。 ババアなんだから!
     
     
    専サポが予想している原因は、データのバックアップ。
     
    DVD-RW?にコピー?する方法は
    何度聞いても覚えられない難しい作業で
    どっかにある何かのソフトを起動して、コピー?したいファイル?を
    クリックしていくやり方で、そんなん私に出来るわけがねえだろうが!
     
    と荒れ狂ったら、専サポがUSBの棒を買ってきてくれた。
    これでドラッグ&ドロップで、楽々コピー?できるらしい。
    どうもありがとう! と、しょっちゅうコピー?してたせいだと。
     
    えーと、コピー?の時だか、ドラッグ&ドロップの時に
    ハード?を動かす?のが悪い?
    ハード?は、パソコン起動時ぐらいしか動かないから壊れた?
     
    何かそういう事を言われたので、激怒したさ。
    じゃあ他の人はバックアップはどうしとんのかい
    起動時にそんなロシアンルーレットが行われとるんかい!
     
     
    もう、何かよくわからんけど、結論として直ってないんだ。
    専サポには原因不明だから、直せないんだって。
     
    今後の対応をどうするのかは、更に怒られる出来事があって
    どうしてもグチグチ言いたいんで、2に続く。
     
     
    パソコン起動時に、アカウントが消滅してしまうこの現象
    心当たりがある人、何かヒントを頼む。
    専サポにそれとなく言うからさ。
    そんでまた却下されて、険悪な雰囲気になるのさー。
     
     
    心配してくれた方々、どうもすみませんでした。
    フォローしてくれた管理人ぷらちッ、どうもありがとう。
     
    できるだけ、いつものペースを保つつもりですが
    万が一は、ほんとすみません。
     
    そんで、明日もグチを聞いて!
     
     
    関連記事: パソコン強制初期化 2 10.8.3   

  • 年齢詐称

    ここ数年、自分の年齢をとても意識している。
    子供の頃 “大人” として認識していた歳に、自分がなったからである。
     
    大人とは、教養があって思慮深くて物静かな偉人だと思っていたんだが
    どう自画自賛精神で見ても、今の自分が程遠いのが不思議でならん。
     
    どこでどう間違えたんだか、とにかく軌道修正をしようと
    「大人はこんな事しない」「大人らしく」「大人だから」 等
    キーワード “立派な大人” で、自分の言動を制限している真っ最中。
     
    そこに、“老化” という要素が加わってきて
    そりゃもう、年齢に縛られまくりである。
    私ほど年齢に囚われて生きているヤツはおらん! と断言できる。
     
     
    ところが、ここで弱点が障害になる。
    20歳を過ぎてから、自分の年齢がわからなくなってきたのだ。
     
    脳の成長は20歳で止まるという、医学的見解の証明どころか
    20歳になった途端、脳が衰え始めたのを実感した。
    医学、ちょっと間違えてねえか?
    止まるんじゃなく衰退し始めたぞ、20歳。
     
    いつも年齢を書く欄でペンが止まり、「今、何年ですか?」 と人に訊く。
    現在の西暦から、自分の生まれ年を引くのだ。
    それを誰にも知られずに、しかも暗算でせにゃならんので
    これまでに計算間違いも多々あったような気がせんでもない。
     
    自分の年齢を覚えていないなど、大人として恥ずかしく
    今何年なのかを覚えられないのも、大人として恥ずかしく
    現に真面目に怒られた事もあるので
    端から見たら呆れネタだろうけど、こっちは必死なのだ。
    皆どうやって自分の年齢を記憶しているんだろう?
     
     
    普通の知能の持ち主ならせんでも良い努力を、人知れずしてきたお陰で
    ここ数年は自分の年齢を正しく把握できている、と満足だったが
    ある時TVで有名人を観て、その人が私と同年齢だったので
    世間話の最中にそれをふと思い出し、友人に言った。
     
    そしたら友人が怪訝そうに、その有名人って何歳? と訊き返す。
    「○歳だって」「・・・? あなた○歳だと思ってたけど、違うの?」
    「え?」「何年生まれ?」「○年」「・・・同い年じゃないじゃん」
     
    何故かはわからんが、自分の歳を実年齢 + 2歳で覚えていた。
    友人には、「数え年のつもり? それでも計算違うよね?」
    とか突っ込まれて、まさか記憶違いでしたなど言えずに困るし
    それにいつから + 2歳で計算してたんか、定かじゃないけど
    年齢記入欄に、例えば 「2000年○月○日生まれ (11歳)」 とか
    わけのわからん書き込みをしまくっていたはず。
    かなりショックな出来事だった。
     
     
    ババアババアと、ブログで自嘲する繊細さ?があるのに
    現実生活では、このようにありえないミスをしているのだが
    私が年齢を気にする理由はただひとつ、恥を掻かないためだけである。
     
    真っ当な大人として生きていきたいので
    世間の評価を気にするために、年齢はひとつの目安だと考えている。
    簡単に言うと、キワモノ扱いは御免こうむりたい一心なのだ。
     
    ネットでは実年齢を隠していて
    各登録も、バラバラの年齢で行なっているけど
    その理由のひとつは、引き算がしやすい生まれ年希望。
    よって、私の登録は1950年生まれの事が多い。
    これなら2000 - 50 で済むだろ。
    と思っていたら、現在が200?年かが問題になってくるんだよな。
    ちょっと失敗こいた作戦である。
     
    しかし以前に計算しやすいように、2000年生まれで登録していたら
    未成年という事で、チャットルームに参加できず
    当時所属していた集まりの会議が、私の登録し直し待ちで大幅に遅れ
    「どこまでサバ読んでるんだよ!」 と、ものすごい非難を浴びたんだ。
    だから、2000年がダメなら、1950年しかねえだろ?
    1900年は、選択項目になかったんだよ。
     
    こういう事をやっとるから、余計に混乱して年齢を覚えられないんだよ!
    と思われそうだが、覚えられんのはネットデビュー前からなので
    ここに敗因はないと思う。 多分。
     
     
    私の、“枠にハマりたい気持ち” がわかるか?
    ほら、小動物って狭い場所に入りたがるだろ、あれだよ、あれ。
     
    心の安定を図るためにも、日々あれこれと妙な画策をしているわけだが
    裏目裏目に出ているようなのが、ほんと不本意で
    こんなグチ、リアルでは言えないのも、ほんっと不便!

  • 黒雪姫 8

    黒雪姫は、木の上でくつろいでいた。
    「はー、毎日平和で良いわねえ。
     庶民の暮らしも結構楽しいじゃない。」
     
    「あんた、家事はまったくせんじゃないか。
     それで庶民の暮らしを味わった気分にならんでもらいたいぞ。」
    洗濯かごを持った小人が、下を通りかかって言う。
     
    「代わりに力仕事はやってるでしょ。
     あなたたち、ちまっこいから非力だし。
     やっぱ適材適所が政治の基本だわね。」
    のほほんと答える黒雪姫に、小人が懸念する。
     
    「あんた、えらくノンビリしているけど
     あんたがいなくなって、あんたの国、どうなってるか心配じゃないんか?」
    普通に考えれば、これはおおごとな話である。
     
    「んー、まあ、クーデターとかあるし
     王国なんて永遠に繁栄はしないものよ。」
    「えっ、そんな気楽に考えて良いんか?」
     
    黒雪姫が、枝からドーンと飛び降りた。
    その振動に小人が足を取られてよろける。
     
    「チッ、おおげさな・・・。
     あなたたちといると、自分がまるで大女になった気分で不愉快だわ。」
     
    いや、人間たちの中でも、こいつは大きい部類に決まっとる。
    小人は内心そう思ったが
    頭上からゴォォォと睨む黒雪姫に、益々小さくなるしか出来ない。
     
    黒雪姫のワンパンチで、小人なぞホームラン級に
    空の彼方へ飛んでいくであろうから。
    まったく、えらいな当たり屋に遭った気分である。
     
     
    「いや、気楽には考えてない。
     うちの国は、今までは上手くいってたのよ。
     今後あの後妻が何をするかが、問題だと思うわ。」
     
    「低レベルの顔勝負で、人を殺そうとするような鬼ババじゃからのお。」
    「うん、このお返しはきっちりしないと、気が済まないわ。
     だけど今は、賢者待ちでしょ。
     情報がないと、ムダ足踏むし。」
     
    「賢者さま、中々戻ってきなさらんのお。」
    「どうせ祭に引っ掛かって、浮かれ騒いでいるんでしょ。」
     
    その予想は当たっていた。
    賢者は行く先々で歓待され、飲めや歌えやの宴会三昧で
    中々先に進まず、まだほんのそこの集落にいた。
    かなり使えんヤツである。
     
     
    「私、ひとつ疑問に思っている事があるんだけど。」
    黒雪姫が薪を割りながら言う。
    「あなたたち、定番ソング、全然歌わないのね。」
     
    「定番ソング?」
    「うん、♪ ハイホーハイホー ♪ ってやつ。
     この歌に合わせて一列になって、踊りながら行進するんじゃないの?
     こういう風に。」
     
    両手を広げながら、おどけたように足を上げて歩くそぶりをする黒雪姫を
    小人たちが怪訝そうな表情で見る。
    「肺胞?
     何でわしらが呼吸器の歌を歌いながら
     道化た歩き方をせにゃならんのだね?」
     
    「おおっと!
     意外な博識ですわね、小人さん。
     うーん、某ネズ映画に騙されてたかしら・・・。」
    黒雪姫は、珍しく自分を恥じた。
     
     
     続く
     
     
    関連記事 : 黒雪姫 7 10.7.22
           黒雪姫 9 10.8.4
           
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           イキテレラ 1 10.5.11  
           黒雪姫 1 10.7.5  

  • 地デジ対応TV

    うちの仏壇のようなTVが、いよいよもってヤバくなってきた。
    上下左右に細かくブレて、見てると軽く酔うし
    みのの顔色がどんどん黄色くなってきている。
     
    で、世界の亀山モデルを迎え入れた。
    代わりに、諭吉たちが大勢家を出ていってしまった。
     
    まったく、うちの諭吉たちは何でこう家出しかしないのか。
    まあ、プチ家出を繰り返すバカ娘たちは
    ガキか借金しか作ってこないだろうから
    同等の価値の物品を寄越す諭吉は、律儀っちゃあ律儀なんだが。
     
     
    家電に興味の薄い私の、NEW・TVへの希望はただひとつ。
    “そんなにキレイな画面じゃない事”
     
    ええ? 何言ってんの? と、思われそうだが
    実家のTVがえれえ高画質でな
    叶姉妹の毛穴まで見えて、大ショックだったんだよー。
     
    国会議員のおっさんなんかがインタビューされてた時にゃあ
    食欲が失せて、マジで箸を置いたぜ。
    見えない方が良いものって、絶対にあると思う。
     
    それでも今のTVは、どうしてもハイビジョンになるらしく
    実家のTVほどじゃあないが、キレイな画質なんだ。
     
     
    でも、それでひとつ得たものがある。
    メイク。
     
    さすがに雑誌の修正しまくりの写真は本気にしちゃいなかったが
    TVに出る女性たちのメイクはキレイだろ?
    あれを真に受けて、何で私はキレイにメイク出来ないんだろう、って
    肌の上でファンデをこねくり回して、逆にメイクダウンしてたんだよ。
     
    あー、私って肌が汚いんだなあ、と本気で思っていた。
    周囲の人が、「肌がキレイ」 って言うのは
    度を越したお世辞だと、密かに腹を立ててすらいたんだ。
     
    ところが高画質で見ると、私以下じゃん!
    ちょ、待て、その程度の整地で良いんか!!!!!
    と、激しくくるおしく驚愕したよ。
    いや、それでも私だって決してキレイな肌じゃねえよ?
    でも下の下だと思ってたのが、並だったんだよ、中の中。
     
    なあんだ、ファンデとか、肌の上に乗せるだけで良いんじゃん
    埋めてならしてボカして重ねて、ってしないでも良いんじゃん
    と、ものすごく気がラクになったぜ。
    ヘタするとメイクに1時間近く掛けてた私は、とんだドバカだった。
     
     
    次は純粋な液晶TVの利点、これは家に置かないとわからない。
    ブラウン管ってさ、背景が映るじゃん。
    ひとりで部屋にいてTVを消してると、部屋の風景が映るだろ。
    これ、ものすごく恐くねえ?
     
    もし点いてないTVの画面の中に動くものがあったら
    それは背後に人か、息をしていない元・人がいるって事じゃん!
    それが恐くて、夜は観ていなくてもTVを点けっ放しにしてたんだ。
     
    でも液晶は画面の映り込みがまったくないんだよ!!!
    映画を観てて、シーンが暗転した時に
    ボケーと口を開けて呆けヅラをしている自分の顔が映って
    そのツラの醜さに、シートパックをし始めたりする事もない。
     
    ほんとうにあった呪いのビデオを観ている時に
    いや、そこじゃなくここ、ここにすっげえ恐い顔が映ってる!
    しかも微妙に動いている! ほんまもんだ!!!
    と、ビビり上がっていたら、それが自分の映り込みだった、とかもない。
    自分のムンク顔、悲しくなるほど恐ええええええええ!
     
    この利点は、使用するまでわからなかった。
    これだけでも、諭吉大量輸出の価値があった。
    皆、液晶、お勧めだぞ!
     
     
    ハイビジョンになってから私が最初に観たものは?
    ちょくちょくここに来ている人なら、瞬時にわかると思う。
     
    せーの、ホラー映画!
     
    ホラー映画ってさ、全体的に画面が暗いだろ。
    うちのコンテナのような中古のブラウン管TVでは
    最初から最後まで真っ暗で、何をしているのかわからん!
    という映画も数多くあった。
    声を頼りに、話の筋を推理するしかないんだ。
     
    もしかしてハイビジョンなら、この暗闇画面が見えるんかなあ
    と、薄ボンヤリ思いながら、闇夜にカラスを探すように観てたさ。
     
    もう、バッチリだったよ!
    暗いながらも、誰がいるかわかるし、背景も見えるんだ。
    今までのホラー映画のムダ観を悔やむほどだったぜ。
    これだけでも大勢の諭吉失踪の価値があった!
    ホラー映画ファン、すぐ自分んちのTVを高画質にせえーっ!
     
     
    たくさんの諭吉抹殺は痛かったが、それだけの価値はあった。
    似合わんブーツを買ってる場合じゃなかった。
     
    お陰で、買い足そうとしていた毛穴埋め下地やシミ隠しも買わずに済むし
    黒画面に映り込む自分のツラの不出来を呪う事もなくなった。
    ホラー映画は存分に楽しめるし、良い事ずくめだ。
     
    もっと良いTVもあるだろうが、無知な私には大満足だ。
    久々に良い買い物をした気分である。
     
     
    みのの顔色は赤黒かった。
    何でブラウン管では黄色く見えたんだろう?
     
    こいつのありえん顔色を見る度に、うちのTV、ヤバくねえ?
    と、とてつもなく不安にさせられていたんで
    もしかしたら、みの、陰の地デジ推進要員なのかも知れない。

  • 黒雪姫 7

    「ねえ、お風呂を沸かしてくれないかしら?」
    黒雪姫のこの要求には、小人も即座に同意した。
    「うむ、あんた、野生の動物のような臭いがするぞ。」
     
    「しょうがないんだって。
     このドレス、ひとりで脱ぎ着できないのよ。」
    「高級な布なのに、容赦なく破り裂いて・・・。」
    小人のひとりが、ドレスの端を触って嘆いた。
     
    「サバイバルにドレス、ほんっとそぐわないのよ。
     このパンプスも、最悪だったのよ。」
    黒雪姫が差し出した足を見ると
    かかと部分が無理に折られている。
     
    「ヒールが土にズブズブ埋まるっての!
     しかもこれまた高価な靴だから、妙に丈夫で
     岩の切れ目を利用して根性で折ったのよ。」
     
     
    黒雪姫の相手をしている以外の小人たちが、部屋の隅でヒソヒソとささやく。
    「この姫さん、どんどん粗野な言動になっていってないか?」
    「うむ・・・。 しかし風鈴は鳴ってない。」
    「これがこの姫の地なんだろうな。」
    「一体どういう国の姫なんやら。」
    「乱暴なブスマッチョの国・・・?」
    「何だかわからんが、そんな国、ものすごく恐いぞ。」
     
     
    「あなた布に詳しそうだから、私が入浴してる間に
     ひとりで脱ぎ着できる服を作っといてくれない?
     そこのあなた、あなたもこいつを手伝って。 下着もいるし。
     あなたとあなたは靴。
     で、あなたは風呂沸かし、あなたは洗濯
     あなたはベッドを用意して。」
     
    黒雪姫は、次々に小人を指差して命令した。
    「さあ、ちゃっちゃと動いて動いて
     ヘイ! ムーブムーブムーブムーブ!」
     
    手をパンパン叩いて、追い立てた後
    自分は椅子にドッカリと座った。
     
    「あんたは何もせんのかね?」
    「姫ですもの。」
    と言った途端、椅子がバキッと音を立てて割れた。
     
     
    「あなたたちも私を暗殺するつもり?
     まさか鬼ババの手先とか?」
    床にもんどりうった黒雪姫が、怒る怒る。

    「と、とんでもない!」
    必死に冤罪を訴える小人たちをなぎ倒し
    壊れた椅子を手に、黒雪姫が立ち上がった。

    「何なの? このヌルい作りは!
     どっかの国なんか、象いないのに
     象が踏んでも壊れない筆箱を作ってるというのに!」
     
    玄関を出ようとした瞬間
    黒雪姫の頭頂部がドアの枠に当たり、壁がバキッと割れた。
     
     
    更なる激怒の予感に、小人たちが手を握り合って震えていると
    黒雪姫が叫んだ。
    「入り口も狭い!」
     
    ふんっ と鼻息と共に、ドアに肩をブチ当て
    黒雪姫は裏庭へと出た。
    ドアの上の蝶番がひん曲がってしまっている。
     
    「おらーーーっ、板を持ってきてー!
     風呂に入る前にひと汗かくわよ!」
    持っていた椅子を地面に叩き付けて怒鳴る。
     
     
    「お姫さまっちゅうのは、大工仕事も出来るんか?」
    「うちの国は山賊あがりの野蛮な国だから、力仕事は得意なのよ。
     逆に裁縫とかの細かい手作業は苦手だけど。」
     
    髪を振り乱して、かなづちをドッカンドッカン振るう黒雪姫に
    小人たちは、破壊的な番犬が出来たような気分にもなっていた。
     
     
     続く
     
     
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           黒雪姫 8 10.7.26
           
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  • 男の裸

    何のCMだったか、女の子が男の子のはだけた胸だっけ?
    それを見て恥らう、というのをやっていたが
    私から言わせれば、その女の子はとてつもないドスケベだ。
     
    男の子の裸を、しかも胸だけを見て
    何を想像したら恥ずかしいんだよ?
    おめえ、その歳で裸を見てセックスを想像しとんのか?
    と、泣くまで問い詰めたいのは、ババア根性だろうか。
     
     
    女性は、男性の裸を見ても何も感じない、が大多数だと思う。
    男性ストリップバーとかに行った時には
    その場のノリでキャアキャア言うだろうけど
    男性の裸に価値はない、と断言する。
     
    女性にとって意味があるのは、好きな男性の裸だけだ
    と、砂漠性欲の私は言い張りたい。
     
     
    でもこう思っているのは、立ち枯れな私だけではないはず。
    中学の時に、男子の裸を見て反応する女子はほとんどいなかった。
     
    唯一、「いやーん」 とか言ってた女子がいたが
    男子の裸を見て何がいやんなのか訊いたら
    「サービスよ。」 と、とても計算高い答が返ってきた。
     
    これはこれで、アリだと納得させられたよ。
    男子とて、自分の裸に価値ゼロだなんて
    いちいち言われたくはないわな。
    ボディビルにハマる男性も多いんで
    無反応というのは、やはり虚しいものであろう。
     
     
    まあ、広い肩幅とかにキュンとくるのは理解できないでもない。
    私的には、手のキレイな男性にはピクッとくる。
     
    ・・・が、これは自分の手がキレイなので
    ライバル視しているだけかも知れない。
    えーと、広い肩幅・・・、私も結構肩幅があるんだ。
    後はどこだっけ?
     
    まあ、私が怒とうのナイスバディなので
    他人の裸体には何の要望もせんだけさ。
    愛しい人の体なら、良いな、と思える部分ってのも
    どこかしら出てくるんだろう。
    でもそれを見て恥らうってのは、ありえないけどな。
     
     
    逆に問うよ。
    男性の裸を見て、何が恥ずかしいんだ?
    性器丸出しでも恥ずかしくはないだろ
    うわ、きったない、としか思わない。
    差別じゃないぞ、女性の性器も同様に思うから。
     
    (性器、何であんなにグロなんだろうな?
     何かの踏み絵か?
     あれを喜ぶ選ばれし人間のみが、恩恵を受けられるんか?)
     
    女性は視覚による性的興奮は、あまり発達していない。
    単なる裸体からは、性的興奮は起こりにくい。
    だから男性の裸を見て恥らう女性はビッチだ、と私は認定している。
     
    裸は、見られたら恥ずかしいだけだ。
    見せられても恥ずかしくはない。
     
    あ、裸で歩いている女性を見たら、恥ずかしいと感じるかも。
    でもその “恥ずかしい” の意味は、哀れみである。
    「いやーん」 ではない。
     
     
    この意見は、機会があるたびに人に訊いているのだけど
    今のところ、異論は聞いた事がない。
     
    そりゃ、「裸を見て反応するとビッチ」 とか言ってるヤツに
    「いや、反応するわよ」 とは反論しにくいだろう。
    けど自分のこの感覚が普通なのか、とても不安なのだ。
    私は保守派だから、性も伝統的じゃないとイヤ。
    どうも想像力が足らんのかな、と自問自答している。
     
    ・・・・・・あ!!!!!
    もしかして想像力が発揮されるのが、“得意分野” という事か?
    だったら性は私の苦手分野なんで、想像力に乏しいのは当然。
    よって、それに関して偉そうにビッチとか言うな、って話になるよな。
     
    だけど苦手なだけに、真の多数意見が知りたいんだよなあ。