グリスの寝室は、アッシュとは離された。
隣のローズの部屋は、封印されたままだった。
その理由をアッシュは、こう主張した。
「もし爆弾でも撃ち込まれたら、ふたりとも死ぬじゃないですかー。
そしたら私の代わりまでいなくなるんですよー。」
本当の理由はそうじゃない、と誰もが思ったが
アッシュの意見も、もっともだったので
グリスの寝室は中庭を挟んだ反対側になった。
アッシュはグリスに自ら関わろうとはしなかったが
彼が来てから、明らかに雰囲気が変わった。
大人は子供の手本であらねばならない、という
アッシュの信条の元に、一応の努力をしているからである。
アッシュは子供が大嫌いであったが、それは子供と同等に張り合うからで
まさに “大人気ない” の標本のようなヤツだが
それでもアッシュなりに、子供のために頑張ろうとはしていた。
だが如何せん大人気ないのを自覚しているので
うかつに子供の心に傷を付けまい、と
なるべく距離を置いていたのである。
アッシュは館の改革を熱心に続けた。
住人たちの心は、いまやすっかり落ち着き
新たに館にやってくる者の面倒も、ちゃんと見る。
やさぐれて来た者が、どんどん更生していくのも
住人たちの生き甲斐になっていた。
館はすっかり安定していた。
今後の改革はグリスに引き継がせれば良いけど
出来るだけ経済を潤わせとかないと。
先立つものがないとどうにも出来ないし、貧乏は心がすさむもんね。
そう思いつつも、アッシュの心はどこか上の空だった。
自分がどうなろうが館がどうなろうが、実はどうでも良い
そういう気持ちが心の隅に隠れていた。
これはアッシュ自身も気付いていない刹那だった。
そういう気持ちがあるせいか、ボーッと窓の外を見るアッシュの姿は
時折薄くぼやけて見える時があった。
“影が薄い” って、こういう事なのかしら?
リリーは、突然アッシュがいなくなりそうな不安に駆られるようになった。
アッシュのその状態を、歓迎していたのはデイジーだけだった。
ひとりを見つめるぐらいなら、誰も見ないでほしい
主様は頂点なのだから。
デイジーには、薄ぼんやりとしたアッシュが高潔に見えていた。
だけどそんな時のアッシュの視線の先には
花壇に植えられたバラの花があった。
ローズが死んだ時に、アッシュの命令で全部抜かれたバラだったが
最近になって庭師に頼んで、また植え直したものだった。
窓から見下ろすアッシュを気にしながら、グリスもその作業を手伝ったのだ。
アッシュは、屋上とローズの墓には決して行かなかった。
その事が、アッシュの心の傷を明確に表わしている。
住人たちの唯一の心配は、アッシュの安否だった。
住人たちは、ジジイにもっとひんぱんに館に来るように頼んでいた。
やれやれ、わしの方がお迎えが近い歳なのに、と思いつつも
ジジイはいそいそと館に足を運び
アッシュに、また来たんか、ジジイ、と怒鳴られるのであった。
同様にリオンも歓迎された。
アッシュの部屋に入り浸って、ゲームに熱中する。
いくら年齢差があるとは言え、男女が部屋に篭もってれば
浮いた噂のひとつやふたつは立つものなのに、それがないのは
リオンはRPG好きのくせにマップが読めず
アッシュにギャアギャア怒鳴られながら、ゲームを進めているからである。
その怒号は、窓の外にまで聴こえていた。
こんなふたりが愛だ恋だに発展するわけがない。
そういうロマンから、一番遠い人種である。
リオンはこれでも一応、長老会の次期主要メンバーなので
遠慮して、挨拶ぐらいしか出来ないのだが
住人たちは、いまや滅多に聞かれないアッシュの罵倒を
方向音痴のリオンに託していたのだ。
つまり館中が、アッシュが怒声がないと落ち着かない気分になっていたわけで
館全体、M属性に変貌していた。
その事を知ってか知らずか、アッシュは常にマイペースであった。
続く。
関連記事: ジャンル・やかた 72 10.4.16
ジャンル・やかた 74 10.4.22
ジャンル・やかた 1 09.6.15
投稿者: あしゅ
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ジャンル・やかた 73
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タバコ中毒の真相
喫煙家はもれなくニコチン中毒に侵されていて
数多くの禁煙挫折談から
その中毒はとても大変なものだと恐れられている。
今回はどうも自画自賛の入る余地がなさそうなので、ここで折り込むが
私に禁煙挫折の可能性はない。
このわたくしが 「止める」 と決めたのなら、そこで決定である!
人に堂々とあーだこーだ言いたいから、自分の事も死ぬ気で律する。
ある程度の善意を持っていないと、人を追い詰める事は出来んと思うんだ。
私の善の心は、自分をも追い込む平等さで表現しとるわけだ。
つーかな、普段からこんぐらい腹をくくって言っとるわけだから
言われる方もありがたく聞け、って話だがな!
よって、初手から禁煙成功者のつもりで
“禁煙” というものがどんなものかを観察してきた。
俗に言う “ニコチン中毒” の禁断症状は
思っていたよりも辛かった。
ものすごいチェーンスモーカーだったのだけど
症状が起き始めたのは、意外にもタバコを止めた翌日からである。
最後のタバコがなくなったのが、夜7時ぐらいで
翌日の朝までは、吸いたい欲求しかなかった。
このニコチン中毒、倦怠感やら無気力を連れてきたけど
症状は2~3日でなくなるんだよ。
えらい早い脱皮なんだ。
何日も辛い思いをするのを覚悟していたんだけど
実際にやってみたら、ニコチン、あっさりと抜けてしもうた。
中毒の度合いにもよるだろうけど
ニコチンの禁断症状は、普通の風邪の辛さレベルだ。
禁煙するにあたって大事なのは
吸いたい欲求と、禁断症状を分けて考える事だと思う。
禁断症状は身体的な事だけど、吸いたいのは心理的なものである。
今までの禁煙談は、ここをゴッチャにして語られていたので
えらいな難関だとして伝わっているんだと思う。
あ、自賛場所見つけた!
よく聞いとくように。
私のような、冷静かつ客観的で観察眼の鋭い天才がいなければ
ニコチンの中毒が恐ろしいものだ、という都市伝説は
いつまで経っても消えなかったわけだ。
存分に私に感謝してくれて良いんだぞ? ああ?
で、今でも天才・私は、タバコを吸いたいわけだが
この、“吸いたい” という欲望の正体もわかった。
手持ち無沙汰とか、ヒマとか、間が持たないとかもあるけど
一番の理由が、“区切り” なんだよ。
禁煙をしてから、どうも生活のリズムが狂ってしまい困っていたのだが
それは、自分の生活に区切りが付けられない事による
ペースの乱れが原因だと気付いた。
「一服してあれをしよう」 とか、「ふー、ここらで一服」 とか
気分転換 方向転換 規律 習慣
タバコを吸うという行為には、平穏に生活する上で
すんげえ大事な要素が全部入っちゃってるんだ。
タバコの箱から1本取り出し、それを口にくわえ
火を点けて、吸ってふーーーっと吐く。
そしてそのタバコを手に、ボーッとして、また口にくわえる。
1本吸うのに数分、絶妙な長さの時間である。
吸って吐いて吸って吐いてとリラックスしていき、自分を取り戻す。
タバコの火を消す事で、よし、と次へと進む気分になる。
普通なら、お茶を飲む、軽くストレッチをする、など
手間の掛かる手順を踏む必要があるんだけど
喫煙者は、タバコ一服でそれらを全部解決していたんだよ!!!
この要素を手軽にひとつで満たせるのって、タバコぐらいしか思いつかない。
喫煙とは、ものすごく合理的な行為だったわけだ。
こんな便利な代替行為を、そう安々と忘れられるわけがなく
禁煙挑戦者は、それを “欲望” だと思い違いをして
苦しんだあげくに、己に落伍者の烙印を押して挫折するんだな・・・。
前も、欲望ぐらい自分でどうにかせえ と書いたけど
実はこれは説明の段階を踏むための矛盾もあって
正確に言うと、喫煙はこういう図式だと思うんだ。
代替行為 >>>>>>>>>>>>>> 欲望 >>> ニコチン中毒
禁煙するにあたって大事なのは、自分の喫煙行為の意味の構成を理解し
代替行為の代替を、何にするかを探す事だと思う。
大抵のヤツは、これを “食い” に持っていく。
そんで、禁煙成功後にダイエットをするらしい。
あ、すまん、自画自賛場所、ここにもあったわ。
ちょっとやらせてくれ。
もちろんスレンダー系ナイスバディの私は、4~5kg太って
ようやく普通体型になれるので、食いに走っても一向に構わんわけで
そういう悩みとは無縁であるんだが
ほら、何せ上品で食い意地がないもんで
食ってよっしゃあ! は、私にはあまり効果がないんだよなあ。
と言う事で、今後の課題は、代替行為探求になる。
もう私は禁煙しちゃってるんで、切羽詰まってるわけだが
これから禁煙をするつもりのヤツは
・ タバコを吸わない事によってできたヒマを、何をして潰すか
・ 一服によって上げてた腰を、何によって上げるか
特にこの2つを考えておくように。
ヘビースモーカーであればあるほど
タバコに取られていた時間が長いから
その一瞬一瞬の “間” を、ものすごく持て余すんだ。
禁煙が難しいと言われるのは、習慣を変えるのが難しいのと同じレベル。
ニコチン中毒や依存は、それほど障害にはならない。
この2つは商売に繋がるんで、あおってる業界があるんじゃないのか?
恐れるに足らず、だぜ。
関連記事 : 禁煙宣言 10.4.5
禁煙日記 10.4.13
電子タバコ 10.4.15
電子タバコ 2 10.4.21 -
ジャンル・やかた 72
跡継ぎ探しに旅立ってから、わずか4日でアッシュは帰ってきた。
漆黒の肌と土色の瞳の男児を連れて。
「はい、これお土産ですー。」
と、真剣に家に置きたくない木彫りの人形を、長老会メンバーに配った。
「これは、何なのかね?」
「何か良い味出してませんー? 手彫りらしいですよー。
よくわからないけど、何かの呪いの儀式に使うものらしいですー。」
ああ・・・やっぱり・・・、とメンバー全員がとことん気落ちする。
リオンを除いて。
「にしても、えらく早いご帰還でしたねえ。」
メンバーのひとりが言うと、アッシュのスイッチが入った。
「だって、ひどい場所だったんですよー!!!
昼は暑いしー夜は寒いしー汚いしー臭いしー飯は不味いしー生水ヤバいしー
ホテルは古いしー設備は悪いしーサービスは悪いしー
シャワーの出は悪いしーお湯が水だしー・・・」
「よその国を、よくそこまで悪く言うのお。」
ジジイがアッシュのグチをさえぎった。
「きみは差別主義者かね?」
かっぷくの良い紳士が追求する。
「顔や腹ん中が汚いのは、私も人の事を言えないですけど
とにかく外側が汚いのが、ほんっっっとイヤなんですー!!!」
「ニッポン人は清潔なんでーす。
不潔なのが許せないんでーす。 ね?」
リオンが解説した。
「そうーーー!!!
良い事言うじゃんー、死にキャラー!」
「え? 何でーすか?」
「あー、いえー、何でもないですー。」
(ネタバレ注意解説: 某ゲームのリオンというキャラは途中で死ぬ)
「で、その子が跡継ぎかね? 何を基準に選んだんだね?」
「ああ、付いて来たんで、連れて来たんですー。」
「・・・え? それだけかね?」
「リアル生活にそんな妙な霊感とかを期待しないでくださいー。
現実なんて、そんなもんですよー。
教育すれば良いんですー。
と、言う事で、教育係の派遣よろー。」
はあああああああああ・・・・・、と全員が溜め息を付いた。
リオンを除いて。
「その子は何歳かね?」
「名前は何だね?」
「英語は喋れるのかね?」
質問が相次ぐ。
「書類上は5歳ってなってますねー。
名前はグリスだそうですー。
英語は喋れないようですー。」
「書類上ねえ・・・。」
「もう詳しい経緯を訊くのは止めときましょうよ・・・。」
ニコニコとグリスを見つめているリオン以外は、そう示し合わせた。
では、このへんで、と会議室を出ようとするアッシュに
ジジイがいらん事を訊いた。
「お供は知的イケメンじゃったか?」
ドアレバーに描けた手をピクッと止め、横目でチラッと見て
無表情のままひとことだけ言って、アッシュは部屋を出て行った。
「・・・・・・軍人でしたー・・・・・・・。」
長老会メンバーは、一斉にジジイを睨んだ。
リオンを除いて。
続く。
関連記事: ジャンル・やかた 71 10.4.14
ジャンル・やかた 73 10.4.20
ジャンル・やかた 1 09.6.15 -
電子タバコ
マイルドシガレット タバコ味 2980円
カートリッジ 10本セット 798円
ドンキで購入。
なんと充電がUSB?ケーブル方式。
e-ヘルスシガレット2 マルボロ味 1650円
カートリッジ 10本入り 630円
ネットで購入。
充電はコンセントに差し込む方式。
2はe-ヘルスシガレットの改良版で、1cmほど短いそうな。
e-ヘルスシガレット ミント味
カートリッジ 10本入り ミント味、イチゴ味、タバコ味
偶然にも知人に貰う。
私の場合、人生においてこういう事がよく起こる。
これ以上にないぐらい地味な運の使い果たし方をしてるようで、かなりイヤ。
充電はコンセントに差し込む方式。
まず、驚くべき事を発表しよう。
この3種類、フィルタ-がどれも共用できるのだ!
ヘルスシガレットと2は同メーカーだから
まだわからんでもないが、一番上のにもOKなんだよ。
軸も同じなんで、もしかして電子タバコって
メーカーが違っても中身は一緒かも知れん。
まず、味が不味い。
キャスター1mg吸いだった私には、耐えられん味だ。
キャビンのような味?
マルボロとかマイルドセブンとかイチゴとか書いていても
ベースは全部同じ味で、風味が微かに違うだけ。
次にフィルター。
本物のタバコよりは、吸うのにちょっとだけ力がいるけど、気にはならない。
そして1度吸うと、しばらく置かないと煙が出ない時もある。
回数も吸い方もゆっくりとするのが、電子タバコの正しい使い方である。
よって続けてスパスパは吸えないので、チェーンスモーカ-は
本体を5個ぐらい用意しとくべきかと思われる。
充電時間は、貰い物のヘルスシガレットは3時間掛かる。
他の2つは、長くても1時間ちょい。
この初期ヘルスシガレットさ、ほんと使えないんだよ。
吸う時に空気が漏れるんで、不良品だと思う。
知人は、「自分には向いてなかった」 と、禁煙を挫折したが
私にくれないで、購入店で交換するべきだったと思うよ。
電子タバコ、こんな使えんものばかりじゃない。
たまたま不良品に当たっただけなんだ、と説得したけど
“禁煙を止める理由” にしてるみたいで
電子タバコもういらね状態 になっとった。
初期ヘルスシガレットは、改良版の2が出るだけはある。
皆、これは買わないようにな。
そんでな、ドンキで買ったやつ、2日で壊れた。
充電してもフィルターを換えても、煙が出なくなったんだ。
ドンキでは保証書を貰ったんで、持っていったら交換してくれた。
そんでネットで買ったヘルスシガレット2も
吸うと本体が発熱し始め、煙が出にくくなってきている。
説明書には、7日以内じゃないと返品交換アウト と書いてある。
うち、10日以上経ってるから、もう時間切れだ。
これらの経験から、電子タバコって壊れやすいもののような気がする。
タバコを止める理由に、経済的な事も入っているのなら
あまり電子タバコに依存してると、普通にタバコを買うよりお金が掛かるんで
ニコチンが抜けたら、次は電子タバコ断ちをしなきゃならんだろう。
電子タバコも、一時的な依存先と割り切って
あまり頼らない方が良い。
こういう道具を使って、禁煙をする時のコツはただひとつ
自分を騙す事
タバコというものは、国の法律ですべてこうなったんだ!
と思い込むのである。
て言うかな、何かを我慢しようとしてるのに
今までと同じ状況じゃないとイヤ、とか図々しいにも程があるぞ。
不味かろうが不便だろうが、ちった我慢せえっての。
その内慣れる。関連記事 : 禁煙宣言 10.4.5
禁煙日記 10.4.13
タバコ中毒の真相 10.4.19
電子タバコ 2 10.4.21
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ジャンル・やかた 71
皆の顔を見てオドオドするアッシュに、老紳士が声を掛けた。
「それで、もう大丈夫なのかね?」
「え? 何がですかー?」
アッシュの間抜けな聞き返しに苦笑する。
「きみの体調がだよ。」
「あっ、ああ、すいませんー。
もう気持ち的には大丈夫ですー。」
「そうかね、それは良かった。」
老紳士はそう答えたが、アッシュの右目が見えなくなっている事と
それがローズの死の真相を知ったことへのショックなのは
メンバーの全員が知っていた。
情報源は、もちろんジジイである。
「えっとー、それでですねー、言いたい事があるんですが
遠慮なく言って良いですかねー?」
ジジイが茶々を入れる。
「あんたが遠慮した事があるかいな?」
「うっせー、ジジイ、黙れー、死ねー!」
アッシュがジジイの耳元で、ドスの利いた小声で言う。
ジジイが指をくわえて気色悪くスネるのを無視して、アッシュが続けた。
「寝込んだのは申し訳なかったし、お見舞いも本当に嬉しかったのですが
皆さんがやるべき事は、他にあったんじゃないか?
と、言いたいのですー。」
「それはどういう意味だね?」
太っちょ紳士がいぶかしげに訊ねる。
「今回の事で皆わかったはずですー。 次の主を用意しとくべきだとー。
皆さんは、その人物を捜すべきだったんですー。」
メンバー全員が考え込んだ。
「確かにそれは正論だが、きみは生きてるわけだし・・・。」
「そのお気持ちは本当に嬉しいんですが、死んでからじゃ遅いんですー。
“次” を用意しとかないと、せっかくの改革が中断してしまいますー。」
「うーん、だが正直言って、きみに匹敵する人材がいないのだよ。」
太っちょ紳士の意見にリオンが賛同した。
「そうでーす、アッシュさん以外におられませーん。」
「おめえはだーっとれー!」
リオンに一喝して、アッシュは言い切った。
「いないなら作れば良いんですー。」
その言葉の意味がわからず、皆は はあ? という顔をした。
「相続戦はもうやらない事にしたでしょー?
だから、子供を連れてきて育てれば良いんですー。」
「「「どっから?」」」
数人が揃って同時に叫んだ。
「某国か某々国あたりからですよー。
そこならラクに子供をさらってこられるでしょー。」
「さらうって・・・。」
「ま、さらうってのは半分冗談ですけど
そこらへんなら子供を買えますよねー。」
半分かい、冗談は! とジジイは突っ込みたかったが
連続の死ね攻撃は老体には堪えるので、大人しく黙っていた。
「しかしそういう子は、国籍とかの面倒があるし・・・。」
メンバーの渋りに、アッシュは自分を指差した。
「「「「「え・・・・・? あっっっ!!!!!!!」」」」」
「き、きみ、国籍はどうなっとるんだね?」
ふっ・・・、とほくそ笑んで、アッシュは平然と答えた。
「パスポートはとっくに失効してるはずですよー。
私、多分、行方不明扱いですー。」
ああああああああああああああ と、全員が頭を抱えた。 リオンを除いて。
リオンは状況がわかっているのか、アッシュの妙な言動にも動じていない。
アッシュは皆 (マイナスひとり) の苦悩を、サラリと流した。
「何を悩む事があるんですー?
不祥事があったら、余計に私のせいにしやすいじゃないですかー。」
また、無謀なプラス思考を・・・と、ジジイは突っ込みたかったが
連続の死ね攻 以下略。
「ふむ・・・、きみの国籍問題は改めて考えるとして
その跡継ぎの子供というのを、どうやって選ぶんだね?」
「ダ○イラマの逆バージョンでいこうと思うんですー。
つまり、私が “導かれて” いくんですー。
今後の主交代はそれで行けば、余計な血も流れないし
子供の内から側にいたら、ラクに主のやり方を学ばせられますよー。」
「なるほど! それは良い方法かも知れない!」
威圧的な紳士が、賛同した。
まったく突飛な事を考えるものだが
だからこそ、あそこまで館を生まれ変わらせられたのかも知れない
他のメンバーもそう思った。
しばしの議論の後、出た結論は賛同だった。
「わかった。 その方法で行こう。」
メンバーの承認を得たアッシュは、早速席を立った。
「では、探しに行きますので
どこの国でも良いですから、その地元に詳しい
知的イケメンガイドをお供にひとりお願いしますー。」
「ち・・・知的イケメンじゃないとダメなのかね?」
「はい。 私の右目も知的イケメンなら見えるかもー? ってね。 あはは」
それ以上にない気まずいギャグである。
アッシュは卑怯者であった。
「ど・・・どんなタイプかね?」
おそるおそる訊くメンバーに、難題をサラリと言い放つアッシュ。
「んー、欧米人だと、私の “知的” 定義からはちと外れるけど
若い頃のジェームス・スペイダーか
少年時のエドワード・ファーロング似で何とぞー。」
「誰ですって?」
「多分ハリウッドの俳優じゃないかね?」
メンバー全員が困り果てたところに、追い討ちを掛ける。
「あっ、そうそうー、私の偽造パスポート、よろしくー。」
「「「偽造かね!」」」
「だって私が今更、日本大使館に行ったらヤバい事になるかもですよー。
それに善は急げと言うし、偽造が手っ取り早いでしょうー。」
“善” かのお、とジジイは突っ込 以下略。
「何もきみが行く必要もないんじゃないのかね?」
無個性紳士が反対した。
「この計画だと、私じゃないと真実味半減でしょーがー。
何せ、逆ダ○イラマですよー?」
「ううむ・・・、しょうがない・・・かなあ?」
無個性紳士は、あっさりと言いくるめられた。
「皆さんの地位と権力なら、ラクショーでしょー?
それに私もここのパスポートがあったら
今後何かの時に助かるかも知れませんしねー。
あっ、もちろん今回の旅の後には
偽造パスポートは長老会に返しますから、悪用の心配はありませんよー。
ガイドも、私の監視役の意味も兼ねて選んでくださいねー。
知・的・イ・ケ・メ・ン をー。」
言いたい放題のあげく、ドアの手前で振り返ってまだ言う。
「それとですねー。」
まだ何かあるんか! と、全員が殺気立った。
「皆さんも跡継ぎはちゃんとしといてくださいねー。
余計なお世話でしょうけど、館の存続に大きく関わってきますからー。」
その言葉にリオンが挙手して叫んだ。
「うちはだいじょぶでーす。
跡を継ぐために、父の仕事には全部参加し始めたんでーす。」
リオンが示す人物を見て、アッシュは驚愕した。
「えっ? このダンディー紳士がおめえの父ちゃんーーー?」
そうでーす、と満面の笑みで答えるリオンの肉付きの良い肩を
ポフンポフンと叩きながら、アッシュが半笑いで言う。
「その気になりゃ、あなたの未来は明るいかも知れないんだよー?」
「はーい? 何でーすかあ???」
リオンは本当にわからないようだったが
その場の彼以外の全員が、アッシュの言葉の意味を理解していた。
続く。
関連記事: ジャンル・やかた 70 10.4.12
ジャンル・やかた 72 10.4.16
ジャンル・やかた 1 09.6.15
そしてみんなの苦難 1 11.5.16 -
禁煙日記
< 1日目 >
今日でタバコの買い置きがなくなる。
何の感慨もなく、普通に消費する。
やめると決めたんだから、未練はない。
最後の1本を吸い終わったら、タバコ関連グッズを全捨てした。
灰皿、ライター、フィルター。
そりゃもう、ちゅうちょなく。
正直、これが出来る自分は冷酷だと思う。
3時間は変化なし。
電子タバコもまあまあだし、楽勝だと思った。
が、その後、怒りっぽくなる。
ネガティブな事ばかり脳裏に浮かび、ひとりでイラ立つ。
まあ、こんぐらいなら耐えられない事もないんで、普通に過ごす。
どうも手持ち無沙汰で間が持たない。
DSも始めてはすぐに止め、を繰り返す。
< 2日目 >
予定より2時間も早く目覚め、眠れない。
これも別に良い事なので、さっさと起きる。
起床1時間後、喉と胸の奥がモヤモヤして、喫煙したくてたまらない。
これは無視すれば良いのだが、2時間後に倦怠感が襲ってくる。
頭の回転がものすごく鈍る。
イライラやソワソワはしない。
私の反応は、とことんダウナー方向のようである。
何もやる気がせず、誰とも話したくない。
引きこもって、ただ転がっていたい。
私の場合は、ニコチンの中毒は軽いはず、と思っていたのだけど
結構な重症かも知れない。
何? この禁断症状!!!
法も犯しとらんのに、こんな目に遭うとは。
ただ、吸いたいなー、を我慢すりゃ良いだけかと思っていたら
身体的に、こんなにも影響が出るんか。
ナメてたぜ・・・。
こんなになるようなものを、国は普通に売ってるんか。
さすがヒロポンを売ってた国だけある。
この時点で、もう電子タバコなど何の効果もない。
幻覚や幻聴がないだけまだマシ、と自分に言い聞かせて耐える。
一日中タバコタバコとそれだけしか頭になく、ほんと情けない・・・。
ここまでシャレにならんドバカだったんか、私は。
ああ・・・、思考がマイナス方面にしか行かない。
すげえ客観的に観察したけど、禁断症状は2日で消えた。
ニコチンの後遺症は、2~3日でなくなると思う。
後は 「吸いたい」「手持ち無沙汰」 という
己の純粋な欲望のみとの戦いになる。
こっからが電子タバコの出番じゃないかな。
私の場合、止めると決めたんで、電子タバコはアテにはしていない。
だから禁煙したい人は、禁断症状を緩和させるために
最初の数日間だけ、ニコチンパッドを使用しても良いと思う。
欲望と禁断症状を混同してたら、いつまでも止められないんで
ニコチンパッド系も、数日で止めるようにな。
私は今回の禁煙で、すんげえ評価が上がったよ。
“信じられない自制心の持ち主” だってさ。
「ああ? タバコの煙がイヤなら、私と会わなきゃ良いじゃん。」
「そこ禁煙? だったら行かない。」
と、はばからずに言っていた私が
30分タバコを吸えないと、イライラしていた私が
いきなり禁煙宣言をして、本当にあっさり止めたから。
しかもグチひとつ言わず。
普段なら賛辞は嬉しいのだが、今は禁煙で心がケバ立っているんで
うるせえ、そんな事より吸いてえんだよ!!!
と、周囲の評判など内心どうでもいい。
すっげえアウトローな気分。
一体いつになったら、吸いたくなくなるのかわからんけど
3ヶ月前に止めてたら、今頃はまだラクだったはず。
それがわかってるから、吸わないだけなんだ。
タバコを止めるコツは、辛さを無視する事。
「それが出来ないんだよ」 だって?
そりゃあ自分を大事にしすぎだぜ。
おめえ、普段から俺が俺が言ってねえか?
大義のために己を滅する、それが日本人だろ。
こういう事を真顔で言える性格だから、タバコが止められるんだろう。
真のコツは、“己のプライドに酔う” 事だな。
まあ、そういうお遊びの心理オプションはおいといて
しない、と決めたら、しない、ただそれだけの単純な話なんだ。
そこに欲望やら感情やらをたくさん持ってくるから、ややこしくなるんだよ。
よく考えてみい、1個だけを我慢すれば良いだけなんだぞ。
「吸いたい」 という欲望、それだけを我慢すれば後は楽勝だ。
物事はシンプルに捉えるべし。
禁煙するヤツ、思考の迷宮に囚われるな。
関連記事 : 禁煙宣言 10.4.5
電子タバコ 10.4.15
タバコ中毒の真相 10.4.19
電子タバコ 2 10.4.21 -
ジャンル・やかた 70
長老会会議に、アッシュが出席した。
「ブッ倒れて寝込んで、申し訳ございませんでしたー。
ちょっとヒス起こしちゃいましたー。
皆様方には、度々のお見舞い、心よりお礼を申し上げますー。
どうもありがとうございますー。」
敬礼をするアッシュに、若い太めのメンバーが嬉しそうに言った。
「おおーう、ニッポンのオジギでーすね?」
「いえ、これはサイケイレイと言いますー。
最高の敬愛を込めてするオジギですー。」
「おおおおおー、ニッポン、美しい文化でーすねえ。」
「・・・? 何かやたらニッポンを褒め上げてるようですがー?」
いぶかしがるアッシュに、ジジイが横から口を挟んだ。
「ああ、こいつはあんたの見舞いに来た時の視察で
あんたのゲームにハマってな。
ヒマさえあれば、あんたの部屋に入り浸ってたんじゃよ。」
「ちょ! 私のゲームを勝手にー? セーブデータはー?」
勢いで立ち上がったアッシュは、リアル目まいを起こした。
「ああっ、無理しないでくださーい。
だいじょぶでーすかあ? こっちはだいじょぶでーす。
私専用のメモリーカード作りまーした。」
アッシュは益々目まいがした。
「あんた専用って、どのハードのメモカをー?」
「ゲームキューブとプレステ2でーす。」
「その2個で3000円ぐらいするんだけどー・・・。」
「おーう、お金の事なら任せてくださーい。」
「私の部屋には、お金を出しても入手困難なものもあるんですよー?」
そう言って、アッシュはハッとした。
「あんた、私の寝室に勝手に入ってたんかいーーーっ!」
「あなたの部屋、素晴らしいでーす。
その価値、私にもよくわかりまーした。
これからもよろしくお願いしまーす。」
「アホかーーーっっっ! バカかーーーっっっ!
乙女の寝室にゃ出入り禁止に決まっとろうがー!」
「おーまいがっ、乙女のくだりは突っ込みませーん。
だからどうか私をゲストさせてくださーい。」
「ああーーーっ、こいつ、イライラするーーーーーーーっ!
何なのー? その喋り方ー。」
「私、ゲームラブになってから、ニッポンラブになりまーした。
今、ニッポン語勉強中でーす。
もちろん主さんもラブでーす。
どうか私を受け入れてくださーい。」
アッシュはジジイの方を向いて、質問した。
「こいつ、まさか下ネタを言ってるわけじゃないですよねー?」
ジジイは ぶはははははは と大笑いした後に答えた。
「その心配は、あんただけにゃないから安心せえ。
こやつは単純にあんたの所有するニッポンの品々に興味があるだけじゃ。」
アッシュは、ムウッとふくれっ面になったが
ピン、と悪巧みが脳裏によぎったらしく、急ににこやかな顔をした。
「えーと、何さんでしたっけー?」
「リオンでーす。」
「リオンー・・・? へえー・・・、“リオン” ねえー。
私の借金を払ってくれたら、私の部屋で自由に遊んで良いですよー。」
その提案にはさすがのリオンも渋った。
3000円どころの騒ぎじゃないからである。
そこにアッシュが背中を目一杯押す。
「あらーーー、残念ですねー。
あなたと同じ名前のキャラが登場するRPGもあるんですよねー。
しかも脇役なのに、そのゲームではそいつが一番人気と言うー。」
「ええっ、そんなゲームがあるんでーすか!
何て言うゲームでーすか?」
「さあー? 教えないー。 へっへっへー
あっ、画像だけ見せてあげるー。」
アッシュは携帯をしばらくいじっていたが、ほら、とリオンに画面を見せた。
「おおっっっ、これはっっっ!
何て素晴らしーいニッポンの黒髪の美しい少年であーる!!!!!」
自分と同じ名のキレイなマンガ絵の少年に、リオンはエキサイトした。
「・・・わかりまーした!
私もニッポンを愛する者として、あなたを助けましょーう。
幸い私は大金持ちで-す。 お金は腐るほど持ってまーす。
多少の施しもだいじょぶでーす。」
その言葉を聞き、アッシュは好感を持った。
「あんた、意外にヤな性格してるんですねー。
好きですよー、そういうヤツー。」
「アリガトゴザイマース。」
このやり取りをアッシュの後ろで聞いていたリリーは
ああ・・・また始末に困るキャラが増えた・・・、と落胆した。
ここまでに掛かった時間が30分強。
他のメンバーはジジイ以外、皆
無言でふたりの掛け合いを聞いているだけだった。
よっしゃあ! これで借金チャラ!
と、拳を握り締めたアッシュが、ふと我に返った。
今は会議の真っ最中なのだ。
つい私事にムキになった自分に、しまった、と後悔したが
何故か皆、微笑ましいとでも言いたげに、ニコニコとしている。
その様子に、アッシュはゾッとしたが
元気になったアッシュの姿を、皆、純粋に喜んでいたのである。
続く。
関連記事: ジャンル・やかた 69 10.4.8
ジャンル・やかた 71 10.4.14
ジャンル・やかた 1 09.6.15 -
ユースキンS
私はナイスバディなので、痩せていても胸はある。
(このナイスバディさ、“バディ” って相棒の事で
本当は “ナイスボディ” と言うべきじゃないか、と思うのだが
今更間違いを認めると、このブログで何十万回も繰り返し繰り返し
書いてきたのを、全部書き直しせにゃならんくなるので
このままナイスバディで通す。)
(でも、本当はどっちが正しいんだ?
知ってるヤツ、教えてください。
途中でまるで何もなかったかのように軌道修正するから。)
好みのファッションの都合上、乳に興味はないのだが
志村けん扮するストッキング乳ババアのようになりたくないので
貧困にあえいでいても、バストクリームだけは塗ってきた。
このバストクリーム、色々使ってきたのだがどれも効果がない。
十二分にナイスバディだから、これ以上ナイスにはなれないんだろう
ぐらいに思っていたんだが、あまりの無意味さに
何かもう全身ニベア1個で良くねえ?
と、思っていた矢先、どっかのサイトで
「ユースキンのハンドクリームが胸に張りが出る」
という、とても怪しい情報を見つけた。
(すまん、そのサイト、どこだか忘れてしもうた)
ニベアとユースキン、どっちも値段的にそう変わりがない。
だったらユースキンにいくべきだよな。
という事で、即刻ユースキンを買いに走ったのだが
ユースキン、いっぱい種類があるんだよ・・・。
その中の一体どれの話だったんだか、思い出せない。
棚の前で、私の生涯で今が1番悩んでいるんじゃないか?
というぐらいに、迷いに迷ったさ。
そんで、お決まりの、もうどれでもいいや、という
ものすげえ面倒くせえ気分になって
理由もなく、ユースキンSというのを買った。
すまん、値段は忘れた・・・。
数ヶ月前に買ったからではない。
昨日買ったとしても、忘れてしまっている自信がある。
これを塗り始めて2ヶ月ぐらい経った時かな。
風呂で体を洗っていて、ふと気付いたんだ。
あれ? 何か乳、デカくなってねえ? と。
天然乳っちゅうのは、歳を取るごとに乳の上の肉がなくなっていく。
それが度を過ぎると、胸の上にあばら骨が浮いて見えるようになるのだ。
私も少しそれになりかけていた。
それが、その部分がふっくらしてきているのだ。
乳用クリームをユースキンに変えた以外に、何もしていない。
体重、体調その他、特に変化は感じられない。
これはどう考えても、ユースキンの効果だよな?
ちなみに、乳マッサージは絶対にしない。
ついうっかり、しこりなんか見つけたら
逆にショック死しそうだからだ。
乳ガンとか、注意せにゃいかんとわかっていても
ほんと恐くて、乳、触りたくねえんだよ。
もちろん他人に触られるのも冗談じゃねえ。
乳を触ってきた痴漢に、「胸にしこりがありますよ」 と
いつ言われるかとヒヤヒヤしているぐらいである。
これは病的な恐怖なので、正論で諭しにこないでもらいたい。
結論として、ユースキン、乳に良いような気がする。
確かに微妙に張りも出てきている。
老化にどこまで対抗できるかはわからんが
正直、今まで使ったどのクリームよりも効果を感じた。
まったく、意外なとこに伏兵っているんだなあ。
壁に耳あり障子に目あり、天井裏には忍者おり。
床下? うちの犬がそこでよく仔犬を産んでたよ。
次は他の種類のユースキンも、乳に塗ったくってみようと思っている。
ユースキンは、私の中では乳専用に認定された!
余談だが、乳を揉むと大きくなる、って言うよな。
これ、ウソだと思う。
だったら何で、痩身エステで “揉み出し” があるんだよ?
乳、脂身だぞ?
腹肉も脂身だぞ?
揉んだら小さくなるんじゃねえの?
これと同様に、ブラジャーの意義、これもウソだと思う。
ブラジャーをしないと乳がタレる、っていうやつ。
私は締め付けるのが嫌いで、ブラはあまりしない。
冬場はコートをダシに、ノーブラでブラブラするし (高度なダジャレだ)
夏場はタンクトップにパッドがついたのを着る事もある。
体のラインがくっきり出る服の時以外は、基本ノーブラである。
もちろん家でもノーブラ。
私にとって、ブラはでっかいニプレスのような存在でしかない。
こういう習慣なので、タレまくるだろうな、と覚悟していた。
案の定タレの兆候は、20代終わりぐらいにきた。
あーらら、と思いつつ、放置した。
性格がザツなゆえ、全体の雰囲気がナイスバディなら
些細な部分にはこだわらないのだ。
だが、そのタレ、何かあまり進行しないんだよ。
態度から言っても、年齢から言っても
もう背中によいしょと回せるぐらいに
ビローンとタレていても良いはずなのに。
すんげえ厳しい目でチェックしたけれど
乳のタレ、そんなに進んでいないんだ。
よって私の結論は、ブラはタレ防止にはならない、だ。
骨格とか体質とかもあるだろうけど、私の場合はそういう経験をしている。
どうも美容に関する事って、ウソが多いような気がする。
“個人差” で済ませられない範囲なんで
ものすげえ “裏” を勘ぐってしまうなあ。
努力するのは良いけど、商売のために騙されるのはイヤだよな。
あれ? と思ったヤツが、問題提起をしていかないと
後世の娘さんたちが、間違った常識に振り回されて
大変な思いをする事もあるだろう。
だから自分の経験は積極的に語っていくべきだと思う。
私はナイスバディだ。 (そっちの経験談かい!!!)関連記事: ユースキンA 10.10.28
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ジャンル・やかた 69
「どこにも異常は見られません。」
「じゃが、確かに右目は見えていないんじゃろ?」
病院長の言葉に、ジジイが確認し直す。
「はい。 おそらく心因によるものかと思われます。」
そこまでなってしまったか・・・。
「わかった。 わしが説明する。」
ジジイは病室に入った。
「異常はどこにも見られないそうじゃぞ。 良かったのお。」
ジジイの、とてつもない簡略な説明に
アッシュが小声ながら、久しぶりにまともに喋った。
「では・・右目が・・・見えないと・・いうのは・・・・・
精神的な・・もの・・・ですか・・?」
「・・・そうじゃな。」
ジジイの苦悩した様子の答に、しばらく考え込んでいた様子のアッシュが
ふふふ と笑った。
その反応を見てジジイは、ああ、ショックでとうとう頭まで・・・
と、絶望的な気分になった。
ところが意に反して、アッシュは息も絶え絶えに言った。
「じゃあ・・・・・私は・・・許さ・・れる・・って・・・
事・・じゃ・・・な・・いです・・・か・・・・・?
目が・・見えなく・・・なる・・・って・・・
片目・・・でも・・大変・・・な・・罰・・・ですよ・・・ね・・?
罰・・・が・・与え・・・られる・・・って事・・・は・・・・
償う・・機会を・・貰・・・った・・・
って・・事・・・・です・・よね・・・?」
ジジイは、その言葉に驚愕した。
こやつは何ちゅうプラス思考なんじゃ!!!
感心して良いのか、呆れるべきなのか、迷っているジジイにアッシュが言う。
「喋・・・る・・のも・・・す・・んげえ・・・
体・・・力・・・・・が・・いり・・ます・・・ね・・・・・。
リ・・ハビ・・リ・・・おお・・ごと・・・かも・・・。」
その言葉に我に返ったジジイが、アッシュに確認した。
「リハビリはここでするかね? 館に帰るかね?」
「こ・・こ・・・どこ・・で・・すかあ・・・?」
「何じゃ、そんな事もわからんかったんか?」
「す・・・い・・ませ・・ん・・・
何・・せ・・トチ・・狂って・・・たん・・で・・・・・。」
「ここは長老会管轄の街の病院じゃ。
警備的には館の方が安全じゃが、どうするかね?」
「こ・・こ・・・に・・・しま・・・す・・・。
住・・・人・・たち・・・に・・・
こんな・・・姿・・・見せ・・られ・・・ない・・です・・・。」
「そうじゃな、じゃあ、そう長老会に報告しとくわい。」
「gome・・atoyoro・・・otsu・・・・・。」
「???」
ジジイにはアッシュの最後の言葉は理解できなかったが
『ごめんね、後の事はよろしくお願いします、お疲れ様ですー。』
という意味の日本語であった。
久しぶりに喋って、気力体力を使い果たしたんで
最後は投げやりになったのだ。
続く。
関連記事: ジャンル・やかた 68 10.4.6
ジャンル・やかた 70 10.4.12
ジャンル・やかた 1 09.6.15 -
NTT光の営業
10.3.19 訪問販売 の記事で、“某企業” と書いた。
私にしては配慮した書き方だったんだけど、実名を出す。
と言うのもな、また来やがったんだ!!!
光の営業ーーーーーーーーーーーー!!!!!!!
そりゃ昼間いないからとか、しょうがないかも知れんが
女性ひとりだと、暗くなってからの予定にないピンポンは
もんのすごーーーーーく恐いんだぞ。
いっつもおそるおそるインターホンに出るんだが
また、「NTTですがお知らせがあるので出てきてください。」 だ。
どういったご用件でしょう? と問うと
「おたくは光に入ってますか?」 なんだよ。
もう、わけがわからんだろ?
どういうお知らせですか? にも、あいまいな事しか言わず
じゃあチラシをポストに入れておいてください、にも
「ポストにですかあーーー?」 だよ、これが大人の対応かよ?
仕事で接してくれる人には丁重に接する、という信念を持っているが
さすがにこいつにはブチ切れたよ。
うちは5年ぐらい前から、フレッツ光を契約している事
それなのに何度も、既に入っている契約を契約しろと言ってきている事
契約時にはマンションタイプには入れなかった事
今改めてマンションタイプに入る場合
現在の契約を解除し、なおかつ工事代2万なんぼを払わされる事
(最初の契約時に、無料で工事をしているので
もう無料工事はしてもらえないそうだ)
それで月々の使用料が500円割り引きになるだけ
長期利用者割り引きが消えるのに、工事代2万なんぼなのに。
だからNTTに電話して、うちはもうマンションタイプには入らないので
無意味な営業に来ないように、という話になっているんですが
と、長々と説明したんだ、インターホン越しに。
それで向こうがどう答えたかと言うとな
「とにかく出てきてください。」
・・・・・・・・・・・・・・・
まさか日本で日本語が通じない、という経験をするとは・・・。
もう、こいつはダメだ、と感じたんで
申し訳ありませんが、お断りさせていただきます どうもお疲れ様です
と言っていたら、どうもお疲れの部分で帰りやがった。
無言で!!!!!!!!!!
足音でわかるんだよ、インターホン越しでも!
何という無礼なヤツなんだ!!!
翌日NTTに電話して説明して、どういう事かと訊いたさ。
そしたらな、NTTには直営の営業店の他
星の数ほど、代理店があるんだと。
直営には苦情は通達できるけど
個人情報保護法があるんで、それ以外の営業店にはできないそうな。
うちにしつこく来ているのは、直営じゃない代理店だろう、って話。
代理店でもNTTの関係じゃないか、と突っ込んだら
直営の営業員の教育は徹底している
(うちに来た) その営業は、営業としてありえない態度だ
そもそも 「NTTです。」 とだけ言うのは禁止している
「NTTテレポケットの○○社です。」 と言わなければならない
それをしなかっただけでも、代理店解除の対象になる。
こう言われた。
だから、NTTの営業が来た時には
「NTTテレポケットのどこの会社ですか?」 と訊け、と。
それをNTTの方に伝えてもらえれば、対処できるという事だ。
些細な事だとは、自分でも思っている。
だけどな、何度も何度も意味のない営業に来られるのは
やられている側としては、ほんとうっとうしいんだよ。
営業としては当然の行為なんだろうけど
こっちが気を遣っているのに、押せ押せで空気を読んでくれず
しつこく粘られ、断ると気を悪くされ
こっちが頼んで来てもらってるわけじゃねえのによ!!!!!
今度から社名を訊くよ、インターホン越しに。
そんで、「うちはNTTさんと直接話をつけていますので。」
で、終わらせる事にする。
えらい弱腰な対応に思われるかも知れんけど
他人の職を脅かすような事はしたくないんだ。
一応はマルチとかじゃなく、普通の業種だからな。
それに正直、逆恨みも恐い。
電話勧誘や訪問販売の対応の失敗での嫌がらせ、ってよく聞くから。
どんなに顔や根性が悪かろうが、とりあえず私はか弱き女性だし
ほんっと、招かざる客ってのは恐く感じるんだ。
チキンな私以外にも、訪問販売に困っている人
NTTの場合は、こういう事情だから参考にしてくれ。
なお、テレポケットについて調べてみたら
“正規代理店” と書いてある。
・・・? 正規なんじゃん???
ここらへんがよくわからないんだけど
“直営” と “正規代理店” の違いとはいっても
NTTが認めているんだから、責任は発生するよな。
個人情報保護法の都合の良い利用にもピクッときたが
こっちの質問にも、微妙にズレた返答をしているし
NTT、単に保身しているだけかも知れん。
ちなみに、ここ1ヶ月で2回留守電に無言の着信があった。
普通なら、こちらから折り返し電話をするけど
0120で始まる番号なんで、絶対に勧誘だと無視してたんだ。
そしたら夕べ電話がきてさ、それがその2回と同一番号でさ
今回は在宅してたんで出たら、「NTTですが」。
また言うたな? NTTです、と。 また言うたな!!!!!
それでも愛想良く、はいはい返事してたら
「今、“フレッツ光” というサービスがございまして」
私はフレッツ光の存在も知らない人認定かよ!!!!!
うちはもう光ですけど、と答えたら
「ああ、そうでしたか、失礼いたしました。」 ガチャ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
NTTは、取引相手の管理も出来ない企業のようだ。
その名の下に、たくさんのドグラ会社が
当たり屋まがいの商法をやっとるっちゅうに。
と言うか、NTT光に入っていない人、勧誘攻撃が大変だろうなあ。
私の場合既に完璧な契約をしてるから、まだマシかも知れん。
と、思わせたいんじゃないだろうか???
私、マジでそう感じたから。
はあ・・・、電電公社で何様対応をやってて
民間に解体されたら、お役所仕事はそのままに押し売り商法かよ?
何故か今ふと、エコってウソじゃねえ? と思ったよ。
ゴミのリサイクルって、結局はムダなんじゃねえの?
いや、NTTとはまったく関係ない話だけどな。
ゴミはゴミのまま葬るのが一番最善だという気がする。
いや、まったく関係ない話をしてすまんけどな。