カテゴリー: 動物

  • 訓練ジジイ情報 1

    今日の記事は、いわば “速報” のようなもので
    たった1度の目撃談なので、ネタがそんなになく
    よって、短い報告になるのをお許しください。
     
    しかもな、この話、実は去年の初秋の話で
    報告するのを、すっかり忘れていた、という裏話付き・・・。
    古い情報で、ほんとすみませんほんとすみません
     
     
    訓練ジジイが訓練しているのを見たのは、何か月ぶりだったであろう?
    全然見ないな、というのは、単に私のタイミングの問題で
    訓練ジジイはずっと訓練をしてたのだと、わかった。
     
    と言うのも、訓練内容が何か色々と変わっていたからである。
    ああ、最初に言っておこう。
     
    決して 進化はしておらん。
     
    むしろ退化してるような気がするんだ。
    訓練ジジイ、恋に狂って壊れてるんじゃなかろか。
     
     
    あっ!!! 訓練ジジイがい・・・る・・・?
    と、えらい尻すぼみな感動になってしまったのは
    訓練ジジイが、いつもの訓練ジジイと違う人に見えたからである。
     
    何だか、若返って余裕すら伺える、遊び心に満ちた訓練風景だったからである。
    最初からこんなヤツだったら、私はここで観察記録の連載をしていない。
     
    ・・・・・いや、私が根本から間違っているのかも。
    今までの記事の内容やコメント欄で
    訓練ジジイ1と2の記述が、あいまいでごっちゃで
    一体どっちがマッチョなのか、混乱しているからである。
     
    現に私が今回目撃した訓練ジジイは、ガッシリ体型。
    このイメージは、訓練ジジイ2のような気がするが
    過去記事内では、訓練ジジイ1の方が年寄りだけど大柄、って書いてるよな。
    だから、これは訓練ジジイ1のはず。
     
     
    ・・・・・・・・・・
    ごめん、正直に言うけど、訓練ジジイ2の存在が怪しくなってきた。
    訓練ジジイ2は、訓練ジジイ1のお肌の調子が良くて
    10歳若く見えたのかも知れない。
     
    でも、女性だったら、それはよくある話だけど
    男性でもあるんかなあ?
    訓練ジジイ2は体つきも縮んでいたけど
    筋肉が引き締まった、とかいう圧縮仕様なんか?
     
     
    ブログで全世界に、訓練ジジイの様子を中継している私が
    己の報道責任について悩んでいたら
    訓練ジジイ、その悩みをも吹き飛ばす訓練を始めた。
     
    まずは、いつもの “取ってこい”。
    これが “いつもの” ではなかった。
    ボールが何たらガムになっていたのだ。
     
    ほら、あの骨の形をした物体で
    私も飼っていたアフガンハウンドにあげたんだけど
    あれ、食い物?
     
    アフガンさ、あれの特大を噛み削って、槍のようにするんだよ。
    別に腹を壊さないんなら食っても良いんだけど
    その後が、床がザラザラのベッタベタになるんで
    こりゃたまらん、と、うちでは封印させてもらったよ。
    長い説明ですまんが、その骨。
     
     
    それを頭上にビシッと掲げるも、ジジイの肘が曲がっておる。
    しかも頭上に掲げているのに、いきなり下手投げ。
    えっらい余裕のある投げ方で、骨はポーンと弧を描いて飛んでいく。
     
    犬は訓練ジジイを見ている。
    訓練ジジイが、「取って来い!」 と叫ぶと
    犬が、「ん?」 という態度を取る。
     
    ん? じゃねえだろ、犬!
    おめえ、明らかに指示待ちしてたよな?
    普通の犬はその状態でGOが出たら、体が反応するんだよっ!
     
    ジジイが骨を指差して、「取って来い」 と言うと
    犬、ようやく骨に向かって、ものすごく遠回りに歩き出す。
     
    うん、歩いている。
    正確に言えば、トットットットッという犬の普通歩き。
    その上、まるで骨と自分の間に落し穴でもあるかのように
    大きく迂回しつつ、途中で訓練ジジイの方を振り向いたりしている。
     
    ・・・・・・熱心に訓練し続けてきて
    最終的に2人とも、より一層ダラけててどうするよ?
    慣れてきて油断してる、ってやつか?
    訓練って、そういう気の緩みを防ぐためのものじゃねえの?
     
     
    何か、こいつらダメだ・・・、と去ろうとしたら
    訓練ジジイが犬に “待て” をかけた。
    そして、犬から5mぐらい離れて
    犬を中心に訓練ジジイがグルリと一周回る。
     
    お、新しい訓練じゃん! と、思わず見入ると
    ジジイ、360度周回したところで、「よし、来い!」。
    犬、ジジイに向かって走る。
     
    ジジイ、犬が目の前に来て立ち止まったら
    片方の膝を出す。
    犬、そこに前足を乗せて立つ。
     
    ??????????????????
     
     
    これ、何の訓練?????
    犬が前足を乗せて立ったら、それで終わりなんだよ。
    この訓練?を、3回繰り返してて
    犬、しまいにゃ飽きて、待つ間、勝手にふせたりしてたし。
     
    ジジイの回転速度、ものすごく遅いんだよ。
    太陽から見た土星レベルで。
    私も見ててしんどかったよ。
    ずっと立ちっぱなしで、腰にくるし。
     
    こんな訓練、見た事がないんだが
    ジジイ、誰かに騙されてるんじゃないだろうか?
     
    あ、でも、あの膝を出すポーズ、フリスビー犬の膝ジャンプ台に似てる。
    ジジイ、フリスビーでもしたいんかな。
    だけどその第一歩が膝乗りから?
    うわあ・・・気が長すぎる・・・。
     
     
    まるで星飛馬の明子ねえちゃんのように、物陰から心配する私に
    花形満はいつやってくるんだろうか?
     
    そうこうしてたら、スポーツカー御曹司ではなく座敷犬老婦人がやってきた。
    ジジイ、いきなり “取って来い” をする。
     
    おめえら、まだまだ新鮮交際なんだな。
    んで、ジジイ、おめえの見せ場はやっぱりそれかい。
    私的には、“ついてこい” の方が格好良いと思うがな。
    犬がちゃんと離れずに横についていたら、だがな。
     
     
    座敷犬、ジジイに向かってキャンキャン吠える。
    そして老婦人を振り切って、ジジイの元に駆け寄って
    ジジイの足にまとわりつく。
     
    老婦人には何様な態度なのに、ジジイの言う事はよく聞き
    ジジイの犬の訓練を横取りして、自分が骨を取りに行ったりする座敷犬。
     
     
    ここで興味深いのが
    ・ ジジイはどっちの犬にも平等に接する。
    ・ 老婦人は自分の犬にしか興味がなさそう。
    ・ 訓練ジジイの犬は、訓練ジジイしか見ない。
    ・ 老婦人の犬も、訓練ジジイしか見ない。
    ・ そして2匹の犬、お互いをガン無視。
     
    この関係、何かものすごいものがねえ?
    特に犬同士。
    相手をまったく無視する、って
    仲が良い悪い以上に、絶望的な間柄に思えるんだが
    この2人と2匹の間で、えらいなドラマが始まってたんか!
     
    ちなみに、ジジイと老婦人の雰囲気は、割にジジイが片思い的に見えるな。
    老婦人、小悪魔。
    ジジイ、やっぱりパシらされてたか・・・。
     
     
    にしても、ジジイは犬にモテモテだとわかって
    とても羨ましくなったよ。
     
    ジジイの冒険のラスボスは、あの老婦人だな。
    彼女はかなりの高LVじゃないと、倒せないとみたね。
    倒してどうする。
     
     
    短い報告でごめんね、と詫びつつ
    どんだけ語るんだ、って話になっちゃったね、えへ。
     
     
    あ、その後メガネっ子ジジイと激太り犬を2回目撃したけど
    犬、ちょっとずつ痩せてきてるんだよ!
     
    痩せるにつれて、快活に戻って来てるんで
    散歩も楽しそうになってきてるみたいだ。
    メガネっ子ジジイ、心を鬼にしてダイエットさせてるんかな。
     
    こっちも陰から (見るだけの) 応援。
    黒い国産高級車4ドアセダンに乗った財閥の次男、まだーーーっ?
     
     
    関連記事: カテゴリー 動物 
     
     

    評価:

    TJMデザイン


    ¥ 818

    コメント:メジャーって結構な必需品だよね。 私も4個持ってるよ。 で、何でこれにしたのかっちゅうと、とても軽いらしい。 持ち歩き用として。 中のテープは一応硬いやつっぽい。 けど、「よく曲がって便利」 なんだと。 よくわからんよな。

  • 訓練ジジイの謎 2

    ここで連載のごとく、報告してきたジジイと犬。
    よそさまの愛犬事情を、何でそこまで観察せにゃならんのか
    と、自分でも思わんでもないけど
    あいつらは、ひと目見たら気になってしょうがなくなるぞ。
    現に、ここでもジジイ’Sの真実を知りたい人、多数だろ?
    何その沈黙。 合 わ せ て く れ よ !!!
     
    と、自分の出歯亀の言い訳はさておき
    あ、私のパソコン、今 “でばがめ” を変換しなかったんで
    世の中はこういう古い言語を絶滅させようとしているんだな?
    と、勘ぐって、あえて出歯亀を掘り下げる。
     
    Q.“出歯亀” とは?
    A.のぞき魔の事です。
     
    えらい身も蓋もない言い方だけど、これが答だろ?
    江戸時代に、よそんちのセックスを覗き見るのが好きな男が
    出っ歯で、名前を亀何とか、と言ったからで
    ・・・ああ、もう、調べてくるわ、しばし待て!
     
     
    ・・・・・・・すんません、何か違ごうとった。
    “出歯亀事件” ちゅう、予想外に深刻な事件が、言葉の由来だった・・・。
     
    明治時代に東京の新大久保あたりで、銭湯帰りの女性が殺害された事件で
    逮捕されたのが、女湯覗きの常習犯の池田亀太郎。
     
    “出歯” は、亀太郎が出っ歯だった、という説と
    でしゃばりの略の “でば” の説があるらしい。
     
    ちなみに、亀太郎冤罪説もあるんで
    “出歯亀” を、とても使いにくい気分になって
    どうしようか、と迷っているわたくし。
    自分で自分の首を絞めてる?
     
    いらん横道で、テンションだだ下がりなんだけど
    もう帰って寝て良い?
     
     
    さて、不確かな事を言うたあげくに帰りたがっている私が
    次にするのは、何と、謝罪!
     
    皆さま、混乱させて申し訳ございませんでした!
     
    1匹の犬の周囲に、3人のジジイがいる、
    これが前提で話を進めてきたわけだが
     
    ああっ、もう皆は謝罪の理由を察しているだろうけど
    ちょっと、ここで寄り道させて。
     
     
    訓練ジジイ’Sの犬と同じ犬種の、若犬をな
    20代のにいちゃんが連れていたんだよ。
    んでな、他の日に同じ犬をな、20代のねえちゃんが連れていたんだ。
     
    ああ、この女性とあの男性は血縁か婚姻関係にあるんだな
    と思うのが、ごく普通の推理じゃん。
    若犬を連れたにいちゃんと、若犬を連れたねえちゃんが
    一緒に歩いているのを見るまでは。
     
    うん、この2人は関係ありだと思っていたのは、さすが推理の女王、私。
    が、まさか同じ若犬が2匹いるとは!!!
    これ、ちょっとしたどんでん返しだよな。
     
     
    にしても、この犬種、うちの地域で流行っているのか???
    ・・・・・・・・・・・・・・
     
    2匹の若犬を見分けられなかった私が
    訓練ジジイ’Sの犬が1匹だと断言するのは、早計ではないか?
    いやしかし、訓練されていたあの犬の行動は
    絶対に同じ犬としか思えない。
     
    何より、4記事にわたって引っ張ってきた訓練ジジイ’Sの話が
    「全部、私の勘違いでしたー」 など
    とんだ風説の流布で、私の沽券に関わらんか?
     
     
    ああ、だけど冷静に考えると・・・
    と、悶々とした日々を送っていたところ
    道路の向こう側にジジイと犬を発見。
     
    それが訓練ジジイである事がわかったのは
    犬が2匹に増えていたからである。
     
    覚えていらっしゃるであろうか
    訓練ジジイ1が、犬ナンパをした老婦人を。
    その老婦人が連れていた犬が、あまり見ない色の小型犬で
    ジジイは、いつもの犬とその犬の2匹を散歩させていたのである。
     
    よし、これでこいつは訓練ジジイ1に決定!
    顔を覚えないと、と鬼神のごとく凝視。 (注: もちろん覚えられなかった)
     
    この2匹散歩は、その後何回か見かけた。
    何歳になっても、女ってのは恐いのお。
    男をすぐパシリ扱いしやがる。
     
    あっつい夏日の散歩を、男に任せて
    自分はエアコンの効いたリビングでティーごっくんか?
    ・・・いやいや、割にご高齢な方たちなので、体調不良かも知れない。
    とにかく、ご健勝をお祈りしておこう。
     
     
    だけどこれでわかったのは
    訓練ジジイ1と老婦人が上手くいってる事だけ。
    肝心の謎については、“私の目利きは鈍い” とだけしか判明していない。
     
    謎は続く・・・、とか思いつつ歩いていたら
    ジジイと犬を発見!
     
    3人目のジジイは、メガネっ子だったので
    これはあの冬の夜に横断歩道で出会った2人だと確信。
    犬を見ると
     
    ・・・・・・・・・ものすごく太っていた・・・・・・・・・・
     
    メガネっ子ジジイ・・・、あの冬から、春が来て夏になるまでの間に
    どんだけ甘やかしていたんだよ?
    いや、「可愛くて怒れない」 と言ってたから
    あの犬が調子こいて、メガネっ子ジジイの食い物を横取りしてたに違いない。
     
    こう思ったのは、太った犬が気持ちまですさんでしまったのか
    えらくふてぶてしい表情になっていたからである。
    深読みしすぎか、メガネっ子ジジイも持て余し気味。
     
    あの冬の夜に見た絆も、感じられなくなっていた。
    メガネっ子ジジイは犬をグイグイ引っ張って、前を歩き
    犬はジジイに逆らうように、寄り道をしダラける。
     
    以前は、道行く人に興味を示していたのに
    今では誰の事も気にせず、地面ばかり嗅ぐ犬。
    だから犬はきちんとしつけをしないと、双方が不幸になるんだよ。
     
     
    これで、犬は少なくとも2匹いた事が証明された。
    訓練ジジイ1の犬は、相変わらず精悍なスタイルだからだ。
    ジジイの訓練が実を結んだのか、暑くても真っ直ぐ前を見て姿勢良く歩き
    時々ジジイを見上げて気にしている。
     
    コントのような訓練風景だったけど
    犬はジジイの心意気を、しかと受け取ったようだ。
    (最近は散歩だけで、訓練をしているところに遭遇していないので
     訓練が続けられているかは、今のところは不明。)
     
     
    犬2匹とジジイ2人が別個に存在しているのは
    確実に確認したので、これは信頼して良い。
     
    さあ、残る謎は、ただひとつ。
    訓練ジジイ2の存在である。
    これには6つの答の候補がある。
     
    1.訓練ジジイ2はたまの訓練代理
    2.訓練ジジイ1と2は同一人物
    3.じゃなく、訓練ジジイ2は存在すらせず私の勘違い
    4.訓練ジジイ2と3匹目の別の犬がペアとして存在する
    5.その他
     
     
    犬が1匹である、という見立てを、若犬も含めて2度も破られたので
    自分の目に、まったく自信がなくなりました。
     
    それどころか、訓練ジジイ2を見たのが何回だったのか
    忘れてしもうとります。
     
    訓練ジジイ1と2の見分けは、ジジイ2がマッチョでちょい若い事。
    だけどジジイ1に恋の花が咲いて、最近ちょっと男らしくなっているので
    この見分けもグラついている真っ最中でございます。
     
    いや、思い出せ、最初の時期のジジイ1を。
    女投げはするわ子供に嫉妬するわ、割にロクでもない性格が際立っていた。
    それに、まだ体付きまでは変わってはいない。
    大丈夫、訓練していたジジイは確かに2人いる!
     
    ・・・はず・・・。(ほんとに自信喪失中)
     
    何話目かで、「犬好き生命を懸ける!」 とか言った気がするんで
    犬好きの称号も剥奪されちゃったし・・・
     
    私と動物の未来は、マジ真っ暗!!!
     
     
    えらい長い事、引っ張っている訓練ジジイシリーズだが
    シリーズにするつもりはないんだけど、謎が解けないと気持ち悪くてなあ。
     
    でも一般市民に世界の真理が解けるとは思えないんで
    私はこのまま気持ち悪い気分を抱えて
    犬とジジイを見かけ続ける、背景の1人でしかないのだろうか・・・。
     
    ああ、何てザコキャラ!
     
     
    関連記事: 狡猾な愛すべき犬というヤツら 11.3.28
          以下 カテゴリー 動物 でシリーズ4話あり
     
     
     

    評価:

    藤原 尚太郎

    主婦の友社


    ¥ 1,575

    (2009-03-27)

    コメント:国内登録151犬種のリストだけじゃなく、飼いやすさランキングや人気順位、性格、運動量、手入れ法などのデータも載っているんだと。 これは実用的な1冊であろうぞ!

  • 犬くんとおねんね

    愛犬家の私が、結婚期間中に
    アフガンハウンドとゴールデンレトリーバーと暮らしていた時の話。
     
    普段、犬たちは犬部屋の中のバリケンネルで寝るのだが
    盆正月等に元夫が懇願した時などだけ
    居間に布団を敷いて、たまに一緒に寝ていたのである。
     
    私はこの行事が大嫌いであった。
    愛犬家の言葉とも思えないであろうが、ただでさえ不眠なのに
    犬と一緒に寝てたら、夜中に起こされてたまらないからである。
     
     
    アフガンは “一番上等なところ” に陣取る。
    それが、アフガンの特性なのだそうだ。
    布団を敷いた場合、それが私の胴体上なのだ。
     
    犬ごときにでも (愛犬家?)、良い評価をされると素直に嬉しいが
    この場合の高評価は、“敷布団” としての評価なので
    「ふざけんな! 向こうに行け!」 と、追い払うのだが (愛犬家?)
    夜中に苦しくて苦しくて目を覚ますと
    ちゃっかり舞い戻り、優雅に人の体の上でお休みになっていらっしゃる。
     
     
    ある時など明け方目を覚ますと、目の前に金髪の後頭部があった。
    「何で隣に外人が!!!!!!!!」 と、激しく動揺し
    恐る恐る覗き込むと、アフガンだった。
     
    こいつは私を叩き落し、自分の頭を私専用の枕に乗せて
    伸び伸びと熟睡なさってたわけだ。
    掛け布団も、どうやったかはわからんがしっかり肩まで掛けていた。
     
    もちろん 「おめえ一体何様だよ!」 と、放り出したが (愛犬家?)
    酒に酔わないせいで経験のなかった、“朝起きて知らない人と寝ていた”
    という過ちをした瞬間の気分が、何となくわかったのは収穫だった。
     
    ↓ この話を裏付ける画像発見 
     
     
     
     
    このようにアフガンは呼ばずとも勝手に布団に来るが
    ゴールデンは 「寝るよー」 と声を掛けても
    遠くに座って、目を細めてウジウジしていて動かない。
     
    ああ、また何か被害者ぶってるよ・・・と、放置して寝ると
    数分後にチャッ・・・チャッ・・・と、音がする。
    ゴールデンがこっちにゆっくり歩いて来る足音である。
     
    布団の上に寝転ぶのかと思いきや、枕元でジーーーッと立っている。
    その鼻息が、ブシューブシューと顔に拭きかかり
    時々鼻水のしぶきまで飛んできて 「もう!」 と、向こうに押しやると
    またそのまま立ちすくんでくれて、ほんと心霊現象のようで恐い。
     
    しょうがないので起きて、「布団の上に寝るんだよ」 と
    体を抱えようとすると、ウ~~~ッとうなって威嚇する。
     
     
    それでも何とか布団の上に押し倒すと
    何をハマり込んどるのか、今度は押し倒された時の姿勢のまま
    仰向けで両手両足4本を天に向かって突き出したまま、固まっている。
     
    もう、こいつが何をしたいのか、まったくわからんので諦めて寝ると
    数分後にいきなり、立とうとジタバタし始め
    手がガスッと当たり、足がポスッとめり込み
    人を散々殴る蹴るしたあげくにやっと立ち上がり、またその場で立ちすくむ。
     
    時々スイッチが入る何かの機械のようで、とても不気味である。
    その間アフガン様も元夫も、我関せず特等席で高貴にご就寝。
     
     
    こんな事を何度か繰り返したが
    ゴールデンの心情がまったく理解できなかったので
    構わずに寝るようにしていた。
     
    そしたらある朝、ビビッビビッという不穏な音で目が覚めた。
    何だろう・・・と寝ぼけつつ体を起こしたら
    なんと、ゴールデンが布団を引き裂いていた!!!!!!!!
     
    時計を見ると朝の5時前。
    自力でどうにかしようと思ったが
    布団は人体解剖のように、中央から縦に切られており
    そこからものすげえ軽ろやかそうな羽毛がワラワラと顔を出している。
    もう、眠気も一瞬で吹き飛んだが、羽毛はもっと吹き飛びそうである。
     
    ヘタに動かしたら、羽毛が部屋中に舞い散って大変な事になる、と瞬時に判断し
    ブーブー言う元夫を叩き起こし、何とか布団を丸ごとゴミ袋に詰め込んだ。
     
    この事件以来、二度と犬とは寝る事はなくなった。
     
     
    破かれて使いものにならなくなった羽毛布団は、元飼い主である私の実家に
    「ゴールデンが羽毛布団をムチャクチャにしてくれた」 と、グチをこぼしたら
    後日、5倍ぐらい良い物がデパートから送られてきた。
    ちょっとゴールデンに感謝した部分があるのも否めない。
     
     
    寝苦しくて目覚めた朝、ふと思い出した昔の話。
     
    私、どんどんババアになるから、昔話を何度も繰り返すようになるからね!
    (何の恫喝やら)
     
     
     

    評価:

    西川産業


    ¥ 39,900

    コメント:破れた5千円のマットレスを買い換えたいんだが、これ良いなあ。 約4万円か・・・。 歳を取ると寝ている時も鈍くなるようで、寝相が悪い私でも、ずっと同じ姿勢で固まって動けなくなったりするんだよー。 寝具、大事だとつくづく思う。 4万か・・・。

  • 訓練ジジイの謎

    関連記事: 狡猾な愛すべき犬というヤツら 11.3.28
          訓練ジジイ 続報 11.4.11
          訓練ジジイ 続々報 11.4.15
     
     
    訓練ジジイが公園から消えた。
    公園は、今はもう子供たちの野球場になってしまい
    (注: 球技が禁止されている公園である)
    心霊写真カップルも、ダンシング男子もいなくなった。
     
    何か、ネタが1個もない公園になってしまった。
    これは私自らが、公園で何かパフォーマンスをしろ
    という啓示なのか?
     
     
    ところが、そんなこんなのある日
    訓練ジジイと道ですれ違った!!!!!
    正確に言えば、2車線道路の向こうとこっちのすれ違い。
     
    だけど、すぐに訓練ジジイとあの犬ペアだとわかった。
    犬でわかった。
    歩いてても、訓練ジジイをパシリにしているんだ。
     
    私がジッと見ていると、犬がその視線に気付き
    こっちに来ようと、訓練ジジイを引っ張った。
     
    だけどその時に車が来て、ちょっと危なかったので
    私はそのまま通り過ぎた。
     
    訓練ジジイは、持っているペットボトルの水で犬のおしっこを流すという
    ものすごいマナーの良さ。
    犬は間近で見ると、毛がピッカピカのツヤツヤで
    あの犬種で、あんなに手入れをされている犬は初めて見たよー。
    ジジイの犬に対する愛が、2車線を挟んだこっちにも伝わってきた。
     
     
    そして訓練ジジイの犬が公園にいた!
    訓練ジジイ復活!
     
    と、一瞬、喜びに満ちあふれかけたけど
    訓練ジジイが、あの訓練ジジイではないのだ。
    あの訓練ジジイより、10歳ぐらい若いオヤジなのだ。
     
    犬は一緒。
    仕草も行動も一緒。
    何故そう言い切れるかと言うと
    訓練内容が、訓練ジジイとまったく同じだからだ。
     
     
    これ、不思議じゃねえ?
    同じ犬を、10歳違う男性が同じ訓練をしている。
    “持ってこい” の腕の上げ方どころか
    “ついてこい” のナメられ方まで、生き写しなのだ。
     
    その歳の差は、親子じゃないだろうし
    友人? 兄弟? 親戚?
     
    にしても、訓練の代理なのに
    その訓練法が、訓練ジジイとまったく一緒。
    そこまで教わって、散歩代理?
    まさか訓練ジジイに何か起こったんか?
     
     
    他人事なのに、むちゃくちゃ心配している私は
    訓練ジジイのとりこなのか?
     
    とか、ハーレクイン妄想をしていたら
    訓練ジジイと犬ズがいた。
     
    朝の7時に駅前ロータリーに。
    通常はその時間に駅には行かないんで、気付かなかったんだな。
    散歩時間帯の変更かー。
     
    ちょい待て、おめえ訓練は午前中にやってたろ?
    んで、この前は16時前に歩いてたろ。
    1日何回散歩してるんだよ???
     
    いや、色々と変更してるのかも知れない。
    とにかく、無事で良かった。
     
     
    で、夜の11時前、23時前ぐらいに
    横断歩道の赤信号で、訓練ジジイと犬と並ぶ。
     
    ところが、どの訓練ジジイでもない!
     
    斜め後ろから、ジーーーッと観察する。
    本来の訓練ジジイは、固太りで大柄な体格である。
    2番目の訓練ジジイは、10歳ぐらい若くてちょっと小柄。
    そしてこの3人目は、ものすごく小柄でしかもメガネっ子。
    3人の中でも、一番年老いて見える。
     
    犬は一緒。
    もう、断言するけど、私の犬好き生命を賭けて良い。
    それぐらい性格が個性的で、仕草にクセがある犬なのだ。
     
     
    1匹の犬に3人の訓練ジジイ・・・。
    もしかして飼い犬じゃなくて、シルバー雇用の散歩業とか?
     
    と、1人と1匹をジロジロと見ていたら
    またしても、犬が私の視線に気付く。
     
     
    この犬、横目でチロチロと私に問いかける。
    おっ、いく? いっちゃう? みたいに。
     
    私を見た途端、嫌わない動物なんて滅多にいないんで
    何かもう、あー、すっげえ触りたい!
    と、痴漢のような気持ちになって
    思わず手が出ちゃったんだよー。(正に痴漢の言い訳)
     
    そしたら、そいつな、いきなりドーン! と頭突きして来たんだよ。
    こここ攻撃? と思ったけど
    私の足にフンフンとまとわりついて来るんだ。
    その勢いに、私もジジイもヨロけた程。
     
     
    私が思わず笑って撫ぜたら、ジジイが喋った。
    「すみませんのお・・・、遊び好きな犬で・・・
     こうやって、すぐ人様に飛び掛るけど
     可愛くて怒れんで・・・。
     甘やかして育ててしまったんですわ・・・。」
    (正しくない関西弁で再現しております。)
     
    そのトツトツとした喋り方に、ちょっと涙が出そうになった。
    ああ・・・、このジジイはこの犬を本当に大事にしてるんだな・・・。
     
     
    「こんなにキレイにお手入れされたこの犬種を初めて見ましたよ。
     大事にしてらっしゃるんですね。」
    そう言うと、訓練ジジイは犬の頭を抱えるように撫ぜた。
     
    信号が青になったので、渡りながら訓練ジジイたちと私は分かれた。
    訓練ジジイは一度も私を見なかった。
    犬しか目に入らないようだ。
    犬はこっちに来たがっていた。
     
     
    さて、これはどういう事だろう?
    1匹の犬に、3人のジジイ。
    犬は絶対に同一犬。
     
    1人目は、1ヶ月ほど毎日公園で訓練。
    その後、2~3回道端で見かける。
     
    2人目は公園で1回限り。
    でも訓練法が、ありえないほど1人目と同じ。
     
    3人目も1回限り。
    でも犬の飼い主としか思えない言動。
     
     
    本来なら、2人目はたまたまピンチヒッターで
    1人目と3人目が同一人物だと思うべきだろうけど
    体格が違い過ぎるんだよ。
     
    てか、そう思いたくない。
    同一人物だったら、訓練ジジイ、病気を患ってる変貌ぶりだし・・・。
     
     
    そして、その後・・・
    20代と思われる男性が、犬を連れていた。
    一瞬だったんで、同じ犬かどうかは断言できない。
    同犬種ではあるけど。
     
    イヤな想像をしてしまうんで、もう一度会いたいよー。
     
     
    て言うか、この話、若者だと恋愛フラグが立つよな・・・。
    ジジイとババアじゃ、寿命の話になるのが切ないーーーっ(泣) 
     
     
    関連記事 : 訓練ジジイの謎 2 12.9.6
     
     

    評価:

    バレリー・オファレル

    ペットライフ社


    ¥ 1,995

    (1993-11)

    コメント:多分これ、私がしつけのために読んだ1冊のような。 だったらこれに、“しつけが入りやすい犬種ランキング” が載ってるかも。 犬を買う前に、ぜひ読んで欲しい。 犬の頭の良し悪し基準は、人間にとって “しつけが入りやすいか” に尽きるんだよな、現実問題。 

  • 光合成をする奥さんを持つ元総理の話ではない。
    鳩だ、ハト、エイチ・エー・ティー・オー・HATO。
    英語か何かで言うところのピジョン。
     
    ルビーでは最高級の色を “ピジョン・ブラッド” と言うのよ
    と、かあちゃんが言っとったが
    私の誕生日にえらいピンクな色のルビーの指輪をくれて
    これは安物のロクでもねえ石だな、と丸わかりで
    しかもその指輪のデザインが、まるで婚約指輪で
    実の母親からこういう指輪を貰うなど
    きっと私は一生、男性から指輪は貰える事はないだろう
    と不吉な予感がして、何とそれが当たっていて
    私はついにノストラダムスを超えた!
    という習慣実話 (いつものいらんカミングアウト) は、関係ない。
     
     
    神社仏閣、公園、観光施設、学校等、場所を問わず
    人が集まるところに、エサ狙い根性丸出しでタカり
    “平和の象徴” と誰が言い出したんか知らんが
    実は肉食でえらい獰猛だ、という噂が出る裏表の激しい鳥
     
    ツインテールが似合ってた幼女な私が
    慈愛の精神でエサを持って行ったら
    ヒッチコックの映画の “鳥” 級の数で襲い掛かり
    まるで全身から鳩が生えた状態になり
    泣きべそをかいてるのに、空気を読めない白人夫婦が
    喜んで写真を撮りまくってくれたお陰で
    世界中の白人が嫌いになる、というトラウマを背負い
    かあちゃんには服を汚した、と怒られる原因になった鳥
    場所は確か浅草寺。
     
    このように、はらわたが煮えくりかえる逸話しか出てこない鳥
    それが鳩。
     
    私は食うのも見るのも全般的に、鳥は嫌いである。
    ハシビロコウだって、モニター越しに眺めるのは楽しいけど
    目の前に現れてみい、死を覚悟する程の恐怖だと思うぞ。
     
     
    うちの近所のマンションには、朝、鳩がタカっている。
    1戸あたり平均3羽ぐらいのランダムさだったが
    鳥嫌いなんで、うわ、ヤだなあ、と思っていた。
     
    それが、うちのマンション前の道路を
    まるでガソリン税を納めているかのように
    デカいツラをして、2羽連れ立って歩いてて
    私 が 避 け た
    のは、地球最強の人類の資格を失ったかも知れんが
    あいつら、自転車2台で並んで走るおばちゃんレベルで
    あんたが避けないとダメ!オーラを出してるんだよ。
     
     
    それが、3月だったか4月だったか雨の日に
    公園 (例の特殊キャラが集う、あの) に集合してたんだよーーー。
    え? 今日、鳩のメーデー? って思うレベルの、尋常じゃない数で。
     
    うちの周辺にこんだけの鳩がいたんか?
    と、それもショックだったけど
    こいつら絶対に、良からぬ話し合いをしてる!
    と、確信する不気味さだったんだ。
    マジであれ、何の集会なわけ?
     
     
    こういう恐怖体験があったので、近所で見かける鳩には
    より一層、警戒心を持って
    簡単に言うと、ビビって逃げていたんだ。
     
    だから、うちのベランダに鳩が2羽とまっていた時には
    鳩側からは、うちの部屋に “ムンクの叫び” が
    飾られているように見えたはず。
     
    そのぐらい、ヒイイイイイイイイイイイイイイッッッ
    と、なったんだよーーーーーーー!!!!!
     
     
    どどどどどうしよう? と、ウロたえまくった結果
    ベランダにCDを吊るしてみた。
     
    数十年生きてきて経験を積んだ色彩兼備あれ?
    何だっけ? 普段言われないから忘れたなあ
    とにかく麗しく気高く天才な熟女の熟慮の結論が、CD吊るしなど
    もうさっさと死んでも、誰にもどこにも1mmも支障なし、だが
    とにかく、それをしたのだ。
     
     
    ・・・CDな、ものすごく効くよ・・・
    更年期で目が光に弱くなったババアに。
     
    私が! 私の目がっっっ!!!
     
    ・・・もうベランダには近寄りたくない・・・。
     
     
    鳩を追っ払わんと、住人を追っ払ってどうすんだよ?
    という事情で、CDはさっさと外したさ。
     
    鳩、あれから目撃はしていないけど
    私の目を盗んで、ちょいちょい来てるかも知れない
    と、被害妄想に陥って、正直家に帰りたくない・・・。
     
     
    私の家族は私を追い出すのは簡単なんだな、と、わかったよ。
    うっとうしくなったら、すぐに追い払えるなんて
    理想的な女なのに、何故にモテないのか
    不思議・・・でも何でもないところがまた、物悲しい・・・。
     
    とにかく私は鳩が嫌いだ。
     
     

    評価:

    サンダース


    ¥ 3,440

    コメント:正直ほしい・・・。 狂おしく欲しい・・・。 だけどこれを使ってる私は、ほぼ100%ヤバい人に見えるだろうから、買・え・な・い・んだよ、ロッケンロー!!!

  • 訓練ジジイ 続々報

    うわあああああああああああああん
    訓練ジジイがいなくなったーーーーーーーーーー!!!
     
     
    変わらない日々が続く、と信じていた時に
    いつも突然、コトは起こるのだ。
     
    訓練ジジイは、公園でショータイムでも開催しとんのか?
    3回に1回は、奇天烈な展開をかましてくれる。
     
    まさか、この訓練ジジイを観察する私を誰かが観察している
    とかいうオチじゃないだろうな?
    とか思っていたのに・・・。
     
     
    もちろんその日も、公園に訓練ジジイの姿があった。
    座敷犬婦人は、その日はおらず
    ジジイはそれでも粛々と訓練を進めていった。
    犬もさっさと1クールこなして帰りたい様子。
    訓練は順調に終盤に差し掛かっていた。
     
    ・・・すいません、ウソです。
    訓練の順番など知らないんで
    いつが始まりでどれで終わりか
    そこまで把握はしておりませんです。
     
    でも、そのときも “取って来い” だったのは
    確実に呪われているのかも知れない。
     
     
    ジジイが2度目の “取って来い” をしようと
    ボールを頭上に掲げた瞬間、そいつらは現れた。
     
    自転車に乗った小学校低学年らしき男の子と女の子。
    ジジイがボールを投げるまん前を横切る。
    そして自転車を止め、ジジイに向かって叫んだ。
     
    男の子が何て言ったのか、わからなかった。
    子供特有の、悲鳴に近いキンキン怒鳴り声だったからである。
    そんな超音波、難聴ババアな私には聞き取れねえよ。
     
     
    とか思ってたら、何とジジイ、子供をガン無視するのである!!!
    と言うか、何のプログラムが施されているんか知らんが
    一度始めた動作は、途中解除できないようで
    ボールを投げよう投げようとしているのである。
     
    子供はそういうジジイの葛藤を読まず
    犬に おいで と声を掛ける。
     
    ・・・・・・犬、子供の方に行く・・・・・・・・
     
     
    いやあ、あの犬があんなに嬉しそうなとこは初めて見たよ。
    尻ごと、尻尾をブリブリ振って
    躍動的にピョンピョン飛び跳ねて
    とても楽しそうに子供たちと戯れる。
     
    その姿は、いつも留守番ばかりさせられていた子供が
    ずっとお祖母ちゃんちに住むの? パパは?
    え? お外で遊んできて良いの? みたいな
    ああ、私、走れるわ! 手術が成功したのね、みたいな
    記憶喪失が戻って、きみと砂浜をあははうふふ みたいな。
     
    何かもう、あれこれと溜まってたんかな、みたいな
    そういう “魂の解放” を見た気分。
     
     
    あらら・・・、と、飼い主・ジジイの心中をおもんばかっていたら
    ジジイ、激しく動揺するそぶりを見せた後
    事もあろうに、ポケットからジャーキーを取り出して
    犬を釣ったのである。
     
    ご主人様の威光、台無し!!!
     
    そして再び、ボールを頭上に掲げる。
    この融通の利かなさが、“頭が固くなった” という事か・・・。
     
     
    ジジイ、子供をガン無視して、ボールを投げる。
    「取ってこい! 取ってこい!」 と、二度叫ぶ。
    確かにジジイにとっては大事な事であろう。
     
    犬、ジジイの収まりのつかなさを察したのか
    ボールを取りに行く。
     
    ボールをくわえて、戻ってくる。
    これまた見た事もないような、スピード感あふれる疾走で
     
    ・・・・・・・・子供たちの方へ・・・・・・・・・・・
     
     
    この犬は、子供好きなんだろうな。
    そう言えば、ジジイがハッスルして気を引こうとしていた
    老婦人と座敷犬には見向きもしなかった。
    飼い主と、付き合いたいヤツの好みがズレると辛いだろうな。
     
    世代間の友情の違いについて、ちょっと考えさせられていたら
    何とジジイ、訓練を中断して帰り始めた。
     
    何て大人げない!!!
     
    子供たちが、犬に叫ぶ。
    「バイバイーーー」「またねーーーーー」
    犬、名残惜しそうに振り向く。
     
     
    それ以来、ジジイを見かけていない。
    たまたまかも知れんが、あのジジイ
    まさか、スネてやしないだろうな。
     
    それとも、公園に行ってまたあのガキらに
    犬をとられるのがイヤ、と怯えているとか?
     
     
    訓練ジジイの続々々報はもう書けそうにないかも知れない。
     
    ・・・てか、訓練ジジイが立ち直って公園復帰しても
    さすがにもう、ネタはないと思うが
    そこがわからないところが、この世の面白さであろう。
     
    とりあえず、ネタになどならなくて良いから
    訓練ジジイ、早くその傷を乗り越えてくれ!
     
     
    と願っていたら、意外な伏兵が!
    物もよく見えない時間帯の薄暗い公園を、たまたま通ったら
     
    ひとり体操着で踊る男子 が現れとる!
     
    音楽が聴こえないんで、何をしとるかわからんけど
    上半身が伴わないマイケル・ジャクソン みたいなダンス?
     
    おめえはきっとイヤホンか何かをしとるだろうが
    こっちには何も聴こえないんで
    最初に視界に入った時には、地団駄を踏みまくるヤツに見えて
    かなりビビらされたぞ。(発展途上な踊りなんで余計に)
     
     
    次の主役はおめえかも知れない・・・
     
    と、心の中でつぶやいてはみたが
    夜の公園近所は痴漢あかん、だし
    そもそも、こういうヤツばかりが発生する公園の近所に住むのは
    結構な自殺行為じゃないか? という迷いが生じているので
    この男子のレポは厳しい。
     
     
    皆、すまん、新しいスター誕生かと期待させかけたが
    こいつは多分、一発屋だ。
     
     
    関連記事: 狡猾な愛すべき犬というヤツら 11.3.28
          訓練ジジイ 続報 11.4.11
          訓練ジジイの謎 11.12.12 

           
           

    評価:

    ドギーマン


    ¥ 630

    コメント:これを吹くとな、本当に犬がパッと顔を上げるんだよ。 犬に相手にされない私はドライブ中に吹いて回っとった。 犬、案外、犯人を特定できずキョロキョロするのみ。 それを見て車の中でニヤニヤするのは、とんだハーメルンの笛吹き状態。

  • 訓練ジジイ 続報

    この記事は、狡猾な愛すべき犬というヤツら 11.3.28
    の主役のジジイのその後の話である。
     
    まさか続編を書く事になるとは思わなかったが
    とある状況に陥ったんで、2話連続放送でいくぞ。
    あ、続々編は明後日な。
     
     
    陽気が穏やかになったせいか、ジジイをよく見かけるようになった。
    いつ見ても公園にいるので
    もしかしたら家庭に居場所がないんじゃないか?
    という、いらん心配までしてしまう程に。
     
    春になると、外に這い出てくるのはジジイだけではない。
    ゆかいな仲間たちも、公園に集うようになる。
    公園はもう、あの孤独なサッカー少年だけの場ではない。
    (ちなみにこのサッカー少年、人が少ない時を狙って来るようだ。
     関連記事 : 2011年 明け 2011.1.4 )
     
    最近この公園が、ネタの宝庫である事に気付いたので
    我がのブログのためだけに、他人の荒探しをしている私としては
    鵜の目鷹の目で公園を注視している真っ最中である。
     
     
    ある日、ジジイがいつものように犬を訓練していた。
    犬はどんどん成長し、グレかけてる年頃なのか
    ジジイのお守りに嫌気が差しているようである。
     
    と言うのも、ダラダラし過ぎているのである。
    若犬には、ジジイのモタつきはイライラするであろう。
    ババアである私ですら、イライラさせられるから。
     
    もう、ジジイ、尺取虫レベルでスローモーなのだ。
    そのくせ、いきなり妙な指示を出す。
     
    犬、それに慣れきっているのか
    ジジイの進路変更には、何ひとつ動じず
    かと言って、言う事も聞かず、自分ルールを決行。
    また、その犬の決めたルールの方が
    正しい訓練法だったりするので
    実は犬が訓練士だったんか! という疑惑も浮上中である。
     
    そんで、それで褒めてジャーキーをあげるジジイは
    犬によく訓練されたジジイになってきているようである。
     
     
    て言うか、冒頭に書いただろ、“いつ見てもいる” って。
    犬という生き物は、外が好きだが
    さすがに、そんな根無し草のような生活がイヤなのかも知れない。
     
    「まだ、やりますのん?」 というセリフが聞こえてきそうな
    はあ、やれやれ、といった態度なのだ。
     
     
    “お守り” というのは、そういうもんだよ
    暑くなったら、また家にこもるだろ、それまで耐えれ
    と私がまったくの他人事で、目で犬を励ましていたところ
    座敷犬を抱いた初老の女性がおもむろに登場。
     
    ジジイ、老婦人の方を急に意識し始める。
    そして、おもむろに “とってこい” 訓練用の
    ボールを頭上に掲げる。 やたらピシッと!
     
    「え? 次その訓練じゃないでっしゃろ?」
    と、犬が動揺する。
    「え? “取ってこい” が見せ場だと思ってるんか?」
    と、私も動揺する。
     
    どっちかっちゅうと、犬を真横につけて歩き回るやつの方が
    おお、凄い! となると思うんだが
    あ、そうか、おめえらのその訓練は
    ジジイが先に歩いて、犬は後ろで自由行動で
    ジジイが振り向く瞬間に、キメれば良いだけの
    “ダルマさんが転んだ” もどきだもんな。
    ・・・ん? と言う事は、ジジイは犬のサボりを知ってるんか?
     
    どうもいまひとつ、この訓練の目的自体がわからんくなったが
    とりあえずジジイは、老婦人にちょっとイイとこを見せたいらしい。
     
     
    ジジイの成功を祈りつつ、私も物陰から応援する。
    まるでジジイの後ろに、見えない鼓笛隊がいて
    ドロロロロロロロロロ・・・・
    と、ドラムの音が聴こえてきそうな緊張感である。
     
    ・・・いや、そういう緊迫をしているのは
    ここら一帯半径100mでも、ジジイと私ぐらいのもので
    犬は 「まだ投げないの? タメ、長すぎちゃいますかー?」 だし
    老婦人は、自分の抱いてる座敷犬に何かを話しかけ
    座敷犬は老婦人無視で、道路を通る車に吠えている。
     
    ・・・飼い犬にナメられてる飼い主、多過ぎるぞ!
     
     
    ジジイ、真上に上げた腕が戻らなくなったんか?
    と不安になり始めたその時、緊張のせいか
    いつも以上に女投げでボールを放り
    「よし、取ってこい!」 と、無意味に大声になり
    犬が はいはい と、ダラダラ走って
    ボールをくわえてジグザグに小走りで戻ってきた瞬間
    ジジイはチラッと老婦人の方を見たら
    老婦人はベンチに よっこらしょ と座りかけていた。
     
    正直、周囲を見回して探しそうになったよ。
    何? これ、どっきりカメラじゃねえの?
    どこ? どこにカメラがあるの?
     
    だって、こんなベッタベタな定番コント
    思っても普通しないだろ。
     
     
    もちろん、この出来事は偶然の産物で
    その後、私がちょっと数日間、目を放している隙に
    ジジイは犬ナンパに成功して
    件の座敷犬婦人と、ぎこちなく会話をするまでに発展していた。
     
    私が次にこのふたりを見かけた時にも
    ジジイは “取ってこい” を披露していて
    座敷犬婦人に 「凄いわねえ」 と褒められて、誇らしげだった。
     
     
    関連記事: 訓練ジジイ 続々報 11.4.15
          
    訓練ジジイの謎 11.12.12
     
     

    評価:

    GENDAI(ゲンダイ)


    ¥ 1,050

    (2005-05-30)

    コメント:この手の商品は動物を締め出すが、使った人間も締め出される諸刃の剣! 犬猫は柑橘系が嫌いだけど、私も嫌いなんだよ。 そういう人は、ああ、使わなきゃ良かったよ、いつまで匂いが持続するんだよ、家に帰りたくねえよ、となる危険性大。 庭にでも撒け。

  • 血統書

    おとといの犬の話 狡猾な愛すべき犬というヤツら 11.3.28
    を書いたついでに思い出した知識、
    犬を買うと付いてくる血統書ネタを披露しよう。
     
     
    “血統書”
    普通の家庭で飼うなら、これほどいらないものはない、と思う。
    ただ自分ちの犬の親の名前などやっぱり見てみたい、それだけ。
     
    犬はすんげえ長い名前を持っている。
    これはブリーダーが自由に付けられるらしいんだが
    各ブリーダーの個性が出てて、それを見るだけでも面白い。
     
     
    飼ってたアフガンハウンドの正式名は、和訳すると
    「アフガニスタン上空にある幻の都の騎士」 みたいな名前で
    この粗暴な犬に、えらくメルヘンで思わず笑ってしまった。
     
    ゴールデン・レトリーバーに至っては
    「緑ヶ丘の地獄の一丁目」 だ。
    一体何の呪いが掛かっているのか、あんまりな命名である。
     
    名は英語偏差値が40台の私の訳なので、真に受けないでもらいたいが
    とにかく、犬の正式名は長ったらしい。
     
     
    血統書には、(記憶が薄れているが)
    確か、3代前ぐらいまでの親兄弟の名が書かれている。
    これも怪しい記憶だが、裏面には親族の受賞歴も書いてある。
     
    血統書にお金を取る販売者もいるけど
    こんだけ細々書かにゃならん上に
    手続きは多分、犬寝るクラブから用紙購入や承認を貰うだろうから
    金のいっちょも取りたくなる面倒くささだろうな、とも思う。
     
     
    しかし犬の血統書ほど、質実共にアテにならないものもない。
    まず、偽造が簡単。
    この詳しい方法は、正直に言うがきれいさっぱり忘れた。
    いや、ところどころ覚えているけど
    あまりにあいまいな事を書くと、関係者方面に迷惑が掛かるので自粛。
     
    次に、親族の受賞歴。
    うちのアフガンの親族は、受賞歴がてんこ盛りで
    パッと見、えれえなエリート血族のように思えるけど
    犬のショーなど、毎日どこかで行われているわけで
    どんなにショボいショーでも1度受賞したら、血統書に書けるのである。
     
    よーーーくよーーーく確認して
    有名な大きな大会で何度も受賞している親族がいたら
    ・・・その親族が凄い、ってだけである。
    自分ちの犬、まるで関係なし。 とほほ
     
    最後に、チャンピオン同士を掛け合わせて産まれた子犬は
    単純に 「血統が良い」 という事が言えるのだが
    その才能を受け継ぐ (優れた素質がある) のは
    数匹産まれる子犬の中でも、1匹いれば良い方らしい。
    ブリーダー曰く、大抵の子犬は結構な台無しっぽい。
     
     
    ちなみに、うちの場合は、ゴールデンより
    あのヘル・ドッグ、アフガンの方が血筋が良かった。
     
    あんな美しい犬、アフガンハウンドを飼う人は
    そりゃショーのいっちょにも出したいだろうから
    この血統書の親族の受賞歴の数々も、不思議はない事だが
    それにしても、うちのアフガンは外れ中の大外れだったんだな・・・
    と、とても虚しくもなるわけさ。
     
     
    でも犬を、“商業的価値” で見ると
    優秀な遺伝子を持ち、訓練士やハンドラーに鍛えられて
    名のあるショーでチャンピオンになるのが、頂点なのだ。
     
    ドッグショーは、犬種の型の維持には欠かせないもので
    サカリのままにやりたい放題な動物を
    ここまできっちり、型の維持が出来ているのは
    ひとえにドッグショーのお陰だと思う。
     
    利益や名誉が絡まんと、多くの人が必死にはならんのだから
    犬の世界は良い方法を見つけたものだ、と思う。
     
    な? 血統書、一般家庭ではいらんだろ?
    あれは保証書みたいなもんで、真に効力を発揮するのは
    ショー用ドッグの種付けや、仔犬の売買の価格設定の時なのである。
    でも、見てると楽しいのは確か。
     
     
    ちなみに、犬の外見の基準を設定している “スタンダード” だが
    誰が決めたんかは知らない。
     
    定義をしているのは、えーとインターナショナルドッグ何たら?
    とにかく世界基準なわけだが
    俺様主義のルール押し付けで、勝手な事をする国もある。
     
    そういう国と言われて思い出すのは、真っ先に某米国だが
    大正解!
     
    その国で言われている秋田犬は、秋田犬ではない。
    写真を見てみい、全然違うぞ。
     
    某米人、何を騙されとんのんじゃ、と思ったが
    歴史を調べてみると、闘犬目的での調子こいた繁殖によって
    古来種が崩れた頃の秋田犬を、自国に持ち帰って広めたらしい。
    時期が悪かったんだな。
     
    だけどこの国、何でも “米ン” と付ければ許されるとばかりに
    他の犬種でもこういう事をやってるんで
    純血種の保存、という点では擁護はしたくない。
     
     
    秋田犬の保存会の人が怒っている、というニュースを聞いたので
    ハリウッド版ハチ公が、どんな犬を使うのか心配していたけど
    無事に秋田犬を使ってたようで、安心したよ。
     
    “HACHI 約束の犬” は
    しっかり保存版に録画してるけど、まだ観ていない。
     
    だって、あんな切ない話はねえぞ!
    “ハチ公物語” だって、永久保存版にしてるけど
    画面が映った途端、号泣だよー。
     
    私、血も涙もない鬼畜だけど、犬の話は弱いんだ。
    うっ・・・、思い出しただけで泣けてきた。
    やべえ、もうこの話、終わり。
     
     
     携帯用→
     
     携帯用→

  • 狡猾な愛すべき犬というヤツら

    近所の公園に時々、犬を訓練するジジイが出没するようになった。
    犬種はあえて伏せよう。
    こんな訓練をするジジイなど、関西でも6人ぐらいしかいないだろうから
    「わしの事か?」 と気付かれたくない。
    ついでにジジイじゃなくて、ババアかも知れんぞ
    とか、ブラフをかけて目くらましもしとこう。
     
     
    ジジイの訓練は、実にわかりにくい。
    “お座り” をかけて、“待て” をかける。
    そしてヨタヨタとある程度離れた位置まで、ジジイが移動するのを
    犬も見ている私も、ジリジリしながら待つのも構わん。
     
    だが、“よし、来い!” で、一気に駆け出す犬に
    いきなり “お座り” をかけるのは、いかがなものか。
    ジジイ・・・、そこは “止まれ” の後に “お座り” だろうー。
     
    ジジイが 「お座り! お座り!」 と叫ぶのに
    犬、むっちゃくちゃ、ひるみながらも
    ノンストップでジジイの元に走り寄る。
     
    そこでジジイ、何と 「よしよし」 と犬を褒めるんだよ。
    こらっ! 言われた事をしてないのに褒めたらいかん!
     
    しかも、犬をしきりに犬を撫で回した後に
    ズボンのポケットから、ビーフジャーキーを出して与えている。
    こら!!!!!!!!!!!
     
     
    私は、犬の訓練に食い物のご褒美をやらない主義である。
    何故ならば、カロリーの差し引きが難しくなる。
    “訓練太り” など、シャレにならん。
     
    そして、犬が私の命令を聞くのは
    “ご褒美のためではなく、この人がご主人様だから”
    という意識を持ってもらうためである。
     
    ご主人様の言う事は、いついかなる時でも絶対。
    納得しようがしまいが、命令が下ったら聞くのみ。
    ご主人様は、何かあったら守ってくれるから。
     
    という中世ヨーロッパの地主のような心構えで
    私は犬に接さざるを得なかった。
    あの、地獄の噛み犬、アフガンドハウンドに。
     
     
    アフガンハウンドの支配者になってわかったのだが
    バカだバカだと思っていた犬が、こんなに頭が良いとは!
     
    私の “目を盗む” という事を、きっちりしやがる。
    私がいない時に、陰でコソコソ悪さをする。
    バレそうだと判断したら、気付かれる前に逃げる。
    正直、高校時代の私レベルの知能があると思う。
     
     
    ・・・何か、えらい情けない事を言うとるが
    私は天才だけど、苦手なジャンルもあってな
    特に、心理戦とか戦略系は不得手とするところなんで
    アフガンハウンドと将棋とかしたら、絶対に負けると思う。
     
    それどころか、身体能力、知能、美貌、とあらゆる総合能力で
    ものすごく差をつけられて負けてる気がする。
    そんぐらい、あのプロブレム・ドッグ
    アフガンハウンドですら、凄いんだよー。
     
     
    そこで私は、私が無能である事をアフガンハウンドに悟られないように
    暴君として君臨する事にした。
     
    私は、これをするな、と言ってるよな?
    したいなら、していいぞ
    ただし私の見ていないところでな。
    バレたら、えらいなヒドい目に遭わせるぞ。
     
    何で、したらいけない かっちゅうと
    何 か イ ヤ !  ただ、それだけだよ!
     
    私が決める事を、徹底して守らせる事は不可能だと悟ったので
    “これはご主人様が嫌がってるから
     表立って、してはいけない”
    という雰囲気に持って行ったのである。
    正義感とかルールとか、そういう真っ直ぐな心を排除して。
     
    そしてこのやり方は、悪魔の犬アフガンハウンドには
    理解しやすかったようで
    私の目を盗んで、散々悪さをしていたけど
    私の目の前では大人しくしていて
    かろうじて私の威厳は保たれたのであった。
     
     
    こんな、あなどれない犬という生き物を相手に
    このジジイは大丈夫かいな
    犬の訓練の前に、私がおめえを訓練しちゃりてえよ!
     
    ジジイと犬の攻防を見かける度に
    そうイライラしながらも、通り過ぎてたわけだが
    昨日、久しぶりにジジイと犬に遭遇。
     
    ジジイは犬を真横に付けて、歩き回る訓練に移っていた。
    おお! えらい訓練も進んだな、とか思ったら
    ジジイ、リードを放して歩いてるんだよ。
    まだそこまで統制が取れてないのに。
     
    案の定、犬、ジジイが歩いている後ろで
    耳を掻いたりして、ジジイが振り向く寸前で
    言う事を聞いているフリをするんだよ。
    犬、ほんと頭が良い・・・。
     
     
    て言うか、この犬はもう
    ジジイのすべての行動パターンを見切っていて
    ジジイが見ていないところでは、大あくびをしたり
    思いっきり気を抜いているのだ。
     
    「ジジイ、後ろ後ろーーー!」 と
    思わず、その “コント” に参加したくなるぐらいな
    鮮やかな、犬の豹変ぶり。
     
    これは、ジジイが犬を訓練しているのではなく
    犬がジジイの介護をしている、と言っても過言ではない。
     
    犬、相変わらずさすがだな!
     
     
    ヘルドッグ・アフガンハウンドとの暮らしは
    まったく楽しくなく、ほぼ全面的に苦痛の日々だった。
     
    ただ、チャランポランだと思っていた自分が
    意外にも、ブレない信念を持っている事を知った。
    意思の強さがある事にも気付いた。
    あの大変な日々は、逆に有意義だったわけだ。
     
    だから私は、ジジイを温かく見守る。
    どんなに犬にナメられようが
    ジジイは犬から得るものが、沢山あるだろう。
     
    そして、あんな大笑いな劇を展開しとるジジイと犬との間には
    確かな “愛” が見てとれるんだ。
     
     
    私は今後もし犬を飼っても、もう “家族” にはなれない。
    犬に対して、君臨するのみしか出来ない。
    本当の “主人” が出来た時の
    あの狂暴なアフガンハウンドの安定ぶりを見たから。
     
    犬は犬として扱うのが、犬にとっては幸せな事で
    そのためには人間は、犬のご主人様になる必要があるのである。
     
    それを知ってしまった私には、あのジジイがかなり羨ましい。
     
     
    「よお、犬、ジジイをしっかりお守りしとるかー?」
    と目で話し掛けるも、犬の瞳にはジジイしか映っていない。
    私はひとり、家に帰る。
     
     
    関連記事 : 訓練ジジイ 続報 11.4.11
           訓練ジジイ 続々報 11.4.15
          
    訓練ジジイの謎 11.12.12
     
     

  • 犬のスタンダード

    犬には、各犬種ごとに細かい規定が定められている。
    これを “スタンダード” と言う。

    たとえば、前歯の噛み合わせだけでも
    シザーズバイト、レベルバイト、オーバーショット、アンダーショット
    と、犬種によってスタンダードが分かれているのである。

    ちなみに、各用語を簡単に言うと
    シザーズバイトとは、上下がちょっと当たる程度の噛み合わせ
    レベルバイトは、上下がぴっちりと当たる噛み合わせ
    オーバーショットは、上の歯が下の歯にかぶさる噛み合わせ
    アンダーショットは、下の歯が上の歯にかぶさる噛み合わせ

    だと記憶しているけど、間違ってるかも知れない。
    アンダーショットで有名なのは、パグやブルドックの口元。

    たかが歯ぁごときでも、これだけの事を求められるので
    他の項目がどれだけうるさい事を定めているかは、容易に想像付くだろう。

    頭、首、胴、前足、後ろ足、尻尾、毛、と
    各パーツごとに、何個も設定があるだけじゃなく
    表情や態度、歩幅に歩く姿、走る姿まで
    「~ が望ましい」「~ が理想的」 と、柔らかい表現を使いつつも
    ムダに厳しい中学校並みの規則を、ガンガン上げ連ねている。

    何故こんな事を決めているのかっちゅうと
    犬の種の完璧な保存を目指しているからである。

    過去から現代に至るまでに、どれだけ多くの人々が
    苦労して犬種の保存に奮闘してきたか
    それはひとえに、犬は放っとくと異種混合をやっちゃうからである。

    大昔の小さな島や、隔離された王宮、人里離れた山奥で
    それぞれの特徴的な進化を遂げてきた犬種も
    交通が発達して人の行き来も容易になったら
    意識して守らなければ、犬種の維持が難しくなってしまうのだ。

    犬は太古から、人間のお供であり家族であり友人であった。
    人間が動くと犬も一緒に動くのである。
    人間の都合であちこちに移動していくのだから
    犬の種類は、人間が守らなければならない。

    これは決して、雑種の否定ではない。
    今は雑種を “ミックス” と言っているようだが
    どう英語に言い換えても、意味は同じ。
    逆に何を差別しとんのかいな、と思ってしまう。
    雑種は雑種でメリットはあるのに。

    ただ私の意見としては、雑種は飼い主のだらしなさの表れである。
    犬は人間に管理されるべき動物である。
    野生に生きるには、人間との歴史が長すぎて無理。
    それでいて、“群れ” の意識は残っているので
    人間が長として、犬の自由も不自由もコントロールしてあげねばならない。
    人間と共に生きる独特の動物なので
    “普通” の獣と同じように考える方が、犬にとっては酷なのだ。

    自分が管理すべき、その犬の交配を適当に捉えているから
    雑種が生まれてくるハメになるのだ。
    交尾や出産は、人間にとっても一大事なのに
    そんな大事な事を、飼う時に考慮しない飼い主に犬を飼う資格はない。

    厳正なスタンダードの保持は、プロに任せれば良いけれど
    何故出産させたいのか、同じ気持ちの同犬種の飼い主はいるのか
    出産の用意は大丈夫か、手順はわかっているのか
    5~6匹は産まれる子犬を、自分で飼うのか貰い手はあるのか
    数々の問題を考えていく責任がある。

    これをすべて放棄したのが、雑種の誕生である。
    もちろん計算ずくでのあえての雑種の場合は、これには該当しない。
    中には山に捨てて、などで産まれた雑種もいるので
    雑種に罪はなくとも、人間側に罪があるのは明白である。

    ちなみに雑種のメリットというのは
    純血種の良いとこ取りをしたら
    丈夫で頭の良い犬になる可能性が高い事である。

    純血種には、姿形を優先して遺伝させようとした結果
    種の固有の持病や弱い部分も引き継いでしまった、という欠点がある。
    後ろ足が弱い、などという軽微 (とも言えないが) のものだけじゃなく
    ヘルニアだの血友病だの白内障だの、シャレにならん病気もあって
    飼い主はこれに怯え、苦心する事が多い。

    私も “大型犬” という、外せない条件がないなら
    保健所で犬を貰ってくる事を選ぶのだけど
    とにかく、とにかく大きい犬が好きなので
    サイズが保証されている純血種を選ぶしかなかった。

    もし、また犬を飼える環境になれたら
    次は保健所に行って、大型の成犬を貰ってこようと思っている。
    子犬は小さいんで、それほど興味はないのである。
    そのぐらい徹底して、大きい犬が好きなんだ。

    成犬から飼うなど、大変だとは思うが
    過去に飼ったアフガンハウンドやゴールデンレトリーバーで
    犬の善意には期待しない飼い主観を養ったし
    (特にアフガンとの摩擦で、暴犬への耐性も培われた)
    辛い生き方をさせてしまったゴールデンへの後悔を
    寂しい想いをしている犬を可愛がって、贖罪したい
    という都合のいい思惑もある。

    とにかく、犬は人間が守るべき存在なのである。
    純血種も雑種も、人間に対する想いは一緒なのだから。
    ただ、それぞれの飼い方、守るべき決まりがある、と言いたいだけである。

    なお、この記事は十数年前の古い知識で
    今はまた内容が変わっているかも知れない事をご了承ください。