「引越したい」 と、時々思う。
たとえば、コーヒー牛乳をドバーッとこぼした時
外から 「おかあさん助けて!」 と、子供の叫び声が聞こえてきた時
住人の車が、有鉛でも使ってるんじゃねえの? というほど
くっせー排気ガスを出している時
必ず夜の12時過ぎに、どっかの部屋から中華料理の匂いがする時
中でも、ここ最近の一番のストレスは
一生懸命にドア掃除をしたら、そのドアが開閉の度に
「メェェェェ」 と、ヤギの泣き声のような音を出し始めた事。
いや、ヤギじゃなくヒツジか? とか悩んでいたが
よく考えると、問題はそこではない。
「キィィィ」 とか 「ギィィィ」 ならわかるが
何で 「メェェェ」 なんだよ?
こんなドアの音は聞いた事がねえ。 何かの霊障かよ?
ほんと、イライラするーーーーーーっ!
私は人生において、結構引越しをしている。
引越しが決まった時に、改めて押し入れとかをチェックするんだが
「この膨大な荷物はどうにかなるのか?」 と、途方に暮れるよな。
「こんなに誰が集めたんだよ・・・」 自分だ。
「これを一体誰が箱詰めするんだ・・・?」 自分だ。
生活用品などは、ひとつ買うとひとつ捨てるんだが
必需品じゃない物は、コマゴマした物が好きで、化粧関係はもちろん
文房具系や、他くだらん玩具が多いのである。
ゴチャゴチャと細かい物は、箱にキレイに収まらない。
隙間ができて、その分余計に箱が必要になる。
これら全部ひとつに圧縮したら、箱1個で済むのに・・・と
考えてもしょうがないメルヘンな思考に走りつつ、荷造りをする。
この時ばかりは、身ひとつで移動できるヤツを心底尊敬する。
そういや、旅行とかでも異様に荷物が多くなる。
普段使っているお手入れ用品を厳選して
使い捨て容器に詰め替えても、大量になるのは当然。
だって旅先で環境が変わった時に、違う化粧品を使ったり
手抜きお手入れをしてたら、余計に肌荒れの危険性大だろ。
兄なんか、数ヶ月いなくなる時も
これじゃ下着ぐらいしか入らないんじゃないの?って大きさの
中ぐらいのバッグを1個さげて出て行き、同じバッグで戻ってくる。
こいつ、どっかに別宅があるんじゃないか? と疑ったが
一緒に旅行をしてもその調子で
しかもその中バッグからは愛用のコロンの現品とか出てきて
すんげえ余裕を感じさせて、ムカつく。
引越しに話を戻す。
引越しで一番困るのは、荷造りをし始めてから
引越し先で荷造りを解くまでの期間の、生活の落ち着かなさ。
使う物は最後に同じ箱に。
箱には入れた物を詳細に書く。
同じ部屋に置く物は同じ箱に。
など、いくつかの荷造りの基本があって、それをキチンと守ってはいるが
片付いていない部屋にいるのが、何かよくわからんがすげえ動揺で
「今せんでもいいだろ」 ってな事をコセコセやってたり
積み上げられたダンボールを放心状態で凝視してたりと
自分でもかなり挙動不審になるのである。
だから、アワアワしつつ荷造りしまくり
引越し先では、飯も食わずに徹夜でガッツンガッツン片付けまくる。
で、“使わない物は引越しを機会に捨てる” という鉄則があるが
この荷造り間のパニック状態で、どこまで逃避したいのか
大量に物を捨ててしまうのが、私の悪いクセで
引越し後に後悔した事、数知れず・・・。
必要か必要じゃないかの判断は冷静な時に、って教訓。
・・・じゃなくて、ドアの音をどうにかしてくれ!
オリーブオイルを塗ってみるか・・・。