帰省して久々に兄と再開した。
珍しく空港に迎えに来てくれる、っちゅう話だったんだが
私は人の顔を、たとえ親兄弟でも会わないと忘れるんで
わかるだろうか・・・、と内心ドキドキしながら出口に向かったさ。
・・・そしたらな、ひと目でわかったんだよ・・・。
と言うか、もんのすげえ目を引いたんだ。
詳しく描写すると、絶対に特定されるんで書けないんだが
とにかく普通じゃないんだ、異様な格好なんだ。
こいつは何でこう、いっつもいっつも意表を突く事をするんだよ!
これだから、私の帰省をあそこまでゴネたんだな?
機嫌取りに、いつもしない出迎えをしたんだな?
何かもう絶望を感じてさ、飯屋に入るなり詰問タイム突入だぜ。
だけど、自分に何の疑問も持っていないみたいなんで
誰かに突っ込まれた事があるか訊いてみた。
誰も何も言わないそうだ。
「当たり前だ!
触れちゃいけない、と思われてるんだよ!
そんだけ異様なんだよ!!!」
久々の兄妹の再会で、いきなり激怒をかました私も私だが
そんなトンチキな格好の兄の方が、何倍も何倍もいかんと思うぞ。
“自由” とか、“人それぞれ” なんか、言われたくないね!
それ、明らかに他人事だろ。
自分の親父がツインテールにしても、それが言えるかよ?
身内が突っ込まなくて、誰が突っ込むよ?
私も若い頃はパンクファッションとか、トチ狂っていたが
ほんと今になって、心の底から反省させられたよ。
とうちゃんかあちゃん、ほんとーーーにごめんだった!
年頃の娘が、髪の毛おっ立てて黒ずくめの怪しい格好をして
安全靴のようなブーツやらはいて、真っ黒口紅とか塗って
さぞかし心配をかけた事だと思う。
そんな妙な趣味に走ったせいで
ナイスバディでモテモテのはずの青春も捨ててしもうた
という大きなバチも当たった事だし、きっちり因果は受けてるわけだが
モテないのをファッションのせいにしとるとこも、どうだか、なんだが。
まあ、成人式やら彼氏の懇願やらで
パンクスピリットは断念せざるを得なかったが
実は今でもああいうファッションが好きではあるんだな、これが。
ほんと、嗜好って取れないものだよなあ・・・。
このように、こういう素っ頓狂な事をするヤツは
言い聞かせても、自分のおかしさには気付かないわけで
兄も何ひとつ反省していない。
私の場合も、あの頃、誰にどう言われたら目が覚めたんだろう?
と、自問自答してみたが、まったく思いつかない。
自分で嫌気が差さない限り、治るものではないんだろう。
周囲の注意や忠告は、その “目覚め” を手助けするものだから
ムダではないんだけど、決定打にはなりえない。
そうはわかってはいても、腹の虫が治まらず
親族たちに、「何で誰も注意してくれないの?」 と、八つ当たりしたら
「家を掃除したんだから、そのぐらいもう良し良し」 だと・・・。
うちの兄、どんだけヌルい目で見られてるんだよ?
私も私なのに、兄まで 「兄だし」 になっちゃったら
うちら、社会不適格兄妹じゃんよー。
兄には、ほんと期待を裏切られる、っちゅうか
私が言うのも何なんだが、もちっとマトモになってほしいよ。
兄の行く末がマジで不安だ・・・。