加齢臭というものの真実は、よく知らないんで
解決しようと思ったら、きちんと調べた方が良い。
ただ私の経験では、一般的に言われている話と
ちょっと違う事もあるような気がする。
うちの両親は、ともに体臭は薄かったが
さすがに老齢になってからは、加齢臭が出始めた。
どういう匂いかっちゅうと、プラスチック? ビニール?
何かそういう素材っぽい匂いなのである。
本来の体臭の中に、そのプラスチック?臭が混ざり始めるのだ。
そして年々その匂いが強くなり、老人臭になる。
老人臭というのは、どういう匂いかと言うと
うーん、体臭が酸化したような平べったい匂い。
(加齢臭 - 油) + 線香 + 防虫剤 + 酸味 のような。
上手く説明が付かないけど、老人って皆同じ匂いがすると思わんか?
体臭は様々だったはずなのに、加齢によってどんどん一本化される。
これって不思議だよな。
上で 「老齢になってから」 と書いたが
加齢臭ってのは、普通は30代後半ぐらいで出始めるのに
うちの両親は隠居前ぐらいからで、かなり遅かった。
その変わり目で心当たりがある。
仕事現役中は、毎日入浴していたのが
隠居してからは、週に2度ぐらいしか入浴をしなくなったのである。
それから急に加齢臭が強くなったので
入浴はやはり臭いと密接に関係していると思う。
加齢臭というのは、男性の方が強いと言われるが
うちの父親は体臭からして少なく、その理由は3つ考えられる。
粗食、風呂の温度、飲酒
(飲酒は違うかも知れないが、毎晩1升近く焼酎を飲んでいたので
そこは他人と明らかに違う、という意味で挙げた。)
粗食とは、肉をあまり食わないだけじゃなく
食事自体をそんなにしなかったのだ。
朝はご飯と味噌汁と少量の漬物、昼は麺類、夜は焼酎のみ。
(ちょっと人間っぽくない食事量だと、今気付いた・・・。
うちのとうちゃんって、かなりおかしいヤツだったんだなあ。)
次が風呂の温度。
とうちゃんの入った後の風呂は、2倍に薄めないと誰も入れない。
兄は 「50度ぐらいあるぞ!」 と、怒っていたし
周囲は、あんな熱いお湯に入ってたら死ぬ、と心配していた。
隠居して、全自動の風呂になったんだが
とうちゃんの湯張り温度は60度に設定されていて
親族間で、「緑茶も煎れられる」 と陰口を叩かれていた。
幸いにも、とうちゃんは風呂じゃ死ななかったが
あれでヤケドをしないのが不思議でならなかった。
思うに、粗食は体臭と関係があるので良しとして
うちのとうちゃんは、あの熱湯風呂で脂を根こそぎ取られていて
それが体臭の少なさに繋がっていたのではないかと思う。
普通の感覚の持ち主には、何の参考にもならない逸話だが。
要するに体臭にも加齢臭にも、入浴は重要なファクターだと言える。
普通の人は、うちのとうちゃんのように脂煮出し入浴は出来んので
体の洗浄の方に気を遣うべきである。
私が勝手に思うのは、しっかり洗うべき部分があるって事。
脇の下とヘソと股と足の指は当然として
案外見逃されている部分が、耳の裏の下の付け根。
ここがものすごい重要な部分じゃないかと思うのだ。
耳の裏の下の付け根、簡単に言うと耳たぶの付け根の裏だが
何故ここかっちゅうと、ここが脂っぽい人が時々いるのだ。
何となく、ここ怪しくねえ? と感じて、自分では熱心に洗っていたが
先日美容院のおねえさんが、「臭い人は耳の裏が臭う」 と言っていたので
私のこの予感は大正解だと確信している。
単に体を洗うんじゃなく、どこを重点的に洗うかが
加齢臭予防の要だと思う。
そしてもうひとつ、臭いの元として意外なところに敵がいる。
ある日、タンスから出した服から加齢臭が漂ってきた事があった。
それも一部の服からだけ。
いよいよ私も加齢・・・と思うのはプライドが許さなかったので
ものすげえ必死こいて別の犯人を探した。
そこで発見したのは、洗濯してすぐ着る分には支障はないけど
タンスに数ヶ月しまい込んでいたら
加齢臭のような臭いになる衣類用柔軟剤が存在する
という驚愕の真実である!
冬用部屋着を洗ってタンスにしまい、次の冬に出した時に気付いて
加齢臭は同時期に洗濯していた衣類からしか臭わないので
防虫剤ではないし、洗剤は替えてないし、で
消去法で柔軟剤が真犯人だと気付いたのだ。
ただ、それがどの柔軟剤だったか忘れてしもうたのが
私のいつもの惜しい部分!
こういう生活用品って、何の気なしに使うから覚えにくいと思わんかあ?
でも使っていたのは、メジャーなのばっかりだったはず。
とにかくこういう、“悪の柔軟剤” もある、という事は大発見である。
お陰で柔軟剤を気軽に替えられなくなってしまったあげく
愛用銘柄がよりにもよって廃止になってしもうて、途方に暮れている。
今使ってるのが良いか悪いかは、数ヵ月後にしかわからないし・・・。
まとめてみると、加齢臭防止には洗浄と洗濯
何か、ごくフツーの結論になってしもうたな・・・。