最近また、大掛かりに騙されてる大学生とかいたりして
案外知らないヤツがいるんかな、と心配なので、簡単に解説する。
詐欺関係は詳しいので、任せんかーーーい!
ほーほほほほほほ
(今回は自賛の機会がないので
前置きで無意味に勝ち誇っとく。 なんて計画的ーーー)
ねずみ講が社会問題になったのは、何といっても
1970年代に表面化した、熊本発の “天下一家の会” 。
(私がまだ熊本在住していた頃は
市内の本部や、阿蘇に御殿の残骸があった)
全国に被害者続出で
ねずみ講禁止法 (無限連鎖講防止法) まで
発令された大事件だったのだ。
ねずみ講のシステムを簡単に説明する。
(注: 金額、人数など、全部仮定)
入会金1万円を本部に納め、自分より上の会員5人にも1万円払う。
自分が勧誘した人からは、自分も1万円もらえるので
元を取るためだけには、最低6人を勧誘しなければならない。
この問題は、こうやって5~6人に勧誘していくと
10代目ぐらいだったっけ? で、日本の人口を上回るのだ。
(私に計算させるな!)
日本の人口には乳幼児もいるので、もっと早くに破綻するわけで
損をする人が続出するのである。
この会員の増え方が、ねずみの繁殖に例えられ
“ねずみ講” と称されるのである。
繁殖じゃ、ゴキブリのが凄いと思うんだが
あえて哺乳類にするなど、日本のネーミングはヌルいよな。
では、マルチ商法は?
無限連鎖講防止法ができたので、金銭のみのねずみ講は即、違法。
そこで、ねずみ講のシステムに、商品や権利を絡めて
「れっきとした商売だ」 と、言い張るのである。
更に最近は、システムも複雑になり、入会金額も上がり
しかも商品が絡むので、在庫も抱えるハメになり
そりゃもう、おおごとになってしまう。
私の得意分野、化粧品で解説する。 (注: 全部、仮定の話)
勧誘されて、本部に契約料50万を払い、代理店になる。
その内の10万は、自分を勧誘した人に入る。
これで自分も、この化粧品を売る権利を得る。
化粧品は “卸値” で、安く購入でき
それを売って商売をできるのである。
だが、1万円の化粧品を卸値8000円で買い
売っても、利益は1個あたり2000円。
代理店契約料の元を取るのすら難しい。
そこで、代理店になる人を勧誘したら
代理店契約料の10万が自分に入り、手っ取り早いので
自分の下に代理店を増やそうとする。
しかも、下の人が買う化粧品の卸値8000円の内の
いくらかが自分に入るというシステムがあったりした場合は
余計に、ちまちま化粧品を売るよりラクである。
こうやって、化粧品自体を売るより
代理店勧誘をする方に熱中していくのである。
これでは、ねずみ講と本質は変わらない。
化粧品は消耗品だけど、代理店契約をする人には限りがあるので
破綻する人が続出になるのは、わかりきった事である。
本部は、この問題点の責任逃れをしたいので
“化粧品の販売” を本来の目的として、形付けるために
代理店にノルマを設け、化粧品を大量に買わせる。
契約料 + 在庫抱えで、余計に会員は苦しくなる。
このいらん在庫抱えの赤字を埋めようと
会員はより一層、代理店契約の勧誘に必死になる。
問題が起こった時の、本部の言い訳はいつも
「一部の会員が悪質な販売を行っているようですが
我が社は “化粧品販売” を目的としており・・・」 だ。
システムを聞くと、何故こんな商売に乗る気になるのか
不思議でしょうがないだろう。
引っ掛かって損をするのは、仕組みを知らない人。
逆に言うと、仕組みを知っている人は
「商品に魅力があるなら、2代目までは確実に儲かる」
と、気付いている。
自分が直接勧誘する3代目までは、何とか持つので
恨みを買うリスクも減るって目論み。
いずれにしても、純粋に商売として考えるなら
リスクがデカい割には、そんなにラクな仕事でもないし
人間関係に商売を持ち込むヤツは、激しく軽蔑されるので
“正気の人間” には、まったく割に合わない仕事である。
はっきり言うと、マルチなどする時点で、そいつはどっかおかしい。
無知だったとか、一時的にトチ狂っていたとか、事情は色々だろうが
猛省しないと、通常の社会生活を送るのは難しいぜ。
副業とか軽い気持ちで手を出すから、痛い目に遭う。
世の中、おいしい仕事ってのはない。 甘い夢を見るな。
真剣に信じていたヤツは、宗教に騙される危険性も大きい。
自分は自業自得でしょうがないが、周囲の人間に凄え迷惑なので
何かをする時には、とりあえずとにかく必ず、誰かに相談。
絶対に、自分の考えのみで動くな!
自分のその思考自体が、リスクだと自覚するのが第一歩。
・「今すぐ決めないと」 などと
即断を促すお得な話は、まともな商売じゃない。
・友人知人関係には、契約を持ち込まない。
このふたつだけは覚えておいてほしい。
マルチ販売の商品の移り変わりは多々あれど
健康食品と化粧品は、いつの時代も安定して存在する。
その理由は明日 「マルチ化粧品にはまる心理」 で。