「顔のつくりはとりあえず置いといて
一生の内、1回でも “色気” っちゅうもんを
ひねり出してみてえぜ。」
これが残り寿命の短いババアのセリフとは、とても思えんが
知人にこう嘆いたら
「あら、色気なんて簡単に出せるじゃない。」
と、事もなげに言われた。
それらしいメイクや格好をして、それらしい仕草をすれば
すぐに男が寄ってくるわよ、と。
違う!
色気はそういうもんじゃない!
こう、カッチリした隙のない衣服の下の肌はどんな触り心地か
その落ち着いた表情をグチャグチャに乱してやりてえ、とか
思わんのか? と、つい我を忘れて力説したら
「あなた、そんな事を考えてるの?」 と、驚かれた。
嫌がる婦女子を見るのは、私の好みのシチュエーションだけど
安心したまえ、2次元じゃないと眼中にないから、と言い訳したら
「うわあ、ドン引きするわあー。」 と、言われた・・・。
こういう性癖は、定番中の定番だと思っていたんだけど
世間とのズレに愕然とさせられたよ。
そうか、世の中にはびこる露出の多い服は
あれは色気を出そうとしてたのか!
まあ、私の色気の定義なんか、どうでも良いけど
知人の言葉の 「すぐに男が寄ってくるわよ」 の部分が
とても気になったので、「今でもナンパされるの?」 と訊いてみた。
とても失礼な質問だけど、その知人もババアになりかけなんでな。
すると、されると言う。
「えっ、どこで?」 とビックリこいたら (重ね重ね失礼)
飲み屋でだと答える。
酒が嫌いな私は、絶対に行かない場所なので
何が何でも飲み屋じゃないとダメなんか、訊いたら
飲み屋以外で、知らない人と話す機会のある場所ってどこよ
と、逆に訊き返されたので、病院の待合室とか・・・
と答えたら、ハッとかヘッとかいう、あいまいな発音の失笑をされた。
どうやら私の人生は、色恋沙汰に縁のない
ハード・モードに設定されているようだ。
にしても、えっらい世の中、簡単になっとるのお。
酒飲みが嫌いなのに、酒を飲む場所に来る人とは知り合いたくねえよな
と絶望感に襲われかけた時に、ふと思い出した。
そう言えば、私も若い頃は毎晩のように飲み屋に行っていた。
バカ兄のせいで、大人は毎晩飲酒せねばならん、と思い込んでいたのだ。
だが、そこで声を掛けられた事などないよな。
顔は残念だが、このナイスバディーなら
簡単な出会いは可能だったはず!
と、当事一緒に飲む事が多かった友人に訊いてみた。
・・・酔わない女の本気飲みに、声を掛ける隙はないそうな・・・。
しかも友人がいくらセクシーな格好をしても
横にいる私がパンクファッションなんで
(青メッシュ髪おっ立て、真っ黒口紅、鋲つき腕輪)
それで寄って来る男なんて逆に怖いわ! と、怒られた。
えーーー、友達なら注意してよー、と責めたら
アホウな私には言ってもムダだから、言わなかったそうな。
どうやら性格的にも、色恋沙汰から程遠い仕様のようだ・・・。
件の知人に、「ナンパされると腹が立たない?」 と訊いたら
「若い頃はそうだったけど、この歳になると嬉しいわよ。」
と言われ、ものすごく同意して
「そうだよね! 痴漢に遭っても
触ってくれてありがとう! って思うもんね!」
と言ったら、あなた、そこまで・・・ と哀れまれた。
うん、確かにこういうババアを触りに来る痴漢なんて
どんだけの変質者なんだ? という話だから、恐いけど
あっちで怒られ、こっちで嘆かれ。
女性ホルモンひねり出しのために、エロマンガを乱読して
ようやく、ちょっと出てきたかな? という性欲も
ムツゴロウさんの驚愕逸話で、きれいさっぱり失せた事だし
なるべく恋愛話は避けるようにしとこう・・・。
(ムツゴロウさんの驚愕逸話とは。
オス犬の性欲処理をしてあげている、という話で
記憶から消し去りたいんで、詳しい説明はしたくない。
何か、TV番組でやってたらしいぞ。)
評価: カナディアンクラブ 40度 700ml 1本【1回のご注文で12本まで】
コメント:あああああ、今までバーボンだと思っていたんだけど、“カナディアンウィスキー” なんだってよー。 ライ麦やトウモロコシが原料の、軽くて飲みやすくて翌日に残らない酒。 ちなみにバーボンはケンタッキー州のトウモロコシ酒の総称だとさ。 |