友人知人が思う、“私の七不思議” のひとつに
暴れ馬のような性格なのにクレームを付けない、というのがある。
「何でそんなに甘いの?」 と、言われるほどである。
どうしても困った時には、友人知人に
「どう思う?」 と、お伺いをたて
「それは即クレームだろ、言え、言え!」 と
せかされないと、動かない。
んで、言う時も、「恐れ入りますが・・・」 と
あくまでも低姿勢。
これは意外だろ?
何故かな、と、自分でも不思議なので分析してみた。
こういう時に良い答が出たためしがないが、今回も相変わらず。
つまり私は、不当な扱いを受ける、不良品を掴まされる
そういうので “自分が損をした” という感覚が薄いのである。
とても目出度い脳構造である。
だから、クレームを言うにも、言葉が出てこない。
それに、トラブルが起きるとまず
「自分が悪いんかな?」 と、思ってしまう。
私じゃなければ、こういうトラブルは起きないんじゃないか? と。
何かえれえ弱気だが、自分の常識にとことん自信がないのだ。
そんな私が、働く人をわずらわせてはいけない、と、思ってしまう。
こういうヤツは、ひとりで泣き寝入りしとけ、って感じだが
ちょっと知恵がついてくると、思い出してムカつく事もあるので
やはりどっかで支障は出ているもんだ。
この前のトリビアでやっていたが
料理に髪の毛が入っていたらどうするか?
1本2本ならありえるし、しょうがない。
「取り替えて」 と頼んでも、髪の毛だけ取って出されるかもだし
さっさとよけて食う。
会計をした後で、「気を付けてね」 と言うかも知れんが
飯屋の厨房なんて、何をどうやってるかわからんもんだ。
ただし、客から厨房が見えるつくりで
シェフが鍋に指を突っ込んで味見をしていたら、即、席を立つ。
「汚い!」 との感想付きで。
つまり、見えない所で何をしてようが
こっちの心身に異常が出なければいい、といった
ズサンな心構えなわけだ。
愛想が悪い店員にも怒らない。
「何かあったんかな」 とか、いらん同情をする。
(ただし、客を怒りまくる店主のいる店は許せない。
これもある種のプレイかも知れないので
わざわざ行ってケンカは売らないが
たまたまそういう店に入ってしまったら
ひと口も食わず、金を払って出る。
サービス業じゃねえだろ、そんな店。
商品さえ出せば良いとか考えているヤツには
それこそ金さえ出せばいい。
何で料理へのこだわりが客への罵倒に繋がるんだよ
認めねえぞ、そんな頑固さは。)
“サービス” ってのは、される側にもする側にも掛かる言葉である。
両方が相手に敬意を払って、初めて成り立つのだ。
どこぞの演歌歌手の 「お客様は神様です」 ってのは
サービスする側の、謙虚な姿勢の大げさな表現であって
客はそれを真に受けて、自分を神認定してんじゃねえぞ。
って感覚かな。