• 殿のご自慢 6

    思いがけずに、娘への贈り物を買ってしまった伊吹は
    どうしようか迷ったが、あの丘へと向かう事にした。
     
    まだ陽は斜め上にある。
    もしかしたら、と、無意識に足が速まる。
     
    空が見えてきたが、やはり花はない。
    俺は何を期待していたのだろう、と笑いすら込み上げてくる。
    一度見かけただけの、話もしていない女のために
    決して安くはない金を使ったりして、自分がとても滑稽に思える。
     
    この草むらも何度通っても、自分の足跡しかない。
    伊吹は急に泣きたくなるような孤独感に襲われた。
     
     
    しかし伊吹は武士。
    合戦前に弱気になっていたら、士気に関わる。
     
    仕方あるまい。
    この紐は男でも使える。
    自分で使えば良い。
     
    そうは思っても、急ぎ足も次第にトボトボと力がなくなり
    空が見えてから頂上に着くまでに、かなり時間が掛かってしまった。
     
     
    本当に花が咲いている
    そう思ったのは、地面に置かれた真っ赤な手拭いゆえであった。
    伊吹は駆け寄り、それを慌てて拾う。
    フワッと香った甘い匂いに、軽いめまいがする。
     
    手拭いには、小さな巾着袋が包まれていた。
    ・・・・・・緑だ!!!
    伊吹は、娘との不可思議な縁を感じずにはいられなかった。
     
     
    地面に正座をすると、膝の上に懐から出した自分の手拭いを広げた。
    今まで使っていたのは、この前かんざしを包んだので
    これは新しく買ったものである。
    しかし、単なるくすんだ灰色のつまらない布でしかない。
     
    その手拭いの上に組み紐を大事そうに置き、丁寧に丁寧に包んだ。
    そしてそれを、娘の手拭いが置いてあったところにソッと置いた。
     
     
    これは、金子入れであろうか?
    俺が使っているのは、もうボロボロで破れていて
    呉服屋の主人も、見て少し笑っていた。
     
    ありがたい。
    女というのは、何故こういう事に気が回るのだろう?
     
    伊吹は巾着の中を覗いたり、裏返して眺めたりした。
    おお、内側は外側よりも濃い緑なのか。
    布が二重になっておるのだな。
    これは丈夫で良い。
     
     
    ひとしきり巾着を眺めた後に、伊吹はふと不安を感じた。
    ・・・この緑は、組み紐の緑とちょっと違う色だな。
     
    あの紐より、もっと鮮やかな緑だ。
    あの娘ははっきりした色が好みなのだろうか?
     
    伊吹はさっき置いた手拭いを拾い、もう一度組み紐を出してみる。
    この紐の色、少し地味ではないか?
    ああ、そういえば
     
    巾着が包まれていた赤い手拭いを、膝の上に広げた。
    その赤い手拭いの上に、巾着と紐を置いてみる。
    この赤に確かに、この巾着の緑は目立つが
    この紐の緑の方がしっくりと落ち着いて、良いように思える。
     
     
    ふう・・・・・・・
    ひとしきり考えた後、伊吹は溜め息を付いた。
     
    俺にこういう事柄は難し過ぎる。
    あの娘が気に入ってくれなかったら、また呉服屋の主人に相談すればよい。
    この赤い手拭いも借りよう。
    この赤に、より合うものを見繕ってくれるであろう。
     
    しかし、これが高価だという、赤染めという色か。
    確かにこのような鮮やかな赤は初めて見る。
    花と見間違えるのも無理はないな。
     
     
    伊吹は再び組み紐を包んだ手拭いを置き、赤い手拭いは懐に入れた。
    巾着はそのまま手に持ち、陽にかざして眺めながら丘を降りた。
     
     
     続く 
     
     
    関連記事 : 殿のご自慢 5 13.2.25 
           殿のご自慢 7 13.3.1 
           
           殿のご自慢・目次 

  • 大事な形見・続報

    私はお金よりも、物に執着する性格なんだけど
    それでも “値段” って、ものすごく大事だと思う。
     
    “こんなに高い靴を履いている私 (はぁと)” だけじゃなく
    “こんなに安くて良い靴を見つけた私 (はぁと)” もある
    と金持ちから貧乏に転落して、知る事が出来た。
     
    「値段なんて関係ない」 と言うやつは
    何百万円の茶碗で茶ぁを飲んでみい。
    ももももし、これを落としたら・・・、と
    リアル・メンタル・アクティビティーが味わえる。
     
    1億円の絵を前に、これを爪でかきむしったら
    という誘惑にときめく事もある。
     
    “値段” ってな、人心をものすごく揺り動かすぞ。
     
     
    そんなケタ違いの話ではなくとも
    興味がない分野だと、値段で判断せざるを得ない場合が多い。
     
    これが不思議な事に、“高いほど偉いわけでもない”
    というのが、値段の罠。
     
     
    車社会にいた頃は、車はステータスのひとつだったので
    周囲に、ものすごくお金を掛けている人が多かった。
     
    ホイル1個が50万円 (タイヤは4つ)
    おい、その足元に200万? みたいに。
    ボロアパートに住んで、ベンツAMGだったり。
     
    そりゃあ、人の勝手だけれど、理解されないお金の使い方には
    それなりの評価が付いて回るのは、覚悟せねばならない。
     
    私も、ボロレビンにいくらつぎ込んだか・・・。
    主に修理代だったけど、足回りをちょっといじくっちゃったんで
    正直、86が新車で買えたぜ。
    レビンと言えば86と思われるんで、86に逆恨みしてるがな。
    私のレビンはTE71!!!
     
     
    飲みに行って、店の客全員におごって
    一晩で数百万使った、とか聞くと
    まあ、そういう人がいるから、日本経済も回るんだろうけど
    と思うけど、それが親兄弟夫彼氏なら、しばき倒しとる。
     
    物体執着属性なんで、せめて残るものに金を使って欲しい。
    ・・・と、今までは思っておりました。
     
     
    うちのかあちゃんが死ぬ前に
    着物も宝石も全部あなたに遺すわね、と言ってて
    そういうのに興味がない私は、ちゃんと
    「値段を書いておいてくれないと大事にしないよ」
    と言っておいたのに、そんな私を下品呼ばわりしたあげく
    家中、あっちこっちにテキトーに置いてくれて
    探すのにどんだけ苦労したか。
    おめえはあちこちに食い物を隠す小動物か!
     
    兄貴も、積み上げられた古い通販雑誌を前に
    「某ニッセンとかめくってると、1万円札がはさまってる事があるんだよ
     だからウカツに捨てられないんだ。」 と、困っていた。
     
    かあちゃんの死後、かあちゃんの妹、叔母が遺品整理に来てくれた。
    叔母もお上品な人なので、その下衆さに嘆き悲しみつつ
    国税庁の家捜しのごとく、ふたりで宝石を探しに探し
    出てきたアクセ類は、何かものすげえ安っぽいデビ夫人系。
     
    叔母も、今時は宝石もブランドの時代で、こんなんじゃ高く売れないから
    “母親の形見” として、大事に取っておきなさい
    と、よく聞き直すとえらいひでえ事を言いつつ
     
    あ、着物を1枚ちょうだいね
    誰とか作?の何とか (着物の名を知らないので忘れた) があるのよ
    どうせあなた着ないでしょ? と、押し入れを開けたら
    その高価な着物群が、桐箱に入れときゃ良いでしょ、みたいに
    無造作に積み上げられていて
    んで、開けたらカビびっしりで叔母、ひいいいいいいいいっ!
     
    手ぶらで帰ろうとする叔母に、待って、着物全部持って帰って
    私の手に負えん、と追いすがると
    ニッコリ微笑んで、着物というのはクリーニングだけでも
    ものすごい値段なのよ、それもああなったら、いくら掛かるか
    だから、母親の形見略。
     
     
    うちのかあちゃんは、ブランド無視の高価格派で
    買えば気が済むタイプだったらしい。
     
    私はしょうがねえので宝石だけは、宅配で関西に送り
    着物は 「捨てろ」 と、兄に言い残して来た。
    どうせ捨てられないさ。
    兄もかあちゃんの遺伝か、捨てられない性格だし。
     
    そういう性格が、銭を捨ててる事になっとるのにのお。
    何だ、あの浪費は。
    あんなん遺すんだったら、旅行とかバンバン行って
    思い出と供にあの世に旅立ってほしかった、と普通は思うだろ?
     
    だけど、うちのかあちゃんは旅行もバンバン行ってたんで
    もう、マジで 現金! で遺してほしかった・・・。
     
     
    と、ここまでが、いつか書いたあらすじ。
     
    かあちゃんの命日がいつだったか忘れた ← ・・・
    (これさあ、非難されるだろうけど、だったら人に訊けるか?
     可愛い可愛い愛娘だったのに、かあちゃんの命日忘れちゃいましたー
     とか、怒られるのはしょうがねえけど
     一生、非人道の烙印をベッタリ押されるのは、ほんとごめん。)
    んだけど、2月の末、20日台という実に覚えにくい日だったので
    それを思い出したら、着物の二の舞は踏むまい、と
    アンド、うちにカビとか冗談じゃねえぞ、と
    遺品のアクセを出してチェックしてるんだ。
     
    叔母の、“ブランドものだけは大事にしなさい”
    という下品な言いつけを肝に銘じていたんだが
    今年は100均で乾燥剤を見つけたんで
    おおっ!!! と、大量買いして
    それを箱にいっちょいっちょ入れていたら
     
    どれがどの箱に入っていたか、わからなくなりました
     
     
    どどどどうしよう、と慌てまくって
    友人に助言を求めたら、「重いのは本物らしいよ」 という
    何時代の物々交換だよ? という意見を貰った。
     
    ・・・・・・下品デザインで、全部重いです・・・・・・・・・・
     
     
    鑑定書とか英語だし、そもそもあのかあちゃんは値段派なので
    全部、本物っちゅうたら本物なんだよな。
    価値があるなしは別にして。
     
    にしても、18金とかブランド名とか、本体に刻印してねえの?
    もしかして、最初から入れてる物を間違えてた?
    何か、ここらへん、ものすごく謎。
     
     
    とりあえず入る箱に入れて、それをこの紙袋に入れておいて
    これひとまとめで “かあちゃんの形見” として置いておくしかねえな。
     
    真珠とか、すぐ腐るんで、綿の手袋で触らにゃならんし
    物に執着するタイプには、貰いものって全体的に迷惑にしかならねえよ。
    すぐ物に換えるんで、私にプレゼントは金券オンリーで頼みたいぜ。
     
     
    あ、かあちゃんのアクセの中に、24金の指輪があるんだよ!
    珍しいだろ? 24金のアクセなんて。
    それな、素手でグニャグニャ曲がるんだ。
     
    かあちゃんの指、ほっそくて、中指が私の小指の太さなんで
    どれもはめようがないんだ。
    小指にデカ石指輪とか、それ何の引っ掛け問題? (この高尚なダジャレ!)
     
    でもその24金の指輪は切れてるんで、私の指に合わせようと
    伸ばしてたら、ガタガタになってしもうた・・・。
     
    これならアンティークだし、着けたいんだけど
    ちょっと見苦しい・・・。
    あんまり触るとブチ切りそうだし
    これ、どうしたら真円になるかなあ・・・。
     
     
    何か私、この形見に、えれえ苦労させられてる気がするんだけど
    まさか祟られていねえよな・・・。
     
     
     

    評価:

    株式会社シンヤ


    ¥ 1,344

    コメント:これな、美味いんだよーーー。 1度食べてみいよ。 24金指輪 → 金沢金箔 → 加賀お麩 で思い出したという。 これも、かあちゃんが教えてくれた食べ物のひとつだ。 

  • 殿のご自慢 5

    町の問屋で一通りを依頼し、差し当たり店で仕入れた食料を馬に積み終わり
    供の者に城まで運ぶ段取りを終え
    やれやれ、と肩を揉む伊吹の目に、小間物屋の店先に並んだ商品が入った。
    女が使う手拭いや髪飾りが並んでいる。
     
    伊吹がついつい覗き込むと、売り子の娘が声を掛けてきた。
    「イイお人にあげなさるんで?」
    伊吹は少し顔を赤らめながら、いや、とだけ答えた。
     
    しかし並んでいる商品は、どれも大人しい色のものばかりである。
    「真っ赤なのはないのか?」
     
    伊吹の問いに、売り子は笑った。
    「お客さん、そんな高いものはうちでは扱っていませんよ。」
    「高い?」
    「真っ赤な染料って、すごく高価なんですよお。
     そういうのがご希望なら、こっちに来てくださいな。」
     
     
    売り子は戸惑う伊吹をグイグイ引っ張って、立派な構えの店へと入った。
    「お客さんだよお、呉服屋さん。
     この人、赤染めの小物が欲しいんだって。」
     
    勝手な説明をすると、親切をしてあげたと思っているように
    誇らしげに、伊吹を見上げてニッコリと笑う。
    「ここならお客さんの言ってる品もあるよ。
     次はうちでも買っとくれよ。」
     
    呆然とする伊吹を置いて、売り子はさっさと出て行った。
    「これはこれはお侍さん、赤染めとは高級志向でございますな。」
    もみ手をする店の主人、赤いものは相当高いようだ。
    伊吹、絶体絶命の危機。
     
     
    「すまぬ、さっきの娘のところで、ただ小物を見てただけで
     買うつもりはなかったのだが、・・・そうもいかぬな。」
    伊吹は懐から小さい巾着を取り出した。
     
    「今、俺が手持ちの金子はこれだけだ。」
    小さな金の粒が1個に、後は銀粒が4つ
    あちこちで流通している、色々な種類の銅銭が5枚。
     
    「金粒は、これで当分は食っていかねばならぬから出せぬ。
     できるなら銀もひとつは残しておきたい。」
    伊吹の開けっ広げな説明に、主人はプッと吹き出した。
    「正直なお方でいらっしゃいますな。
     で、どのようなお方に贈り物をなさりたいのです?」
     
     
    伊吹は、その説明にも困った。
    一度しか会っていない、しかも話もしていない娘に贈り物など
    滑稽 (こっけい) に思われそうだったので、不本意な嘘を付いてしまう。
     
    「・・・と、時々会う、花のような娘に・・・。」
    言っていて、顔が真っ赤になるのが自分でもわかる。
    「その娘が真っ赤な着物を着ているので
     赤が好きなのだろう、と・・・。」
     
    「全身、赤の地のお着物ですか?」
    「うむ、かんざしにも赤い花が付いているのだ。」
     
    主人は少し考え込むと、ちょっと失礼しますよ、と
    奥へと引っ込んで行った。
     
     
    伊吹はおかみから出された茶を飲みながら、間が持たない様子で
    暖簾 (のれん) の下から見える、町行く人々の足元を見ていたりした。
     
    やがて主人は、盆を持って戻ってきた。
    盆の上には緑色の組み紐が1本乗っている。
    これは何だろう? と伊吹が覗き込んでいると
    主人が紐を手にとって、説明し始めた。
     
    「その娘さんは、赤いお着物を着てらっしゃるんでしょう?
     でしたら、赤に赤は目立ちません。
     この組み紐をよくごらんください。
     濃い緑と黄色がかった淡い緑の2色が使われております。」
     
    伊吹は覗き込んで、感心した。
    「おお、美しいな。」
     
    「この濃い方の緑は薄緑 (うすみどり)
     淡い緑は薄萌葱 (うすもえぎ) というんですよ。
     緑は赤を引き立てて、とても良く映えます。
     花には緑が付きものでしょう?」
     
     
    主人の説明に、いたく感心した伊吹はそれを買う事にした。
    「これなら、おまけしてその銀粒1つで結構ですよ。」
     
    店に入った時はどうなるかと思ったが
    良い贈り物が入手できて良かった。
     
    「その紐は、髪を縛ったり、首から物を下げたり、袋の口を閉じたり
     色々な使い方ができるので、重宝しますよ。」
     
    主人に、笑顔で言う伊吹。
    「うむ、良いものを紹介してくれて礼を言う。
     また何かあったら頼むぞ。」
     
    「お待ちいたしております。」
    主人は深々と頭を下げた。
     
     
    伊吹が店を出て行ってしばらくして、主人は頭を上げた。
    「あんた・・・。」
    隣で表情を曇らせているおかみは、主人の女房である。
     
    「あのお方は、西の方のお侍さんだな。
     良さそうな青年なのに、お気の毒にな。」
     
     
     続く 
     
     
    関連記事 : 殿のご自慢 4 13.2.21 
           殿のご自慢 6 13.2.27  
           
           殿のご自慢・目次 

  • ヘナの匂い消し、ちょっと成功!

    ヘナで毛染めをしている人の悩みと言えば
     1.独特の草っぽい匂い
     2.オレンジ色 一択
    この2つが断トツだと思う。
     
    汗をかいての色落ち等は、私は経験ないので置いといて
    最近よく聞くのが、頭皮の乾燥による痒み。
     
    これには私も悩まされていて、でもインディゴも混ぜているので
    それも関係しているのかとも思うけど
    今日は匂いの話題なので、それに集中して話そう。
     
     
    まず、私がここ数年使用しているのは
    シャンプーとコンディショナーは、このブログでもおなじみ
    写真左のシャンプー、 あんだんて 1000ml 5775円
    右はトリートメントで、オーブリーGPB 325ml 1980円。
     
      
     
    使っているヘナとインディゴは
    左、ダイソーの100円ヘナ ブラウン 100g 105円 と
    右、マックヘナ インディゴブルー 100g 1575円  を
    8:2 ぐらいの割り合いで。
     
      
     
    延々とこれらのみを使い続けて、ヘナの匂い消しに試行錯誤し
    美容院の人々や友人知人に聞きまくったので
    我ながら珍しく信憑性のあるレポートになってるはず。
     
     
    ヘナの匂いは、良く言えば草の匂い。
    私的にはイヤな畳臭え匂いになると思う。
     
    ちっとも潤わないオーブリーのGPBを使い続けているのも
    ヘナの匂い消しに少しでも貢献してくれたら、という願いからである。
    ヘナの効果で髪ツヤツヤだから、トリートメント効果はなくて良いしな。
     
    本当なら、ラッシュのヘアケアを使えば良いんだろうけど
    あそこのコスメは、どの部屋用芳香剤よりも
    臭く長持ちする、破壊的な強さの香りなので
    まだ淡いヘナ臭の方がマシだと思う。
    正直、香害レベル。
     
     
    と言う事で、私があれこれ試してみた匂い消し一覧。
     
    ・ コーヒー、紅茶、緑茶 ・・・ 意味不明
    ・ マヨネーズ ・・・ 何故これを試す気になったのか自分でもわからない。
                とりあえず、ものすごく洗い落としにくい。
                風呂の床掃除の苦労も倍増。
    ・ しょうが ・・・ 何故入れたのかわからない。 頭皮に刺激強し。
    ・ ポッカレモン ・・・ 酸は頭髪にヤバい気がした。
                 もちろんヘナ臭に陰りなし。
    ・ ヨーグルト ・・・ 意味不明な上に、食い物をムダにした
                という罪悪感の強さが、これに限って半端なし。
    ・ バニラエッセンス ・・・ 塗ってる間は匂うけど、洗えば終わり。
    ・ ハチミツ ・・・ そもそも、ハチミツ自体がそれほど匂わねえ上に
               洗い落としにくくなって後悔。
    ・ カレー粉 ・・・ 風呂場がインドに。
               しかも髪の匂いはすぐ消えるけど、頭皮に刺激が。
               でも風呂場は1週間ぐらいインド。
    ・ ナツメグ ・・・ ハンバーグ気分。
               カレー粉に似た結果をはじきだす。
     
    ここまできて、何故飲食系を混ぜているのか
    元々、“消臭” 目的だったのに
    途中から賞味期限が切れてるのを入れ始めてるではないか。
    そっから疑問を感じたので、正規のコスメブレンドを始める。
     
    オイルは美容用のアロマオイルをぶち込む。
    容器から出にくいあまりに高速でビンを振るので、何滴かは実はわからない。
    約5~20滴? ← ・・・
     
    ・ ユーカリ ・・・ とりあえず喉には良いけどヘナ臭には完敗。
    ・ ローズ ・・・ バラと草、気分はもうイギリス庭園。
    ・ ラベンダー ・・・ たとえこれでヘナ臭が消えたとしても
                ラベンダー臭も嫌いなんだよっ。
                いや、ヘナ臭はビクともしなかったけどな。
    ・ サンダルウッド ・・・ 線香と草、気分はもう、お焚き上げ。
    ・ イランイラン ・・・ これが一番戦えた気がするけど、やはりヘナの圧勝。
     
     
    ついでに普通の香水も適当に入れてみたけど
    パルファムでもトワレでも、塗ってる間は頭痛がするほど香るけど、洗えば終わり。
    水に弱いとわかったので、香害女は水をブッかければ撃退できるぞ。
     
    ここまできて、もうヘナ臭でいいや
    て言うか、ヘナ臭に勝つものはねえよな、と諦め
    草食ならぬ草臭ババアとして生きてきたわけだが
    そんな私に思いがけないご褒美が!!!
     
     
    最近、何をグレ始めたんか、塗るだけで染まるという
    ヘアカラートリートメント 12.12.14 を、あれこれと使ってるじゃん。
    そしたら美容師さんから
     
    ヘナ臭がしなくなった、と言われたんだよ!!!
     
    その手のヘアカラートリートメントは、入浴の度に使ってるんだよ。
    で、ヘナは3週間に1度のペースで使ってる。
     
    厳密に説明をすると、ヘナをして1週間ぐらいはヘナ臭がするんだけど
    その後はヘアカラートリートメントの匂いがするんだって。
    匂いは商品によって違うんだけど、おおむね化粧品の合成香料の匂いに
    毛染め剤の匂いが混じった感じ。
     
    合成は天然にWIN!!!
     
     
    元はヘナで乾燥してと頭皮が痒くなるので
    なるべくヘナの色持ちを良くしよう、という事で
    使い始めたヘアカラートリートメントなんだけど
    100円ヘナより当然高いので、髪の分け目にしか塗らず
    相変わらず3週間ごとにヘナってる、という本末転倒ぶり。
     
    良いんだよっ!
    私に見えなければ存在してないも同然さ!
     
    というメンタリティーでいたんだけど
    まさかそれがヘナ臭を消してくれるとは・・・。
     
     
    健康被害が不安で、合成の毛染めを使いたくないから
    ヘナをする人が大多数だと思うんで
    この結果は、とても皮肉な事だけど、ごめん、これが結果!
     
    私はもう老婆なんで、ちっとぐらい合成毛染めを使っても良いかな
    という投げやりな気分になっているけど
    この結果は、包み隠さぬ私の実験経験なので
    参考にして、自分の毛染め道を見つけてくれ。
     
     
    私と似た心境のヤツは、ヘアカラートリートメントの
    使ったやつ全部の使用感をメモってるんで
    レポ記事に期待して待っててーーー。
     
     
     

    評価:

    マックプランニング


    ¥ 1,035

    (2004-05-31)

    コメント:マイ愛用インディゴはこれ。 ヘナに混ぜて色を調節するんだ。 インディゴはヘナの成分に反応するんで、ヘナ染め数日後に後染めでも良いけど、これ単体だと髪がかなりギシるぞ。 やっぱり混ぜがお勧め。 あ、ヘナより色落ちが早い。 

  • 殿のご自慢 4

    新参兵への説明も一通り終わり、高雄のところに手伝いに行こうとした時に
    城女中が声を掛けてきた。
    「あの・・・」
     
    「これは、世話になっている。」
    伊吹は一礼をした。
     
     
    八島家は、西の隣国の吾妻 (あづま) 家との争いに忙しく
    東の向こうにいる山城家にまでは、手を伸ばせなかった。
    それは山城家も同じ事で、東の勢力を束ねようとするだけで精一杯であった。
    その両家が何故ぶつかる事になったのか。
     
    それは八島家と山城家の領地の、ちょうど中間にある
    山城家所有の領の民が決起したのである。
    年貢の取立てが厳しすぎる、と。
     
    事実、山城家は東国の敵対大名家たちとの
    度重なるいくさで、疲弊していた。
    足りない費用は、民に課す税で補うほどに。
     
     
    それを見逃すはずがないのが、天下の覇権に色気を出す八島家。
    これを機会に山城家を潰し、東の大名たちを配下に置かんと
    乗り出してきたのである。
     
    山城家は、このいくさの主力を
    決起地の南方に居を構える同盟国の龍田家に任せた。
     
     
    龍田家はこのいくさに反対であった。
    山城家には東をまとめられるほどの力は、もうないのに
    我欲で無謀な戦いを重ねて、民を苦しめているようにしか思えないからだ。
     
    元々龍田家は歴史ある家系なので
    いくさをしてまで、領地を広げようという野心もなく
    山城家のいくさには、ほとんど関わらずにやり過ごしていた。
     
    だが今は亡き龍田の祖父が、帝の娘と恋仲になった時に
    いくら伝統があるとはいえ、たかが地方の一大名に娘をやりたくない帝を
    説得してくれたのが、山城の曽祖父であった。
     
    あの時の山城、龍田の両家の主は、確かに友人であったのだが
    代替わりをした今は、龍田家は山城家の天下取りの道具に過ぎない。
    “帝の血を継ぐ家を配下に持つ” という理屈のための。
     
     
    そういういくさに、八島家は遠征して戦いに臨むのだが
    開戦したら、戦場近くに陣営を張る。
    それまでは八島家所属の武士や使用人たちは
    もっと手前の町の近くの、豪族の城に逗留させてもらっているのである。
     
    城女中は驚いた。
    八島家と言えば、天下を取らんとする有力大名のひとつ。
    地方豪族の者など、利用できなければ殺されるだけである。
    現に八島家の多くの者は、我が物顔で城をウロついている。
     
    その恐ろしい力を持つ大名家の臣下が
    女中である自分に頭を下げて礼を言うとは。
     
     
    それでも顔色を伺いながら、恐る恐る言う。
    「あの・・・、どなたさまに申せば良いのかわからないのですが・・・。」
    城女中に伊吹は気さくに応えた。
    「俺に言ってくれれば、しかるべき者に申し伝えるゆえ
     安心して言っていいぞ。」
     
    「はい、実はこのままいけば、お米が足りなくなるかも知れません・・・。」
    その言葉を聞いて、伊吹は理由をすぐに思いついた。
     
    なるほど、普段は通いで戦いに来てくれる者も多い場所でのいくさだったが
    今回は地の者が加勢してくれないので
    寝泊りと食事の用意も計算が狂ったのだな。
     
    「わかった。
     すぐにどうにかするので心配しなくて良いぞ。」
    伊吹の快諾に、城女中はようやく安心した。
     
    いくら優しげとはいえ、気が荒くなければ武士は務まらないからで
    彼らの自尊心をどこで傷付けるかわからないので、気を遣ってしまうのだ。
     
     
    さて、賄い方 (まかないかた) は誰であったかな。
    これは高雄を探した方が早いか?
    いや、これ以上、あいつの仕事を増やしたくない。
     
    伊吹が悩みながら、城の裏庭に行くと
    安宅 (あたか) が声を掛けてきた。
     
    この青年は、高雄の小姓である。
    小姓とは、身分のある世継ぎ男子に付く部下で
    自らも身分が高くないとなれない。
    警護から身の回り一式、仕事の手伝いに至るまで
    高雄のすべての世話をする役目の者である。
     
    「伊吹どの、高雄さまは今、城にはおりませぬが。」
    もう開戦も近いこの時期に、安宅を残しての外出など
    高雄の立場からしても、ありえない。
    「何かあったのですか?」
     
    安宅は本来なら、口が固い忠実な部下だが
    伊吹は高雄の親友であるので、声をひそめて告げた。
     
    「はい、実は大殿の到着が遅れそうなのです。
     高雄さまは詳しい事を確かめに
     国境 (くにざかい) まで出向かれました。」
     
     
    「何と・・・、そのような事も起きておるのか。
     困ったな・・・。」
    あごに手をやり考え込む伊吹に、今度は安宅が訊く。
    「どうなさいましたか?」
     
    伊吹は食料の事を安宅に相談した。
    「合戦中に食料が足りなくなるのだけは避けねば。」
     
    「そうですね。 では、わたくしは賄い頭を探します。
     伊吹どのは、町に行って米の手配をしていただけますか?
     事後承諾やむなしだと思うのです。」
    「うむ、俺もそう思います。」
     
     
    当面の蓄えの大体の量を、ふたりで計算し
    安宅は台所へ、伊吹は手の空いた者を数人連れて、町へと馬を走らせた。
     
     
     続く 
     
     
    関連記事 : 殿のご自慢 3 13.2.19
           殿のご自慢 5 13.2.25  
           
           殿のご自慢・目次 

  • 絶対嗅覚

    私は絶対外し音感の持ち主である。
    あらゆる音は、どの音階にも当てはまると思っている。
    そして音が後ろから聞こえる。 霊的なものじゃなくて。
     
    そう、私は難聴である。
     
     
    これは、そんな私の妄想だが
    私は割に絶対嗅覚の持ち主らしい。
     
    周囲が驚くので、それを真に受けて
    天狗になっているだけかも知れないけど
    私には何故違いがわからないのかが、わからない。
     
    嗅覚が鋭いという事は、どうやら味覚にも影響するようで
    私は味の違いを言い当てられる。
     
    これ、アルフォート食べ比べ 11.1.27 で書いたけど
    基本がチャチい味が好きなもんで
    多くの人が感じる “美味いもの” を見つける味覚じゃなく
    “単に食い分けられる” という、利用価値のない能力なのが悲しい。
     
     
    コーラとペプシも記憶だけで味の違いがわかるぜ。
    何で “記憶だけ” かっちゅうと
    炭酸飲料なんて、10年近く飲んでいないからだ。
     
    コーラはトゲトゲがある味で、ペプシは平べったくてガムのような味。
    この例えがわからない、と、よく言われるけど
    味って形があるよな。
    前にも書いたけど、金属は平べったい味がするんだ。
     
    他にもスナック菓子など、何度か秘密裏に味付けを変えてるぞ。
    多分、材料の仕入れ価格とかの変動で変えざるを得ないんだろうな
    とは思うけど、大抵が不味くなってるんで
    しかも量まで減らしてくるやつもあるので
    一概に納得はしていなけど、とりあえず騒がずに食ってる。
     
     
    そんな私は、自分の匂いがわかって辛い。
    普段の私の体臭は、ヘナ臭を除けばほぼ無臭だけど
    フチがポロポロ崩れてる球体のような匂い。
     
    それがババアになってから、油ものや肉類を食うと
    加齢臭がするようになってきた。
     
    だけどもっとご長寿な方の、確実な加齢臭を知っているので
    私のはまだ加齢臭というのではなく
    香水や洗濯洗剤、柔軟剤、石鹸、入浴剤等の香料
    などと、体臭の混合反応がおかしくなってきているような気がするんだ。
    とは言え、これも立派な老化の第一歩のような気がする・・・。
     
    もう、体臭に合う合わないがはっきりしてきているので
    ほんと、ここにきて “無香料” のありがたみが増大!!!
    高い香水も、玄関フレグランスにしか使えなくなったよ・・・。
    もったいねえ。
     
     
    でな、ここである事に気付く。
    体臭がきつい人、っているじゃん。
    体臭じゃなくても、汗の匂いとか、風呂に入ってない匂いとか。
    それさ、誰もが嫌がる匂いだろう、とひとくくりにしてたけど
     
    同じ匂いだとしても、発する人に対する感情で
    その匂いが好きか嫌いか決まるみたいなんだ!
     
    これは恋愛感情に関係なく、男女ともに。
    この匂いに対する自分の反応で
    へえ、私、この人に好意を持ってるんかあ、とか気付かされて
    それがまた意外な場合もあって結構、面白い。
     
    これ、皆知ってた?
    私は最近気付いたよー。
     
     
    嗅覚が敏感なのって、今の輸入洗剤の強い香料流行りの社会では
    良い事はないような気がする。
    味覚が敏感でも、美味しいものばかりじゃないしな。
     
    おまけに日や体調によって、嗅覚ってものすごく変わるんだよー。
    最近は愛用している化粧品の匂いでさえ
    別物に感じて気分が悪くなったりするんで、無臭一択が無難・・・。
     
    ついでにな、美味いと言ってたものが急に不味くなったりするんで
    私の食のお勧めは、騙されたと思いつつ試してな。
     
     
    結局、無能って事か・・・、と落ち込みそうになるんで
    ひとつ、不確かな情報を風評被害しよう。
     
    直球で言うけど、生理の匂いって血の匂いじゃないと思う。
    あれ、内臓の匂いだと思う。
    いや、人間の内臓の匂い、知らないけど。
     
     

    評価:

    カーメイト(CARMATE)


    ¥ 699

    コメント:カーセックスしてる車って匂いでわかる、と車屋さんが言ってたぞ。 そういう性嗜好なら、人格保持のためにこれを買っておけ。 あと、車に乗ると屁をこきたくなるヤツもこれを持って乗れ。 

  • 殿のご自慢 3

    昨日の場所に来たが、誰もいない。
    良かった、と思う反面、ガッカリする気持ちがあり
    俺は何を期待していたのか、と頭を振る伊吹。
     
    昨日はあの出来事に驚いて、結局目的を忘れて帰ってしまったんだった
    丁度良い、予定していた下見をしておこう。
     
     
    伊吹は平原の右手を指差した。
    あそこが我が方が陣を置く場所。
    中央右に乾行、左に俺、高雄は真ん中の奥。
     
    腕を水平に左に動かす。
    乾行と俺の突撃に怯まぬ兵はいない。
    高雄は少し後ろから、逃れ出る兵を討つ。
     
    そうやって、三角の布陣が出来上がる
    3人が揃う戦場では、それがいつもの兵法で最強だが・・・
    戦いに “絶対” はない。
    今回も俺たちは三人、水さかずきを交わして、この地に立つのであろう。
     
     
    伊吹は空を仰いだ。
    もう陽はあたりを赤く染め始めている。
    まだ陽も短いというのに、冬が終わった途端にいくさとは・・・。
     
    伊吹は戦いが好きではなかった。
    しかし陣取り合戦に意欲のある殿に拾われたからには
    いくさで役に立たねば、生きている価値がない。
     
    乾行が女遊びに狂っているのは、いつ死ぬかわからない人生だからであろう。
    家に縛られている高雄は、女に興味がない。
    俺は・・・・・
     
     
    視線をふと下ろしたら、枯れ草の中に赤い花のかんざしが落ちていた。
    これは、昨日のか?
    拾い上げて、あたりを見る。
    誰の気配もない。
     
    このような目立つものは、昨日はなかった。
    あの娘、もしや今日も来ていたのであろうか?
     
     
    伊吹はかんざしに付いた赤い花を見つめた。
    このかんざし、花のようなあの娘に似合っていよう。
    だが、どうしたものか。
    失くして困っているかも知れぬ。
     
    もしここに探しに来た時に、野ざらしでは可哀想だな。
    伊吹は袂から出した手拭いで、かんざしを包んで地面に置いた。
     
     
    朝起きて顔を洗いに出たら、既に身支度を済ませた高雄に呼び止められた。
    「すまぬが、今日は新参の兵に規律を教えてやってはくれまいか。」
     
    高雄の顔色が優れない。
    無理もない。
    もうすぐ開戦だが、主軸となる重臣たちもまだ来ていない。
    領地から離れた地でのいくさは、準備に手間取り
    それを高雄が一手に引き受けている。
     
    俺も手助けをしてやらねば。
    伊吹は、高雄が少しでも元気が出るよう明るく言う。
    「うむ、そっちの方は任せろ。」
     
    「すまぬな。 本来は私の仕事なのだが・・・。」
    「いや、俺は開戦前は暇なので、何でも言ってくれ。」
    高雄は礼の代わりに手を上げて、廊下を急ぎ歩いて行った。
     
     
    募集兵は、その多くが小銭稼ぎの一度限りの参戦である。
    そのような者たちに、作戦を授けるのは無理どころか
    こちらの戦法を敵方に洩らされでもしたら大変である。
     
    よって、募集兵には我が陣営にいる時に
    守ってほしい、しきたりや流儀を伝えるぐらいしかない。
     
     
    戦場での働きは、武将たちがいかに足軽を鼓舞させ
    指揮を取れるかに懸かっている。
    だから武将は真っ先に、敵兵の中に突っ込むのである。
     
    強い武将は、いくさの場において
    まるで軍神をその身に降ろしたかのように輝く。
    戦場は、武士の晴れ舞台であった。
     
     
    高雄はその冷たい美しさで、兵を惹きつけ
    乾行は派手な豪腕で、兵の意欲をあおる。
     
    俺には何もない、そう落ち込む伊吹であったが
    堅実さと誠実さによる安定感は、誰よりも勝っていた。
     
    “死にたくなければ伊吹さまの隊に入れ”
    それが野武士らの認識で、結果的に生きていくさを重ね
    経験を積んだ者たちが、伊吹の周囲に集まってきていた事を
    伊吹は知らなかった。
     
     
     続く 
     
     
    関連記事 : 殿のご自慢 2 13.2.15 
           殿のご自慢 4 13.2.21 
           
           殿のご自慢・目次 

  • ババア’s トーク 5 ヨネの裏稼業

    (ピンポーン)
    ヨネ 「何ね、それは。」
    ウメ 「チヨさんが、『お茶会で余ったけん持って行け』 てたい。」
    ヨネ 「おお、マカロンね。 意外に出番が早かったばいね。
        こげん、カルメ焼きもどきが1個500円とか、よお買うね。」
     
    ヨネ 「チヨさん、“お茶会” も始めらしたとね?」
    ウメ 「本人は “女子会” て言いよらしたけんど
        うちゃ、そこまで図太か事は、よお言いきらんたい。」
    ヨネ 「あん人の時間は何歳で止まっとっとだろうね?」
    ウメ 「さあね。 バブルん時には、もう止まっとらしたよ。」
    ヨネ 「FFで言えば、ストップの呪文かね。」
    ウメ 「なら、あん人は黒魔法使いね。」
    ヨネ 「しかも、まさかの高LVじゃろ。」
     
     
    ウメ 「ちょっと避けてくれんね、え、よっこいしょうのすけ、と。」
    ヨネ 「新しいロングブーツじゃなかね。
        前に買うたサイハイブーツもあるとに、また買うたとね?」
    ウメ 「サイハイ、邪魔だけん、折りたたんでしまっといたら
        貼りつき合うて剥がれんでよ。
        安物合皮は、うちらより年を越せんよね。」
    ヨネ 「リアルな例えをせんでくれんね。
        サイハイはさすがに年齢的にキツかったけん
        神の裁きが下ったっちゃなかね?」
     
    ウメ 「“神の采配” とか言うとなら、聞く耳持っとらんけんね。
        それはよかけど、こん家のなんちゃってバリアフリーは何ね?
        5mmの段差で、もう車椅子はひとりでは動かしきらんとに
        玄関の上がりがまちが3cmて、意味がわからんばい。
        靴を脱ぐにも廊下で転げ回らなんじゃなかねーーーっ。」
    (ゴロゴロドタドタ)
     
    ヨネ 「それは、おめえがブーツを履いて足をむくませとるせいたい。」
    ウメ 「ブーツを履いとったら、店員に “おばあちゃん” じゃなく
        “奥さん” て呼ばれるけん、やめられんとたい。」
    ヨネ 「歳に合わん格好を平気でしとると
        面倒くさそうなババア、て思われるとだろね。」
     
     
    ウメ 「チヨさんが2丁目に行かんね、てたい。」
    ヨネ 「どこの2丁目ね。」
    ウメ 「いきなり “2丁目” という表現を、新宿以外にせんだろて。」
    ヨネ 「何でうちらが2丁目ね?
        そこの方が、“いきなり” だろたい。」
    ウメ 「マツコ・デラックスがいるところ、と思うとらすとよ。
        最近のチヨさんは、マツコの言う事なら何でも間に受けとらすけん
        本人を一度見てみたからしかよ。」
    ヨネ 「部外者が行ってん、嫌がらるっだけじゃし
        今のハッテン場は2丁目じゃなかとにね。」
     
    ウメ 「問題はそこじゃなく、うちらがいつもあん人に振り回されとるとこよ。」
    ヨネ 「うちゃ、振り回されとらんばい。」
    ウメ 「じゃけんど、おめえ、たいぎゃな悪口言われとるよ。」
    ヨネ 「おめえ、かばってくれとらんとね。」
    ウメ 「かばってん、よかばってん、派閥抗争になるばい?」
    ヨネ 「何でババアになってからも、JKみたいな事をせなんとね?」
    ウメ 「じゃろ? チヨごとき、ニラニラとウォッチしときゃよかったい。」
     
     
    (ガタッ)
    ウメ 「うわ、たまがったあ!」
    孫 「あ、すんません。」
    ヨネ 「こら、流風吹 (るふぃー)、ノックぐらいせんね!」
    孫 「・・・ふすまを?」
    ウメ 「入り口横に鐘でも付けたらどうね?」
    ヨネ 「うちの部屋はサ店じゃなか!」
     
    孫 「ばあちゃん、ちょっとパソコンば貸して。」
    ヨネ 「よかよ、ちょっと待って。
        パスワード、Y・・・O・・・N・・・、Eはどこかいね?」
    (ポチ・・・ポチ・・・)
    孫 「あ、あとは自分でやるから。」
     
     
    ウメ 「・・・寒うなったねえ。」
    ヨネ 「ほんなこつねえ。」
    ウメ 「お茶が美味しかねえ。」
    ヨネ 「(ジロリ) ・・・ほんなこつねえ。」
    ウメ 「寒うなったねえ。」
    ヨネ 「(ジロリ) ・・・ほんなこつねえ。」
    ウメ 「お茶が美味しかねえ。」
    ヨネ 「・・・ほんなこつねえ。」
    (以下 リピート)
     
    孫 「ばあちゃん、ありがと。」
    ヨネ 「おお、よかよか、そのまま置いときなっせ。」
     
     
    ウメ ヨネ 「・・・・・・・・・」
    (パタン ペタペタペタ・・・)
     
    ヨネ 「ちょ、ボケババアのフリば、させんでくれんね!
        うちの溢れる活力感は、24時間身内に隠しきれんよ。」
    ウメ 「活力あるババアがいつもふたりで喋っとったら
        何の暗躍かと疑われかねんばい。
        て言うか、ここんちは孫にパソコンも持たせとらんとね。」
    ヨネ 「今の若い子はケータイでネットしよるけんね。」
    ウメ 「・・・おめえのパスワード、YONEじゃなかろうも?」
    ヨネ 「おめえに預けとるのは隠しユーザーのパスたい。
        このパソコンは、パスなしで開くオープンひとつと
        表向きメインのYONEだけじゃなく
        真のうちの活動場である、隠しユーザーの3層に分けとるとよ。
        時々ああやってパスを漏れさせる事で
        ガードが緩い、と安心させとるわけたい。」
     
    ウメ 「ババアのパソコンの中身なんか、誰も気にせんと思うけんど
        自分ちのババアがハッカーだと知ったら
        家族は表を歩けんくなるよね。」
    ヨネ 「そこまで悪らつな事はしとらんよ。」
    ウメ 「おめえがどんな地下活動をしようがよかけど
        夜中の2時にメールでパスを訊かんでくれんね。」
    ヨネ 「いやあ、歳のせいか時々ド忘れすっとよ。
        パスとか家に置いとくのが、盗まれる一番の原因たい。
        どうせ夜中に何度もトイレで起きるとだけん、よかろうもん。」
    ウメ 「うちの頻尿を、夜間金庫のように利用せんでくれんね。」
     
    ヨネ 「流風吹、何ばしよっとかと思うたら、アイドルの整形疑惑ね。
        だけん、大きか画面で見たかったわけね。」
    ウメ 「おめえの孫、案外くだらんね。」
    ヨネ 「せからしか。 あん年頃なら、しょんなかたい。」
     
    (タタタタタタタン)
    ウメ 「何ばしよっとね。」
    ヨネ 「いや、せっかく立ち上げたけん、巡回たい。」
    ウメ 「おめえ、『更年期ですかpgr』 て、あおられとるよ。」
    ヨネ 「任せんね。」
     
    (タタタタタタ タン!)
    『自己紹介乙。 あっ、ごめんごめん、妖精サン一歩手前のDTクンだったね。
     右手のイカ臭がマウスに移ってるんじゃね?ゲラゲラ』
     
    ウメ 「DTちゃ何ね?」
    ヨネ 「童貞の事たい。
        30歳まで童貞だと、妖精になれる伝説がネット界にはあるとよ。」
    ウメ 「うわ、ひどか・・・。
        おめえ、若いもん相手に何しよっとね。」
    ヨネ 「今のクソガキは、言葉の暴力を知らんけんが
        うちが月に代わって、しばき倒しよっとたい。」
    ウメ 「そん、“言葉の暴力” を知り尽くして
        一番活用しよっとは、おめえに見えるけんどん。」
    ヨネ 「くだらん事で人を傷付ける言葉を吐く方が悪か。」
    ウメ 「程々にしときなっせよ。
        暴力は暴力しか生まんけんね。」
    ヨネ 「リアルで言葉の暴力を使いよるおめえに言われるとは・・・。」
    ウメ 「うちが何したて言うとね?」
    ヨネ 「あー、だけん “天然” は最強で、面倒かばいた。」
     
     
    ヨネ 「そんなうちも、スマホはめんどかとよ。」
    ウメ 「老眼にあの画面はつらかもんね。」
    ヨネ 「なのに、今うちじゃスマホ切り替え計画が浮上しとって・・・。」
    ウメ 「それ、ピリカラが言い出したっちゃなかね?」
    ヨネ 「何でわかると?」
    ウメ 「あの女は夫の携帯を盗み見するタイプたい。
        スマホの追跡アプリ狙いじゃなかね?」
    ヨネ 「よおわかるね。
        でも我が息子ながら、モテる気配もなかよ。」
    ウメ 「そういう男は出会い系たい。」
    ヨネ 「我が子のそういう話にゃ首を突っ込もうごとなか。」
     
    ウメ 「そうは言っても、おめえの息子がいらん事して離婚でもされたら
        おめえはこの、微妙ななんちゃってバリアフリーハウスで
        息子と二人暮らしの、老老介護まっしぐらだけんね。」
    ヨネ 「うちゃ、施設にでも入るけん。」
     
    ウメ 「おめえがバリキャリで、育児を親任せにして出来上がった
        三文安の脳なし息子の方が生きていけんと思うが。」
    ヨネ 「おめえ、たいぎゃな言いたい放題じゃね。」
    ウメ 「おめえんちの心配をしてやりよっとに。
        嫁さんば大事にしてやんなっせ。」
    ヨネ 「・・・そう言われると、うちも平和なのが何よりだけんね・・・。」
     
     
    嫁 「ただいまー」
    ヨネ 「おお、愛美さん、おかえり。
        今日は寒かったけん、大変だったろ?」
    嫁 「ええ、だから今夜はキムチ鍋にしようと思って。」
     
     
    (タタタタタ)
    『うちの嫁が毒を盛ってるかも知れない件
     1:名無し 2013/2/ 辛いものばかり食べさせられてます… 』
    『2:名無し 2013/2/ トメトメしく2get』
    『3:名無し 2013/2/  クソスレ立てんな 文句があるなら自分で作れ』
    『4:名無し 2013/2/  削除依頼出しとけよ』
    『5:名無し 2013/2/  クソトメ 糸 冬  了 』
     
    ヨネ 「・・・・・・・・・・・」
     
     
     

    評価:

    志水 ゆき

    新書館


    ¥ 2,100

    (2010-05-24)

    コメント:おめえ、ちょっとうち来いやあ! と叫びたくなる美少年ポーズ集。 文豪の私には構想用としてアリかも知れんが、現実を見て生きにゃならんので、画伯にお勧めするよ。 ポーズがわかりやすく、資料として1級品だってよ。

  • 殿のご自慢 2

    「・・・おい、おまえ、どうした?
     ずっと今日は上の空だな。」
    ボーッと町行く人々を眺める伊吹に、高雄が声を掛ける。
     
    「なあ、おまえは女に興味がないのか?」
    伊吹の質問に、高雄は静かに、しかし辛らつに言う。
    「おまえがそんな事を言うとは、乾行の病気が移ったか?」
     
    気まずそうな表情になる伊吹に、申し訳なく思ったのか
    高雄は真面目に答えた。
    「私の結婚は、家の政治だ。
     よって無駄な事はしたくない。」
     
     
    「・・・女を想うのが無駄か・・・?」
    高雄が珍しく、目を見開く。
    「想っているのか?」
     
    「いっ・・・いや、想っていない、想っていない!」
    伊吹が立ち上がった拍子に、台が倒れて書類が散らばる。
     
    「おまえは・・・」
    「すまん・・・」
     
    ふたりで書類を拾い集めるが、その数は少ない。
    「ここいらの地では、うちの陣の兵は集まりにくいな・・・。」
    「そうか、相手の人気が高いんだな。」
    「うむ、領地から遠い出兵では、半農の兵を連れては来にくい。
     ましてや、ようやく田畑作業を始められる季節だしな。」
     
     
    書類をトントンと揃えながら、高雄が言う。
    「今回のいくさで出てくる、龍田 (たつた) 家は
     我らが八島家とは、何の遺恨もないのだが
     山城 (やましろ) 家との義理で、やむなくだそうだ。
     民にとっては、良い統治をしている良い殿らしいので
     負け戦で散らせるのは惜しいな。」
     
    「うむ・・・。
     我が大殿は、そこは容赦せぬからな・・・。」
     
    この時代、余程の事がない限り、やいばを向けた者は家ごと滅ぼすのが掟。
    拮抗した力の家がいくつもあると、裏切りが横行するからである。
     
    今回の戦いの相手も、そういうしがらみに縛られて
    本来なら相対する事のない、何倍もの兵力を持つ八島家に
    立ち向かわざるを得ない状況で、同情の声も多かった。
     
     
    「しかし本当に迷惑なのは、近隣の町や村だな。
     いくさがある度に、田畑が荒らされ
     男たちがかりだされて大勢が死ぬ。」
     
    高雄のこの言葉に、伊吹は急に不安になった。
    あの娘、今日もあそこにいるのではないか?
    いくさ渡りを生業とする野武士らも集まって来ている。
    中にはタチの悪い奴らもいる。
    いくら慣れている土地とはいえ、そういう輩に囲まれたら・・・。
     
    「すまぬ、高雄、後は乾行に頼んでくれ。
     あいつは多分、居酒屋にいる。」
     
     
    走り去る伊吹を見送りながら、高雄はつぶやいた。
    「裏切ったな・・・。」
     
    だが、乾行の本当の居場所は甘味処だ
    甘いものが好きな町娘を引っ掛けているのだぞ。
     
    高雄はスッと立ち上がり、作業をしている者たちに告げる。
    「おまえたちは続けてくれ。
     私はすぐに乾行を連れて戻る。」
     
     
     続く 
     
     
    関連記事 : 殿のご自慢 1 13.2.13
           殿のご自慢 3 13.2.19 
           
           殿のご自慢・目次 

  • デカパン

    デパートには何でも売っていると思っていた。
     
    私がデパートが好きなのは、そう歩かずに
    オープンスペースの店を見て回れるからである。
    以前にデパートにパンツを買いに行った時も
    そういう “ショップ” に行っちゃったんだな。
     
    注: この記事で言う “パンツ” は下着の事ね。
     
    きらびやかなお店には、レースてんこ盛りの布最小限の下着しかなく
    レースにかぶれる私には、どうしようもなかった。
    しょうがねえので、その店でおそらく一番の
    レース最小限、布ふんだんのパンツを買って帰ったが
     
    一 度 も は い て お り ま せ ん 。
     
     
    そもそも私は下着はラクなのならば、どうでもいい。
    「おしゃれは下着から」 と言うけど
    私から言わせれば、「おしゃれはボディーから」 だよ!
     
    ほら、毛ガニだって、あんな気色悪いのに
    中身は、あら、美味しい! だろ?
    ボッロボロの下着の下がナイスバディー、
    これ、最強のギャップ萌えじゃねえ?
     
    と、黒を白く言い張ってきたわけである。
    いらん例えに出された毛ガニ、大激怒だな。
     
     
    そんな私は、故かあちゃんがニッセンを見ている時に
    「あ、これもついでに注文してー。」 でパンツを買っていた。
    30歳過ぎて夫がいる身になっても!
     
    かあちゃんは娘の選ぶ、ブルマーのようなパンツに
    さすがに、女としての資質を疑ったのか
    「もうちょっと可愛いのを選びなさいよ。」 と言うてきおった。
     
    レースにかぶれるから、と答えると
    「良いレースを選ばないからよ。」
    かあちゃんのこの “良い” は、ケタが違うので
    じゃあ買うてくれよ! とも言えない。
     
    だってクリーニングに出せないなら、風呂場で手洗いだぜ?
    珍しく謙虚するけど、そこまで自分の体は上等ではないと思うんで
    そんな手間の掛かる包み布はいらん!
     
     
    関西に来てからも、かあちゃんは時々
    もうすっかり把握した、私好みのパンツを送ってくれてたが
    ある日突然、紙パンツを大量に送りつけてきた。
     
    これは何の意味が隠されてるんだろう? としばし悩んだが、何の事はなかった。
    災害時のためのものだそうだ。
     
    「箸を洗うのも面倒くさい・・・。」 と
    ちょっとスサんでた時にボヤいたひとことで
    親戚総出で、私に割り箸を送る運動をしてくれたんで
    とうとうパンツを洗うのも面倒になった、と思われたんかとビビったよ。
     
    ちなみに紙パンツの履き心地は試してない。
    災害時にはくものだから、もしはいて災害が起こったら恐いじゃん!
    うかうか、試しばきも出来ねえよ。 
     
     
    こっから生理の話題になるけど、生理時って余計に腹を締め付けたくないんで
    私は普通のパンツでしのいでいる。
     
    ・・・・・・・皆、最初からナプキンの付け方を知ってたか?
    数十年前のナプキンは、接着テープが先っぽに横にだけ付いてたんだよ。
    もうわかるな?
     
    高校生になって、グチったんだよ。
    ねえ、生理って生理痛だけでも辛いのに
    あのテープで皮膚がすっげえ痛くない?
     
    私の声が聞こえていた全員が、バッとこっちを見たさ。
    どうやってナプキンを付けてんの? と訊かれまくったんで
    当たり前のように、接着面を肌に付けてる、と言うと大爆笑。
     
    あれ、パンツ側に付けるものだったんだな・・・。
    言われてみたらそうだけど、パンツに貼るようになって漏れるようになったぞ。
    皮膚はズレんが、パンツはズレる。
    まあ、だからこそ生理用ショーツがあるわけだがな。
     
     
    ここまでが前置き。
    こっからの一番重要な本題、ほんの数行で終わると思う・・・。
     
     
    生理用にしていたパンツが、度重なる接着テープの攻撃によって穴が空いたんだよ。
    私は平気で、穴の空いたパンツもちろんエロ用ではないのをはけるんだが
    今回のその穴は、図ったかのように肛門のところに
    限りなく真円に近い形で空いちゃったもんで
    とてつもない微妙な気持ちになってのお・・・。
     
    これはこれで見ようによっちゃ、エロと言えそうな気もするけど
    しょうがねえ、捨てるしかあるまい、と
    ハサミで細切れにチョキチョキして捨てたさ。
    ロクでもねえパンツは、干すのと捨てるのに気を遣うよな。
    中身のない毛ガニも・・・、毛ガニに謝るすみません!!!
     
     
    さて、捨てた分、補充をせねば。
    というか、パンツ、あるんだけど、どれもレースがついてたり苦しかったり
    ああ・・・、どこかにワカメちゃん愛用のようなパンツが売ってないものか・・・。
     
    そしたら “衣服売り場があるスーパーにある” という情報をGET!
    早速行ってみたさ。
     
     
    私の住んでる地域は、夫婦仲が良いんか、買い物好きの男性が多いんか
    老夫婦が揃って買い物をしているシーンが日常に見られる。
     
    行った下着コーナーにも夫婦が3組いた。
    ただしデカパンの売り場なので
    何ちゅうか、アラナナ? (アラウンド70) 夫婦ばかり。
     
    ばあさんが、茶色に近いベージュのパンツを手に
    「ああ、これこれ」 と言った。
    そうそう、それが一番アウターに透けないんだよな
    さすが、わかっていらっしゃる、と心の中でばあさんを賞賛。
     
     
    で、ふと横にいたじいさんを見ると
    妙に哀愁を漂わせて紫のパンツを凝視していたのが、おかしくておかしくて
    この時ほど、マスクをしていて良かった! と思った時はなかったぜ。
     
    じいさんは、ばあさんにちょっとは色気のあるパンツをはいて欲しいようだが
    そんな事を言うと、ばあさんからどれだけスケベ扱いの罵倒をされるやら。
    長年連れ添ってきたじいさんの、危機回避能力ブラボー!
     
    ちなみに私も、レースいっちょもない茶色に近いベージュにしたさ。
    それがパン透けしちゃならねえ、ババアのたしなみ!
     
     
    2種類買って帰ったんだけど、帰宅して値札とか外してたら片方が薬品臭くてさ。
    最近、気を抜いててついつい忘れがちになるんだけど
    ハッとタグを見たら、中国製・・・。
     
    でももう片方は何も匂わないので、タグを見たら
     
    日本製 福助 ばんざい!!!
     
    中国製のって、何でああ薬臭いんだろう・・・。
    翌日もう一度、福助を買いに行ったさ。
     
    私が買ったのは、アマゾンにはなかったんで
    代わりに同じく日本製のグンゼを。
     
     
    デカパンをはいてきて、ひとつ良かった、と思うのは
    皮膚に下着跡があまり付いてない事。
    小さいパンツは皮膚を締めるので、黒ずみやすいし
    歳を取ると、いらんところに段差がある腹や尻になる。
     
    尻はな、入浴の時に絹の布か米ぬか袋で軽くクルクルと3周ぐらい撫ぜ
    風呂上りに保湿力の強いクリームで、外から内へとマッサージして
    それを続けて数年で、やっとどうにかなる、という
    お手入れが効かない部分なんだよ。
     
    だって座る時に尻に全体重が掛かるだろ?
    贅肉の歪みだけじゃなく、角質化によるブツブツも出来るんだ。
    よって本来なら、ノーパンがベストなんだけど・・・、なあ?
     
     
    だから、パンツは考えて選ぶべき。
    ヘソあたりまでの大きいパンツなら、段がついてもそれはウエスト。
     
    色素沈着を起こす足の付け根のゴムは
    力の限りにグイグイ引っ張って、ビロビロに伸ばしてはく。
     
    おしゃれは未来も想定してこそよ、ほーほほほほ
     
     
    ほい、本題、数行で終わり。(本題、どこ???)
     
     
     

    評価:

    GUNZE(グンゼ)


    ¥ 1,470

    (2011-03-01)

    コメント:若い娘さんたち、これをはきなされ。 年齢とともに下着の締め付けで色素沈着や肉の段差ができるので、“ウエスト” 部分にゴムがくるものを。 色気もほしいならノーパンか、特殊なところでふんどしを。 ババアの言う事は聞いておけ。