• ミント探しの旅

    いつも画像の端にひっそりと写っていたミンティア。
    (物の大きさをわかりやすくするために)
    (画面自体が暗くて、何が写ってるのかよくわからないのに)
    (最近は画像の光度?を調整する事を覚えたぞ、ほほほ)
     
    その、大きさ比べのミンティアは
    シャープエバー” という、スペアミント風フレーバー。
     
    正直に言うと、フリスクが200円するんで
    68~78円で買えるミンティアを食ってるわけだが
    もっと正直に言うと、平均的にはフリスクの方が美味い。
     
    やっぱり、“値段がな” なのかな、と思う。
    (“がな” とは、九州あたりの方言で、“だけ” といった意味。
     「がなよ、がな」 は、「値段通りよ」 という意味で
     しかもあまり良い意味ではなく
     損もしてないけど得でもない類の妥当な価格、というニュアンス)
     
    その中でもシャープエバーだけは、美味しく食えたのに
    それが な く な っ た !!!
     
     
    ミンティアの基本のミント味は
    “ワイルド&クール” というフレーバーだが
    確かに妙な味がワイルドに見え隠れする不愉快な味。
    あ、ここでお約束の注意書きをさせて。
     
    この記事は、アホウなババアの稚拙な味覚のレポートなので
    万人に当てはまるわけではありません。
    真に受けずに、必ず自分で試して判断してください。
     
    て言うかさ、一番美味かったシャープエバーをなくすなど
    ・・・ああ、アサヒフーズか。
     
    うちの真の共産主義の父親が、ずっと朝日新聞を取ってて
    まあ、その朝日とは何の関係もないかも知れんけど
    誤解されたくなければ、普通は名前を変えるよな。
     
    ま、“あさひ” と名の付くものはロクでもねえ、という結論で
    ヘンなフレーバーを出しちゃなくし、出しちゃなくし
    そんなんしてるより、きっちりミント味を追求しやがれ
    というミントファンの声も聞く気はないんだろうな、と邪推して
     
    私はミンティアを卒業します!
     
     
    とりあえず、シャープエバーを失った傷心の自分に慰めを
    という事で、フリスクを買ってみた。
    一番好きなベリーミント。
    フリスクの好みの味だけが、純粋ミント味ではないのが不思議。
     
    (ちなみに、フリスクの普通のミントとスペアミントは
     何の支障もない、普通のミントの味。)
     
    んで、偶然イオンで見つけたトップバリューのミント。
    ・・・これがな、ミンティアのワイルド&クールより美味いんだ!
    値段が78円だから、もうこれに乗り換えるつもりだけど
    メイドインが書いてない・・・。

    トップバリューのメイドインなんか、知りたくもないんだけど
    成分表も何か不親切で、とても体に良いとは思えない。
     
     
    画像は上から、ミンティア ワイルド&クール 68円
    フリスク ベリーミント 200円?
    イオントップバリュー ミントタブレット 78円。
     
     
     
    粒の大きさは、直径は同じなんだけど厚みがちょっと違う。
     
      
     
    ・・・あ、ごめん、全部一緒だわ。
    おっかしいなあ、フリスクだけ、食ってて厚みを感じたんだよー。
     
     
    何だか最近は、そんなにミントをドカ食いしないし
    カンロの激甘キャンディー、キャラメル・サレを常食しとんので
    これがまた糖分も塩分もてんこ盛りで
    特別な私のためのヴェルタースより甘いんで
    これを食う代わりに、お高めミントを食った方が
    まだ体には悪くないんじゃないか? と己を甘やかしたのが
     
    JILA MINTS のスペアミント 248円ぐらい?
     
     
     
    ジラって言うんかのお? ジーラ? ふりがなを頼めんかのお。
    オーストラリアからの輸入品のようで
    包装をビリビリ破りとったら、それに説明書きがあったらしく
    慌ててゴミ袋を漁ったけど、高貴なわたくしには念入りゴミ探索は出来ず。
     
    このミント、片面が淡いグリーンで、もう片面が白で
    その色の違いに何の意味があるのか、さっぱりわからん食い心地だが
    とりあえず、普通に美味い。
    が、いつまでも後味が続いて、しつこい。
    さすが肉食人種の食うミントはひと味違うもんだ。
     
     
    もいっちょ調子こいて買ったのが ALTOIDS (アルトイズ)。
    大昔に、これの赤い缶のを食ってたんだけど
    辛いわ油っこいわで、ミント中毒の最終地点のような味だった。
     
    それのスペアミントが出てたんで衝動買い。
    もちろん値段は忘れたけど、こっちも多分248円ぐらい。
     
    JILAのもアルトイズのも、きっと値段を間違ってる。
    何で “248” って数字が浮かぶのか、自分でもさっぱりだよ。
     
    えーと、アルトイズの裏書きによると、原産国アメリカで
    砂糖がトップにくる凶悪な配合。
     
    ・・・注意書きが面白いんで、丸写しするよ。 改行もこの通り。
     
    : 伝統的なレシピで作られたミントキャンディ。
    : カリカリ噛んで食べても、お口の中でころがしても
    : 食べ方は自由です。
    : ★キャンディは製法上の理由でかけていたり不揃いなことがあります。
    : ★缶蓋を閉めていても隙間から粉が漏れることがあります。
    : ポケットやバッグの中を汚さないようお気をつけてください。
     
    とりあえず、アメリカの人、ゆとり乙!
    ついでに粉漏れ恐れで持ち歩けない容器、大雑把乙!
     
    ミンティアの粒との比較写真の土台は3DS。
    さすがの任天堂も、こういうDSの使われ方をするとは想定外であろう。
     
    今の携帯のカメラは、ズームという機能が付いていないので
    ドアップにして、不平を分かち合えないのが残念だけど
    粒のフチ、ガッタガタ。
    震えながら切ったように、ガッタガタ。
     
      
     
    肝心の味は、赤い缶のように辛くなく私の好みのスペアミント。
    ただ、かなり甘いし、ザラつきながら溶ける食感。
     
    一番のメリットは、この缶のサイズ、何と綿棒入れにピッタリなんだ。
    それだけでも、買う価値がある!
     
       
     
    このミントも、そういう買われ方をするなんて不本意だろうけど
    缶で片側パッカン開きって、そうそう売ってねえぞ。
     
     
    ・・・お気付きになられただろうか・・・。
    (本当にあった呪いのビデオ風に)
    途中でミンティアのシャープエバーが出ていた事を。
     
    長年、私のピントのブレた写真のお手伝いをしてくれたんで
    感謝の意を込めて、今後も汚れない限り
    私の写真に出演してもらうよ。
     
     
     
    こいつら、中身はカラだ。
    ボロボロになったら、他の比較物を考えるよ。
     
    でも、今でも愛してるよ、シャープエバー・・・。
     
     
    関連記事:ミンティア シャープエバー フォーエバー 12.11.16
     
     
     

    評価:

    日食


    ¥ 580

    (2011-05-26)

    コメント:“ジラ” と読むのか。 これ、普通に美味いぞ。 甘味料が入り過ぎだけど、特別な私のためのキャンディーに比べたら、まだ大丈夫。 かも知れない。 オシャレに気を遣う2トーンカラーなので、着色剤も入ってるよ! いや、アマゾンに書いてあるんだって。

  • 継母伝説・二番目の恋 21

    王が公爵家の娘の寝室に入って来た。
    公爵家の娘はお辞儀をして迎える。
    いつもなら、王は無言で隣の部屋へと続くドアに向かう。
     
    しかし、その夜の王は、公爵家の娘の前を通り過ぎた後に立ち止まった。
    「話は聞いたぞ。」
     
    「・・・申し訳ございません。
     焦るあまりの、あたくしの失態です・・・。」
    「いや、構わぬ。
     そなたの思う通りにやって良い。」
     
     
    公爵家の娘は少しとまどったが、思い切って口にした。
    「では、件の者たちの処理は
     あたくしに任せていただけますでしょうか?」
     
    王は即答した。
    「うむ。 そなたの昔からの召使いたちだからな。」
    「ご存知でしたか・・・。」
     
     
    「王妃は泣き暮らしておる。」
    「・・・申し訳ございません・・・。」
    「そなたが口にしているその肉も、元は命ある生き物なのだと言ったら
     野菜しか食べなくなってしまった。」
     
    王は笑ったが、公爵家の娘は胸が押さえ付けられたように息が苦しくなった。
    「・・・お綺麗なお方で・・・。」
    やっと発した言葉に、王は無言だった。
     
     
    お辞儀をしたままの公爵家の娘の瞳から、じゅうたんに零れ落ちた雫の音が
    背中を向けた王に聞こえるはずもない。
    ドレスを摘まむ手の震えが、見えるはずもない。
     
    無言で立ち止まっている王の足に
    少し力が入ったのがわかった公爵家の娘は
    お願い、振り向かないで! と、目をギュッとつぶって祈った。
     
     
    どれだけの時間、そうしていたのだろう。
    「そなたに望みがあるのなら何事も叶える、と誓おう。」
     
    それだけを言うと、王は公爵家の娘の返事を待たずに
    ドアの向こうへと消えていった。
     
    公爵家の娘はしばらくお辞儀をしたまま、ただ足元を眺めていた。
    頬には次々に涙が伝う。
    その理由は、公爵家の娘にもわからなかった。
     
     
    静まり返った夜中。
    公爵家の娘はソッと起き上がる。
     
    ドアを開けると、従者が既に待機していた。
    見回りの兵の死角をたどりながら、地下の牢へと急ぐ。
     
     
    「姫さま!」
    牢の中の召使いたちの驚きを、シッと制す。
     
    「おまえたちは明日の早朝には、刑務場へと移され
     数日のち、断首される。
     だから今宵しか逃げる時間はない。
     この手紙を持って、西国に滞在しているあたくしの父の元へお行き。
     長年仕えてくれたおまえたちを、悪いようにはしないから。」
     
    「姫さま・・・。」
    「さあ、早く。
     この者がおまえたちを案内してくれる。」
     
    立ち去ろうとする公爵家の娘を、召使いのひとりが追いすがる。
    「姫さま・・・、どうして・・・。」
     
     
    公爵家の娘は、足を止める事もしなかった。
    「個人のプライドなど、国の存亡に比べたら
     取るに足らないものだというのを
     あたくしは幼い頃から学んできたのよ。」
     
    その口調は、激しくもなく穏やかでもなく
    単なる挨拶のような、普通の言葉を発している口調であった。
     
    召使いたちは、泣き崩れた。
    この国で一番、王妃にふさわしいお方が
    陰でこのように動くしかないなんて・・・。
     
    公爵家の娘は、さっさと立ち去った。
    別れの言葉もなかった。
     
     
    後日、召使いたちの処刑が決行された。
    拷問によって喉を潰された女の囚人たちを身代わりに。
     
    どれだけの暴力を受けたのか
    誰とも見分けが付かなくなった、その腫れ上がった顔に
    人々は公爵家の娘の権力の大きさを知った。
    恐怖とともに。
     
     
    公爵家の娘の召使いたちは各々、父公爵の計らいで
    公爵家と懇意の西国の有力貴族の家に入った。
     
    どこの家にも娘がいたが
    “東国の王妃の元召使い” たちの、“私の姫さま” は
    生涯ただひとりであった。
     
     
     続く 
     
     
    関連記事: 継母伝説・二番目の恋 20 12.7.30 
          継母伝説・二番目の恋 22 12.8.3 
          
          継母伝説・二番目の恋 1 12.6.4 
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  • 論点のすり替え

    最近、話が通じない人がチラホラいて
    私の日本語がおかしいのか、と悩みそうになっていたけど
    TVを観ていてもヘンだと感じるので、ちょっと考察をしてみた。
     
    これ、当たっているかはわからないけど
    人に注意や非難をされるのを極端に嫌がる人は
    どうも無意識に、“論点のすり替え” をやっているようである。
     
     
    今、私の身近な例が思い浮かばないので、例え話で説明するけど
    服を脱ぎ散らかす夫に、せめて靴下ぐらいは洗濯かごに入れて
    と妻が頼んだ時の夫の反論。
    「俺は毎日毎日、仕事で疲れてるんだよ!」
     
    彼女の欠点を指摘して、直してほしいと懇願した彼氏に
    図星を指されたのはわかっているけど、素直になれずについ
    「私も悪いとこがあるかも知れないけど、あなただって
     (こっから彼氏への不満をまくしたてる)」
     
    どういう人間関係でも、こういった事はよく起こるだろ?
    文句を言うと、多くの人は言い訳をし始めるか、論点をズラして怒る。
     
     
    ほぼ全部の言い訳が、「で、それで?」 な場合がほとんどだから
    ほんっと聞いている時間がムダに思えるけど
    人は “説明” をしないと、気が済まない生き物なので
    とりあえず、言い訳は一応聞く。
    “万が一” があるから。
     
    だけどそんな温情の最中でも、論点のすり替えだけは受け付けない。
    だって相手はそれで、自分を正当化しようとしているだけなのだから
    それは注意をしてくれた人に、とても失礼だろ。
     
     
    と言う私は、怒られても言い訳も反論もしない。
    論点のすり替えも、思い違い、勘違いをしてる時以外はしない。
    怒られるのが愛だと思っているのが、その一番の理由。
     
    一番がある、という事は他にも理由があるのか?
    うん、ある。
     
    ほら、冤罪って結構多くねえ?
     ・ え? それ、私がした (言った) 事じゃないよ?
     ・ ええーーー、○○さんに指示されたからしたのにーーー。
     
    この2つが、世の中では頻発してるはず。
    私はどんだけ悪に思われてるのか、1つ目の冤罪系が割に多いんで
    2つ目の事は、もう主張しない。
     
    いや、それは違う! と、必死で無実を訴えなきゃいけない時に備えて
    どうでもいい冤罪は、かぶるしかないのである。
    いくら正しい事でも、自分の主張ばかりしてたら
    「あの人は必ず言い訳をする」 と認識されるからだ。
     
     
    これ、納得できないかも知れないけど
    人生って不条理な事も、結構フツーにまかり通るんだよ。
     
    “出る杭は打たれる” の予言は当たっていて
    目立つ人は、色々と罪をかぶせられる。
    ましてや、普段から悪の言動をしていたら、悪い事のシワ寄せが来やすい。
     
    ここは、割り切らなければならない。
    何の邪魔もなく、思い通りに生きられる事などないんだから
    どっかを我慢すべきなのだ。
     
    私は好き放題に言い散らかしたいから
    シワ寄せ、どんと来い! だ。
     
    あ、それも程度問題で、あまりな言い掛かりには抵抗するぞ。
    でもそういう時でも、普段自分の非を認めていれば
    とっさの時に信じてもらいやすいんだよ。
     
     
    私の場合は、非難され慣れているし
    孤独なんで、罵倒だろうが何だろうが
    人がこっちを向いてくれる事が嬉しいんだけど
    そんな変質者は、そういないよな。
    そこで、未来に希望がある人に忠告したい。
     
    論点のすり替えが上手くなれ!
     
    その場ではおめえの勢いに押されて終わっても
    相手は必ず後になって、その時のおめえの言葉を思い返す。
    そこで疑問や反感を持たれたら
    おめえの必死の抗弁は、ムダどころか逆効果になる。
     
    多くの人は、「ええ? そんな事言うけど」「俺にも言い分が」 等の
    気軽な反抗心や自尊心で、ヘンな方向の反論をする。
    しかも、自分が否定された、と感じた途端、反射的に。
    これが間違いの元なのである。
     
    論点のすり替えを “つい” してしまう、と言う人は
    もう、それ前提で日頃から言葉に計算を尽くすべきなのだ。
     
    ・・・・・・・・・・・・・・
     
    あ・・・、ごめん、ここまで言って気付いたわ。
    肝心の、論点のすり替えのコツがわからん・・・。
    だって私は、土下座バッタだもん。
     
    あああ、こっからが本題のはずだったのにーーーっっっ。
     
    このブログでも、さすがにこういう展開は滅多にねえぞ。
    暑いのが・・・、この暑さが悪いんだ・・・。
     
    しょうがねえ、必殺 “白いものも黒” 作戦!
     
     
    ・・・うん、そうは言っても、ひとつ覚えておいてほしいんだ。
    おめえ自身のために。
     
     ・ 正義はひとつではない
     ・ 自分が正義とは限らない
     ・ てか、正義じゃなくても良い
     
    善でも悪でもなく、中間なのが人間だと思うんだ。
    完全なる善だったら、神系になる。
    人間というのは、神に近付こうと目指しているだけであって、神じゃない。
    善意を持とうとさえしていれば、善じゃなくても良くないか?
    (この考えを自分擁護に使い過ぎると地獄に堕ちるぞ。)
     
    私が提言したいのは、自分の感覚のすべてを
    自分の思う “自分” で、ガッチガチに固めなくても良いんじゃないか
    発展途上だから、人から突っ込まれる事もあるだろ
    て言うか、注意されてる内が華だぜ、って事。
     
    実際、欠点があっても完璧じゃなくても
    たとえ自分を否定されても、愛してもらえるんだから
    そこまで自分で自分を守る必要もなくねえ?
     
    注意してくれる人って、自分を見てくれてるわけだしさ。
    それもある種の愛だと言えるぞ。
     
    だから言い訳も反論も、本当はしなくて良い。
    論点のすり替えも・・・、な。
     
     
    見たか!
    この見事なる論点のすり替えを!
    ほーほほほほ ほーほほほほほほほ
     
    そうか、コツは “話をデカくする” なんだな。
    詐欺師の手法か、なるほどーーー。
     
     
     

    評価:

    コンフォーティスブラ


    ¥ 8,700

    コメント:バストアップのエクストリームブラを更に快適にした後継者だそうだ。 ワイヤーなしレースなしでタレ防止、キュンキュンこねえ? ババアの乳は拷問器具のような締め付けブラじゃないと上がらないので、体調が悪い日にはこれを・・・寿命が・・・。

  • 継母伝説・二番目の恋 20

    公爵家の娘は、王妃を激しく憎む自分を自覚した。
    しかしそれは、かえって “仕事” をやりやすくした。
    公爵家の娘は以前にも増して、王妃に厳しく接した。
     
     
    突然、王妃の部屋のドアが開く。
    現れたのは、公爵家の娘である。
     
    「王妃さま、ご無礼をお許しくださいませ。
     ですが、前触れなしでないと、抜き打ちになりませぬもので。」
    公爵家の娘は王妃に向かって、うやうやしく儀礼的なお辞儀をした。
     
    そして、部屋の中を歩き回る。
    王妃付きの召使いたちが、騒ぎを聞きつけて慌てて集まってくる。
     
    公爵家の娘は、天井の隅まで眺めながらゆっくりと歩く。
    高級な靴の音が、コツ・・・コツ・・・と響く。
     
     
    最後に王妃の前に立ち、王妃のドレスの襟を指でなぞる。
    「この季節にこの生地は、少々薄いですわね。
     王妃さま、お寒くございません?」
     
    王妃は、公爵家の娘の一連の言動のわけがわからず
    ウカツな返事をしてしまった。
     
    「あ・・・、うん、ちょっと寒い。」
     
     
    公爵家の娘がガッと振り向いて怒鳴った。
    「部屋係長、暖房係長、衣装係長、前へ!」
     
    おずおずと一歩を踏み出した3人の前に
    仁王立ちになった公爵家の娘が叫ぶ。
     
    「カーテンのドレープが乱れておる!
     生けた花が枯れかけておる!
     テーブルに指の跡が付いておる!
     ドアの浮き彫りにツヤがない!
     暖炉に灰が積もっておらぬ!
     暖炉の薪が湿っておる!
     暖炉に火を入れた形跡がない!
     王妃さまのこのドレスを見るのは2回目!
     王妃さまのドレスは1度着たら下げるのがしきたり!
     そしてこの生地は今の季節にはそぐわぬ!」
     
    大声で矢継ぎ早に指摘する公爵家の娘に
    召使いたちどころか、王妃も縮み上がる。
     
     
    「あたくしの命じた事を忘れたか!」
    その言葉に、衣装係長が唇を噛み締め、頭を下げた。
     
    「恐れながら、申し上げたい事がございます。」
    公爵家の娘は、冷徹な瞳で無言で見下ろす。
     
    「私どもは高貴なお方にお仕えするために、ここにおります。
     姫さま、あなたさまのようなお方にお仕えするためなのです。
     私どもにもプライドがあります。
     
     ・・・土人の娘に使われたくありません!」
     
     
    公爵家の娘の顔色が、サーッと変わった。
    その直後、髪が逆立つほどの激昂をし
    持っていた扇子を、召使いに投げつけた。
     
    「この、たわけ者がーーーっ!!!!!
     おまえは、あたくしの命令を聞かなかっただけではなく
     王妃さまを侮辱したのであるぞ!
     それは引いては、王さまへの侮辱!
     すなわち王国への反逆じゃ!!!
     忠告通り、首を跳ねてくれるわ!
     衛兵、この者たちを牢へ!」
     
    「待って!」
    王妃が公爵家の娘に取りすがった。
    「あたし、寒くない あたし、大丈夫
     だから、その人たち、助けて!」
     
     
    公爵家の娘は、侮蔑の笑いを浮かべながら
    自分にしがみつく王妃の手を取って、つき離した。
     
    「・・・王妃さま、何を善人ぶっていらっしゃるの?
     あたくしは何度も何度も教えて差し上げましたわよね?
     ここのルールを、しきたりを。
     それを守らずに努力もせずに、周囲に軽視されて・・・。
     あなたが軽蔑されるという事は、王さまが軽蔑される事なのに。」
     
     
    公爵家の娘は、ドアへカツカツと歩いて行きながら
    背中を向けたまま怒鳴った。
     
    「この者たちの首を跳ねる事になったのは、あなたのせいだと
     
     い い 加 減 お気付きになって!」
     
    王妃は、呆然とへたりこんだ。
     
     
     続く 
     
     
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          継母伝説・二番目の恋 1 12.6.4 
          カテゴリー 小説・黒雪姫シリーズ 
          小説・目次

  • 人生相談 40 結婚話に煮え切らない彼

     <質問>
     
    相談は、結婚依存、彼依存から脱却し、
    明るい気持ちで過ごしたいと言うことです。
     
    わたしは29歳の女性で、会社員です。
    彼も同い年の会社員で、付き合って二年ほどです。
     
    わたしは転職で今の土地に来たため、あまり近くに友人がおらず、
    彼に依存気味なのはもともとあったのですが、
    ここ一年くらい、結婚した過ぎて困っています。
     
    一年前、彼に結婚について考えを聞いてみたら、
    彼は実家住まいでお金も自由になるし、やりたいこともいっぱいあるらしく、
    結婚して家庭を持つことを今は考えられないと言います。
    そのときは、五年後かも知れないし、十年後かも知れないと。
     
    気持ちは分かるんですが、一年付き合ってて、全く考えてないなんて。
    とショックでした。
    まだ若いし、普通の考えかも知れないですが、わたしはそろそろ…
    と思っていたので。
     
    わたしと一緒に居たいとは思わないのかな?とか、
    それは彼の都合であって、わたしの気持ちは考えてくれないのかな?とか、
    それだけ待って、別れでもしたら、そのあとどうしたら良いんだろう、とか。
     
    もう焦りと不安と寂しさで、その時彼に言葉の保証を求めてしまいました。
    わたしは子供も欲しいし、そんなに先は困ると。
     
    わたしはちょっとせっかちなところがあって、
    ハッキリした言葉や、すぐに結果を求めてしまうところがあります。
    直したいところです。
     
    でも求めるような言葉がもらえるはずもなく、
    モヤモヤを引きずったりで上手くいかなくなり、
    一年前、一度別れてしまいました。
     
     
    でもすぐ戻ってしまいました。
    最初は彼が、わたしが居ないとだめだ、やり直したいと言って来ましたが、
    今の状態では、結婚結婚から全く変われてないので、
    戻ってもまた同じ事の繰り返しになる気がする。
     
    と言うと、彼がわたしが戻ると言ったら、結婚しようと言うつもりだった。
    と言って来たんです。すごくズルいです。
    試すような事をして、しかもそれを言うなんて。
     
    もちろん伝えて怒りましたが、ケジメつけるから一緒に住もうと言われて、戻ってしまいました。
    ちゃんとする気になってくれたんだって嬉しくて。
     
    それで、9月までに50万お金を貯めて住む約束をしたのですが、
    どこに住むとか、何を買うとかの話を振っても、全く乗り気じゃありません。
    うーん、とかそうだねぇ、とか。
     
    戻りたいと思ったのは本当かも知れないけど、
    きっと、一緒に住む覚悟が出来てなかったんですよね。。
     
    ずっとそんな反応なので、すごく不安だし、
    楽しみなの、わたしだけなのかな…という気持ちが消えなかったので、
    やっぱり延ばそうか?って聞いたら、そうするって言うんです。
    しかも、わたしが言うから、みたいに。無期限で延期です。
     
    お金、貯まらないと。
    友達の結婚式が重なったり、車検もあってお金が貯まらないと。
     
    結婚式とか車検なんて、今に分かった事ではないし、
    ボーナスも出たし、お金だけが問題なら、
    固定給なので計画が立つと思うんです。
     
     
    これは、気持ちの問題ですよね?
    考え無しにその場しのぎの発言をしたって事ですよね…
    おそらくまだやっぱり考えられないし、好きなことしたいんですよね。
    わたしが結婚結婚追い詰めて、引いちゃったんですよね…
     
    今、お互い考えようってことで、距離を置いています。今月いっぱい。
    このままでは、また付き合いを続けるのも無理だと思います。
    わたし、彼の事が好きだから一緒にいたいけど、
    まだ結婚したい気持ちから抜けられて無いんです。
     
     
    もう、囚われるのは嫌です。
    結婚したい気持ちで追い詰めるのはもう嫌です。イライラしたくないです。
    そりゃ、逃げ腰になります。怖いと思います。
     
    この状態から脱却するにはどうしたら良いでしょうか?
    ほんとに優しくて安心する彼なんですが、どう思いますか?
     
    今回の彼の態度で、もし結婚しても、
    これからある色々な行事の度にあんな曖昧でその場しのぎだと、
    上手くいかないんじゃないかとも、思います。
    わたしが追い詰め過ぎたからそうなっただけですかね?
     
    職場の仲良しの男性が、結婚しないの?
    したくないの? もうギリギリだよ?
    などと言いますが、ギリギリなんでしょうか。
     
    イライラせず、捕らわれずに、明るい気持ちで過ごしたいです。
    独身で好きなこと何でも出来て、
    今ほんとに楽しく生活できる時だと思うんです。
    もったいないです。
     
    アドバイス、宜しくお願いいたします。
    厳しい意見も、お待ちしております。長文で、失礼致しました。
     
     
     <回答>
     
    相談に来たくなるような彼氏は
    第三者から見たら、大抵ナシなんだよな。
    今回も私的には、相談者にその彼はナシだな。
     
     
    相談者を好きなんだか、失いたくないんだか、わからないけど
    とにかく 「一生、一緒に!」 みたいな、熱情が感じられない。
     
    こういうヤツに限って、ムカつく事に
    他の女に出会った途端に燃え上がって、こっちがフラれる事もあるので
    結婚した後に、「運命の女が」 とか言われて離婚されるより
    戸籍が無傷の内に、とっとと別れちゃいなYO!
     
     
    言っておくけど、この現象は相談者に魅力がないわけじゃなく
    それこそ、“彼とは運命のような関係じゃなかった” ってだけだ。
     
    「あんだけ私には暴力をふるっていた人が、今の彼女には尻に敷かれて」
    「私との結婚は何年も渋ったくせに、彼女とは出会って1ヵ月で結婚」
    「私にはおもちゃの指輪すらくれなかったのに、今の彼女にブランドバッグを」
     
    こういう話は、よく聞く。
    法則はわからないけど、男女の心情には凹凸みたいなのがあって
    それがピッタリはまって、お互いの需要と供給が成り立つ、
    そんな恋愛関係が、よくあるようだ。
     
     
    女性が幸せになりたければ、惚れられて結婚せえ。
    愛だ恋だには期限があって、消えたり変化したりする事が多い。
    問題は、責任感や誠実さ、といった性質そのものだ。
     
    男性の方がそのプレッシャーが大きいから、弱いヤツは
    “ぼくの女神さま” レベルに、目が眩んでいないと
    結婚に踏み切れないんだと思うよ。
     
    だから女性は、めちゃくちゃ惚れてくれた男性と結婚するのが一番の幸せ。
    いくらフェミがギャアギャア言おうが、宇宙の真理だ、しょうがねえ。
     
    ・・・・・惚れられるのにフラれ放題のアホババアもおるが
    惚れられた後は、ちゃんと精進せんと相手は離れていくのさ・・・。
    供給してもらってるなら、相手の需要にも応じてあげないとな。
     
     
    あと、わかりきった事だけど念を押す。
    好きな人と結婚したからって、明るい気持ちで暮らせるわけじゃないぞ。
     
    特に相談者の今の彼は、変わるタイプじゃないと思う。
    優しいとか言うけど、肝心なところは絶対に相談者に合わせないじゃん。
    しかも、自分の都合は大事にするくせに
    相談者には優柔不断な言動で、約束もうやむやにしている。
     
    それじゃあ、結婚しても、自分の実家や友人を優先、とか
    子供が出来て子煩悩になっても、相談者に対しては無関心、とか
    相談者はどんどん孤独を感じていくかも知れない。
     
     
    結婚依存も彼氏依存も、相談者にはない。
    彼氏を追い詰めてもいない。
    年齢的にも、結婚に焦ってよろしい。
     
    相談者の言動は、その年齢にふさわしいもの。
    将来の事を考える人なら、その状態だと同じ事を悩むはず。
     
     
    職場の人が言う “ギリギリ” は
    結婚しても、すぐに子供が出来るとは限らないし
    30歳前後で、「まだやりたい事が」 と言う男性に関わるなら
    自分の希望を捨てて、諦めや裏切りを覚悟しなければならないかも知れない。
     
    他の男性を探すにしても、ほんと良い人から先に取られるんで
    のんびりしていたら、結婚する事すら出来なくなるかも。
    という可能性を危惧されているんじゃないかな。
     
    “個人の自由” を尊重して、苦言も呈する事が出来ない現代に
    自分のために言いにくい事を言ってくれる、ありがたい人じゃないか?
     
     
    相談者に悪いとこは見当たらない。
    その彼氏が、相談者と感覚が合わないだけ。
     
    子供がほしいと願うなら
    お互いに自分の生活を頑張りながら、自然に時期が来たら
    とか悠長に構えていたら、光陰矢のごとし。
     
    さあ、気持ちを切り替えて、愛の狩人な男性を探しに行け。
    女性は、狩られてなんぼだ。
     
    ・・・しょうがねえだろ、生物の真理なんだから。
     
     
    :::::::::::::::::::::::::
     
    人生相談は、あまり受け付けておりませんでしたが
    ここを通りすがる人々の意見が、えらい素晴らしいので
    それに期待をして、ペリー以来の門戸開放の方向で行きます。
     
     
    相談はメールでお願いいたします。
    念のために、相談前に私の他の記事をご一読ください。
    こういう “私” に相談する、というその選択について
    もう一度よくお考えくださるよう、お勧めします。
     
    アドレスはプロフィールにあります。
    件名に、「人生相談」 と入れてください。
    迷惑メールに紛れる危険性がありますので、何とぞ。
     
    匿名で結構です。
    いらん個人情報ばかり書いてこないで
    肝心の相談内容の情報の方にこそ気を遣ってください。
     
     
    なお、ここの相談では、通りすがりの人にも回答されます。
    むしろ、通りすがった人に回答を丸投げする思惑です。
     
    なので相談後の意見、返事、報告等がありましたら
    出来れば記事のコメント欄に書いていただけたら、ありがたいです。
    答えた人ここを読んだ人全員、結果を気にしていると思いますので。
     
     
    ※ 相談内容を転記の際、状況によって
      伏字、改行、修正などをさせていただく場合があります。
     
    ※ 精神的に打たれ弱い方はご遠慮ください。
     
    ※ 相談文の情報のみを基に考え、相談者のためにだけなるような
      相談者をえこひいきした回答になるのを、ご了承ください。
      ここに来てない人の事まで知ったこっちゃありません。
     
     
    注: たまに、こちらからのメールが届かない人がいますが
       その “私ブロック” を解いておいてください。
     
     
     <通りすがりの人の、回答上の注意>
     
    偽名、匿名、無記名で結構ですので
    相談内容に沿った、ご自分の意見、経験を教えてください。
     
    相談者にも、詳しく言えない事情もあるかも知れませんので
    相談文のみの情報で、お考えください。
     
    貰った意見をどう解釈して取り入れるかは
    相談者が勝手に決めて良い事なので、意見を書く人は
    相談者に一方通行の贈り物をするつもりでお願いします。
     
    相談者には相談者の個性や性格があるので
    願ったものとは違う答を出しても
    助言がムダになったわけではないのです。
     
    相談者が意見募集を締めた後も
    似たような状況の人も関係ない人も、何かの参考になって
    皆が何かを得る事ができたら良いな、と願っておりますので
    いつでも経験談などの意見を書いてくだされば、ありがたいです。

  • 継母伝説・二番目の恋 19

    公爵家の娘がピクッと泣き止んだ。
    背中に何かが当たっている。
     
    誰かがいる!
     
    公爵家の娘は、あまりの驚きに
    先程までの慟哭 (どうこく) を忘れて、息を殺して身を縮めた。
     
     
    “それ” は布団の上から、優しく背中を撫ぜている。
    手・・・? 小さいから多分、女性・・・?
     
    “それ” を確認する、という行為は、泣いていた顔を晒す事になる。
    公爵家の娘は、どうする事も出来ずに固まった。
     
     
    “それ” が離れて、しばらくして
    微かにドアが閉まる音がした。
    それでも公爵家の娘は、動く事が出来なかった。
     
    誰?
     
    ここに入る事が出来るのは、女召使いだけ。
    召使いたちは、私が来るなと言えば絶対に来ない。
    その禁を破る者などいないはず。
     
     
    公爵家の娘は、ようやく恐る恐る顔を出した。
    その瞬間、花の香りがした。
    暑い国の甘い花の香り。
     
    王妃・・・!!!
     
     
    いえ、王妃付きの召使いかも。
     
    ・・・・・・・・・・
    いいえ、逃避している場合ではない。
     
    王妃なのだ。
    ここにいて、あたくしのこの無様な姿を哀れんだのは
     
    あのバカな王妃なのだ!
     
     
    公爵家の娘は、急いで起き上がると
    召使いを呼ぶ前に、身支度を整えた。
    夜会に出る準備をせねば。
     
    あのバカ娘に同情されるほど、あたくしはミジメではない。
    今日はいつも以上に美しく装わねば。
     
     
    いつものように、王と王妃が現れた。
    いつものように、フロアの中央でふたりが1曲踊る。
    いつものように、王が側近たちのところへ行き
    いつものように、王妃が公爵家の娘の元に小走りに来る。
     
    「あたしのお友達。」
     
    そしていつものように、恥ずかしそうに笑って
    少し斜め後ろに立ち、公爵家の娘の腕にソッと寄り添う。
     
    いつものように いつものように いつものように
     
    いつもと何ひとつ変わらない事を確認したその瞬間
    公爵家の娘の全身の毛が逆立った。
     
     
    こ の 娘 の 存 在 が 許 せ な い !!!
     
     
     続く 
     
     
    関連記事: 継母伝説・二番目の恋 18 12.7.24 
          継母伝説・二番目の恋 20 12.7.30 
          
          継母伝説・二番目の恋 1 12.6.4 
          カテゴリー 小説・黒雪姫シリーズ 
          小説・目次

  • 巨乳ババア

    たとえ! 禁煙太りで下っ腹が出ていた! としても!
    無敵のナイスバディーを誇っていた私も
    このところの乳のタレは、さすがに見過ごせないものがある。
     
    禁煙太り、あなどれん・・・。
    タレるとこタレるとこを狙って、肉付けしやがる。
    下っ腹は、年寄りの太り方だからしょうがないとして
    頬に付いた肉は、法令線を作り、ブルドックババアへの第一歩
    乳に付いた肉は、かろうじて耐えてた乳筋のリミットを越えさせ
    一気にタレ乳ババアへと、わたくしをいざなう。
     
    ・・・こりゃ、いかん・・・
    下っ腹は、まだ服で隠せるし
    顔は、ブサイクを老化だと言い張れるから良いとして (良いか?)
    乳のタレだけは、薄着のこの季節に誤魔化せねえ。
     
     
    マジで素っ裸でいたいほど、締め付けられるのが嫌いで
    しかも、あのゴージャス☆レースとやらにカブれる貧相肌なので
    私が長年にわたって愛用してきたのは
    あちこちの通販で買った、敏感肌用のブラなのだ。
    もちろん、レースどころか、ワイヤーもなし。
    私のブラは、“乳当て” だよ、“乳当て”。
     
    だが、そうも言ってられないほど、急激に乳がタレている・・・。
    ナイスバディーババアの称号を、まだまだ誇っていきたいんで
    渋々と下着屋さんへ行く事を決意。
     
    20歳前後の頃は、試着室に店員さんが一緒に入って
    ブラの中に乳を押し込む作業をしてくれたが
    この個人情報保護法の時代にも、あの儀式はあるのだろうか?
     
    ちなみに、その時にDカップだと言われたのは覚えている。
    アンダーが何cmかは、ちょっと記憶にない。
     
     
    下着屋さんに入るや否や、店員さんが
    「何かお探しですか?」 と来てくれた。
     
    私、一生懸命に説明する。
    「胸を持ち上げるブラが欲しいんです。
     気が付いたら、どうしようもないぐらいにタレてたんです。
     とにかく、このタレてるのを持ち上げたいんです。
     今つけてるブラのサイズは、80のBです。」
     
    店員さん、私を試着室に連れ込むと、サイズを測り始めた。
    その時に私がつけているブラを見て一瞬、眉間にシワを寄せたのが恐かった。
    「本当にラクなタイプのブラですね。」 と、つぶやかれる。
     
     
    それから店員さんは、アンディスアンディスのように
    ( 解説:「and this」 と言いつつ
     マイケル・ジャクソンが次々と商品を買っていた様)
    ブラを持ってきては着せる、を繰り替えす。
     
    肉をブラに入れ込む作業は、昔ほど激しくなく
    “正しく装着する” 手伝いをしてくれる、といった感じ。
     
    数えてなかったけど、10枚ぐらいは脱ぎ着した気がする。
    たかがブラ1枚に、こんだけ真剣になられるとは予想外で
    良い店員さんに会えて良かったな、と感謝。
     
     
    店員さんが最終的に 「これ!」 と言ったものを買うつもりだったけど
    あまりに苦しいので、もちっとラクなのを、と弱音を吐いた途端
    店員さん、説教し始める。
     
    「・・・実は今のお客さまのサイズは、70のFカップなのです。
     ですが、お客さまのお好みや、今までお召しになってたブラから
     最初はかなり緩めを、と75のEにさせていただいたのです。
     本当はしっかりと合わせたサイズにすべきなのです。
     そうやって、ちゃんとメイク?していれば
     お客さまのお胸は、もっと大きかったはずなのですよ!」
     
     
    私が・・・・・・・?
     
    今のブラのサイズは、細かく分類されているのか
    昔とは随分違う基準のようだ。
    Iカップとか気の毒に、と思っていたのだが
    普通の形でIカップなのかも知れないな。
     
    そう言われると、以前にどっかのコメントで
    「Eカップ以下は巨乳じゃない」 と言われたが
    私は巨乳だったのか・・・。
    正直、そこにショックを受けるよ。
     
    だって、“乳がデカい子は頭が悪い” の世代だし。
    私が巨乳だと、その説により一層の信憑性が出てくるではないか!
     
     
    私の世代は、“胸の大きい娘は頭が悪い” という風潮で
    女性たちは、胸が大きいのを恥じる気持ちを植えつけられていた。
    私より巨乳の友人は、セクハラに泣く日々だったし
    私は胸の存在に興味がなかった。
     
    だから大きいのは、正味な話、避けたいのだが
    胸って、持ち上げると、どうしても大きさも強調されるらしい。
    えらい胸が目立ってイヤだったけど、プロの言う事を聞くべきなので
    て言うか、えらい怒られたので
    ほんとすいませんほんとすいません
    ありがとうございますありがとうございます
    と詫びたりお礼を言ったりしつつ、素直にお勧めブラを買って帰った。
     
     
    とりあえず、お世話になった店員さんへ敬意を表して
    買ったブラを真面目に着けてはいるが、やっぱりレースが痒いし
    ワイヤーが肋骨に当たって痛い。
     
    途中で、ちょっと緩めて一息つきたいけど
    一旦外すと、上半身を全脱ぎして着け直さなきゃいけないし
    (体が硬くて、背中に手が回らんのだ。 あと、ババアは肩とか痛いんだ。)
    指を入れて、ちょっとだけでもブラを持ち上げたいけど
    コルセットのようにギッチリ閉まっていて、ズラす事さえも叶わん。
    トイレの中で、服の衿からブラの中に手を突っ込んで
    乳をボリボリ掻いていたら、乳首が腫れて敵わん。 韻!
     
    なあ・・・、皆、本当にこんな苦しい装備を胸に巻いとんのか・・・?
     
     
    洗濯も万全を期そうと、100均でブラ専用ネットを買ってきたんだが
    入 ら な い !
    あ、じゃあ、小物用ネットに、と入れようとしたけど
    入 ら な い !
     
    結局、普通の服用の大ネットに入れて洗ったんで、カップが潰れておった。
    ああ? 手洗い?
    私の手ほど信用ならんものはないんで、そんなんに仕事を任せたくない。
     
    そして干す段階で、初めて気付く。
    Fカップブラの巨大さを。
    これぞ正に、乳 バ ン ド !!!
     
    脇のとことか、ホックのとことか太いし
    カップがすんげえデカくて、人に見せられないデカさなんだよ。
    これ・・・、着けていたらドン引かれるデカさだよ・・・。
     
    タレてきた乳を支えるには、こんだけの頑丈さが必要なんだな
    と、整え干しつつ、何かもの悲しい気分に・・・。
     
    どうせワイヤー入りレースつきブラなら
    可愛いのを、せめて華奢なのをつけたかったが
    これも長年ラクをしてきたシワ寄せか。
    老婆はあちこちにシワが寄るんだな・・・。
     
    ドラクエの、女性専用の下着の防御力が
    そこいらの鎧よりも高いのが意味不明だったけど
    こんなデカい頑丈なブラなら、そら、守ってもくれるだろうよ。
     
     
    んで、翌日に腕と背中が痛くなったのは理解できる。
    あんだけブラ脱着を繰り返したんだから。
    筋肉痛が翌日に来た事も、とても嬉しい。
    3日後に痛みが、とか、もうザラだから。
     
    でも、両足のふくらはぎが痛くなってるのが、解せぬ!
    何だ? この飛び地的筋肉痛は???
     
    そしてな、どんだけタレてたんか
    ブラを外すと、乳がガクンと下がって重みで痛いんだよ。
    常にブラで持ち上げとかないと、乳が千切れそうなんだ。
    乳、自力で体にくっつく気が、一切なくなったみたいだ。
    甘えるの、早すぎねえ?
     
     
    ・・・この記事、自慢しているようで自爆してるよな。
    自分でも、どこで自画自賛すれば良いのか、わからないよおおおおおおおお。
     
     
    さて周囲の反応だが、男性が見るかな、と思っていたけど
    男性のマイ乳注目度は、以前とそんなに変わらない。
    ナイスバディーだから、よく見られていたんだ。
     
    ところが、女性たち、特に若い娘さんの見る目が変わった。
    えらい睨むように、乳部を凝視してくるのだ。
    今の若い娘さんたちは、本当に乳がデカい方が良いんかな。
    時代は変わったのお。
     
    はっ、まさか豊胸してる、とか思われてないよな?
    顔を見たら、おのずとメスを入れる順序を察してくれるよな?
     
    はっ、まさか上げ底とかも思われてないよな?
    年齢を考えたら、乳上げ前にもっと上げる場所があるとわかってくれるよな?
     
    ・・・何で乳いっちょに、こうも言い訳をせなんのやら
    ほんと、ババアの巨乳ほどムダなものもないわあっっっ!!!
     
     
    友人に、乳が上がって遠心力で真っ直ぐに歩けない、と言ったら
    「面白い」 と、爆笑していたが
    確かにギャグも入ってるけど、本当に歩きにくくなったんだよ。
     
    多分、重心が変わったんだと思う。
    一流アスリートは、体の成長でコンディションを崩すらしいんで
    それではないかと。 お怒りの言葉は受け付けぬ。
     
     
    最後に乳育て情報を。
    もう成人した人は無理かも知れないけど
    誰かに聞いたんだけど、乳の発達は子供の頃の睡眠時間が関係するんだと。
     
    美容でよく言う、“シンデレラ・タイム”。 ・・・だっけ?
    22時から2時の間の、真夜中の4時間。
    この時間帯に、成長ホルモンが出るらしいんで
    体の他のいらん機能を寝せて、成長ホルモンひねり出しに集中しろ、と。
     
    私は小学校卒業まで、夜の8時、20時には寝させられていたんだ。
    それが関係あるのかはわからんけど
    ものすごい女性ホルモンが豊かな体質のようなんだ。
     
    自分の娘に豊かな胸をあげたいのなら
    夜中に居酒屋やドンキに連れて行かんと、寝せておあげ。
     
     
    あ、言っとくが、女性ホルモンと性格は関係ないみたいだ。
    私、ものすごいザツだから。
     
     
     関連記事: Fカップの苦悩 12.8.16 
            タレ巨乳の末路 12.10.3 
     
     
     

    評価:

    河合本店


    ¥ 2,300

    コメント:ババアのタレ乳には、多分これじゃあ追っ付かねえ! ガムテ、梱包用の強力接着伸びなしガムテを1巻きお寄越し! 手遅れになっていない女性は、これで乳メイクをしてね。 乳、構ってあげないと、ある日突然いきなりタレてくれるのよっ。 

  • 継母伝説・二番目の恋 18

    会議での公爵家の娘の発言に、ベイエル伯爵がつぶやいた。
    「どちらが王妃さまかわかりませんな。」
     
    その言葉に、会議室がザワつく。
    失笑する者もいれば、渋い表情になる者もいる。
     
     
    公爵家の娘は、取り乱さなかった。
    「あなたは王さまがお望みになって、他国から嫁いでおいでになったお方の
     言葉の不自由さをお助けなさりませんの?」
     
    ベイエル伯爵も、余裕の笑みで返す。
    「誰もそれが悪いとは申しておりませんが?
     ただ、側室さまが出すぎのような気がしましてな
     いやいや、これは余計なお世話でしたな。」
     
     
    “側室”
     
    公爵家の娘をこう呼ぶ者はいなかった。
    それは、王妃の地位に一番近かった者にとっては
    屈辱極まりない呼称だからである。
     
    だから王までもが、公爵家の娘を “姫” と呼んでいた。
    しかしそれは暗黙の了解で、公的には確かに “側室” の立場なのである。
     
     
    その場が静まり返る。
    王も何も言わない。
     
    自分の力量が試されている
    そう感じた公爵家の娘は、表情を変えずに言う。
     
    「王妃さまもあたくしも、王さまのものである事をお忘れなきよう、
     あなた自身のために忠告させていただきますわ。」
     
     
    静まり返った湖面が見る見る凍っていくような
    そんな空気を感じた。
     
    公爵家の娘は “王の愛” を盾に、ベイエル伯爵を脅したのである。
    それは、現実にはないものなのに。
     
    もう、あたくしに後はない。
    今後は、より我欲を捨てて国に尽くすしかない。
    でないと、誰もついてこない・・・。
     
     
    「頭が痛いので、少し寝る。
     夜会の前に起こせ。
     それまで誰も入らぬよう。」
     
    公爵家の娘は、召使いにそう言い付けて
    寝室に入り、布団をかぶって泣いた。
     
     
    この国のものは全部、王のもの
    お父さまも王の臣下
    王は王妃のとりこ
     
    あたくしには誰もいない 何もない
    王妃の代わりに公務をするためだけに存在する
    あたくしは・・・、あたくしは公爵家の娘なのに!!!
     
     
    いつ走り出すかわからない馬の手綱を首に巻いて
    あざけり笑う人々の前で歩かされているような
    大勢の中のひとり、という想像を絶する孤独と恐怖。
     
    感情が爆発したように、公爵家の娘は泣いた。
    泣き声が漏れないように、枕を噛み締めて。
     
     
     続く 
     
     
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          継母伝説・二番目の恋 1 12.6.4 
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          小説・目次

  • 田舎者

     田舎者だから親切にしてもらえてラッキー、と
    私のように、おいしいとこだけ享受して
    後は他人事で流せる、という調子の良いヤツ以外には
    “田舎者” というのは、悪口に使われる。
     
    もちろん私自身も悪口でこの言葉を使う。
    おまえが言うな! の第一人者なわけだ。
     
    私は言われても平気さ。
    だって本当にド田舎で生まれ育ったし
    私に向けられて言われる “田舎者” の意味は
    なまりが取れない、とか、道を覚えないとか
    その他、風習の問題ぐらいでしかないからだ。
     
     
    何を持って、“田舎者” と評されるか。
     
    視野が狭いとか頑固とか、そりゃもう色んな意味合いがあるだろうけど
    その全部の根本に鎮座している一番の意味は、これに尽きると思う。
     
    自分と違う多様性を悪だと決め付けて認めない
     
     
    田舎は狭い社会で、人口も少ない。
    この中で円滑にやっていくには、大多数の足並みが揃う必要がある。
    海に毒薬10mlを流してもダメージは少ないけど
    村の井戸に、それを入れられたら即死だからだ。
     
    人口100人の村では、10人荒れ狂ったら戦場になりかねない。
    平和を維持するためには、出来る限りの調和が大切になる。
    田舎で保守を貫くのは、生活の知恵なのである。
     
     
    人口10万人の街で、10人ぐらいドグラがいても
    多くの人は、普段の生活に影響が少ない。
     
    よって、遠目に見ているだけならいいか、と寛容になり
    それを “受け入れられている” と捉えるせいか
    ドグラ濃度も薄まるようで、互いが余計に生きやすくなり
    多種多様が思い思いに混在できる下地が作られていく。
    (“例外” はいつどこにでもある、っちゅう事で。)
     
     
    このように、その地その地で暮らし方が違うわけだが
    “田舎者” が何故発生するか、と言うと
    郷に入っても郷に従えないヤツがいるからである。
     
    “都会人は冷たい” という言い分は
    田舎の気分で都会に行ったヤツのアテの外れを意味する。
    地域によって、“親切” の形は違うのだ。
    それが如実に表われるのが、“距離感”。
     
    街の規模で生き方が違うのを、知らないのはしょうがない。
    これから学んでいけば良いだけだ。
    だが、ここで都会批判をし始めるのが
    “田舎者” の称号の第一歩。
     
    田舎ではつちかった “皆こうだから” の価値観の押し付けに
    従えない者を容赦なく攻撃する。
     
    だが、こうやって都会で田舎者として生き通すヤツは、まだ骨がある。
    (いや、迷惑千万だがな)
     
    自分の故郷に逃げ帰った者は、都会批判を広め
    それを確かめもせずに鵜呑みにした人々によって
    「都会は冷たい」 という都市伝説が決定されるのである。
     
     
    群れから離れた場合に容赦ないのは田舎の方なのにな
    と思う私は、都会が好きなのだが
    よりグローバルな視野を持てた国宝級の今になると
     
    「日本自体が都会じゃねえ?」
     
    という気がするのだ。
    いや、これは日本一番! のひいき目抜きにして。
     
     
    戦後教育の成功により、「外国人全員が日本人より偉い」
    という思想を植えつけられた身として
    憧れの目で外国人を見ているわけだが
    ・・・何か、外国人ってアホウが多くねえ・・・?
     
    1ヵ月のバカンスとか、仕事より家族とか
    優雅で充実した人生をおくっていて、とても羨ましいんだが
    どうも、・・・・・・ 真・ゆとり ・・・・・・・・・・?
     
    もしかして、あの悪名高き “ゆとり教育” は
    日本を外国レベルまで落とすための努力だったんか?
     
    とか、映画やドラマを観て思うんだが
    これは水戸黄門を観て、「日本人って権威主義」 と思うのと
    何ら変わらない早計さかも知れないので、控えよう。
     
     
    見たくないものでも目に飛び込んでくる環境だと
    自分の持っているカードが、全世界共通で使えるものではない
    と、イヤでも実感させられる。
     
    それは、幅広い価値観を認められる柔軟さをもたらすが
    逆に意見を表に出せない自信のなさ、見て見ぬふり
    という欠点にも繋がる。
     
    自分自身の確立と、周囲との兼ね合い
    これが出来れば、天下無敵!
     
     

    評価:

    ブロッコリー


    ¥ 1,680

    (2012-08-08)

    コメント:熊本の人気ゆるキャラ “くまモン” を襲っていた熊、“夕張メロン熊”。 ホラー好きの私の心の琴線に触れて、激しくプッシュ! と言っても、スマホすら持っていない私には、この商品が何に使うものなのかわかってないというオチが。

  • 継母伝説・二番目の恋 17

    「あたしのお友達、ごめんなさい。」
    王妃が公爵家の娘の腕に絡みつく。
    まったく、何でこの子はこうやってベタベタまとわりついてくるのかしら?
     
    公爵家の娘は、人に触られるのが嫌いであった。
    身の回りの世話は召使いがするので、人の手には慣れているのだが
    その手たちは仕事をしているだけで、“感情” は入っていない。
     
     
    「何がですか? 王妃さま。」
    公爵家の娘は、いつもの形だけの微笑みで訊いた。
     
    「眠れるお茶、会議で寝せた。」
    「えっ・・・?」
     
    訊き返すも、王妃は腕にしがみついたまま黙り込んでしまった。
    王妃と話す時は、いつも最大限の想像力を要求される。
    頭をフル回転させて、公爵家の娘はようやく王妃の言葉を思い出した。
     
    『このお茶、疲れを取る。 グッスリ眠れる。』
     
     
    あのお茶!!!!!!
    こ、このバカ娘はーーーーーーーーっっっ!!!
     
     
    怒りに、また気絶しそうになったが、気を取り直した。
    そうよね、このあたくしが居眠りするなどありえませんもの。
    このバカ娘のお茶のせいだったのね。
     
    意外なところで自信を取り戻した公爵家の娘は
    今度は心からの笑みで、王妃に応えた。
     
    「いいえ、確かに疲れが取れましたわ。
     王妃さまのお気遣いを、嬉しく思っておりますのよ。」
     
     
    いつもなら、ここで王妃の顔がパアッとほころぶのだが
    王妃はエヘヘと笑っただけだった。
     
    公爵家の娘が、いぶかしむ。
    腕に触れている王妃の頬が熱い。
     
    「あら? 少しお熱がありますわね。」
    王妃の額に手を当てて、公爵家の娘が慌てる。
     
    「最近、ちょっと、寒い・・・。」
    寒い?
    暑かった夏がやっと終わって、ちょうど良い気候になってきたのに?
     
     
    「誰かおらぬか!」
    公爵家の娘は声を張り上げた。
    すぐさま召使いが飛んでくる。
     
    「王妃さまにお熱があるようだ。
     侍医を呼べ。」
     
    王妃を連れて、寝室のベッドに寝せた。
    医師の診断は、風邪であった。
     
    ホッとする公爵家の娘。
    ついでに王妃の使う部屋を見回る。
    どの部屋も豪華だけど、生気がない。
     
     
    自分の召使いを呼び付ける。
    「おまえは王妃さまの衣装係の責任者になれ。
     おまえは王妃さまの私室を整える責任者、
     おまえは王妃さまのいらっしゃる部屋の暖房係
     おまえは王妃さまの体調チェックじゃ。」
     
    「それでは姫さまのお世話をする者が減ります。」
    召使い長の言葉に、事もなげに返す。
     
    「あたくしの世話をする者など、いくらでもおる。
     それより、良いか?
     暑い国からいらっしゃった王妃さまに
     『寒い』 と仰らせたら、おまえたちの首がなくなると思え。」
     
    この脅しに、召使いたちは震え上がった。
    公爵家の娘がその気になったら、この場の全員の首をはねる事が出来る。
    さしたる理由など必要とせずに。
     
     
    王妃さま付きの召使いたちは無能だから・・・
     
    公爵家の娘は、王妃が王妃として君臨する前に
    シビレを切らせてしまった。
     
     
     続く 
     
     
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          継母伝説・二番目の恋 1 12.6.4 
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