• 軽い呼び方

    この前、“警察24時” みたいな番組を観ていたら
    暴走族の事を “珍走団 (ちんそうだん)” と呼んでいた。
     
    この呼び方は、“暴走族” という名が
    「格好良い」 と勘違いするヤツもいるから
    恥ずかしい呼び名を付けよう、と
    巨大掲示板の2ちゃんで提案されていたのを、見た事がある。
    おお、とうとう2ちゃん用語が公共放送しかも真面目系に、と感動したよ。
     
    私は結構な恥知らずなので、“珍走団” なんて
    別に恥ずかしくもないんじゃないか? と思ったので
    “珍走団 ☆ pgr (ちんそうだん ☆ プゲラ)” と
    念入りなフルネームにした方が良い気がする。
     
    (“プゲラ” とは、「プッ、ゲラゲラ」 の略で
     バカにした笑いを意味する2ちゃん用語である。)
    (間の☆は、聞いた人が何か困る雰囲気をかもし出す役目。)
     
     
    このように、呼び名ひとつでも
    悪の心にブレーキをかけたり、良いイメージにしたり
    印象操作というのは、バカに出来ない。
     
    この話題は以前にもした記憶があるけど
    誰にも全然相手にされないので、また言う。
     
     
    ここのところ、TVではいじめ問題が取り沙汰されているけど
    昨今の “イジメ” って、よく聞くと
    そんな単語を当てはめて良い種類の行いなじゃいと思う。
     
    男の子が、気になる女の子にちょっかいを出していじめちゃう(はぁと)
    そういう甘酸っぱいのもイジメなら
    カツアゲしたり、殴る蹴るしたり、性的暴行を加えたり、もイジメ。
     
    この2つ、違い過ぎるだろ!
    そこで、紛れもない犯罪行為である方のイジメの呼び方を替えたい。
     
     
    何が良いかな、と数秒だけ思案してみたけど
    イジメっ子たちの方が権力があって、言葉をコントロールするだろうから
    ヘンな呼び名は定着しない気がするんだよ。
     
    「そのイジメは犯罪だ」 と言うのでさえ
    子供の未来を信じるjinken屋がゴネるだろ。
     
    だから、社会で “実績” がある、“ハラスメント” を用いたい。
    これなら、良い意味でも悪い意味でも使い慣れている上に
    「したかどうかじゃなく、相手がどう感じたか」 が基準になってるので
    まだ訴えやすいと思うんだ。
     
     
    でも、子供にとって屈辱的な印象は押さえたい、という事で
    “アホガキ・ハラスメント” とでも呼びたいところだが
    jinken略なので、ここは率直に
    “キッズ・ハラスメント”“スクール・ハラスメント”
    今流行りの略をして、“キズハラ”“スクハラ” で、どうだろう?
     
    “キッズ” の方がイヤかな、背伸びしたいお年頃には。
    「何、子供っぽい事をしてるの?」 という意を込めて。
     
     
    この類で、もういっちょ名前を替えたいのが “万引き”。
    “万引き” という単語自体、下ネタ的な語感で
    恥ずかしい部類のネーミングだと思うんだけど
    これが廃れないどころか、犯罪ではない軽いお遊びのイメージになっている。
     
    人心を操るのは、実に難しいものだな。
    て言うか、犯罪者はそもそもが恥知らずなものかも知れない。
    (この記事の上から9行目に注目!)
     
    “万引き” は廃止して、ストレートに “窃盗” の方が良いかな。
    見逃しなしの、即警察突き出しで。
     
     
    「子供には更生の余地がある」 と言うけど
    バカガキだった私には、更生は無理だったと思う。
     
    今のように、しっかりとした倫理観を持ち
    尊敬される人物として評される石を投げるのは止めてのも
    30歳を過ぎて、世界情勢というものに興味を持ち
    本を読み始めて、“思考をめぐらす” 事をし始めてからだ。
     
    私は30歳までは、何も考えてなかった。
    だからこそ言える。
     
    更生や反省は知恵がないと無理!
     
    子供たちには、親が社会で通用する道徳観を教えるべき。
    勉強は学校や塾に任せても良いけど
    “親の教育” があってこその、人間デビューだろ。
     
    “教育” 全般を学校任せにしていると
    可愛い我が子に、ロクでもねえ思想を植えつけられかねないぞ。
     
     
    今さ、逆に呼び方を希望的な方向にしよう、という動きもあるよね。
    それこそベースは、“人権”。
     
    “差別をするな” って、普通の人として扱え、って事じゃないよな。
    相手の不都合を悟られないように補え、って感じかな。
     
    ・・・自分が乗り越える前に、人に整備を要求をするとは・・・。
    不自由さがなければ、健常者と変わらないじゃん。
    むしろ、より優遇されてるよな。
     
    私も “人権” の恩恵を受けているひとりである。
    昔はほんっと無神経なヤツが多くてな、容赦なくいたぶられたもんだ。
    今は向こうから気を利かせて、見ざる言わざる腫れ物に触るように、と
    勝手に配慮してくれるんで、とても生きやすくなったよ。
     
    私は自分で何とか乗り越えていたんだがな。
    まあ、いいよ、今後の人生で安穏として傷付きやすくなりそうだけど
    ラクに生きられないから、“障害” なんだしな。
     
     
    今の社会は、“覚悟” が足りないと思う。
    “普通” を必要以上に美化し、“不便” を恐れる。
     
    言ったらいけない事もあるけど、それらも無視せずに密かに学べよ。
    現実をキレイ事でラッピングした教育をするから
    一部の者だけが大手を振って歩く、打たれ弱い社会になってるんじゃねえのか?
     
     
    たかが呼び方いっちょだけど、思想に与える影響はものすごく大きい。
    その価値に気付いている者が、上手い事を言って
    さも良き事をしているかのようなフリをして、人心を操っている。
    それが “洗脳” というやつだ。
     
    世界は陰謀に満ちている・・・。
     
     
     

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    コメント:ちゃんと持ってるぞ。 液体オイルだけど、ベビパに数滴垂らしてシェイクすればスースーボディパウダーになるし、湯船にシャンプーにボディーミルクにと垂らして、清涼感でこの猛暑を乗り越えろ! これは飲食物にも使える優れもの。

  • 継母伝説・二番目の恋 16

    「おお、我が愛しの娘よ!」
    公爵家の娘の部屋に入って来たのは、父公爵であった。
     
    「お父さま、お久しぶりです。」
    公爵家の娘は心から嬉しかったが、冷静に立ち上がり手を出す。
    その手に父公爵が口付ける。
     
    娘とは言え、王の側室となった今、身分は父公爵より上。
    今回の私室での謁見も、王の許可を得てのものである。
     
     
    お茶を持ってきた召使いが下がった後に
    父親と娘は、ようやく本題に入れた。
     
    「苦戦しておるようだな、我が娘よ。
     今回は、おまえが倒れたという事で
     王が特別に “宮廷への用” を申し付けてくれたので
     一時的に帰って来れたのだ。」
     
    公爵家の娘が、思わず口にする。
    「お父さまは何故、宮廷にいらっしゃらないのですか?」
     
    「うむ、実は西国との貿易交渉が難航していてな。
     わし自らが西国に行く事になったのも
     ベイエル伯爵家が推薦してくれたせいだ。
     そのせいで我が娘が大変な時に、側にいてやれぬ。
     まことに、あの家には手こずらされる・・・。」
     
     
    ベイエル伯爵・・・?
    お父さまから、その名が出るとは。
     
    「あのベイエル伯爵という者は、何故にあたくしに反感を持っているのです?
     事ある毎に噛み付いてきますのよ。」
     
    「ベイエル伯爵家とは、数代前の嫁の取り合いからの因縁でな。
     我が公爵家が勢力を大幅に拡大できたのは
     その嫁実家の力添えのお陰もあったのだ。
     あの時に、その女性がベイエル伯爵家に嫁いでいたら
     今の地位は逆転しておったかも知れぬ。」
     
    「そうでしたの・・・。
     先祖代々の恨みでしたのね。」
     
     
    「そこで、おまえが産まれた時に
     ベイエル伯爵の長男におまえを嫁がせて
     今までの確執を取り払おう、という話が出てな。」
     
    「あたくしをですの?」
    「うむ、ベイエル伯爵からの申し込みだった。
     だが公爵家は、仲の悪い伯爵家との和解より
     王家と姻戚関係を結ぶ可能性を選んだのだ。」
     
    公爵家の娘は、すべてを理解した。
    そして同時に恥じた。
    あたくしが王の目に留まってさえいれば・・・。
     
     
    父公爵は立ち上がった。
    「今日は久々におまえの顔を見られて嬉しかったぞ。
     わしは、まだ帰っては来られぬ。
     大変だが、持ちこたえてくれ。」
     
    父公爵のその言葉は、公爵家の娘をムッとさせた。
    自分はひとりでも、ちゃんとやれる。
     
    「お父さま、あたくしなら大丈夫ですわ。
     それより政敵の事などは、早く伝えておいてくださいな。
     あたくしとて、公爵家の娘。
     公爵家に仇なす者は許せませんわ。」
     
    「うむ、わしはおまえをあなどっていたようだ。
     おまえは実に上手くやっておるようだな。
     周囲の評判も良い。
     これで、おまえが王国の跡継ぎを・・・」
     
    「お父さま!」
     
     
    公爵家の娘は、父公爵の言葉をさえぎった。
    「過ぎたる野望は身を滅ぼしますわ。
     王さまのお側に仕えるあたくしが、それを “しない” のには
     相応の理由がある、と信じてくださいませ。」
     
    娘の瞳に、父公爵も感ずるとこがあったようである。
    素直にうなずく。
     
    「そうか・・・。
     おまえがそう言うのなら
     わしはその件に関しては、口出しすまい。」
     
    「恐れ入ります。
     ご期待に沿えず、申し訳ございません・・・。
     ですが、今後の働きで何倍にもして返してみせますわ。」
     
    決意に満ちた表情で、お辞儀をする娘の姿に
    父公爵は寂しげに微笑んだ。
     
    我が娘よ
    おまえは女である事より政治の道を選んだのだな・・・。
     
     
    公爵家の娘は、公爵の嫡子庶子の中で、ただ一人の女子であった。
     
     
     続く 
     
     
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          継母伝説・二番目の恋 1 12.6.4 
          カテゴリー 小説・黒雪姫シリーズ 
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  • 人生相談 39 夫が欝

     <質問>
     
    結婚して16年、小学生と中学生の子どもがいます。
    主人が2年前からうつ病になり、会社を1年休職しました。
    今は復帰してそれなりに頑張ってくれています。
     
    が、この2年というもの、私は苦しみ続けています。
    主人の給料がカットされ、ボーナスもなくなり
    家のローンも教育費も滞り、私は福祉施設の正職員の採用試験を受け
    何とか働き始めました。
     
    稼ぐために必死の思いです。
    主人も毎日しんどいながらも頑張ってくれているので文句は言えないです。
     
    でも病気をする前とは明らかに変わってしまいました。
    まず話をしたがらない。休日はずっと寝ている。
    私に対する思いやりのない行動の数々・・。
    病気だからしょうがないと言い聞かせて生活しています。
     
    子どもも父親を好きだし、離婚するまでには至りません。
    私自身の気の持ちようだとも思いますが、
    鬱は移るとよく言われるように、気持ちが前向きになれません。
    影響を受けてしまい、こっちも鬱っぽくなってしまいそうです。
     
    私まで病気になったら大変だから、頑張りすぎない。と
    セーブすることを心掛けていますが、そういうわけにもいかず・・。
    子どもの所属するクラブチームにも駆けずり回っています。
    キャパ以上の頑張りを強いられ、周りの無理解にも苦しんでいます。
     
    放っておいてほしいと言う主人と
    このまま一緒に生活することに意味があるのか・・。と
    自分に問いかけたりしてしまいます。
     
    何が相談したいのか、ただ愚痴ってるだけですね。
    すみません。
     
    あしゅらさんは離婚を経験されているようですが、
    離婚についてのお考えをお聞かせいただきたいのと
    こんな今の私に喝を入れてください。
     
     
     <回答>
     
    ウツかあ。
    それは、「まだ2年」 と考えるべきかも。
    治るのに数年かかる、とよく聞くんで
    今はご主人の事は、本人が言うように放置するしかないよ。
     
    ご主人の事は、いないものとして考えるように
    努力をした方が良いんじゃないかな。
    それが一番難しいけど、結局は早いと思うんだ。
     
    そんで、相談者は自分の事を考えるようにする。
    普通は 「子供の事を」 だろうけど
    話を聞くと今回は、相談者が自分の事を考えるのが
    子供のためにも繋がるような気がするから。
     
    子供は子供で、自分なりに対処するものだよ。
    ましてや、家のために頑張ってる親なんだから。
     
     
    ただ、クラブチームの事は、ちょっとわからない・・・。
    その手のクラブ話で、良い話を聞かないんだけど
    案の定、無理解なんだろ?
     
    そこだけは、無理をするしかないかも。
    他のとこで、とことん手抜きを出来ないか?
     
    周囲からの理解は、ない!
    理解してくれる人はいない。
    いたら、ものすごくラッキー。
    期待しちゃ辛くなるだけだから、その考えも断ち切るべき。
     
     
    で、離婚への考え。
    結婚もだけどさ、離婚も相手がいるから出来るんだよ。
     
    その “相手がいる事” で、しかも失敗した事を言うのは
    無神経だと思うんで、私の経験は言えない。
    私が離婚話をあまりしないのは、自分がされて嫌だったからだ。
    と、ポロリのフリをして、グチグチと。
     
    こういう感じで、不信感とか残るから
    離婚って、やっぱりロクでもねえよ。
    私の場合はな。
     
    他の色んな状況によって、離婚はひとつの解決法なんで
    意見はその都度、変わる。
     
     
    相談者は子供がいて、数年のウツの様子見をしていると
    子供もじきに、ひとり立ちの年齢になるだろ?
    離婚、ありえなくねえ?
     
    それとも、ご主人の給料と母子家庭の援助を比べて
    離婚した方が有利なら、出来るか?
     
    今の状態では、相手を有責に出来ないだろうし
    子供に恨まれる可能性や、病人を見捨てる罪悪感など
    トータルで、「離婚はなし」 とならんか?
     
     
    “最終兵器” を準備しておく作戦は、支持するけど
    聞く限りでは相談者の場合は、その兵器は諸刃のような気がする。
     
    自分をなだめるなら、離婚の知識集めより、ネットで
    「夫がギャンブル狂」「浮気者の夫」 等、病気に関係ない不幸話を探せ。
    下を見る事で、気持ちが保たれる時ってあるぞ。
     
    くれぐれも、自分と似た話は読むなよ。
    「私、頑張りが足りない・・・」 と、落ち込む事もあるから。
    自分で自分の首を絞めないために、まったく関係ない例を探すんだよ。
     
     
    ウツは移る、あると思う。
    ウツだけじゃなく、病人、うっとうしいもんな。
    でも、だからこそ “病気” なんだよ。
     
    病気は、苦しむからこそ忌み嫌われるんだから
    病気になっても、いつも通り、ってのは無謀だよ。
     
    辛いのが病気!!!
     
     
    最近は色んな事を、呼び方を替えたりして、美化しようとしてるけど
    不便じゃなければ、健康体と同じじゃん。
    認識にキレイ事を足さなきゃ、思いやる事も出来ないのか、今の世は。
     
    病人本人も周囲も、これを忘れちゃいけないぞ。
     
    病気は迷惑!!!
     
    わかっていて、それでも戦え!
    そういうのをひっくるめて、嫌なものなんだから、病気は。
     
     
    :::::::::::::::::::::::::
     
    人生相談は、あまり受け付けておりませんでしたが
    ここを通りすがる人々の意見が、えらい素晴らしいので
    それに期待をして、ペリー以来の門戸開放の方向で行きます。
     
     
    相談はメールでお願いいたします。
    念のために、相談前に私の他の記事をご一読ください。
    こういう “私” に相談する、というその選択について
    もう一度よくお考えくださるよう、お勧めします。
     
    アドレスはプロフィールにあります。
    件名に、「人生相談」 と入れてください。
    迷惑メールに紛れる危険性がありますので、何とぞ。
     
    匿名で結構です。
    いらん個人情報ばかり書いてこないで
    肝心の相談内容の情報の方にこそ気を遣ってください。
     
     
    なお、ここの相談では、通りすがりの人にも回答されます。
    むしろ、通りすがった人に回答を丸投げする思惑です。
     
    なので相談後の意見、返事、報告等がありましたら
    出来れば記事のコメント欄に書いていただけたら、ありがたいです。
    答えた人ここを読んだ人全員、結果を気にしていると思いますので。
     
     
    ※ 相談内容を転記の際、状況によって
      伏字、改行、修正などをさせていただく場合があります。
     
    ※ 精神的に打たれ弱い方はご遠慮ください。
     
    ※ 相談文の情報のみを基に考え、相談者のためにだけなるような
      相談者をえこひいきした回答になるのを、ご了承ください。
      ここに来てない人の事まで知ったこっちゃありません。
     
     
    注: たまに、こちらからのメールが届かない人がいますが
       その “私ブロック” を解いておいてください。
     
     
     <通りすがりの人の、回答上の注意>
     
    偽名、匿名、無記名で結構ですので
    相談内容に沿った、ご自分の意見、経験を教えてください。
     
    相談者にも、詳しく言えない事情もあるかも知れませんので
    相談文のみの情報で、お考えください。
     
    貰った意見をどう解釈して取り入れるかは
    相談者が勝手に決めて良い事なので、意見を書く人は
    相談者に一方通行の贈り物をするつもりでお願いします。
     
    相談者には相談者の個性や性格があるので
    願ったものとは違う答を出しても
    助言がムダになったわけではないのです。
     
    相談者が意見募集を締めた後も
    似たような状況の人も関係ない人も、何かの参考になって
    皆が何かを得る事ができたら良いな、と願っておりますので
    いつでも経験談などの意見を書いてくだされば、ありがたいです。

  • チャック

    “ファスナー”“チャック”“ジッパー” と、呼び方が様々だけど
    どれが商標で、どれが正式名称だよ?
    と調べてみたら、全部商標だった・・・。
     
    “ファスナー” と “ジッパー” は外国の会社
    “チャック” が日本の会社らしいので
    タイトルを即座に、“ファスナー” から “チャック” に変えた。
    だって何でも日本が一番なんだ、私は。
     
     
    ここで疑問が生じる。
    “チャック” というのは、広島の会社。
    由来は “巾着” の “ちゃく” だそうな。
     
    と言う事は、いまや世界シェアをかなり誇っているであろう
    YKKは、“チャック” とは呼んでいないのでは?
     
    と言う事で、YKKのHPに行ってみた。
     
    ・・・・・・ファスナーと呼んでおる・・・・・・。
    おめえら、日本の会社同士、協力し合ってくれよ・・・。
     
     
    ここで面白い情報を入手。
    各国のチャックの呼び方。
     
    フランス =“フェルメチュール・ア・グリシェール”
    中国 =“ラーリェン”
    中米 =“シェレス・レランパゴス”
     
    中米の呼び方は、“稲妻” という意味らしい。
    稲妻といったら、レビンだよなー。 86じゃねえぞ、71!
     
     
    ところで、YKKで私はひどい目に遭った事がある。
    若い頃、トラック乗りの彼氏がいた。
    そいつがYKKにサッシを運ぶのに、私も付いていったんだ。
     
    彼氏が事務所で書類の受け渡しをしている時に
    倉庫には私だけになった。
     
    入り口に立っていた私が、不穏な雰囲気を察知して振り向くと
    何のポルターガイストなのか、立てかけていたサッシが
    静かに倒れようとしているではないか!
     
    慌てて走り寄って、サッシを止めようとした私は
    集団アルミをナメていた。
     
    紙だって、2mの高さの量じゃ重いに決まっている。
    何枚のアルミサッシが倒れ掛かっていたのか
    手前で支えている私には数えられなかったけど
    私はスローモーションで、ゆっくりゆっくりと静かに倒れていった。
     
    もう、グググググーーー、って感じで、のしかかってきて
    私の支え <<<<< アルミサッシ’S で
    最悪なのは、圧勝じゃなくジワジワと勝つ、みたいな底意地の悪さ!
     
    ヘルプヘルプ叫んでたら、彼氏とYKKの人が来てくれて
    体半分サッシの下敷きになった半泣きの私を見て
    大の男ふたりがしてくれた事は、まず大爆笑!
     
    ひとしきり笑った後に、ようやくセクハラサッシ’Sを
    取り除く作業に取り掛かってくれたんだけど
    YKKの人が、これまた笑いながら言う。
     
    「お嬢ちゃん、何やってるの
     サッシもたくさんあると重いんで、遊んでたら危ないよ。」
     
    ・・・・・・・・・・おめえらが、ちゃんと立てなかったから
    崩れてきたんだろうがあああああああああああっっっ!
    私は指一本触ってねえ。
    てか、サッシに傷が付かないように支えようとしたのに!
     
    何十年も前の話だが、YKKは私への形ばかりのお詫びに
    祖サッシぐらい送ってきてほしい。
     
     
    えーと、何の話をしようとしてたのかな。
    ・・・・・・・・・・
    ああ、チャックね。
     
    実はこの記事はYKKへの苦情一色なんだ。
    と言うのも、うちのチャックのほとんどがYKKでな。
     
    チャックって何であんな縫い方なわけ?
    マチって言うの?
    チャックのとこの布、短すぎねえか?
    布が新しい内は良いけれど、使い古してヨレヨレになったら
    チャックを開け閉めする時に、噛む噛む噛みまくる!!!
     
    特にシーツ!!!!!!! (これも、もちろんYKK!)
     
    チャックの開け閉めが億劫なんで、洗濯したくなくなるんだよ!
    ジワ~~~ッと注意深く開けているのに
    集中しすぎてフッと気が遠くなる瞬間を狙って、キッチリ噛みやがる。
    古くなったチャックは、ほんと私を出し抜くのが上手いぜ。
     
    もう、布団カバーはチャック式じゃなく
    かぶせ方式のを探す。
     
    YKK、おめえのせいだからな!
    工夫大国ニッポンの会社なんだから、どうにかしてくれよー。
     
     
    なお、ここに出てくる会社名は、実在しない。
    YKKは、Y.K.K. なんだよ、うへへのへー
     
    と言うのを楽しみにしていたのに
    念のためにYKKのHPを再確認したら、“.” が付いてない・・・。
     
    あれえ???
    何と勘違いしてたんだろう???
     
     

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    コメント:これだよ、これこれ。 こういう、かぶせるだけの簡単シーツが欲しいんだ。 もう、チャックで噛み噛みはいやん・・・。 掛け布団で、簡単系が見つかりにくいのが目下の難点。 皆、シーツ革命を起こして!

  • 継母伝説・二番目の恋 15

    会議が進む最中、公爵家の娘は苦戦していた。
    書類の文字が、どんどん薄くなり2重になるのだ。
     
    寝てはダメ!
    テーブルの下で、腕を思いっきりつねる。
    だけど、睡魔は去ってはくれない。
     
     
    あくびをかみ殺している時に
    ふと窓の外に鳥が飛んでいるのが目に入った。
     
    あの湖でも鳥が空を舞っていた。
    湖面に青い空と新緑の山が映るのを、太陽の光が輝いて消す。
    何て美しい風景だったのでしょう
    この国を空から見下ろしたら、どんな光景なのかしら
     
     
    唇に何かが触れ、公爵家の娘は我に返った。
    王の顔が目の前にある。
     
    「ここのところ、わしが寝せてやらなかったから疲れておるのだ。
     すまぬ事をしたな。」
     
    唇を離した王が前に向き直り、ヌケヌケと言うので
    臣下たちが苦笑いをする。
    「いやいや、これはご馳走様ですな。」
    「ほんに美しい姫さまたちに囲まれて、羨ましい事で。」
     
     
    公爵家の娘の唇に、初めて他人の唇が触れた瞬間だった。
    だが公爵家の娘は、赤くならずに青くなった。
     
    自分は会議の場で眠りこけていたのだ!
     
    あたくしとした事が・・・
    慌てたかったが、悠然と書類を見直す。
    うろたえてはならない。
    王さまがかばってくださったのだから、それを無にしてはいけない。
     
     
    会議に何とか耐えた公爵家の娘が、自室に戻ろうとすると
    ベイエル伯爵が待ち構えていた。
     
    「公務に支障をきたす程の、王さまの熱心なお通い、ご苦労様ですな。
     でもあなたの一番の仕事は、政治への口出しよりも
     世継ぎを産む事ではないですかな?
     おっと、失礼、王さまには王妃さまがいらっしゃいましたな。」
     
    嫌な笑みを浮かべながら、ベイエル伯爵は去って行った。
    何なの? あやつは!!!
    頭に血が上った瞬間、目の前が真っ暗になった。
     
     
    気付いたら、自分のベッドに横たわっていた。
    着替えも済ませてある。
     
    「お気付きですか、今、王さまがおいでになられます。」
    召使いの言葉が、よく理解できない。
     
     
    程なくして、王が部屋に入って来た。
    その時になって、ようやく事態が飲み込めた公爵家の娘。
    そう、王は “お見舞い” に来たのである。
     
    「王さま! この度の失態、幾重にもお詫びを・・・」
    起きようとする公爵家の娘を、王が止める。
     
    「起きずとも良い。
     そなたは、しばらく休養を取れ。
     王妃の分も無理をしてくれたのであろう、すまぬ。」
    王の謝罪に、王妃への愛が感じられる。
     
     
    しょうがない・・・
    この国の王が詫びてくれるのだから、臣下はそれに応えるのが使命。
     
    「いえ、あたくしが休むと、身篭ったと誤解されかねません。
     そうなると、益々王妃さまのお立場が苦しくなります。
     あたくしは単なる寝不足なのですから
     それをお詫びして、明日から通常通りに動きますわ。」
     
    その言葉に、王は本当に頭が下がる想いだった。
    「そなたは・・・。」
     
     
    王は公爵家の娘の努力を知っていた。
    何故なら朝方に自室に戻る時に、この部屋を通るからである。
    その時に公爵家の娘は、書類を枕に居眠りをしている。
     
    いつも王がどこから帰っているのか、気付かない公爵家の娘も
    しっかりしているようでいて、とんだ片手落ちではあるが
    その天然ボケは、王を苦しめた。
     
    自分の我がままのフォローのために
    陰で無理をする人間を目の当たりにして
    平静でいられるほど、冷血ではなかったからだ。
     
     
    しかし、わしはこの国の王。
    すべてのものの主なのだから。
     
    王は公爵家の娘への感謝を、表立って出さなかった。
    それは王に生まれついた者の、プライドと糧。
     
     
    「それでは、わしは出来る限りこの寝室を通ろう。
     そなたの疲れの言い訳が立つようにな。」
    「恐れ入ります。」
     
    公爵家の娘は無表情で頭を少し下げた。
     
     
     続く 
     
     
    関連記事: 継母伝説・二番目の恋 14 12.7.10 
          継母伝説・二番目の恋 16 12.7.18 
          
          継母伝説・二番目の恋 1 12.6.4 
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  • ババアと有効距離

    老化報告 12.7.5 で、敗北宣言をした私は
    やさぐれの真っ最中で、服などどうでも良い心境にまで落ちていたが
    まさか裸で徘徊するわけにもいかないし
    時は、年に一度の夏のバーゲン。
     
    ババアで貧乏でブサイクで頭が気の毒で性格が悪いので
    バーゲンでしか良い服を買えないのも、しょうがねえよな
    と、とことん反抗的な気分で、デパートに行ったさ。
     
     
    私がデパートが好きなのはな
    短距離間内に多くの店があるからなのと
    ヘンな店員さんがいないからだ!
     
    特にデパートのショップは、とことんチヤホヤしてくれるので
    気持ちアゲ目的で、毎日でも入り浸っていたいのだが
    財力がハンパなく、I have no money なので
    夏冬のバーゲン時だけ出没する、貧乏神化になっておるんだ。
     
     
    ここでまたひとつ、心が地面にメリ込む話をしよう。
    大抵のデパートでは、女性のファッション売り場が3~5階あるのだが
    年齢が上がると、適応売り場も上の階へと上がっていく。
    階が上がるにつれ、服の値段も上がっていく。
     
    この国では、ババアは裕福前提!!!
     
    私なんか、もうファッションフロア最上階の住人なので
    冗談抜きで、バーゲンしかも50%OFFの時しか
    買いに行けないのだよ・・・。
     
     
    と言う事で、初手からファッションフロア最上階に直行した私。
    グルリと全体を回って、良さげなサマーニットを見つけた。
     
    接客に来てくれた店員さんの年齢や服を見て
    うん、私はここで服を買って良い、と確信。
     
    「何かお探しですか?」「ええ、半そでニットを」
    ここまでは通常のやり取りなのだが、こっからが転落。
    「贈り物ですか?」「? いえ、自分用ですが。」
     
    あー、これ半そでじゃないんですねえ とか言いつつ
    服を広げて見ている私の横で、店員さんが何か言いたげ。
     
    「これ、どうですか?」 と、体に服をあてて訊くと
    「とてもお似合いだとは思いますが、入りますかね?」
    え? とプチパニくり、「入らないですかね?」 と質問に質問で応えると
    「ここは小さいサイズの売り場なので、お客様には入らないかと。」
     
    そこでハッと気付く。
    その店員さんを見おろしている事に。
    店員さん、ものすごく小さいのである。
     
    「あー、それは失礼いたしましたー。」 と謝ると
    店員さんは、普通のサイズ売り場まで案内してくれたさ。
     
     
    ・・・ここで終わらないのが私。
    他のショップで、「これ、良いですねー」 と服を広げていたら
    「はい、とてもお似合いですが、ここは大きいサイズなので・・・。」
     
    これ、ネタじゃなくマジで。
    服はゆったり着たいので、LやLLを着ているから大丈夫だろと思ったが
    専門的?な大きいサイズの売り場だったらしい。
     
    ここでも、ほんとすいませんほんとすいません、と
    “普通” のサイズのところに連行されて
    ほんと、ボケ老人の迷子誘導のようで情けなかったぜ。
     
     
    皆、今はサイズで売り場が分かれているデパートもあるみたいだぞ。
    ・・・いや、昔からあるのかも知れないけど
    昔は買うブランドを決めてたんで、気付かなかったんだ。
     
    気付いた今でも、デパートでは物欲に目の色が変わるので
    周囲が見えていないで、また同じ過ちを繰り返すのが私だがな。
     
    好きなブランドのことごとくが、年齢に合わなくなって
    知らなかった上層ブランドの名前を覚える記憶力も低下したので
    漂流買いになってしまい、無差別購入をしているのだが
    ブランドに頼れない上に微妙な年齢って、難しい!!!
     
     
    ・・・ここまでが前置きだったら怒る?
    今回はやたらボケを連発したので
    ここで報告しないと何のために恥をかいたのか
     
    いや、ブログを書くために恥をかいてるわけじゃないぞ!
     
     
    でな、ナイスバディーの私は、大抵の服は似合うんだよ。
    首から下だけ見ればな。
     
    顔のつくり、ファッションと大いに関係あるよな・・・。
    貧相な顔だと、フリル系やフェミニン系が似合わねえ似合わねえ。
    好みが軍服系だから良いけどさ。
     
    そんな私が試着をしたら、全似合いお買い上げ決定なのは当たり前。
    そこで必ず数着は着てみる。
    一番似合うのを店員さんに選んでもらえば、間違いない。
     
     
    今回は、ババア入門で卑屈になっていたので
    店員さんに、「私、○歳なんですが、これ、許されますかねえ」 と
    ほんとすいませんほんとすいません的に弱腰に。
     
    すると店員さん、「お客様、実年齢より見た目年齢で考えるべきですよ。」
    その見た目年齢がアウトコースになったから、終わったんじゃん!
    と、イライラしつつも、試着して鏡の前に立つと
     
    あれ? 私、すっげえイケてる?
     
     
    ここで注意を。
    服屋さんの鏡はちょい縦長に映るので、誰でもステキに見える。
    つまり私なら、もんのすげええええええ格好良く見えるのだよ。
    そこを差っ引いて、落ち着いて考えねばならんのだ。
     
    ここらへんは、いつもとても冷静に見るのだが
    今回も、いつもと変わらずお似合いで格好良い。
     
    どういう事だろう??? と、しばし鏡の前で悩む。
    店員さんに3着の中から選んでもらったのは、一番若々しい服。
     
    帰宅して洗面所の鏡の前で着ると、似合ってるけどババア。
    それを着て、スーパーのガラスに映ってるのを見ると、すんげえ格好良い。
     
    もうわかったな?
     
    歳を取ったら、通用する距離が遠くなるのだ!!!
     
    20代なら、友人との30cm距離でも大丈夫。
    30代なら、1mは間隔を取りたい。
    歳を重ねる毎に、その距離が伸びて
    今の私は、3mあれば何とかまだ “女の土俵” に立っていられるようだ。
    うん、多分まだ3mでイケるはず。 いや、4か・・・?
     
     
    若い頃は、唇! 目! と小さいパーツで勝負できてたものが
    乳! 尻! と、アピール部分が大きくなり
    歳を取ると、どんどんマクロの世界になっていって
    「全体的雰囲気で何となく見て!!!」 になるのだな。
     
    つまり、ババアはトータルファッションに命を懸けるべし!
    髪も肌も服も靴もバッグも、全身で捉える必要があるのだ。
     
    そうか、女性は誰しも、この時に向けて経験を積んでいくんだな・・・。
    ババア・人体グローバル化、ヒイイイイイイイッッッ
     
     
    鏡と5cm距離で皮膚を見つめて、肌の手入れをして
    毛穴隠しに奔走してたんだから、早くこれに気付くべきだったのに
    途中で “お手入れしないお手入れ” とかに行ってたもんで
    そのまま、ミクロの世界に漂っていたんだよなあ。
     
    時々外の鏡でふいに自分を見て、おお! 格好良い! とか
    自画自賛している割には、そこまで気にしてないっつーか
    ザツな性格だもんで、その時に調子に乗るだけで終わって
    深く掘り下げなかったのが、私のクソバカ野郎なとこだよなあ・・・。
     
     
    皆、もう気付いてるかも知れないが
    年齢とともに、自分のアピール面積を広く考えて
    大事な人とは距離を取って接するようにな。
    性交渉は暗闇の中のみでだぞ。
     
    ババアは遠目で勝負!
     
     

    評価:

    金曜日


    ¥ 1,050

    (2005-04)

    コメント:この類の本は、自分の意見を構成していく過程で出会うひとつの説、として捉えるべきだと思うんだ。 人生にソースはない。イカリじゃないぞ。 自分が経験してきた事をベースに、勘で選択していくしかないんだ。 そのために色んな事を見聞きし続けようぜ。

  • 継母伝説・二番目の恋 14

    公爵家の娘の日々は多忙だった。
    王妃の代わりに政治の勉強をし
    それを交友しているように見せかけながら、王妃に教え
    その上に宮廷内の社交までこなさねばならない。
     
    これで本当に側室だったら
    王の夜の相手までしなきゃならないのだから
    それがないだけでもラクだと思うべきね
     
    公爵家の娘は、ソツなくこなしているつもりだったが
    生真面目な性格ゆえか、頑張りすぎていて
    それを自分では気付いていなかった。
     
    公爵家の娘には、王妃を陰ながらフォローする、という
    王の期待に応える事しか
    自分のプライドを維持する道がなかったのである。
     
     
    「あたしのお友達、大丈夫?」
    王妃の心配も、公爵家の娘にはイラ立ちの原因にしかならなかった。
     
    こんなバカ娘にまで気遣われるほど
    あたくしは疲れて見えるのかしら?
     
    「もっと粉を!」
    メイク係に怒鳴る日々が続く。
     
     
    いつものように、会議の前のおさらいに王妃の部屋へ行く。
    諦めずに教え続けてきたお陰で
    最近の王妃は、会議中のボンヤリがなくなってきつつある。
     
    このまま政治を、いえ、せめて慈善事業ぐらいは覚えてもらえたら・・・
    公爵家の娘は、その日の会議の議題を王妃にわかりやすく伝えるために
    会議前には必ず、王妃の部屋に “お茶” をしに行くのである。
     
     
    その日は、王妃がお茶を淹れた。
    また自分の身分を忘れて、下々の仕事を・・・
    内心苦々しく思ったが、公爵家の娘は怒り疲れていた。
     
    怒りたくて怒っているわけではないのよ
    なのに怒られる側がいつも被害者ヅラ。
    怒られる事をするから悪いのに・・・
    お茶が入るのを待つ時間も、イライラの種が尽きない。
     
     
    と、そこにフワッと花の良い香りが漂った。
    「これ、あたしの国の花のお茶。
     どうしても、栽培できない。
     自然の中でしか生きられない。
     10年に1度しか咲かない。
     その花の花びら、飲める人、とても少ない。
     この前、あたしの国から大臣が来た時に
     送ってくれるよう、頼んだ。
     やっと届いた。
     良い香り、美味しい、あたしのお友達に飲んでほしい。」
     
    「それは貴重なものを・・・。」
    この説明に、さすがの公爵家の娘も恐縮した。
     
     
    カップを口元に持っていくと、甘く丸い香りに包まれる。
    ああ・・・、良い香り・・・
     
    「このお茶、疲れを取る。 グッスリ眠れる。
     あたしのお友達、疲れるの、あたしのせい。
     だから、お茶、淹れた。」
    公爵家の娘がお茶を飲むのを、嬉しそうに見つめる王妃。
     
     
    ・・・良い子ではあるんだけど・・・
    公爵家の娘は、複雑な気持ちであった。
     
    政治は良い人では勤まらない。
    王に嫁ぐ事自体が、それはもう政治なのに。
     
     
     続く 
     
     
    関連記事: 継母伝説・二番目の恋 13 12.7.6 
          継母伝説・二番目の恋 15 12.7.12 
          
          継母伝説・二番目の恋 1 12.6.4 
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  • 犬くんとおねんね

    愛犬家の私が、結婚期間中に
    アフガンハウンドとゴールデンレトリーバーと暮らしていた時の話。
     
    普段、犬たちは犬部屋の中のバリケンネルで寝るのだが
    盆正月等に元夫が懇願した時などだけ
    居間に布団を敷いて、たまに一緒に寝ていたのである。
     
    私はこの行事が大嫌いであった。
    愛犬家の言葉とも思えないであろうが、ただでさえ不眠なのに
    犬と一緒に寝てたら、夜中に起こされてたまらないからである。
     
     
    アフガンは “一番上等なところ” に陣取る。
    それが、アフガンの特性なのだそうだ。
    布団を敷いた場合、それが私の胴体上なのだ。
     
    犬ごときにでも (愛犬家?)、良い評価をされると素直に嬉しいが
    この場合の高評価は、“敷布団” としての評価なので
    「ふざけんな! 向こうに行け!」 と、追い払うのだが (愛犬家?)
    夜中に苦しくて苦しくて目を覚ますと
    ちゃっかり舞い戻り、優雅に人の体の上でお休みになっていらっしゃる。
     
     
    ある時など明け方目を覚ますと、目の前に金髪の後頭部があった。
    「何で隣に外人が!!!!!!!!」 と、激しく動揺し
    恐る恐る覗き込むと、アフガンだった。
     
    こいつは私を叩き落し、自分の頭を私専用の枕に乗せて
    伸び伸びと熟睡なさってたわけだ。
    掛け布団も、どうやったかはわからんがしっかり肩まで掛けていた。
     
    もちろん 「おめえ一体何様だよ!」 と、放り出したが (愛犬家?)
    酒に酔わないせいで経験のなかった、“朝起きて知らない人と寝ていた”
    という過ちをした瞬間の気分が、何となくわかったのは収穫だった。
     
    ↓ この話を裏付ける画像発見 
     
     
     
     
    このようにアフガンは呼ばずとも勝手に布団に来るが
    ゴールデンは 「寝るよー」 と声を掛けても
    遠くに座って、目を細めてウジウジしていて動かない。
     
    ああ、また何か被害者ぶってるよ・・・と、放置して寝ると
    数分後にチャッ・・・チャッ・・・と、音がする。
    ゴールデンがこっちにゆっくり歩いて来る足音である。
     
    布団の上に寝転ぶのかと思いきや、枕元でジーーーッと立っている。
    その鼻息が、ブシューブシューと顔に拭きかかり
    時々鼻水のしぶきまで飛んできて 「もう!」 と、向こうに押しやると
    またそのまま立ちすくんでくれて、ほんと心霊現象のようで恐い。
     
    しょうがないので起きて、「布団の上に寝るんだよ」 と
    体を抱えようとすると、ウ~~~ッとうなって威嚇する。
     
     
    それでも何とか布団の上に押し倒すと
    何をハマり込んどるのか、今度は押し倒された時の姿勢のまま
    仰向けで両手両足4本を天に向かって突き出したまま、固まっている。
     
    もう、こいつが何をしたいのか、まったくわからんので諦めて寝ると
    数分後にいきなり、立とうとジタバタし始め
    手がガスッと当たり、足がポスッとめり込み
    人を散々殴る蹴るしたあげくにやっと立ち上がり、またその場で立ちすくむ。
     
    時々スイッチが入る何かの機械のようで、とても不気味である。
    その間アフガン様も元夫も、我関せず特等席で高貴にご就寝。
     
     
    こんな事を何度か繰り返したが
    ゴールデンの心情がまったく理解できなかったので
    構わずに寝るようにしていた。
     
    そしたらある朝、ビビッビビッという不穏な音で目が覚めた。
    何だろう・・・と寝ぼけつつ体を起こしたら
    なんと、ゴールデンが布団を引き裂いていた!!!!!!!!
     
    時計を見ると朝の5時前。
    自力でどうにかしようと思ったが
    布団は人体解剖のように、中央から縦に切られており
    そこからものすげえ軽ろやかそうな羽毛がワラワラと顔を出している。
    もう、眠気も一瞬で吹き飛んだが、羽毛はもっと吹き飛びそうである。
     
    ヘタに動かしたら、羽毛が部屋中に舞い散って大変な事になる、と瞬時に判断し
    ブーブー言う元夫を叩き起こし、何とか布団を丸ごとゴミ袋に詰め込んだ。
     
    この事件以来、二度と犬とは寝る事はなくなった。
     
     
    破かれて使いものにならなくなった羽毛布団は、元飼い主である私の実家に
    「ゴールデンが羽毛布団をムチャクチャにしてくれた」 と、グチをこぼしたら
    後日、5倍ぐらい良い物がデパートから送られてきた。
    ちょっとゴールデンに感謝した部分があるのも否めない。
     
     
    寝苦しくて目覚めた朝、ふと思い出した昔の話。
     
    私、どんどんババアになるから、昔話を何度も繰り返すようになるからね!
    (何の恫喝やら)
     
     
     

    評価:

    西川産業


    ¥ 39,900

    コメント:破れた5千円のマットレスを買い換えたいんだが、これ良いなあ。 約4万円か・・・。 歳を取ると寝ている時も鈍くなるようで、寝相が悪い私でも、ずっと同じ姿勢で固まって動けなくなったりするんだよー。 寝具、大事だとつくづく思う。 4万か・・・。

  • 継母伝説・二番目の恋 13

    王が寝室に入ってくる。
    公爵家の娘は、お辞儀をして迎える。
     
    召使いによって、ドアが静かに閉められた後
    王は公爵家の娘の前を通り過ぎ
    部屋の向こうのドアへと歩いて行く。
    公爵家の娘も、顔も上げずにお辞儀をしたまま王を見送る。
     
     
    王が隣室へと消えたのを見届けた後、公爵家の娘はベッドに入り
    自分とランプを毛布で覆う。
    明かりが漏れないように。
     
    明日の会議は大事なのに
    今日一日を、王妃に付き合ってムダにしてしまった。
     
    あたくしは一応は教育は受けたとは言え
    情勢は刻々と変わっている。
    ひとりで隠れて学ぶのは大変だわ・・・。
     
     
    あくびをしながらも、書類を読む。
    ふと気が付いたら、外が薄ら明るくなっていた。
     
    ああ・・・、マズい・・・、少しは寝ておかないと・・・。
    公爵家の娘は、書類を隠しランプを消しベッドにもぐった。
     
     
    「姫さま、姫さま」
    召使いが声を掛ける。
    「・・・もう起きる時間なの・・・?」
     
    身支度のために鏡の前に座る。
    髪も顔も手も足も、すべてそれぞれの専属係がいる。
    公爵家の娘は、ただ立ったり座ったりするだけ。
     
    「目の下のクマが気になるわ。
     もっと紅を。」
    公爵家の娘の指示に、メイク係が筆を振るう。
     
    「今日はお風呂でパックをさせていただけますか?
     お肌が少々お疲れのようですから。」
    「ええ・・・、お願い。」
     
    後ろでドレスや靴を持って控えている召使いたちが
    クスクスと笑いながら、ヒソヒソと言う。
     
    「寝不足でいらっしゃるのだわ。」
    「姫さまはお綺麗な上に賢くてらっしゃるから
     王さまから寝せてもらえないのよ。」
     
     
    聴こえているわよ・・・
    あなたたちは単純で良いわね・・・
     
    召使いの言葉で、公爵家の娘の心はいちいち動かない。
    それが貴人というものだ、と育てられたからである。
     
    だけど思った以上に宮廷は・・・
    いえ、そんな事を考えていたらいけないわ。
    あたくしは公爵家の娘なのですから。
     
     
    公爵家の娘はスッと立ち上がり、足を踏み出した。
    何も言わずとも、公爵家の娘の歩む方向のドアは次々に開いて行く。
     
    だって、あたくしは公爵家の娘なのですから!
     
     
     続く 
     
     
    関連記事: 継母伝説・二番目の恋 12 12.7.4 
          継母伝説・二番目の恋 14 12.7.10 
          
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  • 老化報告

    さて、悲しいお知らせがございます。
     
     
    あんだけ見た目の若さを誇ってきた私ですが
    最近、苦労が重なって
     
    ゴ ゴ ッ と 老 け ま し た !
     
     
    何かもう、タルミが一気にキたよ。
    実年齢と見た目年齢が、ほぼ同じになったよーーー。
     
    ババアの若さは、ちょっと突ついたらはじけるシャボン玉と一緒。
    フワフワ、ジワジワと徐々に徐々に落ちて行き
    ペチッと破れて、The End。
    ポエム調に言えば。
    ↑ ここの行、全部ハ行
     
     
    さて、ここで突然クエスチョン。
    このブログで、マリー・アントワネットのウソ伝説が
    何回言われているでしょう。
     
    答. 知らねえよ。
       また今から言うし。
     
    ほんとババアの若さなんて
    牢に入って一晩で白髪になるような、儚いものだったのね・・・。
    メルヘン風味を混ぜて言えば。
     
     
    でさ、老けた私がどういう心境か、っちゅうと
    「それどころじゃないんで、どうでも良い」
    ってのが、現在の本音。
     
    これで全方位まんべんなく幸せになって
    心に余裕が出来れば、己のツラを顧みる気にもなるかも知れんが
    そういう時代はもう来ない気がする・・・。
     
    何気にえらい悲しい事を言うとるようだが、大丈夫。
    パンドラの箱の底の隅には、希望があるそうだ。
     
    箱丸々一杯の苦労のあげくの、たった1個の希望・・・
    “希望” って事は、現実ですらないわけだ。
     
    誰だよ、最初にこの話をして良い事を言った気になったドアホウは!
     
     
    いつもに増して、荒れ狂っているのは
    夏バテに生理が重なって、腹まで壊して
    大きな鎌を持った黒マントの怪人が、窓の外をウロウロしとる気がするからだ。
     
    ♪夏はババアの寿命を奪っていくの、ご用心♪
    この歌の元がわかるヤツも、またババア!
     
     
    で、老けた私の本音な。
    ものすげえ美容に時間とお金をつぎ込んできたわけだが
    “自分が老ける” というのを、具体的には想像していなかった。
     
    ただ漠然と、老けたらどうしよう、と恐かっただけ。
    自分はいつまでも、同年代よりは若々しく
    特別な存在ヴェルタースだと思っていたさ。
    (ヴェルタースも、いらんCMをしたせいで一生言われ・・・)
     
    と言うか、自分の老けた姿なぞ、想像できんよな。
    絶望するもんな。
     
     
    それが、実際に老けたら、まったく堪えなかった。
     
    鏡を見るたびに、何じゃこりゃあああああ!!! とは思うけど
    年齢を考えると、まあ、こんなもんか、と
    驚くほど冷静に受け止められるんだ。
     
    ナチュラルとかエコとか大っ嫌いだけど
    じゃあ自分の老化をどうしたいか、と自分に問うと
    自然で良いんじゃないかなあ、と素直に思える。
     
    ここ部分の自分の心理は、自分にもわからないけど
    恐らく私は、自分がどう変わっても
    それを自分に納得させられる機能を持っているんだと思う。
     
    多分、これが “プラス思考” というやつじゃないかな。
    そうか・・・、ポジティブって詐欺師的思考の持ち主か・・・。
     
     
    ごめんな、美容美容言ってきて、こんな結末で。
    でも美容は趣味だから、今後も楽しむぞ。
     
    若く美しく頑張ってる素敵な私、の話は美魔女のところにでも行け。
    ここには、地ベタを這いずるクソババアのリアルしかねえぜ。
    これからも現実ビューティーをするわよ、ほーほほほほほ
     
    んでな、私の客観的な目では、私・終わった、と思うんだけど
    周囲に言わせると、「全然だよ」「まだまだだよ」 なので
    (私が騙されてなければ)、人は人を凄え甘い目で見ていると思うぞ。
    だから、周囲の目をそれほど気にしなくても良いんじゃないかな。
     
     
    本音の最後は、あんまり言いたくない事なんだけど
    老けて、ちょっとは落ち込むかな、と思っていたんだけど
    それどころか、「こんなババアがこれをしても誰も見てないよね」 と
    以前より自由に振舞えるんだよ。
     
    いいいいいいや、違うぞ! 犯罪系じゃねえって。
    ただ昔は自意識が邪魔をして、公園でのんびり~とか出来なかったのが
    今は、「よっこいしょういち」 とベンチに座れるんだ。
    このギャグを知ってるヤツも、またババア!
     
    そういう行動面で、何ちゅうか、枷がちょっと軽くなったって言うか
    「良いじゃん、年寄りなんだしー」 という防御呪文を貰った気分。
     
    ・・・ババアが図々しい理由がわかった・・・。
     
     
     

    評価:

    白元


    ¥ 208

    (2004-02-09)

    コメント:これ、全部紙で出来てるんでカブレにくいんだと。 他の大型ナプキンに重ねて使えば、漏れもガードできるってよ。 ただ、なるべく流さない方が、排水溝も安全。 他のゴミが密かに詰まって、一時的に流れが悪く場合もあるんで、要注意だぞ。