• 人生相談 34 鬱っぽさのしのぎ方

     <質問>
     
    環境や、特に季節の変化などで
    鬱っぽくなって、けっこうキツいです。
     
    皆さん、そういう時はどうやって凌いでますか?
     
     
     <回答>
     
    あ、ひとつ付け加えておきたい。
    今回の場合 「病院に行け」 は、なしでお願いー。
     
    と言うのも、ウツウツする時って誰にでもあるじゃん。
    そういう時に皆どうしてるのか訊こうか、という事で
    人生相談に載せる許可を貰ったからなんだ。
     
    医薬品、漢方、サプリ等の情報は歓迎だよー。
     
     
    まずサプリだけど、“セントジョーンズワート” ってのがあって
    それを気軽に言ったら、ウツウツ気分にものすごく効いた人がいるんだよ。
    効かないよな、と思いつつ教えたこっちがビックリだったよ。
     
    でも副作用がないとは言えないし、飲み合わせとかもあるんで
    ハーブや漢方薬は、草木とあなどらず
    よく調べて、慎重に服用するようにな。
     
     
    ここのブログで何度も言ってる、“気の持ちよう” についても
    また力説したい。
     
    私さ、幼少から体が弱くて、と言っても大病を患うとかじゃなく
    年がら年中、微熱が続いたり、リンパが腫れるクセがある、といった
    病弱の中でも、えらいな小物臭プンプンな部類なんだけどさ。
     
    あああーーーっ? じゃあ、毎日微熱を出してみいよ。
    そりゃもう、生きる気力がなくなるってもんだよ。
    私の誇りはな、“自殺しなかった” という事なんだ。
     
    私だからこそ、風邪にも負けず腫れた日には決して怒らず
    今こうやって生きて行ってる、と自負してる。
    背負える荷しか持たされない、って本当なんだな、とつくづく思うよ。
     
    いや、私も検査検査で右往左往して
    とうちゃんに、「おまえはもう、そういう体質だと思え。」 と
    告げられた時には、私って何のために生きてるんだろう? とか絶望したよ。
    事故か何かで死なないかな、と。
     
    でも私が、心を病みかけただけで済んだのは
    自分を可哀想だと思うのを止めたからなんだ。
     
    心や体の調子が悪い人に覚えておいてほしい。
    その体調不良を、あまり気にするな。
    その不調を考える時に、感情を入れるな。
     
    客観的に、起きてる事象だけを
    解決目的で淡々と考える、に留めるようにな。
    じゃないと、本当に心身ともに悪くなっていくぞ。
     
    これは、やってみると実に難しい。
    だけど “思考のクセ” を付けるつもりで
    自分を突き放して見る試みを続けてみてほしい。
     
    キーワードは、私の場合
    「まあ、明日、何かで死ぬかも知れないし。」 だ。
     
     
    で、最後は気分転換の方法。
    私の場合は、“笑える事” を探すかな。
     
    本でも映画でもネットのサイトでも
    自分のツボにハマる笑いの場を、普段から用意しておく。
    この逆で、悲しい事を見るのが効く人もいると思うんだ。
     
     
    私、あまり人と自分を比べないんだ。
    これは心が美しいからじゃなく、ただあまりしないだけ。
    いや、心は美しいけどな! とても! 充分! 多分! きっと!
     
    でもその “人と比べる” って、そこに明確な悪意がなければ
    生きていくために必要な事かも知れないな、と思うんだ。
     
    上を見て、悔しさをバネにする人もいれば
    下を見て、ああはならないように、とコツコツ頑張る人もいる。
    同じような人と、慰め合って生き抜く人もいる。
     
    人と比べてヒガミ妬みばっかりしてるのは、自分自身への悪意だぞ。
    そんなん思ってても、良い事1個もねえじゃん。
    だから自分はどうするか、の動機にした方が建設的だろ。
     
    それを出来るのなら、人との比較も良いと思うんだ。
    だから、そういう方法も正しく試してみるのはどうかな。
    私は四方八方どこを見ても、自分への慰めの言葉を探すハメになるので
    自分にいらん刺激は与えるまい、と鏡を見ておるさ。
    食欲が失せて、たまらんぜ。 やれやれ
     
     
    ちなみに、何で私が人と比べないか、っちゅうと
    幸せな人って、洗脳された人か、アホウしか見た事がないからだ。
     
    誰でも、どんな地位や財産や名誉がある人でも
    それぞれ何かと戦っているんだよな。
    それを表に出さないだけで。
     
    ほら、私って非の打ち所のないナイスバディーだけど
    そんな特別な私のためのヴェルタースオリジナルキャンディーを
    禁煙後に食ってたら、下腹が出ただろ? (まだ言うか!)
     
    でも服を着とけば、相変わらずのナイスバディーなんだよ。
    イヤな意味で、「私、脱いだら凄いんです!」 になっちゃったけどな。
    (非の打ち所があり過ぎだろ)
     
    くだらん事ばっかり言ってるけど
    芸術家は道端の石にも美を見出すんだよっ。
    私のたわごと相手に精進しやがれ!
     
     
    と、こういう具合に、人には言えない事、
    自分の精神安定剤になる事、経験談、あるいは見聞きした事、
    もちろん、根拠なしでも可。
     
    それをコソッと教えてよー。
     
     
    :::::::::::::::::::::::::
     
    人生相談は、あまり受け付けておりませんでしたが
    ここを通りすがる人々の意見が、えらい素晴らしいので
    それに期待をして、ペリー以来の門戸開放の方向で行きます。
     
     
    相談はメールでお願いいたします。
    念のために、相談前に私の他の記事をご一読ください。
    こういう “私” に相談する、というその選択について
    もう一度よくお考えくださるよう、お勧めします。
     
    アドレスはプロフィールにあります。
    件名に、「人生相談」 と入れてください。
    迷惑メールに紛れる危険性がありますので、何とぞ。
     
    匿名で結構です。
    いらん個人情報ばかり書いてこないで
    肝心の相談内容の情報の方にこそ気を遣ってください。
     
     
    なお、ここの相談では、通りすがりの人にも回答されます。
    むしろ、通りすがった人に回答を丸投げする思惑です。
     
    なので相談後の意見、返事、報告等がありましたら
    出来れば記事のコメント欄に書いていただけたら、ありがたいです。
    答えた人ここを読んだ人全員、結果を気にしていると思いますので。
     
     
    ※ 相談内容を転記の際、状況によって
      伏字、改行、修正などをさせていただく場合があります。
     
    ※ 精神的に打たれ弱い方はご遠慮ください。
     
    ※ 相談文の情報のみを基に考え、相談者のためにだけなるような
      相談者をえこひいきした回答になるのを、ご了承ください。
      ここに来てない人の事まで知ったこっちゃありません。
     
     
    注: たまに、こちらからのメールが届かない人がいますが
       その “私ブロック” を解いておいてください。
     
     
     <通りすがりの人の、回答上の注意>
     
    偽名、匿名、無記名で結構ですので
    相談内容に沿った、ご自分の意見、経験を教えてください。
     
    相談者にも、詳しく言えない事情もあるかも知れませんので
    相談文のみの情報で、お考えください。
     
    貰った意見をどう解釈して取り入れるかは
    相談者が勝手に決めて良い事なので、意見を書く人は
    相談者に一方通行の贈り物をするつもりでお願いします。
     
    相談者には相談者の個性や性格があるので
    願ったものとは違う答を出しても
    助言がムダになったわけではないのです。
     
    相談者が意見募集を締めた後も
    似たような状況の人も関係ない人も、何かの参考になって
    皆が何かを得る事ができたら良いな、と願っておりますので
    いつでも経験談などの意見を書いてくだされば、ありがたいです。

  • かげふみ 40

    結局、主が寝込んだのは1日だけだった。
    翌日からは普通に出てきて、普通に仕事をした。
     
    だけど、その合間合間にボンヤリと窓の外を見つめる。
    グリスには、それは良い兆候には思えなかった。
     
    いつもなら息抜きには、ゲームサイトかオカルトサイトを
    コソコソ隠れ見ていらっしゃった。
    なのに今は、窓の外を眺めていらっしゃるだけだ。
    バラの季節ではないのに・・・。
     
     
    グリスはその不安をジジイに電話で訴えた。
    「主様が遠くに感じるんです。
     すぐそこに座っていらっしゃるのに。」
     
    グリスの泣きベソ風味の言葉を、ジジイはなだめた。
    「歳を取ると、そういうものなんじゃよ。
     別に具合が悪いとか、そんなんじゃあないんじゃ。
     ただ、ちょっとだけペースが落ちるんじゃ。」
     
    そうは言ったものの、ジジイも気になり様子を見にきた。
    グリスの主様心配はいつもの事なんじゃがな・・・。
     
     
    「・・・ああ・・・、また幻覚が見えるー・・・。
     草葉の陰にいるジジイの姿が見えるー。」
    ジジイの姿を見た主が、目頭を押さえながら頭を振る。
     
    「わしゃまだ死んどらんわ!」
    怒鳴りはしたものの、安心もした。
    何じゃ、いつもと変わらんじゃないか。
    グリスの取り越し苦労も困ったもんじゃな。
     
     
    しかし、ソファーで茶を飲みながら観察していると
    確かに多少は疲れやすくはなっているようだ。
    パソコンを見ながら、目をシパシパさせ
    首を傾けながら肩を押さえる仕草をひんぱんにする。
     
    「あんた、体調はどうかね?」
    ジジイの質問に、主が正直に答える。
    「んー、老眼にはパソコンはきついですねー。
     TVとかも何か画面から光線、出てますよねー?」
     
    「ああー、それわかるぞ。
     携帯なんかも辛くないか?」
    「文字、見えませんよねー。」
     
     
    この後は、年寄り恒例の不調自慢大会になった。
    それを横のデスクで聞いていたグリスは、納得できなかった。
     
    主様の変化はそういうものじゃない。
    何というか・・・、最近随分穏やかになられた。
     
    ぼくの気持ちにも、以前はロコツにイヤな顔をなさっていたのに
    今は無表情で無視なさっている。
    それも以前の爬虫類のような冷徹な目ではなく
    まるで違う次元のものを見ていらっしゃるような・・・。
     
     
    おいおい、グリス、嫌がってるとわかっててやってたんか?
    と言うか、その態度は、穏やかうんぬんとかじゃなく
    より一層眼中になし、になってるんじゃないのか?
     
     
     続く 
     
     
    関連記事 : かげふみ 39 12.3.19 
           かげふみ 41 12.3.26
           
           かげふみ 1 11.10.27 
           カテゴリー ジャンル・やかた
           小説・目次  

  • ブログ・フィッシング?

    私のところに1通のメールがきた。
     
    「この度は御社様のサイトを拝見させていただきまして、
     相互リンクをしたくご連絡をいたしました。」
     
    この後、「うちは月間100万PV以上の超国内級サイトだし」
    と、自慢をしつつ、使命感などを語っているのだが
     
    相互リンクが、“システムの都合上” で
    私の方でせにゃならんそうな。
     
    これは、もう管理人ぷらちッの指示仰ぎだよな。
    大体、私がそんなややこしい事が出来るわけがない。
    PVの意味すらわからんドアホウに声を掛けてどうすんだよなあ?
    (PVってプレビュー? アクセス数とはまた違うんか?)
     
    念のために、そのサイトのリンクページに行ってみたけど
    何かややこしいんだよ。
     
     
    とりあえず、「お待ちください」 の返事をして
    ぷらちッに要請メールを転送しておいたけど
    忙しいぷらちッが、相変わらず私を放置してくれたお陰で
    メール第二弾がきた。
     
    「先日もリンクの件でご連絡いたしました、
     再びのご連絡で申し訳御座いません。
     
     何度か御社様のサイトを拝見させていただき、
     ”優良・安心サイト認定証”の審査をさせて頂きました。
     
     改めて拝見しまして、
     とても完成度の高い御社様のサイトに感銘を受けました。
     
     こちらの優良・安心サイト認定証を御社様のサイトに表示する事で、
     御社様を利用する様々なユーザーに信頼感を与えると共に、
     更なるサイトの発展が期待できます。」
     
     
    さて、ここでさすがの私も、あれ? と思う。
     
    1.御社? ブログの場合、個人相手でもこういう言い方をするのが普通か?
    2.優良? 安心? うちが???
    3.完成度が高い? うちが???
       あ、いや、ぷらちッが作った “場所” は
       完成度が高いのかも知れない。
       記事の内容がアレなだけで。
     
    それに、ここに来るババア、変質者、病人どもは
    おめえに優良・安心だと保証されんでも良いと思うぞ。
    いや、むしろ、こんなところを保証するおめえ、おかしくねえ?
     
     
    そしてまた、リンク張れ~リンク張れ~、だ。
    ここでようやく、ぷらちッから
    「断わろうよ、何だか恐くない?」 という意見が来たので
    「うちは止めとくんで、もうメールしてこんでくれ」 と
    律儀にお返事メールをしておいた。
     
    だって最初に返事をしちゃったので、無視は無理だし
    サイトの内容がオカルト系なんで、呪われそうで嫌だろ?
     
     
    で、話は終わった、と勝手に思っていたら
    まだまだ続編がありそうな気配。
     
    「突然のご連絡で大変恐縮ではございますが、」
    と、まるで初対面の自己紹介をされ
     
    ・ グーグルの検索表示1位を誇られ
    ・ 色んなサイトと交流していきたいので
     
    リンク張れ~リンク張れ~
     
    ・・・何かもう、これは完全に
    アクセス数稼ぎの、リンク要請迷惑メールだな、と思っていた。
     
     
    だが、ここにきてちょっと、どんでんー。
     
    「国内最大級の○○よりお知らせです。(大きく出た!)
     相互リンクの募集は今月一杯で閉め切りさせていただきます。
     (えっ、期限があったんか!!!
     おめえ、皆と交流していきたいと、先週、熱く語ってたよな?)
      月/1.230.000pv以上の当サイトと相互リンクをしませんか?
     (まだ言いよるんか!)
     すでに登録済みの方は無視してください。(無視かい!)」
     
    この後、最後のあがきで、リンク張れ~リンク張れ~。
    で、何がどんでんかっちゅうと、「新機能追加」。
     
    「この度、フォーラム機能が追加されました。
      ※メールマガジンへの登録の覚えのない方、
       配信不要の方は 宛先に何も書かず
       ”空メール”を送信してください。以後配信が停止されます。」
     
    えっ、うち、今度からおめえんとこからメルマガが来るんか!!!
     
     
    ここにきて思うのは、このしつこいリンク張れ攻撃は
    アクセス数稼ぎではなく、何だっけ?
    サイトにアクセスさせて情報を書き込ませる、フィッシング詐欺か
    こっちの情報を抜き取るか共有するウイルスを送り込む
    悪質なやつじゃないか?
     
    それまではヌルく見守っていたんだけど
    これは危険はないんだろうか? と、不安。
     
     
    皆のところにも、そういうメールがきても
    相手方にリンクを張りに行っちゃダメだぞ。
    もちろん、どこぞのアホウなババアのように、返事をしたらいけない。
     
     
    毎度恒例の念のための理論武装だけど
    全部が全部、おかしいサイトじゃないし
    このサイトも、怪しくないかも知れない。
     
    けど、もしこれが言い掛かりだとしても
    不信感を持たせる行為をするのが悪い。
    リンクを張ってほしいのなら、普通にお願いせえよ。
     
     
    あ、うちは相互リンク、オッケーだよ。
    うちに来てくれるヤツなら大歓迎だ。
     
    相互じゃない場合も、一声かけてほしいな。
    うちって人気あるー、と悦に入りたいから。
     
     
      

    評価:

    バンダイナムコゲームス


    ¥ 5,366

    (2011-08-04)

    コメント:女性に釣りは辛いと思うんだ。 特にババアにはオムツが必要かも。 その点これは、便器に座りながらでも出来る! いや、トイレの前にTVを置けば、だけど。 当然、竿が付いてた方が楽しいよな。 下ネタじゃないぞ!

  • かげふみ 39

    3日間の休暇も終わりの時がきた。
    グリスはアスターを見送りに、クリスタルシティの駅へと行き
    大人3人は館へ向かう車中にいた。
     
     
    グリスとアスターは食事時以外は、ずっとふたりで語り合い
    より友情を深めたようである。
     
    「私的には、ラヴを深めてほしかったでーす・・・。」
    リオンのちょっと不満気なつぶやきを、主がうっとうしがる。
    「養子がホモだったら、あらぬ噂をたてられるんじゃないですかー?
     保身第一のおめえらしくないなあー。」
     
    「ふっふっふ」
    リオンがほくそ笑んだ。
    「“マイノリティーの保護” というのは、知的階級人の義務なんでーす。
     それに、そういう噂を立てるヤカラは
     “差別主義者” として攻撃してくれ
     と、私に言ってるようなもんでーすよ。」
     
    「おめえ・・・、想像以上に腹の中は黒々だよなー・・・。」
    主が少し青ざめてドン引いた。
     
     
    「なあ、あんたらこの前から何の話をしとるんじゃ?」
    ジジイが訝しげにコソッと主に訊く。
     
    「リオンもストレスが溜まっているらしく
     現実逃避に妙な妄想をしているようなんですよー。」
    主が表面だけ気の毒ぶって耳打ちする。
     
    「ううむ、いつ見ても何か食っとるし
     彼もあれで何かと大変なんじゃろうなあ。」
    「議員先生とか、陰で変態やってるの多そうですしねー。」
    「あんた、それ、公言せんようにな・・・。」
    ジジイが主の偏見をさりげなく注意した。
     
     
    「お帰りなさいませ。
     休暇はいかがでしたか?」
    リリーが興味なさそうに、それでも一応訊く。
     
    「地獄でしたー。」
    主のそのひとことで、すべてを察するリリーも有能な秘書である。
     
    不在中に溜まっていた書類を、うっとうしそうに片付ける主。
    それとは対照的に、リフレッシュしたのか活き活きと茶を飲むジジイ。
    より爽やかになって、笑顔を振りまくグリス。
     
    休暇は良い気分転換だったようね
    まあ、主様はどこにいても主様なのだから、しょうがないとして。
    リリーは、心の中でほっほっほっと笑った。
     
     
    別荘から帰ってきた翌日、主は微熱を出して寝込んだ。
    「すいませんー、疲れが溜まったようでー。」
    布団の中から詫びる主。
     
    「休暇に行って疲れを溜めるとは何事じゃ!」
    「まったく、日本人は休むと具合が悪くなるようでーすねえ。」
    布団の横のコタツに座って、駄菓子を食うジジイとゲームをするリオン。
     
     
    「あんたら、病人が寝てる横でやめてくれませんかねー。」
    主がイライラさせられて訴えているところに、グリスがやってきた。
    「主様、すみません、ぼくの我がままのせいで・・・。」
    グリスの今にも泣き出しそうな様子に、主は更にウンザリさせられた。
     
    「グリスや、おまえのせいじゃないぞ。」
    「そうでーす。 主がヘンなんでーす。」
    ふたりのグリスひいきも、主様の病気の前では威力を発揮しない。
     
    「おふたりとも、主様のお具合が悪いというのに
     何をなさっていらっしゃるんです!
     さあ、早く主様を安静にして差し上げなければ。」
     
    グリスはゲームのリセットボタンを、容赦なくブチッと押し
    泡を吹いて失神しかけているリオンを抱え
    意地汚く菓子袋を握り締めるジジイの手を引き、部屋を出て行った。
     
     
    はあ・・・、やれやれ と安堵する主。
    うつらうつらとまどろみながら、いくつもの夢を見た。
     
    こういう時の夢は、何故かいつも物悲しい。
    そして懐かしい。
     
     
     続く 
     
     
    関連記事 : かげふみ 38 12.3.15 
           かげふみ 40 12.3.22
           
           かげふみ 1 11.10.27 
           カテゴリー ジャンル・やかた
           小説・目次  

  • お便りコーナー 7 ブログ会社を教えて

      < ミクロネシア より > 
     
    どこのブログ会社を使えばいいか教えて欲しい!
     
    私はアメーバで今書いてるんだけど、別のブログも並行しようと思って
    ブログやってると、仲良くしてくれる人が出来る
    で、アメーバ登録者からしかコメント来ないんだけど、
    コメントくれた人のブログが閲覧出来てしまう
     
    あしゅのブログはコメントくれた人のブログは見れないよね?
    アドレス付けてくる人もいるけど極わずか
     
    私変わってるかもしれないけど、
    相手の状況がわかってしまうと、その人が嫌うネタが書けなくなる
    もう、人数が増えて、みんなの気持ちを考えてたら何も書けない
     
    で、ただの自分記録ブログを別に作ろうと思う
    ピーな事を書かなければ、一般人受けしない事も書けるでしょ?
     
    過去に何個かブログ会社使ったけど(肝心の会社名を忘れた!)
    アメーバより酷くて、酷い訳ではないけど、
    自分が覗いたブログに自分の足跡がつく
    コッソリ覗いただけでも私が来た事がバレてしまう
     
     もう極端に言えば誰の目にも触れて欲しくないんだよ~!
     
    んじゃワードに書くとか、非表示にすればいいのかもしれないケド、
    それじゃ書く気にならん!
     
    ネットに詳しいあしゅの仲間達に聞いて欲しい
    あ、あしゅも知ってたら教えて!
     
     
    あと、ブログに書く以外で
    例えばアプリ(そんなものがあるかも知らないケド)を使うとか、
    現代なら他にも文章を保存しておく方法ってないかなあと
     
    例えば作家とかがいつでも何処ででも、
    走り書きを残しておきたいってことあると思うし、
    文豪のあしゅにも便利かも!
     
    私はスマートフォンからしか基本書かないから、
    ワードとかパソコンでしか使えない機能はダメだな
     
     
    ————————-
     
    いやいや、変わってないよ。
    私は外国人が大嫌いだけど、外国人の前でそういう話題は出さないもん。
    それに外国人とも、普通に付き合う。
     
    私の外国人嫌いと、友人知人の国籍は
    まったく別次元の問題だと、私は割り切っているんだけど
    そうは思わない人も沢山いるわけで
    不必要に波風を立てたくないから
    ヤバ気な話題は、相応の場所でしかしないよな。
     
    だから、別ブログの方法はアリだと思うんだけど
    バレたら、目の前で言った時より相手を傷付けるので
    完璧な隠蔽をするようにな。
     
     
    誰の目にも触れてほしくないけど、公共の場に置きたいのはわかる。
    もう、はっきり言っちゃうと
    自分の意見に賛同してくれる人だけに読んで欲しいんだろ?
     
    その気持ち、全員が持ってると思う。
    私もそうだけど、私の場合は賛同できない相手の気持ちも理解できるんで
    反論も罵倒も、黙って斬られてるよ。 痛え痛え。
     
    自分の言いたい事を、大勢が読める場所で言いたいのなら
    発言に対する覚悟というのも必要だと思うんだ。
    苦情を受け止めるのも、自分の発言の責任を取る行為のひとつ。
     
    誰かを傷付ける可能性がゼロの場所はないよ。
    自由ってのは、大抵が諸刃なんだから
    どこで剣を振り回そうが、相手も自分も傷だらけになる。
    それを覚悟しとくんだよ。
     
    ・・・と、ブログでは
    こういう、いらん世話な事も言われるわけだ。 ほほほ
     
     
    で、ブログ会社は私はわかんないなあ。
    私んとこはジュゲムだけど、自分で管理してるわけじゃないもんなあ。
     
    アメーバは、有名人の場合は、都合の悪いコメントは
    会社側が前もって削除してくれる、と聞いた事があるんで
    アメーバ内で別アカはどうだ?
    ああ・・・、そう言えば
    アメーバの “お付き合い” は大変だとも聞いた
     
    誰か、ブログ会社のお勧めや情報があったら教えてーーー。
     
     
    んで、文豪文の保存には、私は紙copiを使ってるよ。
    これは、記事書きページに直接書いてた時代に
    誤って全消去してしまう事が度々あって
    見かねた人に教えてもらったんだ。
     
    この紙copi、携帯でも使えるらしいから、スマホは余裕じゃないか?
    お試し版があるんで、見てみて。
     
    ↓ 紙copi トップページ
     
    http://www.kamilabo.jp/
      
    リンク貼って良いんかな?
    もし問題があるなら、速やかに削除するんで
    いきなりの告訴は止めて!
     
     
    うーん、私にしては有益な情報を出せたなあ。
    って、全部ここに来る人から教わった事で、とんだ盗作だけどな。
     
    他にも、スマホ専用の文章保存アプリ?みたいなんを
    知ってる人がいたら、教えてあげてー。
     
     
    :::::::::::::::::::::::::::
     
    このコーナーは、何か言いたい人のためのものです。
     
    持論でも、自慢でも、疑問でも、自分語りでも、不平不満でも、雑談でも
    内容は何でも良いので、言いたい事がある人は私にメールをください。
     
    メールアドレスは、ブログ管理者紹介の
    あしゅ のところにあります。
    メールシステムが変わりましたので、ご一読ください。
      
    匿名でも無記名でも別名でもいつもの名でも構いません。
    むしろ、匿名、無記名でお願い。
    先入観なしに読めるし。
     
     
    なお、身元がバレそうな部分や、不適切な表現
    そして改行、誤字脱字の補正などはしますが
    基本方針としては、出来る限り、そのままの文を載せます。
     
    文自体が載せられない内容の場合は
    その旨を親切丁寧に返事いたしますので、ご安心ください。
     
     
    ブログの記事に載せる、という事は
    ここを通りすがる誰かからの反応があるかも知れません。
     
    罵倒もされる場合もありますが
    それを受け止めるのも、書いたヤツの義務です。
    それは覚悟しとくべきだけど、私がフォローします。
     
    私の立場は、この場だけはお便りをくれた人をえこひいき、です。
    それがたとえ、私の意見と違っていても、です。
     
    じゃないと、わざわざお便りを書く意味がない。
    なので、私にえこひいきをされたい人、お便りをください。
     
     
    あ、単にコメント欄に書いたものも
    内容によっては、許可なくここに流用する場合もあります。
     
    “お便りがこない” という、私の人徳のなさを隠すためですので
    皆様方は、介護のつもりで温かく許してください。

  • かげふみ 38

    その夜の食事も、なごやかに始まった。
    反省して頑張る宣言をしたくせに、相変わらず黙々と食う主に
    アスターが話しかけた。
     
    「主様は日本出身だとお伺いしましたが
     日本とはどういうところなのでしょうか?」
     
    きたーーーーーーーーーーーーー!!! 絵文字略
    ジジイとリオンは心中で叫んだが、表情に出すわけもない。
     
    「そうですねー。
     日本は食べ物が美味しい国ですー。
     日本食だけじゃなく、世界中の料理が日本では食べられますー。
     日本に来て、食事が合わない、という人はいないんじゃないですかねー。」
     
    主にしては、マトモな種類の話を選んだ事に、大人ふたりはホッとした。
    「外食だけじゃなく、それは一般家庭内にも言えますー。
     日本の家庭の夕食は、毎晩メニューが変わりますー。
     和食、洋食、中華、インド料理
     日本の女性はあらゆる料理を作りますー。
     それのみならず、家族のランチも “お弁当” として
     作って持たせるのですー。
     ネットをするのなら、“キャラ弁” で検索してみてくださいー。」
     
    アスターは疑問に思った事を、素直に口にした。
    「日本の主婦は料理ばかりしているのですか?」
     
     
    その言葉に、主はフフンと鼻で笑った。
    「欧米人は、よくそういう事を質問しますが
     民族意識の違いによるものなんですよー。」
    主に何のスイッチが入ったのか、後はもう独壇場である。
     
    「日本人は働くのが人生そのものなんですー。
     遊びは仕事の余暇にするものー。
     余暇がないなら、あえて遊ぼうとはしませんー。
     その事に疑問を持たないのですー。
     日本人は、己を滅して和を尊びますー。
     夫は家庭のために、朝早くから夜遅くまで働き
     妻は家族のために休暇なく家事をし、パートに出るー。
     子供は学校に行き、塾に行き、習い事をするー。
     どっかの国の首相が、日本人は働きアリだとタワケたけど
     色付き人種なのに、敗戦からあそこまでの復興をして先進国入りをしたのは
     正にこの日本人気質があったからなんですよー。
     そう考えると、働きアリで何が悪い? って感じですねー。」
     
    これを聞き、ジジイとリオンは館の改革を思い出した。
    そうか、主はまぎれもなく日本人なのだ。
     
    「日本人には、自分というものがないのですか?」
    アスターはズバリ質問した。
     
    「いいえー。
     価値観の違いなのですー。
     日本人の “自分” とは、“大勢の中のひとり” という自覚ですー。
     だから自己主張もせず、権利もふりかざさないー。
     気軽に逃げられない小さな島国で、皆が仲良くやっていくためには
     全体の調和を一番に重んじる必要があったのですよー。
     自分が快適に暮らすためには、まず周囲が快適でなくてはならないー。
     協調性と几帳面さは、国土の広さに比例すると思いますねー。」
     
     
    アスターは何となく納得させられた。
    自分の失礼な質問にも、怒る事なく本気で答えてくれる主にも
    少し好感が持てる気がした。
     
    「世界が日本人だけだったら、戦争もなくなりまーすね?」
    リオンが冗談っぽく言う。
     
    「それはわかりませんねー。
     日本人は怒らないんですよー。
     何かあっても、“人それぞれ” だと諦めるー。
     でも、そこにはリミットがあるんですー。
     限界を超えたら、いきなり激怒し始めるー。
     そして、あの時はああだった、この時もこうだった
     と、溜めて溜めて溜め込んだ怒りを、一気に爆発させるのですー。」
     
    「それ、恐いのお・・・。」
    ジジイが思わずつぶやいた。
     
    「はいー。
     でもほとんどの場合、大丈夫ですよー。
     ひとりが限界越えしても、必ず周囲がなだめますからー。
     100人いて50人が怒っても、残りの50人がなだめますー。
     日本人は多数決が大好きですからねー。
     でも、51人が怒った時には、もう終わりですけどねー。」
     
    この脅迫のような言葉に、一同は静まり返った。
    「要するに日本人は、オールオアナッシングって感じで
     融通の利かないところのある極端な民族なんですよー。」
    主が あはは、と笑った。
     
     
    「では、主様はこの国にいらっしゃって、感覚の違いに
     イライラなさってるんじゃないですか?」
    グリスが不安そうに訊く。
     
    「それはないですー。
     “人それぞれ” ですからねー。
     私は私のやり方でやるだけなんですよー。
     それをあなたにもして欲しいとは思いませんー。
     あなたはあなたなりのやり方をすれば良いんですよー。」
     
    主がグリスの方を真っ直ぐに見て答えた。
    グリスは、嬉しそうに はい とだけ返事をした。
     
     
    それを見て、アスターはやっと理解できた。
     
    ああ、そうか、主様はグリスにとって師だったのだ。
     
     
     続く 
     
     
    関連記事 : かげふみ 37 12.3.13 
           かげふみ 39 12.3.19
           
           かげふみ 1 11.10.27 
           カテゴリー ジャンル・やかた
           小説・目次 

  • エロマンガ

    立ち枯れそうになってきたので、とりあえず本屋さんに行く度に
    エロマンガコーナーをチェックするのが義務となったババアですが
    自分のエロの好みが、とても特殊な事に気付いて
    このまま漫然とエロマンガを読んでいて
    果たして女性ホルモンいちびり出しに役に立つのか?
    と、右往左往している今日この頃でしたが
    世の中のみなさまがたの思うエロと、私の思うエロが
    かなりかけ離れているんじゃないか?
    と、自分否定も始まった次第でございます。
    句点 (。) というものの存在を知っとるのか、私。
     
     
    ツイッターでしきりに、エロエロ鳴いているんだけど
    どうも色狂いババアには思われず、一体どうしたら
    お色気ムンムン肉食ババアだと勘違いしてもらえるのか
    そもそも、そういう勘違いを何故してもらいたいのか
    それは何事も形から入りたいのと
    周囲から言われると、その気になりやすい性格だからで
    何で今日はこう、ダーーーーと喋っているのか
    もちっと美しい日本語を使えないのか
    実はマジで余裕がないのではないか
    とにかく落ち着け、私!
     
     
    ああ・・・、疲れた・・・。
    病中病後なんで (どっちだよ?)、もう寝て良い?
     
    いや、きっと読んでる皆様方の方が疲れたに違いない。
    そんな方々を、もっと疲れさせる事をこれから言う。
     
    私が読んでるのは、えーと何だろう?
    女性向けのキレイな絵の男女の恋愛のエロマンガ
    レディスコミックス? ティーンズラブ? どっちかな?
    ブ厚い小さめの月刊誌。
    (物事を正確に伝えようとする意思がまったく感じられない説明)
     
     
    どうも、若い頃にエロトピアや漫画ボンで鍛えられたせいか
    少々の事じゃ何にも感じなくなってしまってるようで
    女性向けエロマンガなど、えらいなメルヘンにしか思えないエロさなんだけど
    もう、妙な地点に着地したくないので
    絵本のつもりで、それらを読んでいた。 絵本、ごめん!
     
    だけどそういうホノボノエロマンガの中にも
    たまに、どえらい内容のマンガがある。
    今日はそれらをチクろうと思ってな。 描いた人、ごめん!
     
     
    まず1個目は、オフィスラブの設定。
    上司の事を好きなOLが、残業を命じられたところに
    あら、憧れの上司の机にハンカチが!
     
    それを嗅ぐOL。
    私の頃は、“匂いを嗅ぐ” という行為は
    たとえそれが食い物であろうと、下品な事だと禁じられたものだが
    時代が変わったんかのお、とか思っていたら
    何とそのOL、そのハンカチを嗅ぎながら
    上司の机の上で、おもむろにオナニーを始めたではないか!
    これは時代の移り変わりなどではないはずっっっ!!!
     
    そこへ件の上司登場。
    ハンカチを忘れたぐらいで、深夜のオフィスに取りに戻るとは
    おめえは2枚しかハンカチを持っていないんかい!
    (今日洗って干しておかないと、あさってのハンカチがない。)
    その戻った交通費でもう1枚ハンカチが買い足せるはず。
    計画力と経済力と決断力のない上司おつ!
     
    その上司もそのOLの事を、普段から好きだったとしても
    オフィスで、しかも自分の仕事机の上で
    自分のハンカチの匂いを嗅ぎながら自慰をする女に
    ドン引くのが、私の思う “普通” だが
    上司、普通ではなく大物だったらしい。
     
    そんなに俺の事が好きだったのかほら本物だ欲しいだろう
    と、いきり勃つ局部をモロ出し、誘い受けをおっ始める。
    嬉しいわ早く入れてああ大好きな上司が私の中にいくいく、とOL。
     
    これでこの話はハッピーエンドなわけだが
    真のファンタジーとは、常識とか礼儀作法とか倫理とかに囚われていたら
    紡げないものなのかな、と文豪の看板を下ろしたくなった私であった。
     
     
    次は旅行に来たマンネリカップル。
    彼氏はいつも仕事仕事と遊んでくれず
    この旅行でたっぷり愛し合えると思っていたのに
    仕事道具を持ち込んで部屋に篭もる彼氏、信じられない!
    と、イライラして売り場にあるお土産品を破壊するドグラ彼女。
     
    そこに声を掛けてきたのが、自分も彼氏に放置されてるという同年代の女性。
    ふたりは意気投合して、一緒に露天風呂に入りに行くのだが
    そこは何と、乱交の場だった。
     
    いや、止めて、と言いながらもふたりの男にいじくり回され
    清々しく、とっととイく女。
    かなりの欲求不満なんだなじゃあもっといいものをやるよと
    見知らぬ男にあっさりと挿入されてしまう。
     
    ここで不思議だったのが、入れられた事より
    “イく” 事の方に罪悪感を持つ心情。
    どうしよう彼氏以外に入れられてイってしまう助けて彼氏!
     
    いやいや、もう入れられたりいじくられたり以前に
    全裸を見られた事でアウトだろう、と思うが
    そこに彼氏が乱入。
    おまえ俺の女に何をしているボカッさあこい助けに来たぞ
    と、彼女を救い (?) 出し、部屋に連れて帰る彼氏。
     
    実はこの仕事を終わらせたら、やっとひと段落つくんだ
    と、あちこちに引っ掛かりそうなたて爪ダイヤの指輪を出してプロポーズ。
    寂しい想いをさせちゃったから、さっきの過ちは許してやるよ
    さあ、今から俺が存分に可愛がってやる、と性交に突入。
     
    えーと、どう見てもレイプだったんだけど、“過ち” 呼ばわりかい。
    んで、風呂にも入らずにやってるけど
    彼女、さっき他の男性に舐められ突っ込まれていたぞ。
    乱交をするような男たちに関わったんなら
    まずは、性病検査じゃないだろうか?
    彼女も、「やっぱり彼氏が最高だわ」 で済ませるんじゃない!
    と、モヤモヤとしつつ本を閉じたさ。
    この話、よく編集部がオッケー出したなあ。
     
     
    最後は、ついこの前読んだ、バレンタイン特集。
    ツイッターで、まったく同じ文言をグチったが
    ブログでも言わなきゃ気が済まないので、繰り返す。
     
    ばれんたいんとかくりすますとかばーすでーとかで
    真っ裸にリボンぐらい巻いて、「私を、あ・げ・る」 とは
    誰でも1度はやった事があるであろう、
    彼氏に1円もかけずに恩だけ着せたい女の常套手段。
    その伝統は、欲深い女たちの間で脈々と受け継がれているのだと
    信じていた私が甘かった。
     
    主人公は下着フェチの彼氏を持つ真面目な女子高生。
    彼氏がバレンタインにエロい私をご所望だわ、どうしよう。
     
    どんな下着がエロいのかわからないならわからないで
    下着屋さんとかに訊けば良いものを
    というか、エロさの基準なんて人それぞれだろうに
    通販のニッセンでは何で穴開きパンティーが売られているのか
    今時は下半身の下着の事を何と言うのか
    パンツかパンティーかズロースかスキャンティーかショーツか
    私の周囲では、“パンツ” という言い方しか聞いた事がないのに
    思い起こしてみると、こんなに沢山呼び方があるのは
    下着業界が迷走しているせいか
    えーと、話は何だったっけ?
    ああ、そうそう、エロい下着。
     
    結局、彼女は “エロ” の焦点を定められず
    何と、ノーパンで行くのだった!
     
    ・・・話がここで終わっていたら、私も突っ込みはしない。
    きっと彼氏もガッカリして突っ込まない。
    韻を踏んでるヒャッホーイ。
     
    彼女はなあ、“ノーパンの上に透明ストッキング”
    という荒業に出たんだよ!!!
     
    皆さんは覚えていらっしゃるだろうか
    バラエティ番組の罰ゲームの定番、パンストかぶりの刑を。
    どんな美形でも一瞬にして、ローラーで轢かれた金太郎飴になるあの様を。
     
    ノーパンの上にパンストとか
    陰毛がどんなにフリーダムになってる事やら・・・。
    それを真っ先に想像してしまった私には
    それで興奮する彼氏が、えらくマヌケに思えて
    女性ホルモンが出るどころか、男性ホルモンがはりきったぜ意味不明。
     
     
    エロというのは、まことに人それぞれなのはわかった。
    私も何のかのと不平不満を言いたれながらも
    エロマンガを買い続けているのは、読んでいて面白いからで
    女性ホルモンは豆腐で補充すれば良いだろ、と逆切れし出すけど
    あまりに不道徳な事を表現するのは、いかがなものかと思うんだ。
     
    だって、マネするバカがいる!
     
    エロ雑誌で真に驚くのは、読者のお便りコーナーなんだ。
    海でヤっただの山でヤっただの河原でヤっただの
    本当にオフィスでヤってる反社会人すらいる。
    何で控えめに自宅で出来ない?
     
    お伽噺はお伽噺で終わらせて!
    実行しないで!!!
     
    この読者投稿欄がヤラセだったとしても
    それを読んで真に受けて、皆ヤってるんだから私も
    とか思うヤツも出てきそうで恐いんで、ほんと止めて!
     
     
    とか言ってる私は、ものすげえ特殊性癖の持ち主だけど
    とても保守的なんだよ!
    エロは脳内で終わらせているのさ。えへん
     
     
     

    評価:

    笠倉出版社


    ¥ 620

    (2012-03-06)

    コメント:“レディースコミックス” でアマゾン検索をして、これがトップにきた驚愕!!! この雑誌は、エロよりレジに持って行きにくいはずだから、親切心でアフィるわよ。 ほほほ

  • かげふみ 37

    ジジイの眼光にさらされていたせいか
    主は、物静かな女性として、何とかその夜の食事はやり過ごせた。
     
    アスターの興味は、主にいっていたが
    ジジイとリオンが何かと話しかけ、主が喋らなくて済むよう苦心した。
     
     
    手練れの大人ふたりのお陰で、弾む会話ではあったが
    アスターはグリスの仕草が気になった。
     
    グリスは老人や義理親に話しかけられた時以外は
    ずっと主という女性の方を見ているのだ。
    主は涼しい顔で、黙々と飯を食っている。
    グリスの方をまったく見ない。
     
    無視をしている様子もないし
    これだけ凝視されているのに、それを気に留めないなんて
    並の神経では出来る事じゃないと思うんだけど・・・
    アスターには、ふたりの関係、特に主の気持ちが想像も出来なかった。
     
     
    「主様はいつもああいう感じなのかい?」
    食事が終わり、ふたりになった時に率直に訊いてみた。
     
    アスターの問いかけの意味が、グリスにはわからなかった。
    「ああいう感じって?」
    そう問い返されると、逆に困る。
    「ええと・・・、無口な方に思えたから。」
     
    「うん、仕事以外ではあまりお喋りな方じゃないなあ。
     無表情なのは、仕事中もだけど。」
    「へえ・・・。」
     
     
    アスターが真に訊きたかったのは
    主はグリスをぞんざいに扱ってるんじゃないか、という事なのだが
    それを言うと、きっとグリスは傷付く。
     
    多分、主様は不器用なお方なのだろう
    東洋の女性というのは、つつましやかだという話だし
    現にグリスのために、仕事を休んでここに来てくれている。
     
    ぼくに立ち入れるような事じゃないんだけど
    明日は主様に話しかけてみよう。
    アスターは “主様の感想” を、先送りにした。
     
     
    翌日、リオンが窓の外を見て言った。
    「主、ボーイズラヴたちが泳いでいますよ!」
     
    主はソファーにでんぐり返ってDSをしている。
    「男の裸なんぞ、興味はないですねー。」
     
    そこへジジイが入ってきて、いきなり文句を言い始めた。
    「あんた、夕べの態度は何じゃ?」
    主が え? 何? と、キョロキョロする。
     
    「あんたじゃよ、あんた!
     アスターに話かけんとグリスに目もくれんと、モソモソ飯を食うばかりで
     さっきの朝食にも出てこんかったじゃないか!
     グリスが心配しとったぞ。」
     
    「ええーっ、ボロを出さんように黙っていたのにー。
     それに夜更かし寝坊は休日の仕様じゃないですかー。」
    心外だと言わんばかりに、主が口答えをする。
     
    「“招待” は、休日ではないんでーす。
     公務と思って、気を抜かないでくださーい。
     それにお客をもてなすのは、紳士淑女の義務でーす。
     今日はきちんと “社交” をしてくださーい。」
     
    リオンの言葉に、ジジイもうなずきながら言う。
    「あんな態度じゃ、グリスを無視していると思われるぞ。」
    アスターと同じ感想を、大人ふたりも感じていたようだ。
     
    主は素直に詫びた。
    「育ちの悪い事をして、ほんとすみませんでしたー。
     今日は頑張りますー。
     やる時ゃやりますよ、私はー。」
     
     
    その言葉に、ジジイは逆に不安になった。
    こやつがこういう時は、ロクでもない事をしでかすもんじゃ。
    大丈夫かのお・・・。
     
    リオンは窓に張り付いて、眼下で展開される
    花びらと点描の世界を堪能していた。
    大事なのは想像力なのだ。
     
     
     続く 
     
     
    関連記事 : かげふみ 36 12.3.9 
           かげふみ 38 12.3.15 
           
           かげふみ 1 11.10.27 
           カテゴリー ジャンル・やかた
           小説・目次  

  • 楽しき週末

    土日にはしゃぎ過ぎて、いつも月曜は病気の皆、大丈夫かなあ?
    心配すな、私も体調不良だよーいどん、と。
     
    月曜って、何でこんなにダルいんだろうな
    と生まれてこの方、何億万回と思ってきたんだが
    実はこの疑問に対する、明確な答を知っている。
    教えてくれたのは、どっかの学者か医師が確かTVか何かで。
    ごめん、もうこっからして明確さが期待できない情報っぽいよな。
    とりあえず聞いて自分の勘のみで判断して。
     
    月曜がダルいのは、日曜にいつもと違う事をするから
     
    だそうだ。
    いや、これを聞いたのは、確かまだ週休2日が浸透してない時で
    普通の休日は、日曜祝祭日だった時なんだ。
     
    ・・・よく考えると、そんな古い情報はいらないよな。
    今もどんどん “常識” ってのも更新されてるしな。
    でも、一理あるんで、とにかく聞いて!
     
    日曜に休むから、いつもと違う日になって
    リズムが狂って月曜に体がついていかないんで
    休みだからと休んでないで働くべし
     
    という理論なんだけど、ごめん、書いてみて思ったわ。
    やっぱり私は、時間泥棒な事しか言わないようだ。
     
     
    と、己をとても恥じたところで
    私は週末にどう過ごしたのか、っちゅうと
    マトモな記事を書かずに、こういう雑談をしているあたりで察していただきたい。
    マトモな記事など1個もないじゃないか、という誹謗中傷は止めて!
     
    土曜日にケンタの前を通ったら、シャーベットのようなドリンクで
    見た事のない味のがあったんで、つい買ったんだ。
     
    お年を召してから、ほんのそよ風でも失神するほど
    お姫さま体質になったもんで
    冷たいお飲み物は摂らなくなったんだよ。
     
    スタバのフラペチーノを最後に飲んだのは、いつだったかなあ。
    その時の私の行き着けのスタバからは、コーヒーフラペチーノが消えて
    モカだのキャラメルマキアートだっけ? そういうラインナップになってしまい
    いちいち、「コーヒーフラペチーノ、出来ますか?」 と
    訊かねばならんかったのが、面倒くさかった。
     
    この、フラペチーノ、ショット追加も出来たんだよ!
    1度やってもらったけど、苦くなっただけなので
    いらん事はすまい、と次回から我がままを抑えたさ。
    スタバ、言えば、かなりの範囲の融通を利かせてくれるのが嬉しい。
     
    でも、「チャイの甘みを抑えて」 は無理だった。
    チャイは、葉っぱから淹れてるんじゃなく
    甘い濃縮シロップで作るんだと。
    この流れで、フラペチーノも液体だと知る。
    スタバの人、いつもいつも妙な要望をしてすまんだった!
    変わりフラペババアとか、悪口あだ名が付いてなければ良いんだが・・・。
     
     
    話が逸れてそうで逸れてないのが、今日の私の冴えてるところだけど
    長々とスタバの話をしたのは
    「というわけで、冷たいものを長年飲んでない私だが」
    この1文のためだった、と知られたら
    どこが文豪だ、死ね! と、また言われかねないので
    小刻みに震えているが、それが許されるのはチワワだけ。
     
    ケンタの冷たいお飲み物で、腹を壊して
    土曜の夜から私は、トイレの神様に祈る日々だったYO!
     
    何か、似たような事を繰り返している気がするんだが
    人生ってそういうものだよね?
     
    でも、病み上がりの老体に、お腹急降下は
    体力をガリガリと削り取られて、もうゲッソリだった・・・。
    いや、ケンタ、おめえは悪くないよ?
    (このセリフが既にケンタにケンカ売り)
     
    いや、冗談抜きで、冷たい飲食物は胃に悪いんだよ。
    マイ主治医が半笑いで教えてくれたがな
    下痢は腸じゃなく胃で起こるんだと。
     
    これ、以前にも記事で何度か書いてるけど
    大事な事だから、命ある限り言うけど
    夏場に腹を壊しやすいのは、暑さで弱ってるところに
    冷たいものを入れられて、消化機能が利かずに下すんだと。
    美味くても、冷たいものは体に百害あって一利なしなんで
    飲食しないように、だそうだ。
     
     
    マイ主治医、これを言うとるくせに
    自販機で冷たいお飲み物を買おうとしてたんで
    おめえ~~~っ、と、横から口出し説教してあげたわよ!
     
    主治医、一瞬イヤな顔をしたが
    その通りですよよく覚えてましたね偉い偉い、みたいに
    自己正当化をしつつ、熱い茶を買っていった。 真夏に。
     
     
    ま、厳密に守らなくても気をつけてあげてね、という話だけど
    私の場合は、四角四面の堅苦しい性格が災いしてか
    ちょっとハメを外すと、きっちりバチが当たり
    今回もきちんと腹を壊して、せっかくの週末が台無しで
    もう今日も何もやる気が起こらない、という正当な理由があるわけだ。
     
    すべては私の正確さが招いた事・・・。
    ああ、自分の真面目さが憎いーーーっっっ!!!
     
     
     

    評価:

    【STARBUCKS COFFEE】


    ¥ 2,880

    コメント:スタバのマークって、ずっと三白眼の女性だと思っていて、何でこんな恐い顔をマークにするんだろう? と神経を疑っていたんだけど、ある日ふと視点を変えたら穏やかの顔の女性に見えた。 騙し絵か!!!

  • かげふみ 36

    リオンの別荘に、アスターがやってきた。
    一応それなりのきちんとした格好をして出迎えた大人3人。
     
    アスターは丁寧に招待のお礼をしたが
    主を見て、違和感を感じていた。
     
    目の前に立っている主という女性は
    いかにも東洋人という外見で、ボケッとしている。
    グリスの話や、電話から漏れ聴こえた怒声と
    どうしてもイメージが合わないのである。
    “この” グリスが心酔するほどの魅力も見当たらない。
     
     
    「夕食は7時の予定なので、それまでは自由にしていてくださーいねえ。」
    リオンが言うと、グリスがアスターの腕を引っ張った。
    「裏手に、すごくキレイな湖があるんだよ。
     散歩でもしよう。」
     
    仲良く立ち去るふたりを見送ったあと
    大人たちは相変わらずの茶飲みを始めた。
     
     
    「ね? 爽やかなボーイズラヴでしょーう?」
    「てか、アスターって白人じゃんー。」
    「それが何か?」
    「白人が黒人に本気で恋するなんて、あるかなあー?」
     
    「おーう、それは充分にアリでーすよ。
     高い教育を受けた白人は、“差別をしない平等観” というのも
     教養のひとつとして誇るんでーす。
     実際に深層心理がどうだったとしても。」
    「ああ、なるほどー。」
     
    ふたりのやり取りに、ジジイは付いていけない。
    「何の事じゃ? その話題は。」
     
     
    「まあ、今はそういう垣根もなくなってきたようでーすよお。」
    「とは言っても、まだまだ一部でしょうー?」
     
    それを無視して、話を続けるふたりに、ジジイが怒り出した。
    「だから何の話をしとるかと訊いとるんじゃ!」
     
    「黒人と白人の友情についてでーす。」
    リオンがものすごい大まかな説明をした。
    が、ジジイは納得したようで、話に加わってきた。
     
    「グリスは、ありゃあ黒人の血は薄いじゃろう?」
    「ええ、アングロ系は絶対に入ってまーすねえ。」
    「肌は黒いが、あの髪質と顔立ちは独特じゃもんな。」
     
     
    “人種” について、リオンとジジイが語り合う横で
    主が呆れたように聞いている。
    「しっかし、あんたら外人って、ほんっとそういう
     人種の細かいとこにこだわりますよねー。」
     
    「・・・外人はあんたの方なんじゃがな・・・。」
    「単一民族の島国の人にはわかりませーんでしょーうねえ。」
    「・・・現実は単一でもねえんだがなー。
     日本にも差別はあるけど、欧米に比べたら軽いもんですよー。
     あんたら、ほんっと差別が根底にありますよねー。」
     
    主の非難を、リオンが軽くかわす。
    「陸続きの国々では、“民族” というものを重視しないと
     己のアイデンティティを保てないんでーすよ。」
    「まあ、どうしても世界視点で言うと、 “国家” が個人の居場所で
     それを保ちたいなら、区別差別もしょうがないわな。」
     
    主は気のない返事をした。
    「ふーん。」
     
     
    「にしても、アスターくんが良い家庭の育ちで良かったでーすねえ。」
    「そうじゃな。 さすがグリスが親友に選ぶだけある。」
    ふたりの会話に、主が疑問をはさむ。
    「アスターの身元を調べたんですかー?」
     
    リオンが当たり前でしょう、と言う顔をした。
    「“生まれ” は調べましたけど、“育ち” は見てわかるでしょーう。」
    「へえー・・・?」
     
    よくわかってない主に、ジジイが補足する。
    「我々の国じゃな、人種や階級によって住み分けが明確なんじゃよ。
     この現代においても、両者が交わる事は滅多にないんじゃ。」
     
    「そう。 だからアスターくんの前では
     我々はそれ相応の振る舞いをしなければなりませーん。」
    「主、あんたの言動が一番心配じゃ。
     グリスに恥をかかせんよう、きちんとせえよ!」
     
     
    うへえ、やっぱり来なきゃ良かった・・・
    主はウンザリした。
     
    3日も猫をかぶる事など出来るのか? 主よ。
     
     
     続く 
     
     
    関連記事 : かげふみ 35 12.3.7 
           かげふみ 37 12.3.13
           
           かげふみ 1 11.10.27 
           カテゴリー ジャンル・やかた
           小説・目次