• マザコン

    この言葉は悪い意味でよく使われる言葉だけど
    日本と欧米では、その内情が違うと思う。
     
    “欧米” と、ひとくくりに言っているけど
    私が見聞きしたのはアメリカの一部の話なんで
    ヨーロッパはどうかわからない。
    ま、とにかく日本以外のとこの私が知ってる話限定。
    (これほど無責任な設定があるだろうか?)
     
     
    アメリカでは、子供が成人したら
    日本で言えば、別戸籍として扱われる。
    日本でも別戸籍に出来るけど、何ちゅうか
    アメリカでは、“身内の義務” みたいなものが
    一切なくなる感じなのである。
     
    そういう境遇で、成人した人がママ、ママと言っていたら
    大げさに言えば、変態扱いされてもしょうがない。
    私から見たら、それぐらいアメリカの “成人” と言うのは
    親子の決別に思えるのである。
     
    だって結婚の時も、相手を紹介して
    「結婚するから。」 だろ。
    「結婚させてください」 と許可を願うわけではない。
    もう、こっからして、アメリカの感覚は違うわけじゃん。
     
     
    じゃあ、日本ではどうか。
    日本では、いつまで経っても親子は強いつながりがある。
    その関係が、良い悪いは別として。
    仲が良い悪いも別として。
     
    “老いては子に従え” という格言は
    死ぬまで親子はベッタリ前提。
     
    親の不始末は子が背負い、子の不始末は親が背負う。
    法律上は別人格として定められていても
    感情がそれを許さないのである。
    親と子は、互いにその存在に縛られる。
     
     
    多くの母親は、甲斐甲斐しく我が子の世話を焼く。
    子供は母親を家政婦だと思っている。
    魔法の財布も持っていると思っている。
    我がままをぶつけてタカって見下して、それはすべて甘えからくるもの。
     
    そして親が死んだ後に、その価値について気付く。
    そうなったら、一生親に囚われる。
    母親以上に自分を気にかけて、面倒を見てくれた存在はいない、と
    わかったら、その思い出をいつまでも追ってしまうのは
    情けないけど、しょうがない事でもある。
    すいません、私です。
     
    日本の場合は、これを
    “自立していない”“マザコン” と言うのではないか?
    まあ、確かに私だけは死ぬまで自立せんだろうが。
     
    他にも、離婚や死別で早くに母親を失った子が
    その影を追い求める場合もあるけど
    いずれにしても、母親を想い過ぎるのを
    マザコンと言っているような気がする。
     
     
    私はマザコンの男性とは、あまり縁がないけど
    世間の話を聞くと、割にきっつい内容が多い。
    常に妻や彼女より、母親を優先し
    女性に母親と同じ振る舞いを求めるようである。
     
    そういう人が、日本では本当のマザコンであって、実に特殊で
    そんな例を見聞きすると、普通の親孝行に対しても
    世の中は気軽にマザコンマザコン過剰反応し過ぎじゃないか?
    と疑問に思うのだ。
     
     
    母親に対する思慕など、誰でも色んな形で持っていて
    それを一列に “マザコン” と片付けるのは
    母親という存在に対する冒涜とも言える。
     
    冗談でも、あまりそういう言葉を使わない方が良いと思うのだが
    この意見は、“言葉狩り” になったら困るんで
    ここでグチグチ言っているだけなんだ。
     
     

    評価:

    宝島社


    ¥ 3,000

    (2011-07-20)

    コメント:ヘンなキーワードばかりで検索して、ほんとすいませんほんとすいません。 これが “魔法の財布” だそうですーーー。 雑誌の広告とかのは金色とか昇り竜の型押しとか、一発でバレるデザインだけど、これはごく普通の見た目。 黄色でもないし。 そこを評価しようよ! 

  • 黒雪伝説・王の乱 9

    「で、ファフェイの登場は、まったく価値のないものだったんだけど
     これからどうする?」
    王子に訊く黒雪に、ファフェイが怒る。
     
    「失礼にも程があるでござるよ、プンプン!
     大体、それがしが1人でここまで来るとお思いでござるか?」
     
    「うわ、こいつ、“プンプン” とか言ってるわよ。」
    顔を見合わせて、気持ち悪がる黒雪とレグランド。
    マッチョでも、やはり気持ちは女性である。
     
    意外に気にしないのが王子。
    「それより、他に誰か来てるんですか?」
     
    「ムッフッフー。」
    ニヤニヤしながら、クネるファフェイ。
     
     
    首を倒してゴキゴキ鳴らせる黒雪が
    差し出した手の平に、レグランドがハンマーを置く。
     
    「はわわわわわわーーーーーっっっ
     すまぬでござるすまぬでござる言うでござる白状するでござると言うか別に隠し立てをするつもりはないんでござるてか黒雪さまをお連れしろと言われてここにいるんでござるよって他意はないんでござるよーーーーーっっっ! フヒュフヒュフヒュフヒュ」
    瞬時に3mぐらい後ろに飛び退いて、土下座するファフェイ。
     
    「しばらく見ない内に、キモさに磨きがかかったわね・・・。」
    さすがの黒雪も呆れ果ててしまった。
     
     
    「で、誰が来てるって?」
    「お后さまでござるーーーーーーーっ! ヒュヒュヒュヒュ」
     
    「は?」
     
    その場のファフェイ以外の全員が、聞き返した。
    「・・・お后さまでござる・・・フフッ。」
    ドキマギしながら、テンション低くクネるファフェイ。
     
    「? ? ? ? ? ! 」
    6秒後にファフェイ以外の全員が叫んだ。
    「「「ええええええええええええええええっっっ?」」」
     
     
    「お后さまって、“あの” お継母さまの事?」
    「東国の王の后が他国へ?」
    「しかも城でゴタゴタしてる真っ最中に?」
     
    それが事実だと呑み込めたら
    次は怒りと恐怖が襲ってきた。
     
    「そっ、それは政治上ありえませんよ!」
    「あのバカババア、何をチョロチョロしとんのやら!」
    「これで東国のお后さまに何かあったら
     益々厄介な状況になるじゃないですかー!」
     
    アタフタする3人に、ファフェイが言う。
    「だから、おしのびで・・・。」
     
    「おまえらが全力で止めんか!
     てか、早く言え!!!」
     
    ゴーーーーーーーーーーン!
    黒雪が思いっくそ、ファフェイの頭を叩いた。
     
     
    ファフェイが頭のコブを押さえて、転げ回ってる横で
    3人が深刻な顔で相談する。
     
    「私はすぐにお継母さまのところに行くわ。」
    「そうですね、あのお方を留め置く事が出来るのは
     奥さましかいないでしょうし。」
    「城はどうしましょう?」
    レグランドの指示仰ぎに、王子はしばらく考え込んだ。
     
     
    「では、私と奥さまはお后さまのところへ行きます。
     あなたとファフェイさんは、協力して城を探ってくだい。」
    王子のこの命令に、レグランドは思わず一瞬イヤな顔をした。
     
    「ファフェイはああ見えても、能力はあるのよ。」
    黒雪の言葉に、へえ? とファフェイを見直しかけるレグランド。
    が、それも次のひとことでチャラになる。
     
    「特に逃げ足の速さは見事なのよ。」
    とことんいやらしい人間である。
     
    「ふむ、だったらファフェイを途中に潜ませて
     私たちとの連絡係になってもらって
     城へはレグランドひとりで行った方が良いですね。」
     
    王子の言葉に、黒雪も同意する。
    「そうね。
     城の者はきっと今頃困ってるはず。
     頭領は私の側近だから、逆に頼ってくるんじゃない?」
     
    「まあ、そこまで軽く考えてたら危ないですけど
     王が捕らえたいのは、きっと私と奥さまだけでしょうしね。」
     
     
    その後、王子とレグランドが細かい打ち合わせをし
    ファフェイは黒雪に念入りにしばかれ
    一向は二手に分かれて、歩き始めた。
     
    レグランドが振り返ると、王子と黒雪は手を握り合って歩いて行く。
    それを微笑ましく思えば思うほど
    視界の端をチョロチョロする忍者に、イライラさせられる。
     
     
    レグランドには、過酷な任務になった。
    親衛隊に就任した直後なのに・・・。
     
     
     続く 
     
     
    関連記事 : 黒雪伝説・王の乱 8 11.8.24 
           黒雪伝説・王の乱 10 11.8.30  
           
           
           黒雪伝説・王の乱 1 11.8.4 
           
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  • ピアス

    潜伏の “ピアス” に書いたように
    私の耳は、片方だけピアス穴が開いている。
    それも “ゲイ” の証しとか言われる右耳に。
     
    その穴を潰そうと思ったんだ。
    ゲイの人の感覚は、よくわからないけど
    排他的な考えの人もいるだろうから
    ゲイじゃないのに、ゲイ面するような紛らわしい事は
    失礼にあたるかも知れないじゃん。
     
     
    それにピアス、風呂に入る時や美容院での脱着が
    とても面倒くさいんだよ。
     
    私さ、ガサツ系だという期待を裏切らず、とても不器用なんだ。
    細かい手先仕事が、苦でしょうがない。
    ザツにすると、ピアス穴ってすぐ傷が入って膿むしな。
     
     
    ちょっと話を逸らすけどさ
    風呂に入る時に、アクセサリーをしたままの人っているじゃん。
    泳ぐ時や水仕事時とかも。
    特に結婚指輪は、はめっぱなしの人が多いようだ。
     
    それが私には解せなくてな。
    そんなん着けっ放しにしてて、カブレんのか?
    水に触れると、余計に皮膚に負担が掛からんか?
    それを着けてる部分、洗いにくくないか?
    水分や塩素やその他の成分に弱い金属ってあるんじゃないか?
     
    てか、アクセ自体、うっとうしくないか?
     
     
    さあて、上の1行でこの記事が台無しになってしもうたが
    私はアクセサリーが嫌いなんだよ。
    てか、何にも誰にも触られたくないんだ。
     
    彼氏とか手を繋ぎたがるけど
    内心、「歩きにくい」 とか思っていたほどだ。
     
    ・・・すみません、ウソです。
    「歩きにくい!」 と言い捨てて、手を振り払っておりました。
    こういう態度だと、もちろんバンバンフラれます。
     
     
    それが、最近ようやくジュエリーボックスを開けた。
    そう、かあちゃんが死んで形見として貰った
    あの宝石たちが入った箱である。
     
    パンドラボックスのような存在になっていて
    押入れの奥深くに埋蔵されていたんだが
    何故それを開ける事になったのか?
     
    時計 (11.8.3) の記事を書いたら、電池漏れの忠告をされて
    時計屋さんに持っていくために、封印を解いたのさ。
     
     
    んで、そこでいらん事を思いついて、やってしまうのが私。
     
    皆、家の鍵ってどうしてる?
    私はキーホルダーに着けて、ポケットにブリ込んでるよ。
    だってもし出先でバッグを、失くすor盗られる等して
    その中に家の鍵まで入れてたら、何もかも失うじゃん。
     
    それがな、出先のスーパーのトイレで、全身が映る鏡をふと見たら
    パンツのポケットに、キーホルダーの形が浮いてて
    これは見苦しい! と。
     
    ・・・家で眠ってる、あのアクセ類の中に
    キーホルダー代わりになるものがあるよな
    使わずに封印しとくより、使って壊した方が
    アクセたちも浮かばれるよな
    どうせ微妙な値段のものたちばかりなんだし。
     
     
    というわけだ。
    でも、ひとつ誤算があって、アクセ、何であんなに重いんだ?
    枷 (かせ) かよ?
    よくこんな重いブツを身に着けてられるな
    女性たち、案外怪力なんか? バッグも重いし。
     
    なので、ロングネックレスに鍵を着けて
    首からぶらさげてみた。
    物忘れの激しい徘徊老人のような気分になったんで
    ついでに住所カードも下げてみようかな。 (ヤケ)
     
    そしたら、首にチラリと見えたんか
    私がアクセをしてるなど初めてだったんで
    知人に、どうしたのか訊かれた。
    説明したら
     
    ・・・・・・罵倒された・・・・・・・・
     
     
    安物とは言え、それでも10万20万のものを
    キーホルダーに使うなんて非常識だと。
     
    でもさ、歴史的価値のあるものじゃないんだから
    使ってナンボだと思わんかあ?
    だけど知人たちは、そうは思わないらしい。
    物には物にふさわしい使い方をせよ、と。
     
    その正論に、ものすごく叩きのめされたんだけど
    そうでもしないと、アクセ、使わないよ・・・。
     
     
    えらい説明が長くなったが
    そう、ここまでがすべて前置きだ。
     
    もう私も息切れが激しいんで、本題はさっさとスッ飛ばすけど
    キーホルダー選びで開けたジュエリーボックスの中に
    ピアスたちも眠っていて、それがキレイでさ。
     
    10年以上、放置したのにピアスの穴、塞がらなかったんだ。
    多分この先も塞がらないと思う。
    ピアスは面倒だけど、しないと穴に汚れが溜まるんで
    どうせなら穴が丸出しより、ピアスを着けるべきかも。
     
    ちなみに穴は3つ残ってる。 
    それがまた、目立つんだ。
    これ、どうしようか・・・?
     
    あ、左耳に穴を開ける事は絶対にしないんで
    穴は今後も右耳だけ、っちゅう前提で。
     
     
    えらい長い文章なのに、質問はたった2つ。
     
    1.アクセをキーホルダーにするの、どう思う?
     
    2.右耳のみピアスって、ゲイの証しなわけ?
     
    3.だとして、ゲイではないしババアだけど
      右耳にピアスをしてて良いと思う?
      ゲイの人に気を悪くされない?
      摩擦感情とかないかなあ?
      
      
    あれ?
    何故か質問が3つになったけど、まあいいや。
    意見があったら、聞かせてほしい。
     
     
     

    評価:

    サンスター文具


    ¥ 490

    コメント:何で “穴” で探して、このかどまる3にたどり着いたんか知りたいヤツは、後で体育館裏に来い、じっくり体に教え込んでやる。 ええい、そういう事はどうでも良い! これ、欲しくねえ? きっと試し切りをしきりにして飽きて放置だろうけど、これ、所持したくねえ? 何�

  • 黒雪伝説・王の乱 8

    「で、おまえ、何故ここに?」
    黒雪の質問に、ファフェイは口を押さえてウフウフと笑う。
    その姿を見て、レグランドは嫌悪感を覚えた。
    やだ、何かこいつ、気持ち悪・・・。
     
    「お后さまは、“鏡” をお探しになってるんでござるよ、ウフフ。
     黒雪さまのお側にも、もちろん間者を忍ばせてるんでござるけど
     いいところで連絡が途絶えてしまい、ウフ
     それで、それがしが遣わされたのでござる、ウフフフフ。」
    膝を付き、頭を下げたまま語るファフェイ。
     
    「お父さまじゃなく、お継母さまだったのね・・・。
     お父さま側は何をしてるのかしら?
     相変わらず手ぬるいわねえ。」
     
    黒雪が嘆く横で、王子がファフェイに質問をした。
    「間者とは誰ですか?」
    ファフェイはウフウフと笑っているだけである。
     
     
    「言わないのなら、私の敵って事で良いのかしら? その間者。」
    黒雪が無表情で言うと、ファフェイは慌てだした。
     
    「いえっ、滅相もない!
     それがしどもは心配しての事で
     決して黒雪さまに敵対などしないでござる! アフフフフフフフ」
     
    小刻みに足踏みをするファフェイに
    レグランドは、虫でも見るような目つきになってしまった。
     
    「だったら誰なの?」
    「キキキキキキドでござるっ! アフアフアフ」
     
    一瞬全員が 誰????? という表情になったが、すぐに思い出した。
    あのカマ美容係か・・・・・。
     
    「あ、そ、そうね、お継母さまはキドと気が合うでしょうね。」
    キドの意外な重要人物設定に、黒雪が愕然としながらも納得する。
     
     
    「で、どういうわけであなたはここに来たんですか?」
    引き続き王子がファフェイを詰問する。
    「んー、さすが王子さま、核心をブラさないでござるなあ、ウフフフ。」
     
    黒雪が王子の顔を覗き込んで言う。
    「ね? 誘い受けってイライラするでしょ?」
     
    私はこんな事してない! と反論したかったけど
    怒っていた黒雪が、それを忘れて普通に話しかけてきたので
    我慢して、でも返事はせずにファフェイの方を向いた。
     
    ファフェイは、忍者の定番の服装をしていて
    それは逆にこの世界では、これ以上にないほど悪目立ちなのだが
    その上に、胸元から手裏剣をチラ見せしたりしている。
     
     
    「待ったってムリよ、こいつは。」
    黒雪が指の関節を鳴らしながら、近づこうとすると
    ファフェイが急に後ろに飛び退いて、土下座した。
     
    「フハーーーーーーーーーッッッすまぬでござるすまぬでござる言うでござる別に秘密じゃないんでござると言うか黒雪様が無事かを確かめに来たんでござる何も隠してないんでござるーーーーーーーーっっっ!!!フェッフェッ」
     
    土下座しているファフェイの耳をかすめて
    地面にかかと落としをした黒雪が怒鳴る。
    「さっさと吐かないから、恐怖を味わうハメになるのよ!」
     
    「奥さま・・・、チンピラのような言動はしないでください。」
    黒雪のガラの悪さを、さすがに王子がたしなめる。
     
     
    どうやら、ファフェイは腕では黒雪には敵わないようである。
     
     
     続く 
     
     
    関連記事 : 黒雪伝説・王の乱 7 11.8.22 
           黒雪伝説・王の乱 9 11.8.26 
           
           
           黒雪伝説・王の乱 1 11.8.4 
           
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  • エロマンガ (R-20)

    私を上品で知的な淑女だと思っていてくださるあなた、
     
     今 日 は 帰 れ !
     読 ま ず に 閉 じ ろ !
     
     
    < 前回までのあらすじ >
     
    別に連載してたわけでもないんだけど
    このド腐れババアは、何を色気づいてるんだ?
    と、あらぬ誤解を受けないように、状況を説明させてっ!
     
    色気づいては、いない。
    この世に生まれいずってから、私が色気づいた事は1~2回で
    それも不発、意味なし、色気出せず、という有り様なので
    私に色気は、・・・多分 ( ← 悪あがき) ない・・・。
     
     
    色気がなくても、ナイスバディーなんで一向に構わんかったのだが
    ネジ1本自分で作れないのに、地面から石油がバシャバシャ出る
    というような、世界の資源の不条理さのように
    私にふんだんに埋蔵されていた女性ホルモンが
    (何だか、わかりにくい例えだけど、要するに
     使えんくせに持っている、無用の長物、的なアレよアレ。)
    とうとう枯渇してきたようで
    更年期の症状に苦しむようになり、エロの世界に助けを求めたわけだ。
     
    それが、好みのエロマンガが、なかなかなくて
    何故か情報も、まったく集まらず
    豆乳でイソフラボン・ドーピング出来るようだから
    エロマンガはもう良いや、と諦めたのである。
     
     
    ちなみに、何故エロ “マンガ” か、っちゅうと
    男は2次元に限る! という性癖からである。
    だけどこれが、腐女子でも貴腐人でもないんだなあ。
    単なる潔癖症。
     
    だって、写真とか映像、生々しいじゃん
    そんで汚らしい。
    はっきり言うと、セックスって汚い行為だと思う!
     
    これを自分でせにゃならんのか?
    と想像すると、ゲンナリするんだよ・・・。
    だから私のエロは、キレイめのマンガで白馬の王子様で。
    念のために言っとくけど、馬の王子じゃなく馬に乗ってる王子の方ね。
     
     
    これが、探せども探せどもないんだよ。
    “ティーンズ・ラブ” も見つけたけど
    昔のエログロ男性誌で鍛えられた私にはヌルいんだ。
     
    噂のティーンズ・ラブがこれなら
    もう私向けエロはないだろうな、と諦めた。
     
    という事で、エロマンガの事はすったり忘れていた。
    けど、とある事を調べにゃならず、本屋さんに行ったんだ。
     
    いらん、言うとる時にあっさり見つかるとは
    これも不条理のひとつなんかのお?
     
    いきなりエロマンガ雑誌らしきものが目に入ったんだ。
    コロコロコミック (今でもあるか?) みたいな
    小さな雑誌だったんで、見つけられなかったんだな。
     
     
    へえ、この大きさのマンガ雑誌って、女性誌にもあるんだ
    ・・・・・・・と、ふとその向こうに目をやると
    ほら、雑誌って棚に立てるにしても置くにしても
    表紙が全部見えるように寝せられてるじゃん。
     
    その棚の一番下に、本を立てて置くスペースがあったんだな。
    背表紙しか見えないけど、オトナの恋愛だの書いてある。
     
    その本もマンガ? と手に取るとビニールで中は見えないけど
    どうもマンガで、しかもエロありっぽい!
     
     
    いやあーーー、私、ほんと目が腐れてるわ!
    あんだけ女性誌コーナーをウロウロしときながら
    この最下層のスペースに気付かないとは。
     
    何か色々とあったけど、とりあえず1冊買って帰ったさ。
    ヒャッホーーー! 昇~竜~拳っ! 昇~竜~拳っ! (ハシャいでいる)
    良いオトナがバカみたいだと思うだろうけど
    嬉しい時の脳内・昇竜拳、気持ちはわかるだろ?
     
     
    海は死~にま~すか? 山は死~にま~すか?
     
     
    どうやら、私が思うエロは少数派のようだ。
    と言うか、女性向けに女性が描いてるのに
    私には何故か納得できないんだよ。
     
    ねーよ、こんなん男性の願望だろうよ
    と昔あざ笑った話が、女性エロマンガ誌でも展開されているのである。
    となると、私の方が特殊性癖なんだろうか・・・?
     
    ここらへんの問題は、掘り下げたいけど
    埋もれさせておいた方が良いような気がする。
    だって今更、更生しても使い道がねえじゃん。
     
    て言うか、正直エロにはもう飽きた・・・。
    エロを探そうとする気力が起きんのだ。
    そういうヒマがあったら、ゲームでもしときたいよ。
     
     
    いいか、まだ若いヤツ、よく聞いておけ。
    性欲がないのって、上品イメージがあるけど
    適度に欲を維持しておかないと
    歳を取った後に、ゴゴッゴゴッと老けていくぞ。
    何故だかわからんけど、とにかくそうなんだって。
     
    個性とか個人差とか言うから、どんなんでも生きていけるけど
    実は何でも人並み、平均的には持っているようにしとくべきだぞ。
    凸や凹は、自分が苦労する可能性がある。
    平均値の中で光る個性を目指せ。
     
     
    それはともかくな、いいものを見つけちゃったんだよー。
    雑誌の出会い系の広告を、隅々まで読んでいたら
    その画像の1枚に、私にソックリなんがいたんだ!
     
    目に黒線が入ってるんで、余計に自分に思える。
    いや、乳の形が私じゃないんで、他人だけどな。
     
    私は自分の事を、ドブサイク、ドブサイクと思っていたけど
    目線を入れれば、エロ広告に出られるレベルなんだ、と
    ちょっと嬉しかった。
     
    友人に見せたら、「全然似てない (顔)」 と言われたんだけど
    私の目には、私ソックリに見える。
    これはどういう事だろう???
     
     
     

    評価:

    満天社


    ¥ 1,021

    コメント:“バイブレーター” で検索を掛けたら、普通のマッサージのしか出ない。 と思ったら皆、普通のマッサージ器を活用してるっぽい。 意表を突かれたよ! で、これは本当のマッサージ用。 指にはめてツボ押しとか電動歯ブラシになるんで、便利ものかも。 エロ関係なしに。

  • 黒雪伝説・王の乱 7

    「ん・・・?」
    いきなり突っ伏して、地面に耳をつける黒雪。
     
    「何をしてるんです?」
    「シッ! 動かないで!!」
    王子とレグランドは、その場で固まるしかなかった。
     
     
    「・・・かすかに気配があったのよ。
     南の方から。」
    「あなた、時々人間とは思えない能力を発揮しますよね。」
     
    「これ、サバイバル法なのよ。
     東国じゃカリスマ山賊ってのがいてね
     そのほとんどは、見た目の良さで売ってるんだけど
     私の師匠は、真の山賊技術で尊敬されてるお方だったのよ。」
     
    「さ・・・山賊がいるんですか?」
    驚くレグランドに、王子が笑いながら言う。
    「北国だって海賊がいるじゃないですか。
     山か海かの違いですよ。」
     
    「違う!」
    王子の言葉に、黒雪が怒り出した。
    「東国の山賊技術は、国技なの!
     東国人は、山賊技術が生涯学習なの!」
     
    王子とレグランドは目を合わせたが、無言だった。
    ふたりとも、そんな国はイヤだな、と思ったが言えるはずがない。
     
     
    「そんな国、何かイヤでござるねえ。」
     
    王子とレグランドはギョッとした。
    自分が無意識に口に出してしまったのか、と慌てた。
     
    「そんな事をこんなところで大声で叫んでいるから
     こうなるんでござるよ。 フヒョヒョヒョヒョヒョ」
    黒雪の背後に人影が見えた。
     
    ああ、自分が言ったんじゃなくて、本当に良かった
    と胸を撫で下ろしたのもつかの間
    よく見ると、黒雪の喉に短剣が突きつけられている。
     
    「黒雪さまの後ろ、取ったり! グフッ」
    男は楽しそうに含み笑いをした。
     
     
    立ちくらみを起こす王子と
    それを支えるレグランドに、黒雪は手を振った。
     
    「ああ、大丈夫。 こいつは知り合いだから。」
    言った後に少し考えて、後ろの男に同意を求める。
    「大丈夫・・・よね?」
     
    男は短剣を華麗に回しながら、鞘に戻した。
    「やっぱり何か起こったんですね? ハフウ・・・。」
     
     
    男の名はファフェイ。
    継母が数年前から忍者に凝り、側に仕えさせている。
     
    「盛り過ぎた筋肉など、動きの邪魔でござるよ。
     暗殺には忍術が一番! フーッフッフッフ」
     
    モデル立ちするファフェイに、黒雪が顔を赤らめる。
    「ごめん・・・、継母ほんと、こんなんばっかり集めてるのよ・・・。」
     
     
     続く 
     
     
    関連記事 : 黒雪伝説・王の乱 6 11.8.18 
           黒雪伝説・王の乱 8 11.8.24 
           
           黒雪伝説・王の乱 1 11.8.4 
           
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  • アタックNEO 抗菌EXパワー

    液体洗濯洗剤 400g つめかえ用360g
    値段・・・・・ すんません、忘れた・・・・
     
     
     
    いや、ちゃんと使ってからレポしようと思ってな。
    使いかけの部屋干しトップも、未開封の詰め替えストック8袋も
    途中で放り出して、この新しい洗剤をせっせと試していたんで
    値段のメモまで気が回らなかったんだよー。
     
     
    えーと、このアタックネオ
    「すすぎが1度で済むし、使用量も少ないし
     買って帰るのもラクだよ?」 という触れ込みで以前も出てたけど
    それは生渇きの臭いがして、ダメだったんだ。
     
    ところが今回は、“抗菌EXパワー”!!!
    EXって、エキストラなのかエキスパンダーなのか経験値なのかわからんけど
    きっと、“エクセレント” 系の自画自賛だと思うんだけど
    何でもかんでもEXEXと付けりゃあ
    らぐじゅありぃ感絵文字略が出る、と思ったら大間違いだぞ!
     
     
    んで、この何たらEX (最悪の略しかた) の売りは
    あ、コピペはネットのマナー違反ね。
    大丈夫、ちゃんと私の言葉で書き直すから。
     
     最近、洗濯機メーカーがエコエコ頑張っちゃって
     少ない水で洗えるとか、ヘタすると 「洗剤いらね」 もあるから
     洗剤メーカー、チョー危機!
     うちも頑張らないと潰れちゃう~ん。
     
     そこで、おニューな機能、ってのを考えてみたのよ。
     ほら、若い人って汚部屋とか、汚嬢とか言うじゃない?
     きっと洗濯物も溜め込んでるに違いないわ。
     そんで洗濯しても、取り込むのが面倒だから干しっ放しよ。
     
     そんなヤツらって、きっと室内干しに違いないわ!
     乾いた順に着ていっちゃうのよ、きっと。
     やだわ~~~、そんな干し方、渇きが悪いと臭いが出るのに~~~。
     
     ・・・はっ、そうだわ!
     部屋干し用に、超強力防臭な洗剤を作れば良いのよ!
     どこぞのブログババアも部屋干し部屋干し騒いでいたし
     そうね、あのババアにちなんで液体で作ってみようかしら。
     
     大丈夫、臭いは腐るから出るんだから
     菌を出さない増やさないつまり殺す、って事で
     抗菌作用をテラ・MAXにしとけば良いのよ!
     
     今後もこうやって色々と工夫するから
     あんたたちも、ちゃんと洗濯しなさいよ!
     
    ・・・みたいな事が、花王のサイトに書いてあった。
    と思う。 多分。
    私の目にはこう読めたんだけど、勘違いだったらごめんねー?
     
     
    んで、使ってみたさ。
    先入観どころか、反感バリバリで。
    だって前のネオ、部屋干し後くっさかったんだぜー。
    これが臭いなしなら、前のネオ、考えなしに作ってるよ!
     
    ほぼ1本使い終わる昨今。
    ・・・・・・・・・・・・・・
     
    はい、皆さーーーん
    花王は前のアタックネオは、考えなしに作ってたようですよー。
    今度のEX、無臭なんですよー。
     
     
    洗濯条件は、部屋干しトップとまったく同じ。
    あ、念のために記しておくと、柔軟剤は
    P&G レノアプラス フルーティーソープの香り ってやつ。
     
    部屋干しの生渇きの臭いもしないけど
    洗濯をした、という匂いも一切ないんだ、EX。
     
    え・・・っ、何で???
    と、洗うたびに考え込んでいたんだけど、理由が判明。
    この柔軟剤の匂いすら、消していたんだよーーー!
     
    すっげーーーーーー、EX、すっげーーーーーーーー!!!
     
     
    いくら言っても、液体を店頭に置かない部屋干しトップ
    新しい配合になっても、まず粉から整備した部屋干しトップ
    (LIONのHPで、この目で確認済み)
    しかも新しい部屋干しトップの液体、店頭で1度も目撃できず
    (粉は天高く、バベルの塔積み)
    私がここで散々泣きを入れたのに、その仕打ち?
     
    部屋干しトップ、もう、おめえなんて買わねえ!!!
     
     
    私は今後、EXと生きていくよ。
    だってEX、液体しかねえもん。
    もう、その時点でEXのがイケメンだよ。
     
    ああ、一緒に暮らすんだから、ちゃんと正式名称を覚えないとな。
    花王のアタックNEO 抗菌EXパワーね
    愛称はEXで良いかな?
    えっ、それじゃ商品名がわかりにくい?
     
    だよな、車にもファンデにもシャンプーにもEXEX付けて
    お次は洗剤ですかい、となっちゃうもんな。
    次の課題は命名だな。
    て言うか、何かする時、もちっと考えような。
     
     
    という事で、私はアタックネオと生きていく。
    ・・・・・・・・・・
    あああああああああああああああっっっっっ!!!!!
     
    部屋干しトップ、詰め替え8袋ーーーーーーーーーっっっ!!!
     
     
     
    ・・・・・・・・・・はあ・・・・・・・・
    これがあるから、過度な買いだめはしたくないんだよ。
    でも部屋干しトップ液体、ネットでまとめ買いしか道なかったじゃん。
     
    そんで使用中の浮気も、これだからしたくないんだよ。
    部屋干しトップ液体しかも旧、に支障はないけど
    心がもう他に行っちゃってるんだもん。
    使ってて楽しくねえんだよなあ。
     
     
    部屋干しトップ液体しかも旧には罪はないんで
    我慢して最後まで丁寧に使うけど
     
    LION、おめえにはむっちゃ罪があるぞ!
     
    消費者の心の底からの声を、無視に無視しやがって
    あげくが手の平返されて、花王のとりこだよ。
     
    “部屋干しトップ” で検索しやがれ。
    おめえんちのHPの4つ5つ下に、このブログが出るだろ。
    すっげーすっげープッシュされてるけど
    不満タラタラな、こういう面倒くせえ客には
    粗品セットでも送っとくべきだったんだよ。
    粗品じゃねえぞ、粗品 “セット” だ。
    そんぐらい、部屋干しトップを可愛がっていたんだからな!
     
     
    “顧客満足度” ってのは、実は “客をどう操るか” なんだよ。
    客を顧客にするもクレーマーにするも、メーカー側の対応次第。
    もうこれからは、タチの悪い客はいらねっていう時代なんだよ。
    そのための “客の育成” が、今後のメーカーの課題だ。
     
    私は “誠意” を金品換算して欲しがるクレーマーじゃないし
    あれくれこれくれ何かくれ、は、しょうもないギャクで
    住所を漏らしたくないから、実際は贈答系は断るけど
    でも粗品セットをくれる、と言われただけで
    一生LIONの下僕になってたよ。
    その気持ちが嬉しいではないか!
     
     
    次からは、アタックネオEXをイジメていくよ。
    話題にされる内が花なんだよ。
     
    こういうのをな、エロジャンルじゃ “寝とられ” っつーんだよ!
     
     
    関連記事: 液体洗濯洗剤 10.10.8
          部屋干しトップ 10.12.21
     
     
     

    評価:

    花王


    ¥ 298

    (2011-07-13)

    コメント:チッ・・・、星5つか・・・。 部屋干しトップが液体洗剤をムゲにするから、ネオEXが躍り出てきたじゃねえかい。 この抗争の私の一方的な言い分のいきさつは本文にあるけど、部屋干しのあの生乾きの臭いがしない希少な液体洗濯洗剤である。 あっぱれ!!!

  • 黒雪伝説・王の乱 6

    「棒、西の村でこれをワイロに使いなさいね。」
    さばいた猪肉を担がされるクレンネル。
     
     
    クレンネルと黒雪一行は、城の南西で別れた。
    高台から望遠鏡で覗くエジリンに、王子が訊く。
    「追っ手が放たれた形跡はありますか?」
     
    エジリンは即答した。
    「いえ、ずっと注意していますけど
     今のところ、その気配がないのです。」
     
    王子は考え込んだ。
    「それもおかしいですねえ・・・。」
    「私たちの追放が目的なんじゃないの?」
    黒雪が王子の肩越しにヌッと顔を出す。
     
    「追放・・・? 何のために?」
    「あれよあれ、シャイニング!
     雪に閉ざされた城の中で惨劇が・・・。」
    困って目を逸らそうとしたレグランドは、王子と目が合ってしまった。
     
     
    「とにかく私たちは荒野で待ちましょう。
     あそこなら雪に閉ざされないし。」
     
    「うーん・・・、待ちは性に合わないわー。」
    「あなたは今すぐに城になだれ込んで暴れたいでしょうね。」
    王子の言葉を、黒雪は意外にも否定した。
     
    「ええ? まさかー。
     城攻めは遠くから大砲を撃ち込むものよ。
     おっほっほ。」
     

    黒雪の言葉を聞いた王子が、考え込んだ。
    「・・・・・・・」
     
    「どうしたの?」
    黒雪が訊くも、放置して
    レグランドとエジリンと、何かを話している。
    その後エジリンは、クレンネルの後を追って行った。
     
     
    「ねえ、何がどうなってるのよ?」
    黒雪が王子にせっつく。
     
    王子はそんな黒雪を見て、ニヤニヤした。
    「あなたにせがまれる、というのも中々良いですね。」
     
    その言葉は、黒雪をものすごくイラ付かせた。
    「あなたじゃなければ、殴り殺している自信があるわ!」
     
    黒雪はプイッと背を向けて、荒野の方にズンズン歩き始めた。
    その背中に怒りの炎が立ち上っている。
     
     
    レグランドはゾッとしていた。
    あの黒雪をここまで怒らせて、平然としている王子にである。
     
    どう見ても、王子の方が黒雪に惚れていて
    また、黒雪の方が派手で目立って、能力があり
    常に王子が後を追って回っているように感じるのだが
    近くでしばらく過ごしてみると
    王子の立ち位置がまったく動かないのがわかるのだ。
     
    この王子、意外にも食わせ者かも・・・
    レグランドは密かにそう思っていた。
     
     
    黒雪がブリブリ怒って突き進むちょっと後ろから
    王子が道端の花などを愛でながら、ゆっくり歩いて行き
    そのまた後ろを、レグランドがついて行く。
     
    ポツンポツンと咲く紫の花の隣を、枯れ葉が転がって行く。
    秋が足早に去ろうとしていた。
     
     
     続く 
     
     
    関連記事 : 黒雪伝説・王の乱 5 11.8.16 
           黒雪伝説・王の乱 7 11.8.22 
           
           黒雪伝説・王の乱 1 11.8.4 
           
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  • 宝石

    TVショッピングを見て驚いたんだが
    今は鑑定書の事を “鑑別書” と言うのか?
     
    “かんべつしょ” っつたら、私の認識では
    初犯に科された未成年が行く場所だと思っていたんだが
    宝石に付随してくる証明書にまで出世したんか。
     
     
    んで、もういっちょ驚いたのが
    そのTVショッピングに出てた商品に
    真珠のネックレスがあったんだが、値段が10万円なんだよ。
     
    TVショッピングと言えば、“お安い”“お得” の
    イメージがあるんだけど
    真珠は10万でお安いお得なブツなんか?
     
     
    何だか、えらい常識知らずな事を言ってるようなんで
    言い訳をするが、私は宝石に興味がない。
    厳密には、真珠は “宝石” ではないのぐらいは知ってるけどさ。
    よって値段を知らないのも、しょうがないのだ。
     
    この無知が招いた悲劇かも知れない過去があって
    真珠と言えば、その出来事を思い出す。
     
    私が18歳だか20歳だかになった頃に
    かあちゃんから真珠のネックレスを貰った。
    「女の子は大人になったら、ちゃんとした宝石を着けるのよ。」
    とか言う、メルヘンな言葉とともに。
     
    かあちゃんは、“私” のかあちゃんのくせに
    “女の子を育てている” という考えを捨てきれないようで
    時々こういうファンタジー・シーンを繰り広げてくれるんだ。
     
     
    石は腐らん。
    だがな、その石を繋いでいる部分が腐るのだ。
    厳密に言えば、留め金? あそこらへん。
     
    葬式があって、喪服を着た時に
    かあちゃんの 「真珠のネックレスは?」 の問いに
    「腐れたんで捨てた。」 と答えると
    かあちゃんはしばらく固まっていたけど、何せバタバタしてたんで
    かあちゃんが所有しているのを1個貸してくれた。
     
    そんで式後に返そうとしたら
    とにかく真珠は1個は持っとけ、と、そのまま貰う。
     
    次は結婚式。
    上文の、“かあちゃんの” から “そのまま貰う” まで
    まったく同文。
     
     
    3度目の冠婚葬祭の後に、かあちゃんはブチ切れた。
    「あなた、“あれ” がいくらすると思ってるの!!
     お金の話は下品だからしないけど
     ポンポン捨てて良いものじゃないのよ!!!」
     
    で、もう真珠はくれなかった。
    どうも留め金ってのは、腐食したら直す類のものらしい。
    正直、本物も偽物も見分けが付かない私は
    真珠とは、そこらの雑貨屋で売ってるものだと思ってたんだ。
     
     
    かあちゃんは晩年、「私の宝石類は全部あなたのものよ。」
    と言っていたんだが、真珠の件があるんで
    興味がないのに手入れが必要なものは、ほんと欲しくない。
     
    母の家に代々伝わるのもあるらしく
    親戚に回せ、とお願いしたら怒られたので
    ものすごく知恵を絞って
    「1個1個に値段を書いておいて!
     高価なものなら大事にするから。」
    と、とても良い事を思いついたつもりで言ったら、大激怒された。
     
    何ていやしい子なの! と罵られたけどさ
    人間って、そういうものじゃん。
     
     
    結局、かあちゃんは “お金の話は下品” なので
    値段を記していかなかったんで
    大量の宝石類を、満遍なく大事にせにゃならん。
     
    が、かあちゃんの葬式後、見ていない。
    = 宝石入れを開けていない = 手入れしていない
     
    実際、この記事を書いてて、宝石の存在を思い出したんだけど
    もう恐くて確かめる気がせんのだ。
    どうしたもんかのお・・・。
     
     
    かあちゃんの残した宝石たちは、日本では高く売れないと思うんだ。
    買った時は数十万しても、売る時は数万円、とかよく聞くし。
    日本じゃ、宝石もブランドものじゃないとねえ。
     
    が、1個だけ、価値があると思えるものがある。
    それは飾りも何も付いていない、カットも古い指輪なんだが
    デカい黒曜石なんだ。
     
    太平洋戦争あたりの本に
    黒曜石は貴金属を大事にする中国人が買い占めたので
    大きいものはあまり日本に残っていない、という記述があって
    それを読んだ時に、かあちゃんが黒い石の指輪を見せて
    「これは “黒ダイヤ” よ。」 と言っていたのを思い出した。
    かあちゃんの家に代々伝わるのは、その指輪らしい。
     
     
    さあて、これをどうしようか
    孤独死する予定なんで、そういう時代物は
    親戚に譲るべきだが、宅配で送って良いものか悩んでいる。
     
    て言うか、かあちゃん愛用の物って
    私を嫌う傾向があるんだよ。
    (関連記事: 腕時計 11.8.3 )
     
    特に “石” って恐いじゃん。
    オカルト好きだから、特に。
    本当はアクセサリーも持ちたくないんだ。
    私の感覚では石は、人形と同じ “恐怖” カテゴリーだな。
     
     
    とか悩む私の気持ちも知らず
    兄が 「マイナスイオン?が出るんだそうだぞ!」 とか、たわけて
    ゲルマニウム鉱石?を数kg大量買いしておった。
     
    家中にかごに入れられたゲルマニウムが置かれて
    もう、こいつ、ほんとアホ! と思ったが
    さすがの兄も大量の石を持て余して、私に押し付けやがった。
     
    石、嫌いなのにーーーーーーーー、と思ったが
    ネットに入れて、湯船に入れている。
    どうも数回置きに、天日で干さなきゃならんらしいが
    し っ た こ と か !  と堂々と放置。
     
    まったく何で石って、こう手間が掛かるんやら。
    そんで呪ったりするんだよな。
    自己主張が激しすぎるよ!
     
     
     

    評価:


    ¥ 39,800

    コメント:じじじ実は私、ラピスラズリが大好きなんだよね! 青の中に散らばる金、何て美しいんだ! でも硬度が低い石だそうだから、絶対に私はすぐ壊す。 石なんて壊したら祟られそう。 って事で、買わないけど、ずーっと見ていたいなあ。 うっとり

  • 黒雪伝説・王の乱 5

    デラ・マッチョが用意したスープを
    黒雪がかっ込んでいる横で、王子は考え込んでいた。
     
    今回の事で、じいは私に付いて来なかった。
    私には奥さまが付いているから
    身の危険だけはないと踏んだのだろう。
    じいはきっと、城に残って王近辺を調べているはず。
     
     
    「ネオトスが黒幕だったりしてー。」
    黒雪がコーヒーを飲みながら、ヘラヘラと笑った。
     
    一応の人間関係を王子に教わったデラ・マッチョたちは
    黒雪の無神経な言葉にヒヤッとしたが
    王子は黒雪の軽口に慣れているのか
    ネオトスに全幅の信頼をおいているのか、サラリと流した。
    「つまらない冗談ですね。」
     
     
    「て言うか、今ふと思ったんだけど。」
    黒雪が真面目な顔になった。
    「この後、西に行くフリをしつつ東に行くのよね?」
     
    「ええ。 今回の事を東国に知られる前に収めたいのです。」
    王子の言葉に、黒雪が質問する。
    「何で東国に知られるの?」
     
    「えっ? それは・・・。」
    「私の取り巻きに、東国のスパイがいると思ってるんだよね?」
    「・・・・・ええと、それは・・・。」
     
    困りまくる王子に突っ込む黒雪
    デラ・マッチョはいたたまれずに、この場にいた事を
    いや、黒雪の下に来た事を心底後悔した。
    もう、何か最初からドロドロのドロ沼。
     
     
    「普通それはやっておかなくちゃ、よね。」
    黒雪は平然と言う。
    「うちのとうちゃん、東国の王はちょっと頼りないけど
     さすがに嫁ぎ先の娘の安否を確かめる術は心得てるだろうし。」
     
    「え? じゃあ、本当にスパイがいるんですか?」
    王子が驚いて訊き返す。
     
    「あなたはヘビだからわからないだろうけど
     人間の王族の通常の婚姻は、国の外交なのよ。
     姫は嫁ぎ先での、生きた大使館なわけ。
     私と共に北国に来た者の中には、諜報の役目の者もいて当然よ。」
     
    「えっ、私との結婚は政略なわけですか!」
    こういう話になると、すぐに我を忘れる王子。
    「“通常は” っつってんでしょ! うっとうしい!!」
    手の早い黒雪に頭をバチーンと平手で叩かれる。
     
     
    「で、誰が東国の手先なのか、私にもわからないわけだけど
     東国への道の途中で待ち伏せておけば良いわよね。
     ちょうど温泉もあるし。」
     
    王子が叩かれた頭をさすりながら言う。
    「そうですね。
     では、二手に分かれる必要がありますね。
     西の村に話を通してワナを張る側と
     東国への流出を止める側。」
     
    「城に探りに行くのは?」
    口を挟むレグランドに、王子が答える。
    「それは “下ごしらえ” をしてからで良いでしょう。」
     
     
    黒雪が指示を出す。
    「じゃあ、棒、おまえが西の村に行って。」
     
    棒???
    全員が顔を見合わせる。
    「おまえよ、おまえ。」
    黒雪が三つ編みのクレンネルを指差した。
     
    「あ、あたし、棒ですか?」
    「“でくのぼう” よりマシでしょ。
     そんで、頭領と肉は私たちと一緒に荒野へ来るのよ。」
     
     
    「・・・名前では呼ばれないのね・・・。」
    つぶやくレグランドに、エジリンが言う。
    「“頭領” で何の文句があるだよ?
     あたしなんて “肉” だよ。」
     
    「フルネームは “肉団子” ねっ。」
    にっこりと言う黒雪に、エジリンはムッツリする。
     
    「こら、奥さま、あまりにも失礼すぎますよ!
     クレンネル、多分あなたは今回はオトリとして
     単独行動の時間が長くなるはずです。
     難しいでしょうが、お願いしますね。」
    「はい。」
    クレンネルは、少し緊張した声で返事をした。
     
     
    デラ・マッチョと王子が打ち合わせをしている間
    黒雪はそこいらを爆走していたと思ったら
    ドスンドスンと重そうな足取りで帰って来た。
     
    「ちょ、冗談で狙ってみたらマジで獲れたわ!!!」
     
    見ると、小さめの猪を担いでいる。
    どこまで野性的なのか、呆れる一同の中、王子が頬を染めた。
    「そういうとこが結構好きなんですよね (はぁと)」
     
    バカ夫婦・・・。
     
     
     続く 
     
     
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