急に打ち合いを止めた頭領に
打ち込みかけた黒雪が、勢い余って甲板に転げる。
「あ、すまない、何やら緊急のようだ。
あんたら、船を降りて良いよ。
勝負はまた今度、って事で。」
頭領は、仲間の危機だというのに
“黒雪に勝たない” 理由が出来て
ホッとしている自分の心理が不愉快だった。
操舵室に入ろうとする頭領に、王子が訊ねた。
「“救助要請” という、重大事件に驚きもしない。
あなたには3号船に何が起きたのか、わかっているようですね?」
へえ? と、うがつ表情をする頭領に黒雪がノンキに言う。
「この人、頭脳担当だから。」
「実は数年前から、ここら近辺の海で怪物の目撃情報が多発していて
あたしたちはそいつを、“シーデビル” と呼んでいる。
3号船は、多分そいつに襲われている。」
「She Devil? Sea Devil?」
「海の方だよ、海の悪魔。 どこぞの映画ではない。」
「それはイカなの? タコなの? エビなの? カニなの?」
「寿司ネタかい!
よくわからないけど、とにかく化け物らしい。」
王子と黒雪は目を合わせた。
「これは・・・。」
「ですよね・・・。」
王子が甲板から身を乗り出して、軍の隊長に叫んだ。
「ちょっと事故が起きたので、調査に行ってきます。
あなたがたは、1週間はここで待機
だけど雪で道が封鎖される前には、首都に戻ってください。」
黒雪がヒョイと横から顔を出す。
「あ、私たちが死んで、こいつらが生きてた場合
王族殺害の見せしめとして、こいつらを根こそぎ退治してねー。」
無邪気にそう叫ぶ黒雪を見て、海賊たちはゾッとした。
それを知ってか知らずか、黒雪が微笑む。
「さあ、協力して3号船を助けましょう。」
「ちょっと待て!
何故おまえらも行く?」
「それは多分私たちじゃないと、やっつけられないからです。
その海の悪魔は。」
頭領がいぶかしげに訊く。
「どういう事だ?」
「王族には、国を守る義務と力が与えられていて
あなたたちも国民だ、と言う事よ。
さあ、さっさと出港して!」
タルをガンと蹴る黒雪。
もうシビレを切らしたらしい。
冬間近の北の海を、ふたりはナメていた。
ザッパンザッパンと上下左右に揺れ動く船で
ものすごい船酔いで、王子が完全にダウンしたのである。
「ああ・・・、足の下に地面がない・・・。」
王子はうなされにうなされている。
「あんたは大丈夫なのかい?」
様子を見に来た頭領に、黒雪は笑った。
「あはは、知恵が回るから目も回るのよ。」
頭領がジロジロと黒雪を見る。
「何かしら?」
「あんたみたいな女が、何故あの弱っちい男と結婚したわけ?」
黒雪は即答した。
「北国を豊かにしたい気持ちが一緒だったからよ。」
頭領はバカにした笑いをした。
「それは表向きだろう?」
黒雪は仁王立ちで腕組みをした。
「今から遭う化け物を退治できたら、あなたにも理解できるわよ。
キレイ事だけでは命を張れないのよ!」
続く
関連記事 : 黒雪伝説・略奪 3 11.6.29
黒雪伝説・略奪 5 11.7.5
黒雪伝説・略奪 1 11.6.23
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小説・目次
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黒雪伝説・略奪 4
-
美容法の変遷
そういや、このブログは、美容ブログとして始まったはず。
どっからそれを忘れたかも、定かじゃないけど
ブログの紹介とかに、管理人ぷらちッが
美容美容と言い張るのは何故だろう? とか思ってたよー。
当の本人が忘れてんじゃねえよ、って話だよな。
ぷらちッ、使命を忘れてほんとすみません。
んで、その肝心の美容法も、この10年で
210度ぐらい変わった。
(真逆にいって、ちょっと戻ったぐらい?)
皆がするから、とりあえずお手入れ
↓
化粧品きれいー、お手入れ楽しー
↓
科学の力でお金を湯水のように使って最先端美容
↓
高い化粧品いらなくね? と、安物化粧品に移行
↓
ノンオイル美容をしてみよう!
↓
ポリマー・シリコンを避けてみよう!
↓
無添加って、オーガニックしかないんかー
↓
いくら化粧品を使っても変わらないじゃん、とサボリ美容
↓
・・・化粧品、いらなくね・・・? ← 今 ここ
上の図が、ひとりの女性が高校生からババアになるまでの
美容意識の移り変わりであるが
私が真に美容にハマり出したのは、30歳を過ぎてから。
「とりあえずお手入れ」 から、「お手入れ楽しー」 まで
10年以上の時を経ているんだな。
何でこの 「お手入れ楽しー」 になったかは
お金があって、寂しかったからだ。
昔の人の言う通り、アホウがヒマを持て余すとロクな事にならない
という良い見本になってしもうた。
さて、「お手入れ楽しー」 から
必要以上に美容に試行錯誤し始めたのだが
今、「化粧品いらねー」 になっておる。
自分の肌で数十年の人体実験をした結論が、これである。
このブログで、美容うんぬん叫んでいた割に
こんなまさかの意見に落ち着いて
読んだ人は、「は???」 だろうけど、これも世の無常。
真実はいつの世も残酷なのかも知れない・・・。
とか、キレイにまとめようと必死だけど
しょうがねえじゃん、化粧品、意味わからんのだから。
すっげー信じて夢見て、その結果がこれって
私だって、騙された気分にならないわけじゃないぞ。
化粧品にいくらつぎ込んだと思ってんだよ?
あー、言いたくないー、計算したくないー、忘ーれーたーいーーー!
だけどな、思うんだ。
途中で 「化粧品いらない」 と気付けたか? と。
人にそう言われても、ダメだった。
だって、そういう本系は大抵ナチュラルコスメ (自称) を
ひそかに推す洗脳本だから。
え、結局、この化粧品を使えという宣伝? となるんだ。
私のように、純粋に美容お試し結果を言ってる人や本なんて
ほとんどいねえよ。
て言うか、つけよ、スポンサー、私に!
現品送ってこいよ、きちんと試して正直にレポしちゃるよ。
・・・その行為が、いかにメーカーのイメージダウンになるか
私にもわかるので、私が相手にされないのは至極当然だと納得しとるよ。
それに人の肌なんて、千差万別だしな。
たったひとりのレポなんて、提灯記事じゃないと宣伝の意味なしだもんな。
つい私利私欲に目がくらんで、一瞬暴れかけたが
私の真の目的は、私という個人のレポが
女性たちの美容の参考になれば良いな、という崇高なものである。
化粧品がいらないなら、美容も意味なしか? と問われれば
即座に NO! と答えよう。 いきなり英語で何人だよ?
「化粧品なんて(笑)」 と、お手入れをしないヤツに
キレイを出し切ってるヤツはいない!
「美意識を持たなきゃ!」 と、うっとうしい信念を持つヤツは
ドブサイクが多いけど、美しいんだ。
そう、女性の美は信念によって生まれるのである!
生まれつき美人だけど無頓着なヤツは、雑踏に埋もれる。
ドブサイクだけど、美容に必死こいてるヤツは際立つ。
ヘタすると、たまに美人扱いもされる。
これは、心の必死さが “迫力” としてにじみ出るからである。
“磨けば光る” は本当なんだよ。
現実的な事を言うと、キレイに光る保証はないけれど
一般人の生活なんて、他の人に丁寧に扱われる事以上は望まないじゃん。
「逆らったら面倒そう」 と思われて
ほんのちょっとチヤホヤされたら、それでもう良いわけじゃん。
私が望んでるのは、この程度なんだ。
これ以上を望むヤツは、カウンセリングかモデル事務所に行け。
えっらい低い目標を掲げてすまんこったが
通常の人生で、途方もない高い指針を追っても挫折するだけだぞ?
そこいらへんで手を打っておこう、な?
と言うわけで、化粧品はいらなくても、お手入れは必要。
自分の美意識を保つためには、化粧品は手軽な道具。
キレイな化粧品を見ると、テンションが上がるだろ
この興奮を抜きに、光るように磨く美容なんて無理だよな。
そういう意味で、今後も化粧品の使用レポをするよ。
あ、肌をどうにかしたいなら美容クリニックに行くべき。
化粧品は、“健康な肌” に使うものなので
トラブルがある場合は、“治療” をしたまえ。
“お手入れ” は、一生必要だぞ!
ここは、これからも美容ブログカテゴリー!
評価:
ハーバー
¥ 2,100
コメント:今使ってるのがこれ。 ダブルクレンジングいらずだから使用。 乳化もいらず、オイルクレンジングよりもスッキリ洗い流せる、夏に最適の一品。 メイクが完全に落ちてるかはわからんけど、肌に1個も支障なしだから多分落ちも良し。 あ、無添加じゃあないぞ。
-
黒雪伝説・略奪 2
国の北西は、もう寒かった。
灰色の厚い雲で覆われた空が、雪の予告をしているようだ。
「黒雪さまですか?」
走り寄って来たのは村長だと名乗る老人である。
「王子さまが・・・、わしの孫も・・・。」
「で、そいつらはあそこですか?」
黒雪が見る方向には、大きな帆船が泊まっている。
「ちょっとあの一番小さい帆を撃ってみて。」
黒雪の命じるままに、兵士が大砲を撃つ。
ドッカーーーーーーーーン!!!
「おお、凄い凄い、命中したわ、腕が良いわねえ。」
黒雪の拍手に、砲兵が頬を赤くしながら頭を掻いて照れる。
「な、何事だ!!!!! 誰だ?」
船上から、うろたえた声が響く。
「はーい、王子の妻ですがー?
お呼びになりましたよねー?」
甲板から見下ろす女性たちが、愕然とする。
「な、何だ、その軍隊は・・・。」
100余名の兵士に武器フル装備をさせ
自らも刃物携帯しまくりで、まるで針山のようになって
仁王立ちする黒雪が高笑いをする。
「権力というのは、こういう風に使うものですのよ。
おーっほほほほほほほ」
「え、ええーい、黙れ黙れ、おまえの夫がどうなっても良いのか?」
縛られた王子が引っ張り出された。
「王子さま!」「王子さま!!」
兵士たちの間に動揺の声が広がる中
黒雪が嬉々として、王子に声を掛けた。
「王子ーっ、心配しないでねーーー。
あの世でも絶対に、私はあなたを夫に選ぶからーーー。」
黒雪の奇妙な言葉に、海賊たちが王子に問う。
「あの女は何を言ってるんだ?」
王子は、悲しそうに微笑んだ。
「今から総攻撃をかける、と言っているんですよ。」
今度は海賊たちが動揺する番だった。
「王子であり夫であるこいつを見殺しにする、というのか?」
黒雪は、きっぱりと言い切った。
「おまえら、勘違いしてるようだけど
大事なのは国であって、王族じゃないのよ。
王族がいる理由は、国のトップがコロコロ変わると
他国から信用されないからであって
うちの王国には、もう跡継ぎがいるから
私たちの命は、国の平定に捧げてオッケーなわけ。」
銃を天に掲げて、黒雪が叫んだ。
「おまえらのようなヤカラから国を守るため
この身を捨てる事に、微塵のちゅうちょもないわ。
思う存分、皆殺しにしてくれる!!!」
「「「「「 おーーーーーっ!!!!! 」」」」」
黒雪の雄叫びで、兵士全員が銃を掲げた。
「ままま待て! こっちには村長の孫もいるんだぞ!」
泣き喚く男の子が連れて来られた。
「あらま・・・。」
黒雪が村長を見ると、村長は唇を噛みしめた。
「・・・あの子も、まがりなりにもこの村の長の孫です。
定めと思って、国のために散ってくれると思います。」
ギャン泣きしているんだけど・・・
黒雪はちょっと困った様子で考え込んだ。
「私たちが帰って来ない場合、あいつらを根絶やしにして良いから。」
隊長に小声でそう命令すると、持っていた剣類を外しながら
黒雪は甲板に向かって呼び掛けた。
「その子の代わりに、私が人質になります!」
黒雪の足元に積み重なる凶器を見て
一体どれだけ持ってくるのか、ゾッとした海賊たち。
続く
関連記事 : 黒雪伝説・略奪 1 11.6.23
黒雪伝説・略奪 3 11.6.29
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小説・目次 -
黒雪伝説・略奪 3
甲板には、見事にガラの悪そうな女性たちが並んでいた。
「ふむ、北国人は縦にばかり伸びて
筋肉が付きにくい体質だと思っていたけど、なかなかどうして。」
腕組みをしながらカツカツと、女たちの前を歩き回る黒雪。
「おっ、良いわねえ、この三角筋、私の近衛にならない?」
女性のひとりの肩を揉んで、ニッと笑う。
「奥さま!
女性が相手でも、私は妬きますよ!」
後ろ手に縛られた王子が、女走りで黒雪に駆け寄る。
「・・・王子ぃ~~~~~~。」
黒雪が呆れたように言うと、王子が苦悩の表情を浮かべた。
「・・・奥さまの言いたい事はわかっております。
さらわれるなんて、姫の仕事ですよね、くっ・・・。」
黒雪が溜め息をつきながら言う。
「もう、あなたには自爆装置でも着けときましょうかねえ?」
「そ・・・そんなあああああ。」
「うそうそ、冗談よ。 ちゃんと私が助けてあげるから。」
黒雪が王子の手首の縄を噛み千切る。
「待て! 誰が王子の縄を解いて良いと言った!」
列が割れ、ひとりの女性が現われた。
「あれが海賊の頭領です。」
王子が黒雪に耳打ちする。
身長は向こうが高いようだが、黒雪の方がゴツい体型である。
海賊の頭領だと言われるその女性は
白い肌、金色の髪に青い瞳の、筋肉がなければ美女である。
「おまえ、こんなひ弱な男でも、縛っていなきゃ安心できないの?」
黒雪がズイッと前に出る。
鼻をくっ付けんばかりに睨み合うふたり。
「さすが、豪傑と噂される姫さんだね。」
「おまえこそ、その眼輪筋は見事だわ。」
「では、ひと試合願おうかな。」
頭領が部下から木刀を受け取った。
「ちょ、私の武器は?」
「武器、持ってきてないのかい?」
黒雪は上腕二等筋を見せつつ、誇った。
「この筋肉が武器でね、ふっ・・・。」
「・・・じゃ、いくよ。」
「あ、待って待って、すいません、調子こきました。
やっぱ何か貸してー。」
部下がもう1本、木刀を投げた。
「では・・・。」
木刀の先をピタリと合わせるふたり。
その瞬間、電流が走るような手応えを感じたふたり。
この女、強い!
足場の悪い船上での試合は、黒雪には不利であった。
どうやら技術的にも運動能力的にも、この頭領の方が優れている。
しかし国を背負っている以上、一海賊に負けるわけにはいかない。
黒雪の勝ち目は、その気合いだけであった。
頭領は驚いていた。
王族、それも大国東国出身の姫が、自分とほぼ互角に打ち合っている。
しかも何だか嬉しそうである。
カンカンカンカン と、打ち合う音に合わせて
踊るように活き活きと木刀を振るう、この地黒のゴッツい姫が
時々神々しくも見え、圧倒される。
あたしの方が、場数を踏んでいるはず
現に、確実に勝負は付いてきている。
なのにこの姫の表情には、余裕すら伺える。
これが王族というものなのか
頭領には、より多く黒雪に打ち込みながらも敗北感が湧き起こった。
勝っても良いものか、頭領がありえない迷いを始めたその時
船室から部下のひとりが走り出てきた。
「3号船から救助要請です!」
続く
関連記事 : 黒雪伝説・略奪 2 11.6.27
黒雪伝説・略奪 4 11.7.1
黒雪伝説・略奪 1 11.6.23
カテゴリー 小説・黒雪姫シリーズ
小説・目次 -
人生相談 30 肌の手入れ
<質問>
最近あしゅさんは、なるべく顔を洗わない・化粧などを肌につけない
という美容をされてますよね?
実はわたし夏は、何もつけなくてもあまり乾燥せず過ごせるんです。
(というかテカリます)
水質にもよりますが、温泉や地下水の場合、
クレンジング後ですら何もつけなくても大丈夫、というふうな。
ここで疑問なのですが、油がでるのは
水分が足りず肌が乾燥してるからと聞きます。
なので、基本化粧水などつけない方がいいとしても、
たまにはつけた方がいいのでしょうか?
あまりにつけないと小じわの原因になったりしたら。。。とも心配で。
冬は肌は乾燥するので水(湯)だけ洗顔でも
化粧水&オイルなどが必要なのですが。
夏は石鹸洗顔後、直に日焼け止め塗っても平気です。
ちなみに、夏に石鹸なし洗顔をしてると毛孔に皮脂が詰まりまくります。
冬はマシなので、ほどお湯洗顔です。
きれいな肌の人って常に乾燥気味ですよね?
あしゅさんとあまりに肌質違いすぎて、想像しずらいかもですが、
目元だけでも何かした方がいいのでしょうか??
あと毛孔が皮脂で詰まりやすい肌質なのをなんとかしたいのですが。。。
肌がきれいな人が羨ましいです(><)
よろしくお願いします。
<回答>
きれいな肌は乾燥肌・・・
うん、すっげーそう思う。 それは真理だよーーー。
私は “普通の肌を維持しているババア” だと思ってくれ。
頭にくる事に、決してキレイな肌ではないんだよ。
そんな私がこれから言う事は、根拠はない。
すべて私の実感に基づいた推理なんで、違う感覚の人も多くいるはず。
意見のひとつとして、参考にしてほしい。
過去の美容記事と違う事や、同じ事を書くかも知れないけど
今現在の “総集編” みたいな感じで捉えてほしい。
“肌が潤ってる” と実感できるのは
コスメメーカーが推奨する、フルコースのお手入れをしている時。
特にアルビオン + 色んな有名美容液、ほんと潤ったぜーーー。
その日その日を潤わせるだけなら、これがベストだと思う。
アルビオンが合わなくても、他のメーカーで
言われる通りに多くのアイテムを使ってのお手入れ。
なのに何故それを続けなかったのか?
貧乏になったからだ!
・・・し、ニベアでも肌が変わらなかったからだ・・・。
そこから、“どのメーカーを使うか?” ではなく
“どんなお手入れをするか?” に意識が変わった。
私も夏は何もつけなくて良かった。
けど、肌がかすかにチリチリして、見ると細かいシワが出来てる。
これは “乾燥している” という事なので、表面のバリアが必要。
皮脂が出るのは、肌表面の細胞に水分を蓄える力がないから
皮膚から脂が出て、肌表面をガードしてるんだ。
つまり、外からいくら水分を補っても
肌がそれを溜めておけなければ、意味がない。
水分保持を出来ない肌というのは、おおむね薄い肌。
“肌のいらない角質” を取り除いた肌。
今までのお手入れの経験上、角質を取ってくれるのは
クレンジング、洗顔、パック、化粧水 の4つ。
クレンジングや洗顔はわかるとしても、何故パックや化粧水が?
これは私の感覚でしかないけれど
化粧品って、最初に使うものほど角質を剥ぐ作用をしている気がする。
化粧水までが、汚れ落としの範ちゅうに入る。
じゃないと、乳液、いらなくねえ?
肌に補える水分って、ほんのちょびっとじゃん。
乳液に含まれる水分で良いと思うんだよな。
化粧水ってさ、肌の表面を湿らせて
後に塗る油分を乗りやすくするためのものじゃないか? と。
極端に言えば、化粧水で肌の防御を壊して
後に塗る成分を、皮膚の奥深くまで浸透させるんじゃないか? と。
パックも、“成分を浸透” させたいのなら
絶対に角質を取るか壊す作用があるよね、と。
コスメメーカーは、肌表面を壊して成分を浸透させて
“効果” を出したいんだと思う。
それを一生できるなら、それでも良いかも知れないけど
そういうお手入れを止めたら、肌が維持できなくなるのは困る。
なんせ私は、ド貧乏だから。
てかさ、“一生コスメ漬け”、そう思うとイヤじゃないか?
お手入れはしたいけど、それでも自由でいたいんだよー。
よって、私は自活できる肌になりたいんだ。
そのために皮膚を厚くしたいんで、洗顔なしお手入れにした。
化粧水は、オイルをなじみやすくするためだけのものだから
成分の少ないフラワーウォーターなんだ。
正直、水道水でも良いと思う。
水洗い → 水滴を拭かずにサメ由来のスクワランオイル
これでチリメンジワが出るなら、バリア張れてない、って事だから
馬油、ホホバオイル、シアバター 等を、気分によって塗る。
この中で一番潤うのが馬油、次がスクワラン。
動物オイルが浸透する。
植物オイルはフタにしかならないなあ。
今、気分を変えたくてジェルを試しているけど、ニキビになるなる。
もう、シンプルなものしか受け付けない肌になっちゃったかも・・・。
相談者は、肌が乾燥していると思う。
夏場は汗や皮脂で、潤ってると思い込みがちだけど
肌内部は冬と同じ状態、いや、冬より疲れているはず。
冬はお手入れで表面をガードしてもらえるから
皮膚自体が必死こいて皮脂を出さなくて良いしな。
その証拠に、夏はテカるし角栓が溜まるんだろ?
角栓は皮脂や皮膚細胞のカスなんだ。
乾燥してるから脂出しまくってるんだよ、皮膚。
皮膚表面も、ちょっとゴワゴワしてないか?
それ、いらない角質じゃなく、肌表面のささくれ。
荒地になっているんだよ、肌表面が。
角栓や荒れは、湯船に浸かる事と、油分を塗る事で徐々に収まるはず。
と言っても、暑い時期の肌の立て直しは時間が掛かると思う。
だから年中、基本は冬と同じお手入れで、そこから加減することな。
お手入れの基本は、油分等で肌表面のバリア。
肌は化粧品じゃ良くならない。
自分の一番良い通常の状態を維持するしか出来ない。
老化は、健康や表情や生活の癖 (笑い方や頬杖をつく等) と
日焼け!!! という、お手入れ関係なしのところで勝敗が決まるから
研究をするなら、自分の仕草からだな。
あ、そうそう、美意識が高い方が、肌がキレイな人が多いみたいだ。
美容をする事で出るホルモン、とかあるんかも。
キレイでいたいなら、何かそこらへんだろうなあ。(結局こんな結論かよ!)
あ、言い忘れ、ここ、盲点。
夏場のお手入れは、肌温度を下げる事も心掛けてな。
夏は気温が高いせいで毛穴が開くから、水分保持がより難しいんだ。
開いた毛穴から、水分が蒸発しまくる。
つまり、冬の方が実は肌は潤ってる、という驚き!
皮膚温度を下げるというのは、風は乾燥するからダメだぞ。
冷えピタ系の工夫をせえ。
ウエットティシューとか、アイスノンとか。
(あまり極端な事は、肌に刺激になるから程々にな。)
まあ、皮膚温調整とか不可能だから、夏に乾燥するんだろうけどなー。
お手入れは、目的をしっかりと持って色々と試さないと
あれ? あの方法、どうだったっけ? とか思い出せなくなるぞ。
はいはい、私です、そのせいで美容レポが書けずほんとすみません。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
人生相談は、あまり受け付けておりませんが
ご相談はメールでお願いいたします。
相談前に、私の他の記事をご一読ください。
こういう “私” に相談する、というその選択について
もう一度よくお考えくださるよう、お勧めします。
アドレスはプロフィールにあります。
件名に、「人生相談」 と入れてください。
迷惑メールに紛れる危険性がありますので、何とぞ。
匿名で結構です。
いらん個人情報ばかり書いてこないで
肝心の相談内容の情報の方にこそ気を遣ってください。
なお、ここの相談では、通りすがりの人にも回答されます。
むしろ、回答を通りすがった人に丸投げする事もあります。
なので相談後の意見、返事、報告等がありましたら
出来れば記事のコメント欄に書いていただけたら、ありがたいです。
答えた人ここを読んだ人全員、結果を気にしていると思いますので。
※ 相談内容を転記の際、状況によって
伏字、改行、修正などをさせていただく場合があります。
※ 精神的に打たれ弱い方はご遠慮ください。
注: たまにこちらからのメールが届かない人がいますが
その “私ブロック” を解いておいてください。
<通りすがりの人の、回答上の注意>
偽名、匿名、無記名で結構ですので
相談内容に沿った、ご自分の意見、経験を教えてください。
貰った意見をどう解釈して取り入れるかは
相談者が勝手に決めて良い事なので、意見を書く人は
相談者に一方通行の贈り物をするつもりでお願いします。
相談者には相談者の個性や性格があるので
願ったものとは違う答を出しても
助言がムダになったわけではないのです。
相談者が意見募集を締めた後も
似たような状況の人も関係ない人も、何かの参考になって
皆が何かを得る事ができたら良いな、と願っておりますので
いつでも経験談などの意見を書いてくだされば、ありがたいです。 -
ネタなし!
すいませんでしたあああああああああっっっ!
昨日からさっきまでで、変わった事は何ひとつ起きませんでしたーーー。
10年やってて、病気や事故事件等以外には
滅多に起こらない (という事は、この現象がある意味ネタかも。)
ネ タ 切 れ ですー。
中年男性で言えば
「ヤベえ、嫁が妙に露出してるよ、今夜もご所望かよ
何でここんところ毎晩なんだよ、もう粉も出ねえよ
あんなドラマで何でそこまで興奮できんだよ
俺は4さまじゃねっつの、身代わりにすんなよ」
中年女性で言えば
「マズいわ・・・、今夜何にしよう?
1年365日、何を作ればカブらないのよ?
揚げ物はうちでする気がしないし
惣菜を出せば、主婦はラクで良いよなー、とか言われるし
外食する予算はないし、牛肉も高いし
この暑いのに鍋にしたら、ちゃぶ台返しをされるわよねえ」
若い男の子だったら
「ええーーー、その店は止めてくれよー
女って何で光り物が好きなんだよ、カラスか?
てか、同じようなもん、いっぱい持ってんじゃん
うわ、3万ーーー? いい加減にしろっつの
俺バイト増やしたの、おまえの誕生日のためじゃねえんだよ
じゃ何? wii2、おまえが買ってくれんの?」
若い女の子だったら
「ちょ、マジありえないんだけどー
せっかくセンパイに誘われたのに着ていく服がないーーー
これはこの前着たし、これは今日のメイクと色が合わない
そもそもセンパイにアピるために、勝負服使い切ったし
またその服着てんだー? お気に入りなのー?
にしては、イマイチじゃね? とか思われたら死ぬ!
あ、これはまだ着てないはず
・・・うっそおおおおお、ボタンが閉まらないーーーっ!」
みたいなもんだと言えば、わかってくれるかな?
何か微妙に違うかも知れんけど
稀有なる才覚は孤高を呼ぶのだよ
もう、自分でも何を言っとるのか、さっぱりだけど
今日のノーエアコンは、正直ムチャしとりまーす。
何かさ、訓練ジジイとかダンシング男子とか
記事に書いてから、パッタリ会わなくなってさ。
もしかして、ここの記事を読んだんかい、と思うほど。
まあ、こう暑いと、公園から人自体が消えるからな。
代わりに夜中に花火をやってはしゃぐクソバカ野郎が出ているが
若者の夏は短いんで、しょうがねえな。
言っとくが、“夏デビュー” は止めとけ。
私の時代から、そういう風習があったけど
後々まで笑い者になっとったぞ。
何はしゃいでんの? みたいに。
そんなんじゃなくて、単に非行に走るつもりでも
5月とか6月とか、後は10月11月あたりの
何のアピール性もない時期にやっとけ。
あとな、今日はとことん話題がないから、老婆心ゆえの説教になるけどな
若い娘さんたち!
どこでもここでも、しゃがみ込みたい気持ちはよくわかる。
私も椅子さえあれば座りたい。 床さえあれば寝転びたい。
だがな、M字開脚は止めれ。
何で最近の中高生女子は、あっちこっちで股広げて据わっとんのか
イオンのエスカレーターに乗っていたら
上り口の真ん前の店舗のところで女の子が座ってて
次々に上ってくる客全員が
2階で目にする最初のものが、その女の子の股ぐらで
しかもその子、ジャージー姿だったんだ。
こういう事は、お父さんもお母さんも先生もお兄ちゃんやめても
誰も言ってくれない、というか
良識ある大人ははっきり言わないだろうから、私が言ってあげよう。
おめえな、ジャージだから良いと思ってるだろ?
あまーーーい!
M字開脚な、股の形状くっきりなんだよ。
て言うかな、下着もジャージも布だぞ、鉄板じゃないぞ
指でグリグリされたら、一巻の終わりだぞ。
スカートじゃないから大丈夫、と思うな。
外国じゃ女性の股もっこりを “キャメル・トゥ” と言ってな
ラクダのひづめにたとえられるエロ項目なんだよ。
乳や尻の割れ目と同じような、重要地点なんだ。
水着とかの時も、注意せえ。
・・・とか注意を喚起するのは罪かな?
でも正直、無防備な女の子を見ると
大丈夫だろうか、と心配になるんだ。
この私にでさえ、変質者は来るんだから
若い娘さんたちのリスクはどれだけか、考えてほしいぜ。
評価:
Unknow
¥ 12,980
コメント:“ネタ” で検索したら、これが出現。 ・・・なるほど、“寝た” ねえ、アマゾンもムチャ受けしやがる・・・。 とりあえず寝たきりになった時のため、自分用にとメモレビュー。 ここ、買い物リストにもなるんだね、わーい、便利ーーー! ・・・ナメたマネこいてすみません・・・。 太陽がいっぱいで・・・。
-
黒雪伝説・略奪 1
♪ マッチョ マッチョメ~~~ン ♪
イキの良いBGMに合わせて
トレーニングルームで黒雪が、ウッホ、ウッホとスクワットをする。
「はあ・・・、ゴリラにしか見えないわん・・・。
しかもオスの・・・。」
入ってきたキドが嘆く。
「あら、おまえがジムに何の用なの?」
「だーかーらー、何度も言ってるけど
アタシの仕事は、黒雪さまの美容管理ですのよん。
健康も美容の一環!
で、トレーニングをしている間、これを塗っていてくださらない?」
キドは黒雪の顔に、クリームを塗り始めた。
「・・・これは何なの?」
「パックよん、パック。
王子さまが帰ってきたら、またパーティーでしょん?
それまでに、ここ! と ここ! の
憎っくきシミを取っておかないと!」
黒雪がキドにグイグイとクリームを塗り込まれていると
王子の執事が転がるように部屋に入ってきた。
「た、大変です!!!!!」
「あれ?
ネオトス、おまえ王子に付いて行ったんじゃないの?」
温泉を見つけて帰城した王子と黒雪に
北西の村から、鉱脈があるかも知れないという情報が入った。
黒雪は行きたがったが、妊娠の有無が判明するまで
城で大人しくしているよう言い残し
王子は執事を連れて、北西の村へと視察に行ったのである。
その配慮も虚しく、黒雪は筋トレなんぞをやっとるわけだが。
「はい、村へは無事に着きました。
しかしそれは罠だったのです!」
「何とな!」
「海賊めらが村長の孫を誘拐し、脅していたのです!」
「何とな!!」
「海賊は、巷で噂の剛の者・黒雪さまを狙っていたのです!」
「何とな!!!」
「しかし黒雪さまがいないと知るや、王子をさらい
返してほしけりゃ、黒雪さま御自ら迎えに来い、と。」
「何とな!!!!」
「イケメン王子がヤツらの毒牙に掛からないかと
もう気が気ではなく・・・。」
キドが口を挟んだ。
「ちょっと待ってん。
その海賊って男性なのん? 女性なのん?」
ネオトスが憎々しげに言う。
「全員女性なのです!」
「何とな!!!!!」
キドは黒雪を見ながら鼻で笑った。
「・・・黒雪さま、あんたバカみたいよん。」
黒雪がいくら怒りに拳を震わせても
海草パックを塗りたくられて顔面真緑なら、アホウにしか見えない現実。
「とにかく、村へ急ぐわよ!」
「ああっ、待って、せめてパックは拭き取ってええええええ!」
北西の村は特に雪深く、10月の下旬には既に行き来も困難となる。
短い夏が終わろうとしている今
王子救出作戦は1分1秒を争う急務なのだ。
黒雪は武器庫に行き、フル装備をし
兵士たちを引き連れ、北西への道を進んだ。
そりゃもう、活き活きと。
続く
関連記事 : 黒雪伝説・略奪 2 11.6.27
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粉末茶
緑茶さ、めんどくないかあ?
専用茶器が必要だし、茶ガラが出るし
茶の味も、よおわからんバカ舌なんで
緑茶は誰かが淹れてくれない限り飲まなかったんだよ。
て言うかさ、コーヒー紅茶もインスタント以外
基本、人に淹れてもらわないと飲まない性質なんだがな。
そういう、人間としてどうか? な私が
ハマっているのが、粉末茶。
水に溶ける粉状の茶だ。
“粉茶” という、茶ガラが出る茶が存在するので
この溶かすだけで飲める茶は、“粉末茶” と呼ぶんだそうだ。
この粉末茶、最近は緑茶以外にも玄米茶、ほうじ茶と見つけたんで
大量買いして、毎日せっせと飲んでいるよ。
単なる水、嫌いなんだ。
飲むと気分が悪くなるんだよな。
だからこの粉末茶で水分補給。
今日は国民の皆様のタメになる事ばっかり言ってるけど
緑茶が水分補給に適さないのは、利尿作用があるからなんだ。
だけどほうじ茶だと、あまり利尿作用はないぞ。(マイ膀胱実感)
そんで、ほうじ茶は鉄分の吸収を妨げないそうだ。
薬は、お茶で飲むとタンニンという茶の成分が
薬の成分の吸収を邪魔する場合があるんだ。
でもほうじ茶は、タンニンやカフェインが少ないらしい。
まあ、今の薬はパワーアップしてるそうなんで
そこまで厳密にしなくても良いみたいだけど
「しない方が良いよ?」 と言われたら、私はしないな。
皆は好きにしろ。
私のこの、調剤薬局での順番待ちのヒマつぶしに
流し読みして、しかもよく覚えていないチラシ情報を
信じるかどうかは、おめえらの自由だーーーーーーーっっっ!!!
さて、生まれてすみません、な私は
この、いかにも良いとこでは話は絶対に終わらない。
そんな空気を読めるなら、友達100人出来とるからだ。
粉末茶、フタを開けてスプーンでコップに入れて
フタを閉めるのがめんどくないか?
ああっ、ほんとすみませんほんとすみません生きててすみません
ここまでやる気がなくなるのって
老人性ウツでも入ってるのかも知れないんで
あまり怒らないでくださいーーーっっっ。
(ほんと、やり口が汚すぎる逃げ口上)
何せ毎日の事だから、やってて段々めんどくなってきてさあ。
てかさあ、こういう面倒くさがりが
創意工夫をして、生活を発展させてくれるんじゃないの?
私って、文明開化の使命を持ってるんかもよー。
おっっっ、今ちょっとアンニュイな口調になっちゃって
私の、また違う一面を見た気がしないか?
・・・なんてね。
夏バテか何か知らんけど、食欲はねえわ元気はねえわで
正直、ダルダルなんだよー。
でもそれでも役立つ情報を提供するのが
私の立派なところだよな。 ほっほっほ
んでさ、ラクをするためなら、どんな努力も惜しまない私だから
すんげえ熟考したんだよ。
手軽に粉末茶を淹れる方法を。
その結論がこれだ!!!
穴の大きいスパイス容器に入れて、コップに振る。
このスパイス容器は、フタをねじるだけ。
フタを開けるという手間すら省ける。
私、ダラケの天才!!!!!!
この容器は、100均で買ったんだ。
他にもこういうのもあって
洗顔用の米ヌカとかを入れるのにも利用している。
詰め替えると、容器を洗う手間というのが発生するけど
それは、洗う時に気合いを入れるから良いんだ。
どうも私は、飲食物摂取に関して面倒くさがるようなんで
そこをカバーした知恵を褒めてくれ。
と言うか、誰に褒められなくとも
毎日このスパイス入れを振りながら
ほーほほほほ ほーほほほ と高笑いしとるがな。
・・・我ながら不気味・・・。
関連記事: 粉玄米茶 09.3.13
自作の粉茶 08.10.22
評価:
一心商事株式会社
¥ 2,680
コメント:ふふふ 笑っているわけではない。 興奮して、つっかえてるんだ。 ふふふ粉末茶な、茶ぁいっちょ淹れるのも面倒くさい、という人間のクズにむっちゃお勧めだぞーーー。 もちろん私も愛飲しとる! はい、ここ、笑うところね、試験に出るぞおー、とな。
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【朗読】黒雪姫 5/42
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※1ヶ所日本語がおかしいところがあります、すみません。
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そしてみんなの苦難 14
「本当にもう帰るだかー。 寂しいだすよー。」
別れを惜しんでいるのは、マナタだけであった。
さっきの今だと言うのに、手元にはグリスの書類が揃っている。
大臣の実行力と権力の大きさに、感謝どころか逆に震え上がる。
「マナタさん、本当にお世話になりましたー。
お礼と言っちゃ何なんですが、これ、貰ってくださいー。」
主が、駄菓子がまだまだ一杯詰まっているバッグを
えいやっ とマナタに投げ付ける。
「おおーーー、嬉しいじゃがよー!!!」
本気で大喜びするマナタに、タリスは聞きたくてしょうがなかった。
おまえ、本当はマトモな英語を喋れるんじゃないのか?
あの大臣が、身内のこんなヘンな英語を許すとは思えない。
我々を油断させるための芝居なんじゃないのか?
そうタリスを疑心暗鬼にさせるほど、大臣の雰囲気は恐ろしかったのだ。
だが、訊く勇気などない。
大学の課題のひとつとして、何気なく選んでちょっと学んだこの国だが
遠くで学ぶのと、実際に体験するのでは大違いであった。
もう、この国とは一切関わりたくない!
タリスの完璧なビビりを察知せずに、マナタはのんきに言った。
「わすがそっちに行った時には案内して欲しいでんがな。
タリス、メルアドを教えてけろ。」
捨てアドをマナタに教えて、やっと機上の人になれたタリス。
あまりの緊張が過ぎ去って、行きとは違って気が抜けたように
窓の外を見つめながら、ボンヤリと回想していた。
普通に勤務していたら、絶対に味わえない経験だった。
それも今こうやって無事でいるから思える事である。
タリスは何気なく主の方に目をやる。
主は相変わらず携帯ゲーム機を凝視していて
その隣では、レニアが眠りこけている。
そして、その隣に黒い子供が緊張した様子で座っている。
俺はこの子のために、ここにいるわけだ・・・。
慣れない警護に苦労しつつ、死刑になるかも知れない恐怖に直面し
それもこれも、この子供のために
主様が一瞬で決めたこの子供のために・・・。
タリスはやりきれない気持ちだった。
無口で沈着かつ冷静である、と自負していた自分が
土壇場ではこんなに取り乱す人間だったとは、想像もしていなかった。
情けないし、恥ずかしい。 これで軍人と言えようか。
思わぬ自分を突き付けられ、頭を抱えてしまう。
結局、館の事も何ひとつ知る事が出来なかった。
わかったのは、主が変わり者らしい事だけ。
しかし、主が何故、主でいられるのかはわかった気がする。
奪う事にも奪われる事にも執着のない人物。
このお方はきっとこれからも、あの何を考えているのかわからない無表情で
ひとり直進して行くのだろう。
ひとり・・・・・?
じゃあ、この子供はどうなるのだろう?
小さなか細い薄汚れた子供。
タリスは、いかにもオドオドして座っている子供の方を見た。
子供はキョロキョロと目玉だけを動かして
オドオドとしつつ、居心地が悪そうだったが
ふと、タリスの視線に気が付いたのか、振り向いた。
タリスと子供の目が合う。
子供は怯えた表情のまま、一生懸命に笑みを作った。
「あー、だから主のお供にしたくなかったんだ・・・。」
書類を手に、将軍は溜め息を付いた。
“転属願い”
“館警備への転属を希望いたします
タリス”
終わり
関連記事 : そしてみんなの苦難 13 11.6.17
そしてみんなの苦難 1 11.5.16
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