• 殿のご自慢 29

    “新婚” のふたりは、八島の殿から特別に数日間の休暇を貰った。
    「ついて来てほしいところがあるのだ。」
    伊吹の希望で、ふたりは短い旅に出た。

     

    「いらっしゃいましー。」
    店に入って来た人影に、振り向いたおかみは驚いた。
    以前にやってきた青年が立っている。

    そしてその後ろから入って来た女性を見て、腰が抜けそうになった。
    今までお目にかかれた事のないような美女だからでもあるが
    もっと見た事がなかったのが、その赤染めの着物である。

    こ、このお侍さん、貧乏そうだったのに・・・
    そして、そこのお姫さまは、もしや・・・。

     

    店の様子がおかしいのに気付き、奥から顔を覗かせた主人。
    「何をしているんだね、お客さまじゃないかい。
    どうも、いらっしゃいま・・・」

    言葉が続かない主人に、伊吹が挨拶をした。
    「おお、店の主人、あの時は世話になった。
    お陰で、こうやって縁組みする事が出来た。
    ロクな買い物も出来ない俺に親切にしてくれて、感謝しておるぞ。」

    「今はわけあって短髪なので結えませんが、
    こちらでいただいたという組み紐は、大事に取ってありますよ。」
    青葉がにっこりと微笑んだ。

     

    主人とおかみにはすぐにわかった。
    この姫は龍田の “赤染めの次姫さま” だと。
    商人には、嫌でも情報が舞い込む。
    現在のこのあたり一帯の噂話の中心は、身分違いの恋の成就であった。

    武勲を重ねて成り上がった、いくさ孤児の貧しい武将が
    山城の悪政に苦しむ民を救おうとやってきて
    山城の殿が狙っていた、帝の血を引く姫と恋におちた。

    それに怒った山城の殿が姫の姉を殺し
    姫までをも亡き者としようとしたところを
    武将が単身乗り込んで姫を救い出し
    それに乗じて、龍田の殿が山城を打ち破った。

     

    と、えらく尾ひれの付きまくった話になっていたが
    上は下に嫌われるので、山城はこれでも優しい扱われ方であろう。

    このように、とかく噂は大げさになりがちなので
    いつもは話半分に聞く、この町では大店の部類のこの呉服屋の主人も
    目の前の短髪の美しい娘を見ると、信じざるを得なかった。

    あの劇的な話に、まさか自分が関わっていたとは
    と、主人には誇りにすら思えた。

     

    「それはそれは、心よりお祝いを申し上げます。」
    主人とおかみは深々と頭を下げた。

    「うむ、ありがとう。」
    伊吹は、屈託なく笑った。
    「それで今日はな、姫に赤染めの着物をこしらえてあげたいのだ。」

    その言葉に、主人の顔が曇る。
    「それはありがたい申し出ですが
    うちでは、そのような高級な反物は取り引きがないので
    何日かかるか、いくらになるか・・・。」

    「それは問わぬ。
    姫への初めての贈り物は、ぜひここでと考えていたのだ。」

     

    伊吹は悪気なく言っているが、店には “格” というものがある。
    今までのうちだと、赤染めなどには縁がない。
    仕入れ先を開拓するのは、一苦労である。

    「お待ちくださいませ。」
    青葉が口を挟んだ。
    「わたくし、お着物はもう沢山持っております。
    女は衣装持ちなのですよ。
    ですから今日は、伊吹さまのお着物を作るべきですわ。」

    「いや、俺はそなたに贈り物をしたいのだ。」
    青葉は少し考え込んだ。
    「では、この短髪をまとめられる髪飾りが欲しいですわ。」

     

    青葉も、仕入れの仕組みなどを知っていたわけではない。
    青葉が知っていたのは、“贅沢をしてはいけない” という現実である。

    龍田城を出立する前夜、早くに死んだ母親の代わりとも言える乳母から
    懇々と言い聞かされたのである。

    今までの暮らしは、通常から見てとても贅沢であり
    敷島家の月々の収入は、青葉の着物一枚にも及ばぬ事。
    そのため、いざとなったら売れるように
    通常より多くの衣装を、嫁入り道具として持たされる事を。

     

    青葉には貧乏というものがわからなかったが
    “我慢をする” という心構えだけは胸に刻み込んだのである。

     

    続く

     

    関連記事 : 殿のご自慢 28 13.6.4
           殿のご自慢 30 13.6.10

            殿のご自慢・目次

  • お客さまは神様か?

    これに関しては、客側の私は 「NO」 と答える。
    お店の側が、こう思って努力するのは良いけれど
    肝心の客側がこう思うのは、図々しいにも程がある、と思うんだ。

     

    そもそも日本の接客は素晴らしい。
    それもこれも、“お客さまは神様です” という 意識が、そうさせているのかも知れない。

    だけどこの言葉は私の記憶によると、大阪万博の歌を歌ったみなみはるお
    (ごめん、字がわからない。) が言い出した事で
    店舗の話ではなかった気がするんだ。

    それでも、この言葉がスムーズに浸透していった状況を考えると
    元々の接客態度が良い、という素地があった気がする。

    この接客の良さに、あぐらをかいたバカな客が増えると
    店側はガードを強めなくてはならなくなるので
    客側は気持ちの良いサービスを期待したいのなら
    対等な取り引きのつもりで、店側に感謝の気持ちを持つべきだと思う。

     

    さて、店は客を選べるのか?

    こういう問いは、日本ならではだと思う。
    海外では、きちんと住み分けがなされているからである。

    日本でも住み分けがある場所もあるけど
    それでも傍若無人なヤカラが、その垣根を崩す事も、ままある。
    私は “平等” など、どういうお伽噺だよ? という思想なので
    接客業の場合も、“客全員を平等に扱え” という要望など呆れ対象でしかない。

    予約までして行く店で、子供が走り回ってたらイヤだもん。
    そんな客、追い出せよ、と言いたい。
    子供が聞き分けが付く年齢になるまで、外食は控えるか
    “そういう店” に行くべきだろう。

     

    昨今の親の中には、子育ての数年を我慢できなくて
    夜遅くに乳幼児を連れて遊び回る人や
    叱る事 (怒る事じゃなく叱る、ね) が出来なくて
    子供のしつけを出来ない人がいるけど
    そういうヤツほど、子供をボロボロ産んで
    世の中にドグラが増えてる気がする。

    社会は子育ての真の大変さを覆い隠して
    表面だけを取り繕って、少子化とやらを防ごうとしているけど
    マトモな感覚を持っていたら、今の世の中、子供を何人ももてないって。
    日本だったら、人口8000人ぐらいでちょうど良いんだよ。
    無駄をなくせば、やっていける。

     

    と、横道にそれたけど、店は客を選んで良いと思う。
    客は自分に合った店に行くべきだと思う。

    何故この話題を書いてるか、というと
    身体障害者が、充分なもてなしができないという理由で
    飲食店に入店を拒否されて怒っている件を聞いたから。

    私も障害があるから、出来ない仕事や行けない場所はあるけど
    平等やら人の親切をアテにして、チャレンジなんてしたくねえ。
    そこまで人生を謳歌したいかあ?
    これはもう、全ての人に言いたい事だけど
    叶わぬ夢やら、あっても良いじゃん。
    自分の力で無理なら、時には我慢せえよ。

    この障害さえなければ、と私も自分を呪ったりもしたけど
    障害ってのは、害になるから障害で
    それのお陰で色々と優遇されるのなら、それはもう障害ではない。

    今は “障害者” という呼び名から変えようという動きもあるけど、欺瞞だね!
    ちゃんと辛さ苦しさと向きあって、人生をのたうち回らないと
    来世があったら、そのターンもえらい苦労するハメになるぜ。

    私はそう思う。
    そう思わないと、生きていけない。

     

    という事で、本当の状況は知らないけど
    全体的に、客側はあんまり調子のんなよ。
    世の中の決まり事が厳しくなると、どんどん生き辛くなるだろ。
    最初から少し遠慮気味、ってのが、ちょうど良い状態を長く保てると思うんだ。

     

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    大阪万博跡地は公園になってて、一部の噂では心霊スポットでもあるそうなw

    地図を見るとあまりに広いので、いまだに行った事がないんだ・・・。

     

     

     

  • 殿のご自慢 28

    予定よりも随分早かったが、まず新婦が席を立つ。
    “普通” は、女性の方が身支度に時間が掛かるからである。

    伊吹は風呂場に入って驚いた。
    乾行が手拭いを持って、待っていたからである。

    「おお、おまえも一緒に入るのか?」
    伊吹の間抜けな質問に、たすき掛けの乾行は苛付く。

    一応、伊吹の名誉を守るために
    湯殿の周囲から人を追い払った高雄は
    風呂の火の番をする羽目になった。

    宴会場は安宅が上手くやってくれる事であろう。
    高雄は焚き口前の石に座り、燃え盛る火を見つめた。
    湯殿から乾行の声が聞こえるが、反響で話の内容まではわからない。

    揺れる火に、友人の楽しそうな声
    それまでの疲れが一気に吹き出したのか
    さすがの高雄も、カクンカクンと舟をこぎ始めた。

    杯をクワッとあおって、八島の殿は考えた。
    いくら乾行と言えども、伊吹相手にこの短時間でどこまで仕込めるか
    ちょっと様子を・・・

    「人に様子を見に行かせるなど、下衆な事はなさいますなよ?」
    隣に座っている正妻が、八島の殿に釘を刺した。

    八島の殿が側室を取らなかったのは、この農民上がりの妻のためであった。
    まだ地位が低い八島の殿を、本気で愛し支え
    ともに苦労をしてくれた、糟糠の妻には頭が上がらない。

    「ま、まさか。」
    八島の殿は笑って誤魔化したが、ギンッと睨む妻に
    自ら見に行こうとしたなど、冗談でも言えなかった。

    乾行は一言目を、何と言い出せば良いのか悩んでいた。
    ちっ、女をくどく方が全然ラクだぜ。
    もう何人もの女と遊んでいてもおかしくねえ歳のこいつの
    自尊心を傷付けずに、“説明” をするには・・・

    あまりに考えすぎて、頭がもうろうとしてくる。
    湯に浸かっている自分より、汗をダラダラ流している乾行を見て
    伊吹の方が、口火を切った。

    「なあ、乾行、おまえは初夜の心配をしてくれているのだろう?」
    その直球さに乾行はギクッとしたが、同時に笑いが込み上げてきた。
    そうだよな、真っ直ぐなこいつには真っ直ぐにぶつかるしかねえんだよな。

    「おう、おまえが “やり方” を知ってるのか不安でなあ。」
    伊吹は黙り込んだ。
    しかしその沈黙は拒絶ではなく、思考のようである。
    乾行は湯船の淵に腕をかけて、伊吹の返事を待った。

    「乾行・・・、俺はさっきまで緊張でガチガチだった。
    好いた姫が隣にいて、何と俺と結婚してくれているのだ。
    不自由な思いをさせたらどうしよう、嫌われたらどうしよう、と
    今後の暮らしの事で頭が一杯でな・・・。」

    乾行は衝撃を受けた。
    あの場にいた誰もが、伊吹の緊張は初夜への不安だと思っていたが
    伊吹の頭に、それがなかったとは。

    「だが、姫は俺よりも緊張していたんだ。
    うつむいて、ひとことも喋らない。
    それが花嫁の作法なのは、女にとって初めての同衾 (どうきん) は
    男よりも重い意味を持つからだと思うんだ。
    俺はそんな姫の気持ちを、おもんぱかってやるべきだった。
    乾行、ありがとう。」

    乾行は一瞬、感動しかけた。
    が、“経験値” がそれを許さなかった。

    「で、おまえ、やり方を知ってるのか?」

    伊吹は爽やかな笑顔で答えた。
    「愛があれば乗り越えられるさ!」

    乾行は、湯殿の床に倒れ込んだ。
    駄目だ、こりゃ。
    それが上手くいかなくて愛が壊れる場合もあるんだぜ?

    だが新婚馬鹿には通じるまい。
    どれ、こいつが聞きたがらなくても、事務的に一通りの手順は喋っておこう。
    「困った時にはいつでも相談に来いよ」
    の、一言も添えて。

    “純情馬鹿” の伊吹に、しにくい話題を振って
    しかも理解してもらわねばならない、という重責と
    湯殿の暑さと湿度にヘトヘトになって
    ようやく伊吹を寝屋へ送り出して来てみれば
    消えかかった火の前で、いつもは気取った美しい男が
    ススまみれになって、コックリコックリと寝入っている。

    乾行は高雄を起こさぬよう、ソッと隣に座った。

    そして消えかかった火に、薪をくべる。

    こいつが目覚めたら、一緒に風呂に入ろう。
    そして嫌がるだろうが、こいつの背中も流してやろう。

    伊吹よ、高雄のこの炭で汚れた寝顔が、こいつの真の結婚祝いだ。

    続く

    関連記事 : 殿のご自慢 27 13.4.30
    殿のご自慢 29 13.6.

    殿のご自慢・目次

  • ブログ再稼働

    この度は、ブログ移転のため、長らく休止をしていた事をお詫びいたします。

    何せ、記事数がバカみたいに多かったので
    「こんなはずじゃ・・・」 の連続だったらしく
    ものすごく大変で時間が掛かってしまったわけです。

    そしてその後に私が、操作もロクに出来んドアホウで・・・。

    とにかく、管理人たちに、必要以上の面倒をかけて
    無事 (?) にブログの移転作業が完了、となったので
    (と、1行で済ませてるけど、私に色々と理解させるのに
     かいねはムチャクチャ時間を取られてるんだよ。
     本当にありがたい事なんだよー。)
    また、以前と変わらぬ、土日祝祭日以外の平日毎日更新で
    自分を追い込みつつ、皆さまと交流していきたいと願っております。

    皆、また来てくれて、ありがとうーーー!

     

    ブログ休止期間中、私が何をしてたかというと
    ・・・・・・・・・・ゴールデンウイークボケ・・・・・・・・・・

    ブログ休止が決まってたんで
    時間が出来るから、連休は思いっくそダラけてたんだよー。
    それこそ、飯も食わないレベルで。

    そしたら体が動かなくなるんだな。
    もう、連休明けの日常生活がつらいつらい。
    んで、何もする気がしないと空しい空しい。
    故とうちゃんが隠居後、ショボくれた気持ちがわかったよ。

    ブログは移転しても、私が復帰できるんだろうか・・・
    と、2~3日ウジウジして、その後よっこらしょ、と
    小説の続きを少しずつ書いて、リハビリを。

    人間さ、ダラけると全てが狂ってくるよな。
    特に日本人は、枠を作って自縛しないとダメになる気がする。
    と、一念発起して、何故かゲームプレイに力を入れました。
    Wiiの “戦国無双2” の武将のLVを全員、上限まで上げ
    3DSの “ファンタジーライフ” の職をほとんど “でんせつ” にし
    ものすごい腱鞘炎で、湿布くさいババアになってみたり。

    これだけじゃ、溢れる情熱を持て余したので
    申し訳ございません。ゲーム貯金を崩し、Wii U を買ってしまいました。
    “無双オロチHyper” をやっております。

    でもさ、意味なくゲームをやってたんじゃなく
    心の隙間を埋めるためにやってたんだよー。
    何か、この1か月近くで、ゴッと老けた気がするもん。
    脳みそも、こんがらかるし
    何よりこの休止期間、むちゃくちゃ寂しかったよ、うわああああん。

    私にブログは必要不可欠なものだと、再認識したので
    今後はもちっと謙虚に威張り散らかす事にするよー。
    このブログの次の問題は、この堕落した脳みそを立て直せるかです。

    皆さん、今後もどうかよろしくお願いいたしますーーー。

  • アフィリ投稿テスト

    テストついでにカナダに行っても買い続けてる好きなマンガの紹介。

    [amazonjs asin=”4063842762″ locale=”JP” title=”進撃の巨人(1) (少年マガジンKC)”]

    面白いよ!!!
    アニメもいい。立体起動がかっこよすぎてたまらん。
    9話でいよいよリヴァイへーちょー登場!!!!
    11巻8月発売とか待てない。

    [amazonjs asin=”4063192393″ locale=”JP” title=”ちはやふる (1) (Be・Loveコミックス)”]

    熱い!
    熱い!
    少女漫画な絵だけど恋愛要素ほぼゼロ!
    部活モノが好きな人はぜひ。
    「ヒカルの碁」が好きだった人にもおススメ。
    20巻まで刊行されてますが、まったく失速してません。

    [amazonjs asin=”4063724298″ locale=”JP” title=”ピアノの森 1 (モーニングKC (1429))”]

    この作者さんはほかの作品も読んでるけど、人間描くのがうまい。

    [amazonjs asin=”4091837980″ locale=”JP” title=”あさひなぐ 1 (ビッグ コミックス)”]

    これも部活モノ。
    熱いよ! 熱いの大好き。

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    「エマ」描いてた人の今の連載作品。
    19世紀後半の中央アジアカスピ海周辺の地域を舞台
    描き込みにため息がでますわ……

  • 開店準備中

    ども、管理人のかいねです。

    以前と同じURLを割り当てたので、
    お気づきの皆様がすでにコメント
    くださっているのですが、
    正式にはまだ再開していません。

    細かい調整や、新ブログにあしゅが
    慣れるまでしばらく時間を要します。

    再開宣言があるまでは
    生温い目で見守っていてください。

    不具合などがありましたら
    こちらの記事にコメントください。

    ※正式スタートまでは色々細かい設定を
    いじってますので、1日置いても直ってない
    場合のみ、ご報告頂けますと幸いです。

    よろしくおねがいいたします。

  • テスト2

    コピペじゃなく、直接投稿ページに書いた文。

    行空けチェックのため。

     

    あれ?

    改行すると1行空けになるよね?

    太文字は・・・。

    投稿ページじゃ黒に見える!!!

     

    行空けは文字空けなしのEnter2度推し。

    勧めてどうする、押せ。

     

    ついでに斜文字。 おお!!!

    文字消し。 おおおおお!!!

    小文字コモジ ほお。

    テスト へのリンク おおおおおおおおおお!

     

    ・・・私、アホみてえ・・・。

     

  • 連休前半終了ー

     ・・・全然数が入荷しない心霊DVD争奪戦に破れた私・・・。
    何が “高・近・短” だよ!
    皆、旅行に行ってるんじゃねえんかよ!
     
    (“高・近・短” とは、TVで言ってたんだけど
     今年のゴールデンウイークの過ごし方の特徴は
     近場に短い日数で、ちょっと贅沢に、なんだと。)
     
    行けよ! 旅行に!!!
     
    ・・・でも、連休に心霊DVDを観て過ごす人種は
    きっと旅行が嫌いだと思う・・・。
     
    何故ならば、私がそうだから!
     
    旅行さ、短い期間の方が面倒なんだよな。
    使う化粧品をミニ容器に小分けとか
    何を持って行って何を置いて行く、とか。
     
    そんで、1泊でも大荷物になるんだよーーー。
    まだ化粧品1瓶使い切る期間の方が、諦めがつくよ。
     
     
    と、大荒れしているのは、この3日間の私は
    毛布一周環状線の旅に出ていたからである。
     
    安物毛布な、古くなると周囲の枠布?がほつれてくるんだよ。
    この前ちょっと塗ったんだけど、もう毛布の糸自体が劣化してて
    ブチブチ切れるんで、こりゃ、いずれ一周縫わないとな、と思ってて
    その時が、心霊DVDも借りられないゴールデンウイークで
    もうーーーーーーーーーーーーーー!!!!!
    って気持ち、わかるだろ?
     
     
    この前毛布を縫った時、糸通しは壊れるわ、針は折れるわ
    ブ厚いんで、おおごとしたんだ。
     
    私な、縫い物、大大大の苦手なんだよーーー。
    日本人にあるまじき、不器用なんだ。
    そんな私が、ちゃんとした裁縫セットを揃えるわけもなく
    100均である程度は買っておいたんだ。
     
    そしたらな、糸はケバだっているし
    糸通しの針がねはすぐ切れるし
    そして・・・、針が折れる!!!!!!
     
    折ったのや曲げたの、5~6本あるんで
    それが100均針のスタンダードだと思う。
    不良品にしては、多すぎるじゃん。
     
    折れるのは、糸穴のとこが割れる、って感じだけど
    ド真ん中からポッキリもあるんだよー。
    んで、前に折った糸穴の先の破片、・・・・・見つからなかったんだ。
    危ねえーーーーー!
     
    でもケガしてないんで、掃除できたんだと思う。
    今回は破片も見逃さなかったんで良いけど
    針が折れるってどうよ? という事で
    まずは、ちゃんとしたソーイングショップちゅうの? そこに行ったさ。
     
    そんで、針と糸と糸通しとマチ針で2000円ちょい。
    ちゃんとした物は、やはりそれなりの値段がするんだな。
     
     
    で、縫い心地は、っちゅうと
    ・・・・・・・・・・使ってない・・・・・・・・・・。
     
    100均のがまだあるんだ。
    だからそれがなくなってから、良いのを使う。
     
    バカじゃねえか? と思う人も多いだろうけど
    わかるだろ? この気持ち。
     
    でも、良い針を1本だけ出してみたけど、何か後光が射して見える。
    見分けは付くぞ。
    良い針は、糸穴んとこがゴールドなんだ。
     
    と言う事で、ヤバい針と糸と糸通しで
    慎重にやってたから、余計に時間が掛かった上に
    ゲーム腱鞘炎の部分に負担がああああああ。
    あと、親指と人差し指の爪が痛え。
     
     
    ここまで読んで、気付いた人もいるだろうけど
    そう、毛布の枠布?を裏表貫通させて縫ってたのさ。
    そりゃもうブ厚くて大変だったぜ。
     
    でも裏表2周したくなかったんだよー。
    1周ですませたかったんだ。
    だから強引な返し縫いで、枠布?の淵じゃなく
    ド真ん中をガッスガッス塗ったさ。
    ああ・・・、右の二の腕が筋肉痛・・・。
     
     
    そんな事をやってるから、というのは違うぞ。
    針が折れたのは私のせいじゃねえ。
     
    前に普通の縫い物をしてても折れたもん。
    それに今回は糸通しの時に割れたんだし。
    それも1本だし、あ、でも
    これ、曲がってねえ? という針も生まれた。
     
     
    ・・・ま、いずれにしても私のせいでもあるよな・・・。
    毛布は、もう二度とクリーニングに出せない状態になりました・・・。
    コインランドリー洗いを続けつつ、いつまで持ってくれるかだな。
     
     
    何かものすごくくだらないグチを言っちゃって
    ああ・・・、どうしよう・・・、という気分。
     
    というのも、5月の3日からブログ移転作業の予定だからなんだ。
    ジュゲムでの私の記事は、ここまでなんだよ。
     
    移転のお知らせは、かいねが威厳あふれる記事を明日書くので、それを読んでね。
    ええー? 私に説明、無理に決まってるじゃんよ。
    新ブログも使いこなせるかわからんっちゅうのにー。
     
    移転期間は、私は連休ボケをしてるので丁度良かった。
    この期間中に、病気やら落ち込みやらダラケやら済ませておくよ。
     
     
    では皆さん、予定はあくまで予定で途中変更もありえるけど
    しばしのお別れです。
     
    待っててほしいな。
    別に何の変化もなく、ゲヘゲヘ戻ってくるだけだけど。
     
    皆、元気でなーーー。
     
     

    評価:

    ミササ


    ¥ 7,998

    コメント:何、このときめくレイアウト! こういう枠が決まってるものって実は使いづらいんだけど、美しいよねえ。 コスメ、文房具に次いで、美しい実用品だな、ソーイングセットは!!!

  • 殿のご自慢 27

    豪勢な嫁入り道具とともに、青葉が輿入りをしてきた。
    伊吹と青葉の婚姻は、八島の殿がすべてを仕切った。
    八島の殿の城で、臣下の祝言が挙げられ宴が催されるのも異例な事であった。

    確かに八島の殿は派手好きである。
    だがそれにしても、この待遇は特別すぎて
    誰もが羨むどころか、“その後” にくるものを恐れた。

    青葉は風流な父の下で、行事慣れをしていたものの
    孤児の伊吹にとっては、祝い事、それも自分の結婚、
    しかも想像する事さえ畏れ (おそれ) 多い、恋焦がれたお姫さまとの、
    など、どこからが夢でどこまでが現 (うつつ) なのかさえわからず
    ただひたすら、言われた場所に座って固まるしかなかった。

    高雄はいまだに、この結婚の “言い出しっぺ” として
    何やかやと “世話” をさせられていた。

    気が利く高雄にとっては、そういう雑用は大した仕事でもないのだが
    何よりも参るのは、伊吹の様子であった。

    「よお、高雄、忙しそうじゃねえかあ。」
    廊下で足りない酒の手配までしている高雄に、乾行が声をかける。
    「そんな事までおまえがする必要はねえだろう。
    ちょっと座って何か食えよ、顔が青いぞ。」

    確かに高雄の顔色は真っ青で、気分が悪そうである。
    「いや、これは伊吹の緊張が移ってな・・・。」

    見ると、新郎席に座っている伊吹もカチコチに緊張して真っ青である。
    「ありゃあ・・・、おりゃあ下座だから伊吹の顔色までわからなかったが
    確かに見てると、こっちまで具合が悪くなってくるな・・・。
    あいつも大丈夫か?」

    「うむ、だから伊吹の側に寄りたくないのだ。
    ああ・・・、いかん、見てしまったんで吐き気が・・・。」
    「大丈夫か?」

    高雄を支えながら、乾行は再び伊吹の方を見た。
    大殿は人の心配などをするお方ではないから
    伊吹の様子にも動じてないのもわかるが
    隣の青葉姫も、ただうつむいているだけだ。

    あの姫さん、鈍感なのか冷淡なのか、どっちだ?
    「うう・・・」
    おっと、いかん、誰より繊細なこいつが一番危なっかしい。

    「おまえ、ちょっと奥の座敷で休め。」
    乾行が高雄を抱えようとすると、高雄が止める。
    「いや、いかん、仕事が山のようにあるのだ。」

    「だけど、もう皆すっかりデキ上がっているし
    後は床入りの儀だけだろ?
    あいつ、あんな緊張してて務まるのかねえ。」

    乾行の何気ないひとことに、二人はハッと顔を見合った。
    「・・・いや、普通は知っているはずだ!」
    牽制したのは高雄。

    「おまえのは “知識” としてだろ?
    おまえは知っていても、あいつが知っていると思うか?」
    「いや、いくら何でも、そこまで純情では・・・」
    「あいつがそういう猥談を耳に入れる性格かねえ?」

    呆然とする高雄に、乾行がこめかみを押さえる。
    「・・・何でこの土壇場になってしか、思いださないんだよ?
    一番大事な事じゃねえのかあ?」

    高雄がガバッと乾行にすがった。
    その泣きそうな目に、乾行が後ずさりをする。
    「い・・・嫌だね、あの純情馬鹿に手ほどきなど。」

    「私は色んな用意で忙しかったんだ。
    おまえが城下の女のところに行ってた時も
    俺は式の段取りなどを調整してたんだぞ。
    初夜の事など考える暇もないぐらいにな!」
    相変わらず、高雄の眼力は鋭い。

    「“一番大事な事” なんだろう?
    友の結婚が失敗しても良いのか?」
    高雄の一撃に、乾行は観念した。

    確かに、あのいくさの時よりこっち、ずっと高雄は忙し過ぎた。
    そうではなくとも、こいつらにそういう知恵は回らねえ。
    しょうがねえ、ここは俺の出番、ってとこだろうな。

    「・・・大殿、少し早めに新郎に床準備をさせたいのですが・・・」
    八島の殿の耳元で、高雄が囁く。
    「何故じゃ?」

    高雄はちゅうちょなく理由を告げた。
    「新郎を落ち着かせるためにございます。」
    八島の殿が見ると、伊吹は杯を手に固まったまま青い顔をしている。
    その緊張のせいで、あまり人が近寄らない。

    八島の殿は、ブーーーッと吹き出した。
    そして高雄の耳元で言う。
    「湯殿に乾行を呼んで、“男の心得” も教えさせろ。」

    高雄は、大殿にまで指摘されるとは、と落胆したが
    はっ と返事をして、廊下に出て改めて乾行を呼びに行かせた。

    続く

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    殿のご自慢 28 13.6.4

    殿のご自慢・目次

  • 実際に使っているコスメ

    人が実際に使っている、使いかけの化粧品を見るのって楽しくないか?
    よって今日は、このサブタイトルの記事をお送りいたします。

     
     実録! 私が実際に使用している化粧品たち!
      ~ どこぞの提灯ブログとは違うわいスペシャル ~
     
     
    まずは1枚目、洗顔系。
     
     
     
     
    左後ろはオーブリーの天然コットン。
    漂白してないんで、薄汚い色で茶色い斑点とか混ざってるんだ。
     
      
     
    中央の赤いフタのビオデルマ (拭きとりクレンジングウォーター) や
    右後ろのウィッチヘーゼル (引き締め用化粧水だけど、軽い拭きとりに使用) で
    首周りの拭き取りをする時ぐらいにしか使わないんで、コットンだけは高級なのを。
    と言っても、1袋500円ぐらいだったと思う。
     
    左中央の白いポンプに青い四角のesってのは肌ラボので
    体に塗った日焼け止め用のクレンジングとして
    割に刺激がないし値段も安いんで、何となく買ってる。
     
    その前の青いポンプのが、ハーバーの顔用クレンジング。
    W洗顔いらずで、これ以上にさっぱり洗い上がるを知らないので、ずっと愛用。
     
    右中央のは、どうしても泡洗顔が必要な時
    たとえば鼻だけ洗いたい、とかいう時用のキュレルの泡で出る洗顔料。
     
    顔全体がスッキリしない時は
    中央に小さく写っているコズグロスパという、ジェル状の洗顔料。
     
    どうしても石鹸で洗いたい!!! と言う時は
    右手前のパックス化粧石鹸。
     
     
     
    これが一番刺激がない気がするんだ。
    でもほとんど使わないで、3年ぐらいある・・・。
     
    洗顔系は、ここ何年も同じ顔ぶれ。
    替える必要を感じないので、ここに写ってる全部を
    リピ買い (リピート買い) している。
     
     
    次は顔のお手入れ系。
     
     
     
     
    洗顔後は、まず右奥の馬油か中央のハーバーのスクワランを塗る。
    そして今使っているのは、一番手前の
    ハーブ研究所スパール 山澤清のローズヒップクリーム 4830円。
    こいつ、ベッタベタザラザラして伸びが悪くて
    秋口に使ったらニキビが出来てよお。
    でも真冬だと良い感じにシットリ。
     
    このクリームが終わったら、たまに使う
    左中央のマルティナのハッピーエイジクリームを使う予定。
     
    左後ろは外出時の日焼け止め下地に使うシアバター。
    今は生活の木の無精製のを使用中。
    あ、中央のちっこい茶色は、ナイアードのリップクリームな。
     
    馬油とスクワランとリップクリームは、常備してヘビー使いしてる。
    シアバターはメーカーをあれこれ替えて楽しんでる。
     
    私が使うコスメで定着しない、させたくないのがここのクリーム。
    ケミカルでも天然でも自然派でも、あれこれ使っているのは
    コスメを使う楽しみを、ここだけでも残したいからなんだ。
    ・・・老化してても健康な肌なら、どれを使っても一緒だし・・・。
     
     
    3枚目はボディ用クリームたち。
     
     
     
     
    左奥のオレンジとその前の緑のユースキンは、私のFカップ乳用。
    もうタレてしもうとるんだが、ちょっとあがいてるんだ。
    冬はオレンジ、春夏秋は緑のを塗っている。
     
    中央奥は、299円だっけ? のロッシの馬油クリーム。
    尿素入りがとても気に食わないけど、このコスパを知ったら・・・のお?
    とりあえず、ボディクリームは角質に作用しないのを探し中。
     
    右奥は手がシワっぽい時に使う、コーセーのハンドクリーム。
    その前のは、肌ラボの極潤ジェル・・・。
    ああっ、すいません、皆が顔に塗るのを手に塗ってすいません。
    でも私は顔より手の方が美しいので、手を大事にしたいんですーーーっ!
     
    で、バチが当たったのか、手に赤い水疱が。
    油っこ過ぎるものを塗ると、すぐこうなるんだよ。
    この極潤さ、クリームかと思うて買ったらジェルだったんだ。
    私、ジェルの膜感の成分に不信感があるんだけど、案の定だよ・・・。
    せっかくの美手が台無しだぜ。
     
    ロッシは常備させるつもりだったけど、尿素嫌いなんで断念。
    このグループは全部、定着させるのが見つからない・・・。
    あ、ユースキンがリピ買いされてるか。
     
     
    次は日焼け止め系。
     
     
     
     
    顔には販売終了の左のロート、ふふ・・・2個見つけて買い置きしてるんだ
    を下地に、中央のギシギシ系ハイチオールCを塗っている。
    手にはニベアの顔用の、買って帰って塗ってビックリのピンク色のクリームを。
    もう、首は首巻き、腕はアームカバー、足はズボンだから
    手の甲しか日焼け止めは塗らなくなっただよ。
     
    一番奥のは、鼻の横などのテカリ抑えに
    もう5年ぐらい前に販売終了になった、エテュセのナイトパウダー。
    これも買い置きが、あと2個ある・・・。
    もうヘンな匂いがしてるけど、異常が出ないので使ってるさ。
    エテュセの人、「やめてえええええ!」 だろうけど
    何か起こっても訴えないから心配すな。
     
    日焼け止めも、なかなか定番が見つからないよな。
    ババア用ブランドで、“日中用クリーム” として
    ラインナップされているのを探そうかと思っているんだ。
     
    シアバターでも日焼け止めの乾燥には勝てないけど
    シットリした日焼け止めは、乾燥する日焼け止めに勝つんだよ。
    多分ここは皆、歳を取るほどに旅から帰れない項目だと思う。
     
     
    最後のこの写真、お宝映像だぞ。
     
     
     
     
    ババアに粉ものは禁忌の品なので、鼻周囲ぐらいしか使わないのだけど
    それでも使っても使ってもなくならない一番奥は、シャネルのパウダー。
     
    どれもブランド好きだった頃の名残りの粉たちで
    1個で、今の私の2週間分ぐらいの食費の値段だったんで
    捨てるのも何だから、ちょっとずつでも使おう、と努力している。
     
    右はYSLのピンクパールのパウダー。
    パフの代わりに入れているミニブラシはRMKのコンシーラーパウダー用の。
     
    左中央は、ジバンシィのフェイスカラーパウダー。
    これは関西に来て買ったものだけど、一度も使っておりません・・・。
     
    そしてお宝映像・・・、今はなきインウイのホワイトパールのフェイスパウダー!
    これ、20年前のコスメ好きなら必ず持ってた人気コスメだったんだよー。
    もちろん、一度も使ってない美品。
     
    どれもこれも買ってから10年以上経ってて
    メーカーの皆さんは、「古いの使うのやめてえええええ!」
    だろうけど、美しい実用品って捨てられないんだよね・・・。
     
     
    この他に、工具箱にメイク道具が収納してあるけど
    1年以上開けてないので、パンドラボックスとなっておる。
     
    底に希望が残ってれば良いんだが・・・。
    いや、その前に災いを巻き散らすな、ってか?
     
     
     

    評価:

    東洋スチール


    ¥ 1,485

    コメント:私がメイクアイテムを入れているのは、これの一回り大きめの黒。 軽くて結構気に入ってる。 ブラシ系はハンドタオルやガーゼを敷いて寝せて収納するのが、一番型崩れしないんだってよ。