• ティーンズ・ラブ

    自分の殻は、打ち破るのが好ましい。
    そこでエロ小説を書いてみよう、と思い立った。
    都知事もエロ小説を書いてる事だしな。
     
    ところが私のエロ濃度は、とても低い。
    えげつない下ネタを言う割には、エロの才能がないのだ。
    なので、エロマンガをずっと探し続けてきた。
     
     
    何故マンガ限定なのか、っちゅうと
    齢、数十歳にして判明して、我ながら驚愕しておるが
     
    ・・・2次元エロじゃないと、受け付けんのだ・・・。
     
    都知事、ごめん!
    せっかくエロマンガを規制しようとしていたのに
    肝心の (?) 私が2次元属性でごめん!
     
    ああ・・・、これがエロトピアで培われた実力なのか・・・。
    (エロトピアとは、エロマンガ雑誌なのだが
     男性が描いた男性用エロなので
     女性には突っ込みどころ満載で面白かったのだ。)
     
     
    で、エロマンガというものを、なかなか見つけられなかったのだが
    それは “エロ” という言葉で探していたからであった。
     
    私の望むのは、ストーリーがちゃんとしていて
    キレイな絵のマンガなのである。
    その条件を満たすのは、“ティーンズ・ラブ” というジャンルらしい。
     
     
    ネットの試し読みって、やり過ぎるとシャットアウトされるんだな。
    “データを閲覧できません” と出た時には
    とても情けない気持ちになった。
    イイ歳をして、何をやっとんのだよ・・・。
     
    でも、とりあえず出版社のアタリはついたし
    イイ歳して、レンタルコミックへGO!!!
     
     
    レンタルコミック店のティーンズ・ラブは、コーナーになっていた。
    つまりそこの場所にいれば、エロ目当てだと丸バレ。
     
    うっわーーー、イイ歳にはすっごく不利なレイアウト!
    と、一瞬ちゅうちょしたけど、とにかく借りる!
     
    だけど漫画家の名前とか、さっぱり覚えてない。
    あんだけ暗記したのに・・・。
     
    しょうがないので、いっちょいっちょ中を確認して
    好みの絵柄か、ちゃんとセックス場面があるかをチェックする。
    たまに純愛ものとかが混じっている罠があるのだ。
    純愛ーーー? 何それ、神の起こす奇跡の一種?
     
     
    そうこうやってると、右目の端にチラッと影が映る。
    次に左目の端に。 また右目に。
    どうやら、カラテカ?矢部?似の男性が
    ティーンズ・ラブを借りたがってるようである。
     
    へえ、男性もこういうのを読むんか、と思ったけど
    キレイらしい絵でエロなど、理想的だもんな。
    おめえ詳しそうだから教えてくれよ!
    と、心中で叫んだけど、矢部はすごすごと退場したっぽい。
     
     
    次に現れたのが若い女性。
    私の隣に並んで立つ。
     
    ザカザカ本を取ってパラパラめくっては戻す
    を繰り返している私としては、やりにくくてしょうがない。
     
    もう、いやあああああああっっっ
    これは私の趣味じゃないんだよ
    私には文豪として都知事の跡を継ぐ使命があって
    と、心の中で、えらいな壮大な妄想を叫ぶも
    エロを探しているのは、まぎれもない事実。
     
    おめえ後から来たんだから、ちょっと待てよ
    選べないじゃないか、空気読んでくれよー!
    とパニックになりつつ、その場を離れた。
     
     
    男性なら、アダルトビデオを赤の他人と
    並んで選ばねばならない場面を想像してみてくれたまえ。
    わかるだろう? その気まずさが。
     
    ええ? おまえ、その女が好みなんだー、ププ
    うっそー、おまえ、そういう性癖なの? 引くーーーっ
    とか、ハンター×ハンター級のオーラでの攻防があって
    本当の気持ちのままには選べないだろう?
     
    ああっ、もうこのバトル、無理!
    と、スゴスゴと離脱させられ
    蒼天の拳を流し読みしていて、我に返る。
     
    私、何をやってるんだろう?
    ここへはエロマンガを借りに来ているのに
    続あたたたたたたた!!! ふべしっ を読んでる場合じゃない。
     
     
    そこでティーンズ・ラブコーナーに戻ると、誰もいない。
    再び、本を取ってはめくって戻す、をやり直していたら
    肩をスーッと撫ぜられた。
     
    くそっ、こんなコーナーにいるからビッチに思われたのか。
    でも変態、すっげーこええええええええええええ!
     
    心はこれ以上になく動揺しているのに
    体が、睨みを利かせてゆっくりと振り向いたのは
    私の凶暴性が具現化したとしか思えない。
     
     
    ところがな、誰もいないんだ。
    あれ? と、エロンガを開いたまま、一周ターンしちゃったよ。
    誰もいないんだよ!!!!!
     
    ええっ、ここに来てまさかのオカルト展開?
    と、ゾゾゾときたけど、とにかく借りないと!
    霊より、“恥をかいた上に無収穫” の方が恐いんだ。
     
     
    色んな恐怖に切羽詰って、すっげー目を血走らせて選んで
    ようやくコーナーを出ようとしたら、さっきの女性がまたやってきた。
    カゴには、10冊ぐらいティーンズ・ラブ系が入っている。
    この女性も迷走中のようだ。
    見ると、矢部もガンツのところで待機中。
     
    うんうん、よくわからんよな、ティーンズ・ラブ。
    出来ればおめえらと情報交換をしたいよ。
    と、背中でエールを送りつつ、借りて帰ったさ。
     
     
    は? 霊?
    私、霊感ゼロだから、あれは透明人間だと思う。
    そういうファンタジーより、現実のが大事だろ
    今、色々と大変なんで、よそに行ってくれよ。
     
     
    そういう苦労をして選んだティーンズ・ラブな
    けがれたババアには、落胆ものだったぜ・・・。
     
    ああんいやんうっそ~ん感じる~ん じゃねえんだよ!!!
    幸せそうでまことに良かったな! という感想。
     
    私、ちょっと特殊性癖の持ち主だったかも。
    己を直視するのが恐いんで、掘り下げないけどさ。
    ここまでエロトピアに鍛えられていたとは・・・。
     
    すまん、都知事、私にはエロ小説は無理のようだ。
    跡継ぎはよそを当たってくれーーーーー。
     
     

    評価:

    石原 慎太郎

    新潮社


    ¥ 540

    (2010-12)

    コメント:長文が読めない自主的ゆとりなので、もちろん読んでいない。 本のレビューで 「もちろん読んでいない」 ときたか・・・。 それはさておき、性器で障子を破る男の話らしい。 今の障子紙はプラスチック製のもあるので、前もって材質をよくご確認の上お突き破りください。 確認中に大概のヤツは我に返ると思うが、勇者もいるかも知れんしな。

  • そしてみんなの苦難 3

    主は飛行機の中で、ずっと携帯ゲーム機で遊んでいた。
    レニアはうつらうつらとしている。
     
    現地に着けば、もうひとりガイド兼護衛が付くという話だが
    今は自分ひとりである。
    眠るわけにはいかない、そうタリスが思った瞬間、声がした。
     
    「寝て良いですよー。」
    主がゲーム画面から目を離さずに言ったのだ。
    それがやたら鋭い指摘に思えて、タリスはちょっと驚いた。
     
     
    「いえ、これが私の仕事ですから。」
    そう答えると、主がボタン連打をしながら棒読みで言う。
     
    「そういうの、やめてもらえませんかねー。
     『仕事ですから』 とかー。
     そんなん言われなくとも、わかりきった事だし
     いかにもイヤイヤやってる、って感じで悲しくなるんですよねー。」
     
    「申し訳ございません、今後は気をつけます。」
    「うおっっっ! ああーーーっっっ! やってもたーーーーーー!
     もうー、あなたのせいだからねーーーっ!」
     
    どうやらパーティーが全滅したようである。
    「・・・申し訳ございません・・・。」
    「・・・冗談だってー。
     ヤバいと思った時点で、帰還魔法を唱えなかった私の戦略ミスなんだしー。
     こういう八つ当たりもよくするから、真に受けないでくださいねー。」
     
    無表情で妙な事を言うこの女性を、どう判断すれば良いのか
    迷いに迷うタリスであった。
     
     
    現地は太陽の光が強かったが、日陰に入ると乾燥した風で寒い。
    「暑いんか寒いんか、よくわかんねー。」
    全員が思った事を、主が大声で代弁した。
     
    「主様、思った事を全部口にするのは
     おなたの場合、ほぼ礼儀に反しますから、お止めくださいませ。」
    レニアが冷徹に言い放つ。
    重箱の隅をほじくるタイプの女性である。
     
     
    ひとりのいかつい男が真っ直ぐこちらに向かってきた。
    推定20代後半、浅黒い肌の軍人風刈り上げヘアだ。
     
    多分彼が現地の供だろうけど
    一応タリスは警戒して、主の前に立った。
     
    「よ-よ-、おめら主様ご一行ですだべ?
     おら、護衛ガイドのマナタっちゅうもんだす。
     どか、よろしゅうにお願い申し上げたてまつる。」
     
    何弁なのか、はっきりせんかい!!!!!
     
    誰もが同時に思ったが、自分の言語もおかしい事を自覚している主は
    今度は何も言わなかった。
    多分、彼は精一杯の敬語を使って、礼儀をはらっているのであろう。
     
    「よろしくお願いいたしますー。
     私が主で、彼女はお世話をしてくれるレニアさんー
     彼が護衛のタ・・・タラス?さんですー。」
     
    主はタリスの名をつっかえながら、?付きでも正しく言えなかった。
    人の名前と顔を覚えるのが大の苦手で
    自分の親兄弟の顔ですら、しばらく会わないと忘れるという。
     
    「タリスです。」
    自分で自分を紹介するしかない。
     
     
    「んーだば、まずは宿に行こうですかね。
     車があるきに乗りなっせ。」
    マナタに促がされ、見た方向にあったのは
    見た事もない車種の、古いボロ車であった。
     
    ドアも完全には閉まらないし
    走り出したら、上下にバッコンバッコン揺れる。
     
    「うわ、すっげー、ある意味、ダンシング・カーーーー?」
    また主がわけのわからない事を叫ぶ。
     
    「こっちじゃ良い車は逆に狙われるんですわいな。
     おぬしら、隠密行動なんだしょ?
     こういう車の方が安全保証だぜよ。
     わすはプロヘッショナルですじゃけんのう。」
     
     
    マナタが威張って言うと、主が真面目に突っ込む。
    「そのボロ車に、高貴で美しい裕福そうな女性が乗ってる方が
     いかにも怪しくて危なくないですかー?」
     
    「うんうん、普通はそうだがや、今回は大丈夫なもし。」
    そのマナタの笑顔に主は大らかに笑っていたが、レニアが激怒した。
    「あなた、誰に向かってそんな口を利いているの?
     このお方はとても立派なお方なのよ!」
     
    そのキイキイ声があまりにもうるさいので、主が抑えるよう言っても
    「あなたを侮辱されて黙っているわけにはいきません!」
    と、レニアの勢いは増す一方である。
     
    「ああ・・・もう、何かワヤクチャー・・・」
     
     
    かろうじて4ドア、という小さい車に、4人がギュウギュウ詰めになって
    ホテルへと向かう車内での、主の小さいつぶやき。
     
    この言葉が、今後の日程のすべてを表現している事に
    この時点で知る者は誰ひとりとしていない
     
     
    ・・・わけがなく、そんな事ぐらい全員が容易に予想できた。
     
     
    続く。
     
     
    関連記事 : そしてみんなの苦難 2 11.5.18
           そしてみんなの苦難 4 11.5.24
           
           そしてみんなの苦難 1 11.5.16
           
           カテゴリー ジャンル・やかた
                         
           小説・目次  

  • 光合成をする奥さんを持つ元総理の話ではない。
    鳩だ、ハト、エイチ・エー・ティー・オー・HATO。
    英語か何かで言うところのピジョン。
     
    ルビーでは最高級の色を “ピジョン・ブラッド” と言うのよ
    と、かあちゃんが言っとったが
    私の誕生日にえらいピンクな色のルビーの指輪をくれて
    これは安物のロクでもねえ石だな、と丸わかりで
    しかもその指輪のデザインが、まるで婚約指輪で
    実の母親からこういう指輪を貰うなど
    きっと私は一生、男性から指輪は貰える事はないだろう
    と不吉な予感がして、何とそれが当たっていて
    私はついにノストラダムスを超えた!
    という習慣実話 (いつものいらんカミングアウト) は、関係ない。
     
     
    神社仏閣、公園、観光施設、学校等、場所を問わず
    人が集まるところに、エサ狙い根性丸出しでタカり
    “平和の象徴” と誰が言い出したんか知らんが
    実は肉食でえらい獰猛だ、という噂が出る裏表の激しい鳥
     
    ツインテールが似合ってた幼女な私が
    慈愛の精神でエサを持って行ったら
    ヒッチコックの映画の “鳥” 級の数で襲い掛かり
    まるで全身から鳩が生えた状態になり
    泣きべそをかいてるのに、空気を読めない白人夫婦が
    喜んで写真を撮りまくってくれたお陰で
    世界中の白人が嫌いになる、というトラウマを背負い
    かあちゃんには服を汚した、と怒られる原因になった鳥
    場所は確か浅草寺。
     
    このように、はらわたが煮えくりかえる逸話しか出てこない鳥
    それが鳩。
     
    私は食うのも見るのも全般的に、鳥は嫌いである。
    ハシビロコウだって、モニター越しに眺めるのは楽しいけど
    目の前に現れてみい、死を覚悟する程の恐怖だと思うぞ。
     
     
    うちの近所のマンションには、朝、鳩がタカっている。
    1戸あたり平均3羽ぐらいのランダムさだったが
    鳥嫌いなんで、うわ、ヤだなあ、と思っていた。
     
    それが、うちのマンション前の道路を
    まるでガソリン税を納めているかのように
    デカいツラをして、2羽連れ立って歩いてて
    私 が 避 け た
    のは、地球最強の人類の資格を失ったかも知れんが
    あいつら、自転車2台で並んで走るおばちゃんレベルで
    あんたが避けないとダメ!オーラを出してるんだよ。
     
     
    それが、3月だったか4月だったか雨の日に
    公園 (例の特殊キャラが集う、あの) に集合してたんだよーーー。
    え? 今日、鳩のメーデー? って思うレベルの、尋常じゃない数で。
     
    うちの周辺にこんだけの鳩がいたんか?
    と、それもショックだったけど
    こいつら絶対に、良からぬ話し合いをしてる!
    と、確信する不気味さだったんだ。
    マジであれ、何の集会なわけ?
     
     
    こういう恐怖体験があったので、近所で見かける鳩には
    より一層、警戒心を持って
    簡単に言うと、ビビって逃げていたんだ。
     
    だから、うちのベランダに鳩が2羽とまっていた時には
    鳩側からは、うちの部屋に “ムンクの叫び” が
    飾られているように見えたはず。
     
    そのぐらい、ヒイイイイイイイイイイイイイイッッッ
    と、なったんだよーーーーーーー!!!!!
     
     
    どどどどどうしよう? と、ウロたえまくった結果
    ベランダにCDを吊るしてみた。
     
    数十年生きてきて経験を積んだ色彩兼備あれ?
    何だっけ? 普段言われないから忘れたなあ
    とにかく麗しく気高く天才な熟女の熟慮の結論が、CD吊るしなど
    もうさっさと死んでも、誰にもどこにも1mmも支障なし、だが
    とにかく、それをしたのだ。
     
     
    ・・・CDな、ものすごく効くよ・・・
    更年期で目が光に弱くなったババアに。
     
    私が! 私の目がっっっ!!!
     
    ・・・もうベランダには近寄りたくない・・・。
     
     
    鳩を追っ払わんと、住人を追っ払ってどうすんだよ?
    という事情で、CDはさっさと外したさ。
     
    鳩、あれから目撃はしていないけど
    私の目を盗んで、ちょいちょい来てるかも知れない
    と、被害妄想に陥って、正直家に帰りたくない・・・。
     
     
    私の家族は私を追い出すのは簡単なんだな、と、わかったよ。
    うっとうしくなったら、すぐに追い払えるなんて
    理想的な女なのに、何故にモテないのか
    不思議・・・でも何でもないところがまた、物悲しい・・・。
     
    とにかく私は鳩が嫌いだ。
     
     

    評価:

    サンダース


    ¥ 3,440

    コメント:正直ほしい・・・。 狂おしく欲しい・・・。 だけどこれを使ってる私は、ほぼ100%ヤバい人に見えるだろうから、買・え・な・い・んだよ、ロッケンロー!!!

  • そしてみんなの苦難 2

    主は時間に厳しいお方だ
     
    そう忠告されなくとも
    タリスは約束の30分前には、スタンバイする男である。
     
    しかしその日は、見た目にはわからなくとも
    期待と緊張が心の中で交錯していた。
    まるで心霊スポットに探検に行く時の気分である。
     
    そしてその “心霊スポット” の部分だけは、当たっていた。
     
     
    黒塗りのリムジンが到着した。
    タリスはいつもの直立不動ポーズをとったが
    心なしか、かなり体が硬直している。
     
    後部座席のドアが、助手席に乗っていたボディガードによって開けられ
    ピンヒールのパンプスを履いた美しい形の脚が、揃えられて出てくる。
    現れたのは、濃い紫のスーツを着た派手な女性。
    降りたかと思えば背を向けて、車の中に手を差し伸べる。
     
    その手を取って出てきたのは
    ニットにジーンズとスニーカーの痩せ細った女性だった。
     
    タリスには、どっちの女性が主かすぐわかった。
    東洋人はこの国にも多いけど、どう表現すればいいのか
    あえて言うと、“異質感” みたいなものが漂っていたからである。
     
     
    「いいですかあたくしが説明した事を守ってくださいねガイドや護衛を困らせるような事をしないように勝手な行動をしないようにひとりで出歩こうなどもってのほかですからねニッポンやここと違って治安が良くない場所ですからくれぐれも気をつけるんですよそのためにもガイドや護衛の言う事をちゃんと聞くんですよそしてあまり表沙汰になるような事はしないようにうんぬんかんぬん」
     
    その後から降りて来た女性が、ジーンズ女性に延々とまくしたて
    その様子を見て、タリスは不安になった。
    どうやら主様はかなりの破天荒ぶりらしい。
     
     
    「主、ご機嫌は如何ですかな?」
    将軍までやってきた。
    「はあ、いたってフツー? ってとこですー。」
     
    その間延びした喋り方と言葉遣いを聞いて、タリスは失望を感じた。
    館の主とは、こんな奇妙な女性なのか・・・。
    祖父たちがいた、その秘密めいた館に対する憧れが
    粉々に打ち砕かれた気分になった。
     
    振り返った主は、将軍の格好を見て何故か喜んでいるようだ。
    「って、あなた軍人さんでしたかーーー!
     早くおっしゃってくださったら、兵器視察とか行きますのにー。」
    「いえ、来なくて良いですから・・・。」
     
     
    このやり取りに少し、ちゅうちょしたものの
    タリスは将軍に近付いて行って敬礼をした。
     
    「今回の旅の供をするのは、彼です。」
    色んな動揺をしているところに、急に将軍にふられたので
    慌てて再度、主に敬礼をして名乗る。
    「タリスと申します! サー!」
     
    主は将軍の顔を無表情で見つめ、将軍は目を泳がせる。
     
    ・・・・・・・・・・・・・・・・
     
    真正面を見ているタリスが、その空気を敏感に感じ取り
    疑問に思い始めたところで、主がやっと応えた。
     
    「はいー、この度は面倒な事をお願いして申し訳ございませんー。
     どうぞよろしくお願いいたしますー。」
     
     
    主が深々とお辞儀をし、その丁重さにタリスは一瞬驚いた。
    将軍に無礼な口を利いて許される身分の人物が
    一介の士官である自分に、丁寧に挨拶をしてくれたのだ。
     
    しかし頭を上げた後に、主は再び将軍を無表情で見つめる。
    東洋人の表情は、ただでさえ読み取りづらいのに
    主の意図が何なのか、タリスにはさっぱりわからなかったが
    決して目を合わせようとせずに、汗を拭き始める将軍は
    どうやら主に対して、何かヘマをやらかしたらしい。
     
     
    「さ、飛行機の時間が迫っていますので、急がないと。」
    派手な女性が、後ろからせかす。
     
    「では、私はここで失礼しますよ。
     良い便りを待っています。 お気をつけて。」
    将軍はそそくさと退場して行った。
    主に睨まれにやってきたようなものである。
     
     
    旅のメンバーは、主と主の世話係の女性とタリスの3人である。
    先ほどの口うるさい女性が、旅行中の世話係のレニアである。
    お供にはデイジーが付いて来たがったが
    館の雑用を仕切らなければならないので、レニアが任命されたのであった。
     
    レニアは50代の堅苦しい女性で、主様信奉の強い女性である。
    今回の旅の真の目的と手段は聞かされてはいないが
    その忠誠心と口が堅いところ、詮索をしないところ
    そしてきちんと、主の “しつけ” もしてくれるので
    旅のお目付け役として、リリーに見込まれたのであった。
     
     
    3人を乗せて、飛行機は離陸した。
     
    空を飛ぶ機体を、高速道路を走る車の中から見上げながら
    将軍の胃は、キリキリと痛んでいた。
     
     
     続く。
     
     
    関連記事 : そしてみんなの苦難 1 11.5.16
           そしてみんなの苦難 3 11.5.20
           
           カテゴリー ジャンル・やかた
                  
           小説・目次  

  • ユニクロ カーゴパンツ

    ユニクロは、ユニクロ製品のレビューを書いてる人に
    ぜひ、うちのこれこれについて記事を書いてくれ
    と、メールで頼むそうな。
     
    自 腹 で買って使用レポのブログを書いて、と。
     
    これが不思議と断る人はいない、と
    TVでユニクロの人が言ってたけど
    レビューをお願いするのなら、その商品を貸し出すぐらいしろよ。
     
    買ってー買ってー宣伝して回ってー皆に褒めて歩いてー
    って、売る側には理想的な展開だろうけど
    それをTVで自慢するなど、消費者側からは感じ悪いぞ。
     
     
    で、私は今からユニクロのパンツについて
    嘘偽りのない個人の感想を書くけど
    うちにも送ってくれるかな? 記事書けメール。
     
    そのメール、ブログにアップするんで
    送ってきたら、公開を了承した、とみなすぞ。
    もちろん個人名等は伏せるから、そこだけは大丈夫だ。。
    (ここまで言ってるのに送ってきたら、あっぱれだよな。)
     
     
    今、主に履いてるボトムスは
    1~2万円台のジーンズやパンツで
    何年も何年も履き続けていて、そろそろ新しいのを、と思った。
     
    さあ、上の文章の要点はどこかなー?
    何年も何年も同じパンツを履ける = 体型が変わらない
    つまり、どんなに歳を取っても
    ナ イ ス バ デ ィ のままの わ・た・く・し
    これですよー、間違えないようにねー。
     
     
    で、ド貧乏なんで、しまむらに行ったところ
    980円ぐらいでジーンズとかあったけど
    ものすげえ生地が薄いんだよ。
     
    ああ、安物は生地の厚みが違うんだな、と理解したので
    次にユニクロに行ってみた。
     
    ユニクロのジーンズは、しまむらよりは厚かった。
    ジーンズとカーゴパンツを買ったけど
    どっちも3980円ぐらいで、中程度の生地厚。
    ボトムスの生地の厚さは値段に比例するんだな、と実感できた。
     
     
    どっちも1サイズ大きめを買ったんだが
    これがな、試着した時には気付かなかったんだけど
    歩いていると、どんどんズリ下がってくるんだよ。
     
    カーゴパンツはまだ大丈夫なんだけど
    何故かジーンズがダメなんだ。
    このジーンズ、美脚デザインとかうたってたけど
    本当に美脚な私には、足引っ張りにしかならない。
     
    股上が浅いデザインで、腰で履くやつなんだけど
    生地がしっかりしていないんで
    シワが寄ってズリ落ちる状態になるんだ。
     
    股部分にシワがよるなど、美脚どころじゃないんで
    ベルトでギュウギュウ締めて、ズリ上げにゃならんで
    せっかくのゆったりサイズが台無しだぜ。
     
     
    ちなみに普通の値段のジーンズも
    いつもサイズ大きめを買うけど、こうなった事はないので
    わざわざ違うサイズを着といて文句を言うな、とは言わせないぜ。
     
    何でサイズが何年も変わらないのに、大きめを買うかっちゅうと
    ジーンズで言えば、一番美脚に見えるのは細めストレートなんだよ。
    だけどストレートって、ものによってかなりラインが変わるんで
    今は、流行っているスリムの方が選びやすい。
     
    スリムタイプのデザインは、足が細すぎる人や
    細すぎなくても形が悪い人は、正直キレイに見えない。
    私は足が細すぎるので、スリムの1サイズ大きめが
    足の細さをカバーして美脚に見えるんだ。
     
    ああ、すまん、実際に美脚なんで “美脚に見える” は間違いだな。
    “より一層、私の足の美しさを引き出す” んだよ、
    1サイズ大きめのスリムが。
     
     
    最近、巷ではピッタピタのスリム履きをよく見るけど
    足が細すぎるのって、正直気持ち悪いぞ。
    細い = 美脚 ではない。
    客観的に足のラインを見て、パンツのシルエットを選べよ。
     
    上半身にボリュームを持たせたら、頭が小さく見えるだろ。
    でも、それをするとボトムスが貧弱に見えるんで
    ある程度は足も太さがないと、バランスが悪くなる。
     
    こうやって全体で見て、デザインを選ぶべきで
    私はそれをやってるつもりだけど
    出先の鏡で、いつもギョッとするのが不思議だ・・・。
     
    離れて見るその距離でも、イメージが変わるんだろうな。
    そこまでいくと、素人には無理だよな。
    私は、全方位ナイスバディは諦めたぜ。
     
     
    あ、言い忘れた。
    私はナイスバディだが、それも一般人にしては、で
    プロモデルレベルではなくって、結構ギリギリなんだ。
    だから常に、どうしたら体型がより一層
    美しく見えるかを考えて、服を選んでいるよ。
     
    何でいつもいつも、いちいちこういう言い訳を書くかっちゅうと
    この記事だけ読んで、反感を持たれて
    批判コメントを書かれるのを避けるためだ。
     
    皆、私は一応はわきまえてるぞ。
    それでなくとも、“自称” は誰が書いてても4割引きで読め!
    ニトリ以上にお値段異常だから。
    これが円満なネットライフのコツだ。
     
     
    あ、すまんすまん、ユニクロの話だったな。
    ベルトに新たに穴を開けさせられたぞ!
    ギューーーッと締めると、ズリ下がってこないから。
    ローライズをベルトで腰に押さえつけるって、結構、無理だった。
     
    きっとベルトいらずのピッタリサイズを買っても
    履いてる内に、あの厚くない生地が伸びて
    同じような状態になるだろうから
    股上浅めのパンツは、生地が厚いのを選ぶべきだと
    ものすごく勉強になったよ。
     
    この貧困の最中なのに、勉強させてくれて
    どうもありがとう、ユニクロ!
     
    そういうギュー締めをやってたら、ベルトが2本傷んだんで
    買わなきゃいけなくなって、余計な出費だけどな。
     
    ベルト、ユニクロのパンツより何千円も高いんだがな!
     
     
    あと、もういっちょ言いたいけど
    ユニクロ、おめえんちの鏡、映り良すぎ!
     
    わたくしって美しすぎる脚ババア・・・、と洗脳されて
    調子こいて買って、履いてたけど
    外の鏡じゃ、それほど美脚に見えねえぞ。
     
    いや、実際にはほんとに美脚なんだけど
    おめえんちの鏡は、ちょっとヨイショしすぎだな。
     
     
      

    評価:

    ロイヤル通販


    ¥ 1,280

    コメント:ちょ、ここここれ欲しい!!! (もはやレビューではなし) 白髪染めやヅラ装てん等、ご年配には重宝されるに違いない。 こういう形態の不安点は蝶番だな。 古くなると緩くなって、使用中に自然に折りたたまって脳天チョップとか、ならんでくれよ。 (勝手な想像でエア・クレームとか)

  • そしてみんなの苦難 1

    ジャンル・やかた 71 10.4.14 から始まる迷惑のひとつ。
     
     
     
    「きみは “館” を知っておるかね?」
    高級そうなデスクに両肘を付き、偉そうに質問をするこの中年男性は
    長老会のメンバーで、主言うところの “威圧感のある紳士” だ。
     
    彼は国防軍の将官である。
    クリスタル州の軍は、下士官にいたるまで全員
    クリスタル州出身者のみが配属されるという、異例の地なのだ。
    彼の家は代々軍人の家系で、彼の息子たちもまた軍人を目指している。
     
     
    「存在は知っております! サー!」
    直立不動で答えたタリスもまた、クリスタル地方の出身だが
    この地方の者なら誰もが、館の事を知っているわけではない。
     
    多くの者たちは、そういう館がある事すら知らないのである。
    知ってはいても、孤児施設程度にしか思わず
    詳しい内情を知る者は、ほんの一握りであった。
     
     
    タリスが “館” という単語を知っていたのは
    彼の祖父祖母が館出身者であったためである。
     
    祖父祖母は館で知り合い、結婚をするために館を出た。
    館出身者には黙秘の掟があり、それを破る事は
    今後、他の者が館を出られなくなるだけでなく
    喋った自分の命までも危ないわけで
    その義務を背負い、ふたりは館の事は一切語らなかった。
     
    だが孫と釣りに行った時に、山の向こうを見つめながら
    「あそこで、ばあさんと出会ったんだ・・・。」
    と、ポツリとひとことつぶやいてしまう。
     
    その時の祖父の目の寂しげな光が、タリスにとっては
    妻との出会い、というロマンチックな思い出とどうしても結びつかず
    まだ幼かったタリスは、その “山の向こう” が脳裏に焼き付き
    成長を続けても、事あるごとにその地域を気にしていた。
     
    祖父の様子と、何を訊いても答えてくれない頑固さに
    聡明な子供だったタリスは、質問を一切止め
    地図を見たり、近くに “釣り” に行ったりと、控えめに調べていった。
    お陰で、“館” の存在だけは知る事が出来たのである。
     
     
    ふむ、彼の祖父たちは館の秘密を守っていたようだな
    タリスの様子を見て、威圧紳士は悟った。
     
    “行く先の土地に詳しく、監視 兼 護衛になる知的イケメン”
    この、主の要望について話し合っていた時に
    長老会メンバーの全員が、こちらをチラチラ見る。
     
    彼らの言いたい事はわかる。
    他国に詳しくて護衛になれるなど、軍関係者が最適である。
     
    『それは良い方法かも知れない』 などと
    賛同してしまった己の言葉にも、責任を取らなければならない。
    この数日間、威圧紳士は士官リストを睨み続けてきた。
     
    コトはそう単純ではないのである。
    ある程度の館の事情も知らせなければならないので
    上官の意思に逆らわない忠誠心と、秘密を洩らさない口の堅さも必要である。
     
     
    ここで浮かび上がってきたのが、タリスであった。
    評価は生真面目で几帳面という、正に軍人の鑑のような性格である。
    しかも祖父祖母が館出身なら、家族の名誉のためにも口を閉ざすであろうし
    軍人にしては、知的でハンサムな方だと思・・・う・・・?
     
    威圧紳士はパソコンで検索したジェームス・スペイダーの画像と
    タリスの写真を交互に見比べつつ、迷いながらも決定したのであった。
    そのジェームス・スペイダーの画像は
    主の望む “昔” のではなく、現在の姿であった。
     
     
    「きみに特殊任務を与える。」
    「はっ!」
     
    真っ直ぐ前を向きつつ、声を張り上げるタリスは緊張した。
    この基地での最高位の将官の部屋に入った事など初めてだし
    直々のお達しなど、まずありえない事なので
    余程の重要な極秘任務なのだと感じていた。
     
    「館には、“主” と呼ばれる管理者がいる。
     その主が次の管理者を選ぶために、某国に旅立つ。
     きみには主に付き添って、監視と護衛、世話をしてもらいたい。
     主の事は、私と同等に扱うように。
     この任務とこの任務で見聞きした事は、すべて他言を禁ずる。」
     
     
    タリスは生粋の軍人なので、質問はしない。
    言われた事を淡々と、だが確実にこなすだけである。
    しかしこの任務には、内心疑問だらけであった。
     
    多分、この某国の言語を大学時代に少し勉強していたので
    今回の旅の護衛には、自分が選ばれたのだろうが
    それにしても、次の管理者選びの旅?
    一介の施設の管理者を将軍と同等に扱え?
     
     
    子供の頃に抱いた、祖父の表情への疑問と同じ感覚が
    タリスの脳裏によみがえった。
    “館” には、とてつもない秘密があるようで
    それがタリスを惹きつけている事は間違いない。
     
    正直、旅が待ち遠しくてたまらない。
    “館” の一部に直に接する事が出来るのだ。
     
     
    タリスは、はっ、と敬礼をして部屋を出た。
    廊下を一直線にズンズンと進む。
     
    感情を律する事を美徳とする、四角四面なその男の心には
    子供の頃に感じたっきり、すっかり忘れていた
    走り出したくなるような、あのワクワク感が蘇っていた。
     
     
     続く。
     
     
    関連記事 : そしてみんなの苦難 2 11.5.18
           
           カテゴリー ジャンル・やかた
           
           小説・目次  

  • 文房具

    私が愛するものは、実用品である。
    化粧品は実用的なのに美しいので、激しく寵愛している。
     
    このように文房具も大好きなのだが
    実家ではドイツ製の色鉛筆やパステルや絵の具が眠っている。
    現生活に必要がないのなら、それはもはや実用品ではないのだ。
     
     
    このように、好きでも実用しないと冷徹に切り捨てる私の住居は
    殺伐としているらしい。
    “らしい” というのは、自分ではそうは思わないからである。
    細々とした実用品に囲まれて、とても落ち着く空間なのだが
    人が言うには、「潤いがない」 んだと。
     
    何を “潤い” とするのかっちゅうと、どうやら装飾品のようだ。
    絵や花、人形や花瓶や皿とかを飾らにゃならんらしい。
     
    高校生の時に、「花を飾る気持ちがないとダメよ。」 と
    親戚のお姉さんに諭されたのだが
    まさかババアになってまで、同じ事を言われるとは思わなかった。
     
    高校時代はそう言われて反省して、ブルース・リーのポスターを貼った。
    上半身裸で、黒光りした傷だらけの肌のやつ。
    多分、“怒りの鉄拳” の時のだったはず。
    しかし人物の写真というのは、壁に貼るととても不気味で懲りた。
    どこから見ても目が合うのが恐いのだ。
     
     
    今思えば、とことん間違った方に潤いを求めていたとわかる。
    いや、ブルース・リーに何の潤いを求めて良いのかもわからんが
    無難に人形でも置いときゃ良かったのだ。
     
    だけど、人形は写真より恐い。
    てか、もう “人” の絵や写真や模造品は、全般的に恐い。
    もっと言えば、ぬいぐるみも危険だと思う。
     
    私のなわばりには、そういう見るしか出来ない役に立たん
    しかも恐いかも知れん物は、何ひとつ置きたくないのだ。
    植物はそもそも嫌いなんで、ハナから除外である。
     
     
    潤いとか、私の脳には理解できんものには反論せんが
    ちょっと書くものある? と訊いたら
    立ち上がって、引き出しや棚を捜すのもどうかと思う。
     
    メモとペンなど、うちで所望されたら3cmも動かんと瞬時に出せるぞ。
    それも白紙か便箋かノートか付箋かコピー紙か厚紙か色紙か
    シャープペンは3mmか5mmか9mmか
    水性ペンは5mmか8mmか10mmか
    ボールペンは細字か中字か太字か極太字か
    鉛筆は6Bから2Hまで取り揃えているし
    色鉛筆はステッドラーの36色
    パステルはノーベルの24色
    ロットリングは5mmと8mm
    水性ペンは24色和の色セットもあるし
    マーカーはデザインに使うやつじゃなく
    アンダーライン用のだが、9色取り揃えている。
    修正テープも3種類の幅を用意しているし
    接着テープは、ビニール3色プラスチック?2種類
    両面テープは極細と普通幅と2種類あるし、ホッチキスは大中小
    のりも青いのと白いのと瞬間接着剤と木工用がある。
    消しゴムは実用と可愛い ( ← これが潤いか?) のと数種類。
     
    はっ・・・ と気付いたら延々語っているが、まだ語り足りん。
    皆うちに図画工作をしに来やがれ!
     
     
    あっ、ひとつ自慢したいがな
    19歳の頃だったかな、万年筆を買ったんだ。
    極太のペン先ので、カートリッジ式のやつ。
    全面黒の革張りで、名前も入れてもらった宝物だ。
    当時の身分ではえれえ高かったけど
    大事に手入れをしながら愛用して、今でもそいつが現役だ。
     
    何故、各種筆記用具に極太が必ず入っているか、っちゅうと
    筆圧が高いので、紙もペン先も傷めてしまうからである。
    ロットリングの1mmと3mmは、即効で潰してしもうた。
     
     
    何が言いたいんか、相変わらずさっぱりな内容になってしもうたが
    とにかく実用品が大好きなのは、わかってもらえたと信じて
    ここにキーボードを置いて去る。
    山口百恵の引退コンサートのように。
    (ここらへんの表現の古さがババアだよな)
     
    ・・・実用好きなのに、何故PC系は好きになれないのやら。
    むちゃくちゃアナログな古いタイプの人間、って事か?
     
     
     

    評価:

    ファーバーカステル


    ¥ 8,600

    コメント:正直、使った事なし。 値段を見よ、買えるか? だったらアフィるなよ、と突っ込まれそうだけど憧れのメーカーでなあ。 重ね塗りがキレイなんで、水を使わなくても水彩をお勧めする。 油性はテカるんだ。 くれぐれも言うとくが、素人は描いた絵を人に配るなよ。 その行為、絶対に口には出せんけど激しく迷惑だぞ。

  • 痛がっても良いんだよ

    ブスがモテる方法 11.4.7 のコメント欄で
    批判コメントが付いてたのを見つけた時に、まず私がしたのは
    ああああああああああああああああああ
    と、床にうずくまる事。
     
    さっきまで連休ボケで、ああダリぃ・・・とか
    尻を掻きながら、よっこらしょっとパソコンの電源を入れ
    ツイッターで、しょうもないツイートをしてたのに
    たった1コメントで、奈落の底!
     
    おい、人格全否定されてるよ
    どうすんだよ、この生きていたくなくなった感・・・
    取り繕えねえよ、このショック
    記事、書けねえよーーーーーー!!!
    と、悩もうとした時に、ふと思った。
     
     
    いやな、批判とか罵倒、結構あるんだよ、ここ。
    上の記事だって、苦情が出て当然の内容だろ?
    そういう事ばっかり書いているんで
    「死ね」 とか来るんだ。
     
    で、いつもは黙って耐えるか、ひどい時には友達に電話をして
    「ねえ、私の事、好き? 好きって言って! (注: 相手は女性)
     辛い事があったから、とにかく慰めて!」
    とかやっていたんだよ。
    (私の友人知人、ほんと忍耐強い。)
     
     
    駅とかで転んでも、皆、恥ずかしそうにすぐ立ち上がって行くけど
    痛いんなら無理して動かない方が、と思うんだ。
    私、一度、心斎橋の地下でこけて
    いってえええええ! と、うずくまっていたら
    通りがかりの人が心配してくれたぞ。
     
    まあ、そういう恥知らずな事をやっとるのは
    私ぐらいのものかも知れんけど
    痛い時は痛い、って言って良いんじゃないんかな。
     
    ブログの記事で好き放題言ってるんだから
    こういう時も感情を隠さなくて良くねえ?
     
    見てもらおうじゃないか、私の号泣を
    アホウな事ばかり書いたら、アホウと言われるのは当たり前
    だけど刺されりゃ、やっぱり痛いんだよ!
    さあ、のたうち回るよーーーっ
     
    と、今回はツイッターやブログで
    傷付いたー傷付いたー、と大騒ぎをしたんだ。
     
    普段の暴言の結果まで、ちゃんと見てもらおうと思って
    自分のみっともない姿をさらけ出したつもりなんだ。
     
     
    いや、こういう、言いたい放題をしている限りは
    批判が来るのは覚悟しているんだけど
    どうしても慣れずに、いつも新鮮に傷付くんだよ。
    正直、寿命もリアルに縮んでると思う。
     
    だけど罵倒する人も傷付いてるんだと思うと
    ガードするのは卑怯かな、と。
    最初に仕掛けたのは、多分私の方 (記事を書く) だから
    反撃するのも、自分の土俵内だから不公平だし
    もう、素直に痛がって、ごめんね、と言おうと思うんだ。
     
    ただ痛すぎて、そこにばかり気を取られて
    斬りつけてきた武器が、カッターナイフなのか包丁なのか
    わからないのが、今ひとつ進歩しない理由だと思う。
     
    原因がわからずとも、反省って漠然と出来るものなんだな。
    反省しているのに更生しないのは、ほんと頭が悪い証拠だ・・・。
     
     
    結果、どうなったかっちゅうと
    たくさんの人が心配してくれて、慰めてもらえたんだよ。
     
    これは意外だった。
    ツイッターで、あんな見苦しく叫んだんで
    誰も近寄らないだろう、と思っていたのに
    うちのブログ、アホウか病人か変質者か鬼畜しか来ないのに
    皆、それぞれの気遣いをしてくれるんだ。
     
     
    お陰で立ち直りどころか、天狗にまでなっちゃったよ。
    胸の痛みがこんなに早く取れるなんて、初めてだよ。
     
    あ、傷付いた時って、胸、本当に痛むよな?
    ヘンな宙に浮いたようなモヤモヤした痛みがあるよな?
    動悸もリアルにするよな?
    前頭葉、おでこの上あたりからスーッってなるのは
    血の気が引いてる、って事だよな?
     
    ババアになるとよ、ここらへんのショック反応が
    マジ疾患と見分けが付かなくて、不安なんだよ。
    ほんと私、命を賭けてこのブログを書いてる気がするぜ・・・。
     
     
    本来なら、1ヶ月はふとした時に思い出して
    胸がキュウッってなったりするんだけど
    今回は10日ぐらいで済みそうだ。
     
    本音を言うと、野放しにしてたらどこまで増長するかわからんので
    たまにこうやってギャフンと言わされた方が
    私のためにもなる・・・と思うんだけど
    現実的に体が付いていかない。
    ・・・ああ、そうか、だから年寄りは引っ込んでた方が良いんだな?
     
    なるほど、そうだったのか。
    だけど、床の間で生き腐れをするぐらいなら
    長堀橋ですっ転んでいたいんだ。
    人と、愛や罵倒のやり取りをしたいから。
     
     
    だから私は今日も調子をこく。
    そして痛いと泣き喚く。
     
    ・・・ああ・・・、いい迷惑・・・
     
     
     

    評価:

    Henckels (ヘンケルス)


    ¥ 1,980

    (2009-07-01)

    コメント:うち、安物包丁しかないけど、やたら切れるのがあって、よく見たらヘンケルだった・・・。 そりゃもう驚いたよーーー! さすがドイツの職人技だよな! ハサミも飛び抜けて切れるのがヘンケルで、その、いつの間にか周囲にあって、バッキバキにキメてる仕事ぶり、ほんとタダものじゃねえよ、ヘンケル。

  • サラダ玉ねぎ

     玉ねぎって辛いだろ?
    “つらい” じゃないぞ、“からい” だぞ
    玉ねぎにまで傷付くなよ。
     
    で、ナマで食べる時は水にさらすんだけど
    私の場合、それで辛味が取れた事がない。
    水っぽく薄味で辛いんだ。
    しかも栄養が根こそぎ水に溶けてなくなっている気がする。
    それ、食う意味ねえだろ。
    食い物は大事にしなさい!
     
    何が間違ってるのか、よくわからんが
    ナマで辛けりゃ炒めりゃ良いじゃない!
    と、アントワネット気分で
    自分の失敗から目を逸らし続けてきた。
    努力したくがないために。
     
     
    それが、“サラダ玉ねぎ” なるものが出たんだよ!
    ナマでも辛くない、という触れ込みだったんで
    ものすごく心の底から期待して買ったさ。
     
    本当にナマでも辛くないんだよ!!!
     
    ああ・・・、私はもうこの玉ねぎしか買わない!
    と、堅く誓ったけど、このサラダ玉ねぎ
    一時期しか売られないんだ。
    この年中、あらゆる野菜が入手できるこの時代にさ。
     
     
    さあ、もうわかったな?
    今まさにそのサラダ玉ねぎが売られているぞ。
    皆、スーパーに買いに走れ!
     
    あ、言い忘れたけど、・・・なんてね。
    本当は最初に言いたかったが、もったいぶったんだ。
     
    この玉ねぎ、熊本産なんだよ。
     
    でも関西では、売ってるぞ。
    もちろん熊本でも。
    その他の地域はわからんので、店員さんを問い詰めろ。
    あ、待て、アフィリを貼るから、そこで買ってくれ。
     
     
    にしてもなあ、熊本に言いたいよ。
    おめえんとこな、美味い物は
    河内みかん牛深ポンカン植木スイカ
    そして、このサラダ玉ねぎ
     
    売ってる時期が短すぎ!!!
     
    そりゃ “旬” っていうのは、そういうものだろうけど
    だからこそ美味いんだろうけど
    ほんっと、年中食いたいんだよーーーーーーっ!!!
     
    どうにかしてくれんかのお
    バイオでも遺伝子操作でも、あの美味さを保ってくれたら
    不自然で良いから。
     
    だって美味いものって、体に悪いじゃん
    そこは自己責任で覚悟して食うから。
     
     
    真剣にそう願うけど、制限があるから
    余計に美味く感じるんだろうな。
     
    ・・・・・・・・・
    もしかして毎日更新しているこのブログが
    人気がないのは・・・・・ニヤリ 
     
    皆、面白くなくてごめんね、希少価値がないからだよね?
    (あくまでも自分の文章力を否定しない。)
     
      
    天国のママン、おめえの愛娘は
    またひとつ、小ずるい言い訳を思いつきよったぞ。
    育て方を大幅にミスったな、とほほ。
     
     
    JAあしきた「サラたまちゃん」(秀)10キロ

    JAあしきた「サラたまちゃん」(秀)10キロ

  • 原発の廃炉案

    真面目に、原発の廃炉についての
    ソースやデータ付きの記事を書こうと
    ずーーーっと調べてたんだよー。
     
     
    原発を廃止しよう、っていう意見はわかるよ。
    でも廃炉にするには、1基あたり5000億円以上掛かって
    しかも30年という長い時間も必要になるんだ。
     
    そんでウランはどうするんだよ?
    原子力に使われるウラン235の半減期は7億年なんだぞ。
     
    プルサーマルなら、プルトニウムも使われているから
    プルトニウム239は、2400年ちょいなんだ。
     
    半減期とは、すっげー簡単に言うと
    その物質が、その物質特有の役目をしなくなる時期
    とでも言うんかな。
    なんせ理系のサイト、難解で解読が無理なんだよー。
      
    だからアホウ代表として
    私がわかりやすく解説しようとしたんだけど
    詳しいデータ説明とか、ちょっと挫折させてくれ。
    いつものごとく、勘のみで物を言わせてくれ。
     
     
    私が言いたいのはさ、原発はもちろん廃止すべきだ。
    けど、その前に問題が山積みじゃないか? って事。
     
    オール電化と、CO2削減、
    これ、今になって考えると、原発推進のための罠じゃないんか?
    エコですよ、CO2を出しませんよ、って
    放射能を出しとるじゃないか。
    ゴジラかよ!
     
    まずはこれを撤回しないと、原発を止めらない。
    何か何年後かまでに、CO2を25%削減するとか
    前首相が世界に向けて、高らかに宣言してなかったか?
     
    これ、原発抜きだと無理だぞ。
    てか、今考えると、政治って原発推進主導だったんかもな。
     
    まだこういう考えを持ってるなら、ほんと辞めてくれ。
    じゃなければ、世界に向けてちゃんと撤回して
    日本の信用をこれ以上落とさないようにしてくれ。
     
     
    原発はさ、作ってしまったらもう最後なんだよ。
    私は数十年前に原発の本を読んで
    その時には既に原発がないと、社会が成り立たなかったから
    “最悪の事態” を覚悟したよ。
     
    だから福島の1号炉が水蒸気?爆発をした瞬間に
    “今までと同じ生活” を諦めた。
     
    廃炉にするにも、何年も何千億円も掛かる。
    しかも燃料棒、どうするんだ?
    危険だから、ってよその国に持っていくんか?
     
    六ヶ所村は、“使用済み燃料棒” の再処理施設だから
    廃棄場所なわけじゃないし
    海洋投棄は、どうやっても原子炉規制法違反になると思う。
    (1972年のロンドン条約 ってやつに書いてある)
     
    ウランは半減期が来るまで、熱を発し続けるから
    ずっと冷やし続けないといけないらしい。
    つまり廃炉にしても終わりじゃない、って事だ。
     
     
    現実に地震の危険性のある浜岡原発は、すぐに廃炉にしても
    他の地域の使える原子炉は、継続して使いつつ
    これ以上、原子炉を増やさないで
    原発に変わるエネルギーを探した方が良いんじゃないのか?
     
    廃炉するにしても多額のお金が掛かる。
    国民はこれから、復興や廃炉に向けて大増税を迫られる。
    動かせる原子炉は利用しないと
    国民の経済力が持たない。
     
    そして節電問題だけど、国民の財布が厳しくなるそんな時に
    日本の企業が衰退されたら困る。
    日本の工業に、電気は不可欠。
     
     
    だからパチンコを禁止すべきだと思う。
    週刊現代に、「テレビをやめれば原発1基分の節電ができます!」
    と載ってたらしいけど、えっ、そうなんだ?
    だったら、あのまぶしいネオンのパチンコを止めたら
    国民の日常生活に支障が出ないぐらいの節電になるんじゃないか?
    と、思ったよ。
     
    パチンコは、天下りの利権の温床みたいだ。
    いくら国のためを想っても、ここにメスを入れられなければ
    政治家たちはキレイ事を言ってるにすぎないと思う。
     
     
    んでな、関空の近所にカジノを作ったら良いと思うんだ。
    ギャンブル好きは、そこへ行け。
    世界中のお金持ちたちも、どんどん国際便で飛んで来て。
     
    でも大阪市にまで、入って来てほしくない。
    だから関空の近所なんだ。
    埋立地を造成して、関空と直結するのが良い。
     
    その地は、大阪管轄じゃなく日本管轄っちゅう事で
    国がどんどん潤うシステムにして
    そこにパチンコの時の利権と天下りを移行させれば
    話がスムーズに動くと思うんだけど、どうだろう?
     
    そしたら伊丹も、国内便専用にして潰さなくて済むし
    ガラガラの関空も生き返るし
    この案に何か問題があるかなあ?
     
     
    にしても、日本に活断層のないところなんかないし
    日本全部の原子炉は、ヤバいっちゃヤバいんだよ。
     
    今、燃料棒取り出しシステムが壊れてる福井のもんじゅだって
    “活断層から数十km離れてるから真上じゃない”
    とか聞いたけど、そういう考えで建てたんだろうなあ
    日本国中の原発。
     
     
    最後にちょっとイヤミを言うけど、核武装派、どうするんだ?
    核、まだ持ちたいんか?
     
     

    評価:

    若宮 健

    祥伝社


    ¥ 798

    (2010-12-01)

    コメント:文章はとても読みやすい。 だけど内容がイラつく! こういう告発本は、血圧が高いとか脳の血管がポポポーンしそうな人は読むべからず。 それでなくても政治への不信感と自分の無力さへの絶望感で、苦しむハメになるぞ。