• 黒雪姫 36

    森の中を、木を切る音が響く。
     
    カーン カーン カーン カーン
     
    「姫さま、いつこちらにお戻りになられます?」
    兵長が差し出すマントをはおりながら、黒雪姫が答える。
    「ん、継母上の様子次第だけど、早ければ4~5日後ぐらいかな。」
     
    「そうですか、道中お気をつけていってらっしゃいませ。」
    「不在中は、よろしく頼む。」
    黒雪姫は馬に飛び乗り、森の中の道を駆け出した。
     
     
    2年前の会議で、黒雪姫は北国との国交を提案した。
    「道路を作りながら、国境まで進むのです。」
     
    王は愛娘が自ら指揮を取る、この大規模な工事事業に難色を示した。
    「今まで交流がないものと、わざわざ始める必要もないであろう。」
     
    「西とも南とも国交は盛んです。
     北だけが地形のせいで世界から取り残されているのですよ。
     同じ人間同士、助け合うのは当たり前です。」
     
    黒雪姫が必死に言うが、王は渋る。
    「しかし、好戦的な種族だったらどうする?」
     
     
    「その時は我が国の傘下に治めればよろしいのですよ。
     我が東国の民ほど、勇敢で強い民族はおりませんわ。」
    王妃が扇子であおぎながら、 ほほほ と笑った。
     
    「色んな人種がいるけど、それぞれを尊重しつつ
     人間は、いえ、世界は団結していかないといけないのです!
     大国である我が国が、その指揮を執るべきです。」
     
    黒雪姫のこの決意に満ちた演説で、大臣たちも納得し
    王以外の満場一致で、北国への道路建設計画が始まった。
     
     
    「コムスメ姫様は、おとぎ話で何かを学んだのかしら?」
    会議が終わって、部屋を出ようとする黒雪姫に
    王妃、姫にとっては継母が、相変わらずの攻撃口調で近付いてきた。
     
    「別に。 ただ待ってるだけ、ってのは無理な性格で。」
    「それで愛する人の悲願を代わりに叶えてあげようと?」
     
    その言葉に、黒雪姫は少しうつむいた。
    「・・・私には、愛がどういうものかわかりません・・・。」
     
     
    「あなたのお父さまとあたくしの間にあるのが、愛ですのよ。」
    黒雪姫は驚いて継母の顔を見た。
    継母の笑顔が、聖母のように輝いて見える。
    「あなたは誤解してるかも知れませんけど、愛ですのよ。」
     
    「うわ、ウソくせえーーーーー!」
    黒雪姫が叫ぶと、継母はいつものように
    ほーっほほほほ と高笑いをしながら立ち去った。
     
     
    あれも愛なんだ・・・
    えらく驚いたが、俄然やる気が出てきた。
     
    「よっしゃあ、やるぞーーーーー!!!」
     
     
    「また姫さまが、何か叫んでいらっしゃるよ。」
    「うちの姫さま、猛獣だよな。」
     
    窓の下を巡回する衛兵が嘆きながら通り過ぎた。
     
     
     続く
     
     
    関連記事 : 黒雪姫 35 10.10.20
           黒雪姫 37 10.10.27
           
           カテゴリー 小説・黒雪姫シリーズ
           
           黒雪姫 1 10.7.5  

  • 霊感

    ちょい前の話だが、無神経な感覚かも知れないんで
    書くのを控えていたんだけど
    心が、心がささくれ立っているんで。
     
     
    桜と松と老人と” に書いたように
    昔の私は何度か霊を見ている。
     
    自分では、隠された霊能力があると信じて疑わなかったのだが
    先日友人と話していて、とてもショックを受けた。
     
     
    友人は、私にこう問うのだ。
    「霊感がまったくないのに、何で霊を信じられるの?」
     
    いや、私、目も耳も悪いから
    私の聴こえない音を人は聴いて
    私の見えない物を人は見ているわけで
    自分の見聞き出来ない事象でも存在している、と思えるから
    見えなくても霊は信じられるよ、と答えたんだが
    友人の言葉に、ふと引っ掛かった。
     
    “霊感がまったくない” ???
     
    いやいやいやいや、ちょっと待て
    私、昔は霊を見てるんだよ と体験談を話したんだが
    (自分でもそれまで、すっかり忘れてはいたが)
    それ、錯覚なんじゃないの? と、本気で否定された。
     
     
    この友人、霊能者なのだ。
     
    自分はありえん物を、ばんばか見てるくせに
    私の目撃談を何で信じないのか責めたさ。
     
    人は時々霊をくっつけているそうである。
    この友人は接客業なので、多くの人に接する機会があるのだけど
    どんな人でも1度は霊を背負って来てるのに
    私だけが、それが1回もない。
     
    そこに長い黒髪の女性がいた時も、まったく気付かないし
    この前は、地縛霊に突っ込んで行って素通りしていた。
    さすがの霊も、私には気付いてもらえない事を察知するのか
    私に霊は寄って来ないみたいなんだそうだ。
     
    正直、ここまでなのは珍しい。
    生まれつき鈍いこんなヤツが、霊体験をするとは思えない。
    よって、恐がりゆえの錯覚を起こしたんだと思う! と断言された。
     
     
    これを言われて、黙り込んでしまったようで
    どうしたの? と言われ、我に返ったんだが
    ものすごーーーーーーーーーく、ショックを受けていたんだ。
     
    私、恐がりだけど心霊好きじゃん。
    朝から晩まで心霊の事で頭が一杯で
    いつ我が身に怖い事が起こるか、本気で恐がってドキドキしてたのに
    その希望 (?) を一刀両断にされた気分なんだ。
     
     
    これを言うと、「見えない方が良いよ」 と鼻で笑われた。
    見える人の大変さは、何度か聞いてるし
    知らないからこそ憧れるのもわかっているけど
    まさかそこまで希望 (?) がないとは思わなかったんだよなあ。
     
    友人によると、私ほんっともんのすごい鈍感なんだと。
    でも、感じなくても霊障を受ける事もあるんじゃないか?
    見えないだけに危険じゃないか? と訊いたら
    「そういう場合もあるけど、あなたは大丈夫(笑)」 だと。
    要するに、霊にスルーされまくってるみたいだ。
     
    ふうん、いらん苦労をせんで良いから目出度いじゃん
    と、良い方向に考えてはみたけど
    やっぱり、何かショック・・・。
    霊業界から全無視くらってたとは・・・。
     
     
    この友人は、霊感が強くて
    数ヶ月おきに遠方の寺か何かにお祓いに通ってるそうで
    霊感のせいで、すごく苦労をしている人である。
     
    霊感があっても、祓うには何年もの修行が必要で
    現実的に、そんな時間は取れないので
    どうしてもプロのところに通うしかないんだと。
     
    もったいない、せっかくの霊能力
    修行して本職にすれば良いのに、と言ったら
    こんぐらいの霊感なら、かなりの人が持ってて
    珍しい事でもない、ってか私の無能の方が稀有だと返された。
     
     
    この件以来、呪いのビデオも観てて面白くなくなってしまった。
    どうせ私には、一っっっ切関係ない話なんだろ?
    と、ひがんでしまうんだよ。
     
    バカな事を言ってるのはわかってるよ!
    でも好きな分野なのに縁がない、など悲しいと思わんか?
     
    しかも、それがわかっても
    恐がりだから、相変わらず物音とか恐いし
    ものすごくムダどころか、損をしている気がするー。
     
     
    霊能力がゼロな代わりに、何か他の能力があるんか?
    代わりがないと、単なる無能で終わるだろ。
    どこだよ、私の隠れた才能はよお! (イライラ)

  • 黒雪姫 35

    目が覚めたら、城の自分のベッドだった。
    「えええ? まさかの夢オチ?」
    黒雪姫は混乱した。
     
    あっ、お継母さま!
    お継母さまはどうなってるんだろう?
    ドタドタと食堂に駆け込む黒雪姫。
     
    既にテーブルについている父王が注意をする。
    「これ、黒雪、おまえはいつまで経っても落ち着きがない。」
    継母の方を見ると、目を伏せて無言でツンと座っている。
     
    やっぱり夢だったの?
    動揺しながら、テーブルにつく。
    顔も洗わずに。
     
     
    城の屋上から見る森は、鮮やかな新緑だった。
    城下町もいつもと変わらぬ賑わいを見せている。
    塔に鏡台はなかった。
     
    「姫さま、ここにいらしたんですか。
     おやつのケーキはどれになさいます?」
    侍女がケーキが並んだトレイを持ってやってきた。
     
    黒雪姫は気付かなかったが
    あの日、一緒にピクニックに行き
    黒雪姫暗殺完了偽装のために
    ガケから落とされた侍女のひとりである。
     
    「あ、う、うん、これとこれとこれと・・・。」
    とまどいながらも、何種類も選ぶ黒雪姫の耳に
    飛び込んできたのは、継母の言葉だった。
     
     
    「黒雪、少しは控えなさい!
     せっかく殿方に恋されたというのに。」
     
     
    黒雪姫は一瞬目を見開いたが、すぐに元の表情に戻した。
    軽くお辞儀をして立ち去る侍女の背中を見ながら
    つぶやくように訊く。
    「・・・また会えると思いますか?」
     
    「さあ、どうかしらね。
     何しろこの世界は、一瞬でどうなるかわからないみたいだから。」
     
    継母はその気取った表情の顔を、扇で仰いでいる。
    何それ、結局どっちなの?
    「私は奇跡を待って、いかず後家ですか?」
     
     
    継母は ほほほ と笑った。
     
    「あなたの事だから、求婚してくれるのは
     爬虫類ぐらいしかいないでしょうよ。」
     
    黒雪姫も笑った。
    「ヘビに騙されるぐらいなら
     惚れられた方が、なんぼもマシでしょうが。」
     
    そしてふたりで20cm距離で、笑いながら睨み合った。
    突如、上空に暗雲が立ち込み始める。
     
     
    「おうおう、本当の母娘じゃないというのに
     相変わらず仲が良いのお、おまえたち。」
     
    父王の、まったく状況を読めていない言葉に
    同時に鬼のような顔で、ギロリと振り向く継母と黒雪姫。
    王はニコニコと微笑んでいる。
     
    「はあ・・・、気楽でよろしいわね、殿方は・・・。」
    「その手にあるものを守るために
     どんだけの犠牲が払われたかも知らずにねえ・・・。」
     
    溜め息を付きながら散会する母娘に、王がアワアワする。
    「お、おい、わしは仲間外れか?」
     
     
    「・・・とりあえず東国存続の保険として、世継ぎの出産よろ。」
    黒雪姫が去りながらそう囁くと、継母が腕組みをしながら応えた。
     
    「まかせなさい。 ほーっほほほほほ」
     
    突然、大粒の雨が降り始め、空に雷光が走った。
    何故か、悪役風味の演出しか似合わないふたり。
    ニヤリと不敵に微笑み合いながら、それぞれ城内へと消えた。
     
     
    わけがわからず、うろたえる王だけ
    取り残されてズブ濡れ。
     
     
     続く
     
     
    関連記事 : 黒雪姫 34 10.10.18
           黒雪姫 36 10.10.25
           
           カテゴリー 小説・黒雪姫シリーズ
           
           黒雪姫 1 10.7.5   

  • 緑内障

    あさって、2010年10月21日は
    多分ブログを休むと思う。
    病院に行かなきゃならず、それが時間が掛かると思うんだ。
     
    皆、私をピッチピチの乙女だと思ってるだろうが
    いくらナイスバディでも、臓物はボロボロなのさ。
    “病弱” と “ババア” の称号は伊達じゃないぜ。
     
     
    現に緑内障を発症して、失明しかかっている。
    アッシュは右目だったけど、私は左目だ。
     
    治療しているけど、進行が止まらねえ止まらねえ。
    まだそこまでの年齢じゃないらしいのに、これだから
    眼科医、困る困る。
     
    私だって、一体何の祟りだよ? と思うよ。
    私のこの病魔の嵐は、ぜひとも先祖のせいにしたい。
    じゃないと、やっとられるかい!
     
     
    で、緑内障とは何だ? と問われると
    自分で調べろ、と即答させてもらう。
     
    白内障は手術で治るけど、緑内障は手術でも進行を止めるだけ。
    視野がどんどん欠けていって、終いにゃ失明に至る。
    眼圧というのが高いからなる、と思われていたけど
    最近は眼圧関係なしに発症する事がわかっているらしい。
     
    このぐらいしか知らないんだよな。
    眼科医に、気をつける事とかないか訊いたけど
    患者には目薬を点すぐらいしか出来ないんだってさ。
    自分でどうしようもない事は、あまり知りたくないんだ。
     
    なったものはしょうがない、と
    すんげえ軽く考えてるけど
    眼科からの帰りは、地球の裏側のブラジルの地に
    足が出そうなぐらいに沈み込むし
    今日は大丈夫でも、明日はものすごく落ち込むかも知れない。
    自分の意思じゃないのに、そういう繰り返しをしてしまうんだ。
     
    心のどこかで絶望と希望がバトってるのかも知れない。
    自分のどこに、そんな戦場があるのかわからないのが
    また、戦士は誰なのかわからず、とても不気味で不愉快だ。
     
    要するにビビってるから知りたくないんだろう、と思う。
    だから詳しい人がいたとしても、教えないでくれ。
    新しい治療法などの情報は、諸手を挙げて募集。
     
     
    この緑内障の件は、記事に出来る進展があったら書くよ。
    万が一、両目とも失明しちゃったら
    “気の毒だけど頑張ってる人” とか、嘘八百並べ立てて
    マスコミに売り込んでくれ。
     
    ブログは音声記事とか、管理人ぷらちッが
    何か考えてくれるだろうけど
    盲目じゃ生活もより一層辛いから
    せめて不幸を売り物にして、ウッハウハ稼ぎたいんだ。
     
    あっ、ぷらちッ、そういうのが面倒くさい場合は
    後任を募集してくれ。
    大丈夫、世の中には無償 ( ← ここ大事) で
    人の役に立ちたいヤツもいるはずだ。
     
     
    ↑ こういう黒い事ばっかり言ってるから
    何の同情もされんだろうけど
    見舞いや心配の言葉はいらないからな。
     
    そういう言葉が欲しい時は、ちゃんと要求するんで
    このブログでは、私がどんなに具合が悪くても
    「へえ、そういう病気はそういう状態になるんだ」 と
    情報のひとつとして、受け取ってくれ。
    「自分の場合はこうだった」 とかの情報は大歓迎だ。
     
    傷の舐め合いをしたい時もあるけど
    今は落ち込んでいないんで
    心配されると、逆に不安になるんだよ。
    病人が厄介なのは、こういうとこなんだろうな。
     
     
    余談だけど、音声ブログ、面白そうだと思わんか?
    何だっけ? ボーカロイド?
    そういうソフトもあるけど
    私のこのナマりまくった、ゆっくりした喋くりで
    「バカじゃねえのー?」「死ねば良いのにー」 とか
    普段書いてる記事の内容を語るのって
    聞いてて笑えると思うんだ。
    いや、笑われたくはねえけどな!
     
    でもそれをすると、携帯で来てくれる人には重くて大変らしいし
    何よりも一度聞いた人は、絶対に私を特定できるんで
    もんのすげえ諸刃の剣・・・。
     
    サ行が発音できないんで、何を言ってるのかわからない
    という恐れもあるしなあ。
     
    でも、「目が見えなくなったから、ブログをやめます」
    って、言いたくないんだ。
    見苦しくあがく、ってのに格好良さを感じるんだよな。
     
     
    まあ、失明するとも限らないし
    ブログの面白いやり方とか、何か方法がないかは
    皆に考えてもらう ( ← ! ) として
    とにかくあさってのブログは、多分休むんで
    そこんところ、ほんとすみません。
     
     
    関連記事 : 緑内障 2 11.6.16 
           
    緑内障 3 11.8.11 
           目ぐすりの木茶 11.7.22
           
    目ぐすりの木茶 2 11.10.25

  • 黒雪姫 34

    「誰もが嬉しくない結末なのですか?」
     
    そう叫んだのは、意外にも継母であった。
    黒雪姫が横目で何とか継母の方を見る。
    継母の顔には、怒りの色が浮かんでいる。
     
     
     戦いというのものは そういうものなのだ
     万能というのも この程度のものなのだ
     
     もし 真に万能なものがいたら
     それ以外のものが存在する理由はなくなるであろう
     
     ここでみなに詫びる事をよしとせぬ、わしもまた
     存在する理由が必要なもののひとりなのじゃよ
     
     
    あ、何かもう、その言葉だけで良いや。
     
    妖精王の弱気発言で、筋肉バカの黒雪姫にはあっさりと諦めが付いた。
    散々振り回されて、大変な思いをした日々だったけど
    それはそれで結構楽しかったかも知れない。
     
    命をも落としかねない状況だったけど
    こうやって無事なんだし、武勇伝にすれば良いや。
     
     
     さあ そろそろ始めるとしよう
     特例になるが、その功績に感謝する意も込めて
     そなたらの記憶は残すか、選択できるが
     
    「残して当たり前ですじゃ!」
    真っ先に怒鳴ったのは小人たちだった。
     
    「生涯で一番忘れたくない日々じゃぞ!」
    「そりゃ、楽しかったとは言えんが・・・。」
     
    黒雪姫には小人たちは見えなかった。
    後ろの方にいたからである。
    小人たちの言葉の真意はわからなかったが
    皆、震える涙声だった。
     
     
    ふと目の前を見ると、王子が自分を見つめている。
    そのまなざしは悲しみで溢れていたが、沈んではいなかった。
     
    「姫、私は諦めはいたしません。
     いつかあなたと再会できる事を信じて、償っていきます。」
     
    黒雪姫が、はあ、そうですか、とボケッとしていると
    継母が小声で怒鳴った。
    「黒雪、殿方のプロポーズには
     きちんとお答えしないと無礼にあたりますよ!」
     
    プププププププロポーズーーーーーーッッッ?
     
    黒雪姫は激しくワタワタして
    よりによって、最悪な返事をしてしまった。
     
    「へへへヘビのくせに!」
     
     
    それでも王子は、ニッコリと笑った。
    その笑顔に胸がチクッと痛み、思わず追加で叫んだ。
     
    「でででも、へへヘビも良いかもっっっ?」
     
    ああ・・・、このバカ処女
    ここにきて今更な、ベッタベタ定番のツンデレ?
    継母が見ていられずに、恥ずかしそうに顔を背けた。
     
    その時、世界がゆっくりとにじんでいった。
     
     
     続く
     
     
    関連記事 : 黒雪姫 33 10.10.14
           黒雪姫 35 10.10.20
           
           カテゴリー 小説・黒雪姫シリーズ
           
           黒雪姫 1 10.7.5    

  • 子供

    最近、やたら手触りが気持ち良いクッションや枕ってあるよな。
    特にドンキで、そういうのを見つける。
     
     
    その時の私は、バナナの枕をワシワシ揉んでいた。
    何か不幸な事でもあったんか
    ワシワシワシワシワシワシワシワシワシワシワシワシ
    ずーーーーーーーーーーっと揉んでいた。
     
    私のその姿を遠目に見ている女の子がいるな、とは気付いていた。
    予想外だったのは、その子が恐る恐る近寄ってきて
    おどおどとこっちを伺いつつ、バナナ枕に手を伸ばした事だ。
     
    そして一揉みした途端、恐々だった表情が
    パアッと満開の笑みになり、私に向かって叫んだ。
     
    「気持ち良いね!」
     
     
    それを無表情で上から見下ろしながら
    あー、私ってほんと子供が嫌いなんだな、と自覚した。
     
    それでも一応、国家の財産であるガキには
    オトナとして、きちんと対応をせにゃならんので
    張り付いたような愛想笑いを返しておいたんだけど
    それよりも気になったのは、その子の顔の可愛さである。
     
     
    子供の歳とか、よくわからんけど
    多分幼稚園とかその辺。
    小学校には行ってない年齢なのは確実。
     
    で、顔が整ってて本当に可愛い上に
    フリフリブラウスにパステルカラーのふわふわスカート
    とどめがリボンで結ばれたツインテール。
     
    キレイで可愛い格好をさせられてるんで
    さぞかし親に可愛がられてるんだろう。
     
    だけどその親、どこにいるんだよ???
     
     
    辺りを見回しても、保護者らしき姿はない。
    私のワシワシ時間、結構な長さだったんで
    子供から目を放して良い時間じゃないだろ。
     
    それに、この子の無防備さは何なんだよ?
    私が上品な淑女だから安心しとんのか?
    最近は女でも、ヘンなの多いぞーーー?
     
    てか、ツインテール、ふわミニスカ、美幼女が
    「気持ち良いね」 など、その筋のお方には
    この上なく、たまらんシチュエーションじゃねえのか?
     
     
    これは危険! と判断した私は
    おめえの親はどこにおる? と
    上から威嚇するように、ドスの利いた声で訊こうとしたら
    タイミングが遅く、その子はバーッと走って行ってしまった。
     
    あっ、おい待てこら、と追いかけたけど
    ドンキの店内って、神隠しの地だよな。
    一瞬で見失ってしまっちゃったよ。
     
    ああ・・・、これで事件とか起きたら
    防犯カメラに私のワシワシ姿が・・・
    いや、何より保護しなかった事をものすごく後悔する!
     
    と思って、引き続きウロウロ探していたら
    乳児を抱いた若めの男性が、キョロキョロしていた。
     
    その顔を見たら、かなりなイケメンだったので
    こいつはきっと、あのプリティガキの親なはず!
    と決め付けて、役目を終えた気になった。
     
     
    帰りにその一家がいたので、ほんと安心したけど
    何で赤の他人の私が、ここまで心を砕かなくちゃいけないんだよ。
    可愛い顔の子供に可愛い格好をさせたら
    目を放すのは1.5秒までにしてくれ。
    ドンキ店内は2秒で行方不明になるから!
     
    ほんっと危ないぞ!
    おめえんとこのガキ、幼女属性にズギューン! な事を言ってたぞ。
    ちゃんとしつけろ!
    知らないヤツに話しかけさせるな!!
     
     
    “子供を地域で育てる” とか、よく言うけど
    そんなん無理だよ。
    じゃあ町内のそれほど知らない人が
    我が子を構ってオッケーなんか?
     
    てか、ロリもどっかの町内に住んでるわけだからな。
    そこ近辺の人だけ残念、ってか?
     
     
    子供に道も訊けない、そんな時代ポイズンになってしまったけど
    ドンキでの自分のうろたえを思い出すと
    やっぱり子供はあまり自由にさせるべきじゃない、と思うぞ。
     
     
    余談だけど、私が何で子供が嫌いなのか
    どっかに書いたよな?
     
    ま、何度繰り返し書いても一向に構わんので、繰り返しまくるけど
    子供は空気を読まないし、気を遣わないから嫌いなんだ。
    中には気を遣う子供もいるけど
    私に気を遣っている事を気付かせるからイヤ!
     
    何ちゅうおとなげない意見だ、と思われるだろうけど
    子供ババアだしな、ふん。
    同属嫌悪? 違えーよ、一緒にすんなよ! きいいいいっ!!!!!
     
    あっ、中学生以上なら、オッケー。

  • 黒雪姫 33

    「待ってください!」
     
    間合いを詰めようとした母娘の前に
    王子が両手を広げて止めに入った。
     
    「確かに母は、あなたのお継母様を利用しようとしました。
     本当に申し訳ありません。
     でも、言い訳になるかも知れませんが
     それは封印を解くため、しょうがなくなのです。
     姫、私はあなたを気に入っています。
     皆で仲良く暮らしていきたいのです。」
     
     
    黒雪姫は少し考えて、ハブ女王に訊いた。
    「北国はどうなったの?」
     
    「滅んだわ・・・。
     わたくしの封印を解けない能無しどもだったから・・・。」
     
    チッと舌打ちする黒雪姫。
    「はい、おとぎ話はここで終了ーーー。
     我欲のために一国を滅ぼすヤツと仲良く出来ますか。
     王子、あなたもマザコンならママンのために剣を抜け!」
     
    「え・・・、そんな・・・。」
    オロオロする王子に、黒雪姫が殴り掛かり
    王子が剣の柄に手を掛けた瞬間であった。
     
     
    すべてのものが静止した。
     
     
    右上からは光が降り、パイプオルガンを奏でるような音楽が響き
    左上からは花が降り、メリーゴーランドのような音楽が鳴った。
     
     み な  し ず ま る の だ
     
    穏やかだけど威厳のある声が、左上から聴こえてくる。
     
     わしは王 妖精界の王
     300年前のあの戦で ハブ女王は死んだはずだった
     だがあの混乱の最中 鏡に己を封印して人間界に逃げたのであろう
     
     女王の息子の存在にも気付かなかった
     すべてわしの咎である
     
     人間界にまで影響が及んだ以上 わしだけでは治められぬ
     この始末 神にも頼む事となった
     みな ご苦労であった
     
     
    小人たちは自分らの王、妖精王の直々の言葉に感動して
    目を潤ませたが、黒雪姫は逆にムカついた。
     
    『ご苦労』 ? はあ? 『ご苦労』 ?
     
    黒雪姫の脳内に、声が直接入り込む。
     
     身 の 程 を 知 れ
     
    それは神の声だった。
     
     
    人の思考も読めるわけね
    黒雪姫は苦々しく思ったが、こらえた。
    そんな相手に何をどう言おうが、敵うわけがないからだ。
     
    「北国は、滅んだ北国はどうなるのです?」
    黒雪姫の非難めいた口調の言葉に、神の声が響く。
     
     出来うる限り 元に戻すつもりだが
     叶わぬ事も出てこようぞ
     
     
    人間、結局、最弱ですかい
    利用するだけ利用されて・・・。
     
    髪一筋も流れない、強制的に静止させられた空間。
    その中で唯一、動いたものがある。
     
    指一本動かせない黒雪姫の目から
    ボロボロとこぼれ落ちるもの。
    “強さ” を何より誇る黒雪姫には
    屈辱の敗走も同然の、まさかの悔し涙・・・。
    それを自覚しているから、なお泣けてくる。
     
    その真ん前で、剣に手を掛けようとして止まっている王子が叫んだ。
    「私が母の罪滅ぼしのため、北国を再建したいと思います。
     どうか私を北国に残してください!」
     
    その言葉に、黒雪姫はハッと瞳を上げた。
    王子が決意のこもった表情で、空を見上げている。
     
     
    驚きとともに、希望を見出しかけた一同だったが
    妖精王の返事は無情なものであった。
     
     それは無理な話だ。
     妖精界の者が 人間界に留まる事は許されぬ
     おまえは妖精界で 母親共々わしの監視下におく
     
    王子の瞳にも、絶望の色が浮かんだ。
     
     
     続く
     
     
    関連記事 : 黒雪姫 32 10.10.14
           黒雪姫 34 10.10.18
           
           カテゴリー 小説・黒雪姫シリーズ
           
           黒雪姫 1 10.7.5    

  • 褒められる女

    知人と話していた時の事。
    その知人の悩みは、恐そうに見える事らしい。
     
    ふと疑問が浮かんだ。
    「道を訊かれたりする?」
    知人の答は NO である。
     
    私もそうなりたいんだよね、と羨んだら
    「あしゅさんは無理だと思う。」 と即答された。
    私は優しそうに見えるんだと!!!
     
     
    訊ねられる人 10.9.28 で
    「私って、パッと見、優しそうに見える?」
    という質問に、ものすごく困られた、と書いただろ。
     
    その時に訊いたのは男性だったんだよ。
    そして今回の知人は女性。
     
     
    これが何を意味するのか、わかるか?
    私はロクでもねえヤツだと思われとるんだ。
     
    “パッと見”“初対面だとして” と条件付けているのに
    男性はそういう仮定で想像するのが苦手なのか
    どうしても自分の意見が混ざってしまう。
    で、ついつい本音の反応をしてしまうんだろう。
     
    女性はおおむね、そこらへんの演技が上手い。
    人生において、ほとんどの状況で仕えざるを得ないので
    総じて、機嫌取りのスキルが高い。
     
    ロコツな媚びへつらいカバン持ちは、男性に多いのだ。
    女性は、相手に気付かせずに媚びる。
     
     
    つまりこの場合の真の反応は、男性知人の方である。
    え? 女性には気を遣って貰ってるんだから良いじゃん
    と思ったらいけない。
     
    関係性にもよるが、プライベートでは女性はあまり女性を褒めない。
    それは常に、女の戦いの土俵に上がっているからである。
     
    同年代で同ステータスの女性同士なら、常に戦闘状態なのだ。
    これは悪い事ではない。
    むしろ、戦いを止めたら死ぬ。
     
    女性は生まれながらの戦士だからだ!!!!!
     
     
    ああ? おめえ個人の凶暴性を
    いかにも大多数の女性の性質のように言うなだと?
     
    そういうドアホウは、これからも
    女性の仮面に騙されながら生きていけ。
    それも充分に幸せな人生だと思うぞお?
     
     
    さて、女性として結構な出来損ないの私だが
    それでもナイスバディなので
    土俵内に投げ込まれる人生であった。
    女として認められてたら、これは当然。
    誇って良い。
     
    だけど今回、私の目の前で戦場への門が閉じられてしまった・・・。
     
     
    よおく考えてみい。
    彼氏を見せびらかす女に限って、どう思う? どう思う? と
    後で感想を求めるだろ。
    それがまた微妙~んな彼氏だったら、答はひとつしかないよな?
     
    本気の合コンで、メンバー集めを頼まれた時に
    連れて行く当て馬女への褒め言葉はこれだろ。
     
     優 し そ う
     
    もう、この言葉は、除隊通知と同じ効力だと思え!
     
    本当に優しそうな人なら、この言葉は純粋な褒め言葉だよ。
    だけど、私に こ れ は な い !
    私に使われる場合は、誤魔化しのための言葉なんだ。
    鈍臭い田舎者にでも見えるんだろう。
    ナマリまくってるしな。
     
     
    ああ・・・、とうとう戦力外通知を突きつけられたか・・・
    何にしろ、女性としては引退っぽいのは確かだ。
     
    良いんだけど、むしろ楽隠居を望んでいたんだけど、
    実際にその時がくると、かなりヘコむ・・・。

  • 黒雪姫 32

    ドサドサドサドサーーーーッ
     
    「・・・・・・・・」
    「・・・・・・・・」
    「・・・・・・・・」
     
    何度も何度もしつこいワープに
    もう誰も何も言いたくなかった。
    無言で目を開けて、無言で立ち上がった。
    反応したら負け、という気分になっていたからである。
     
    しかしそのささやかな抵抗も、目の前の光景を見たら
    簡単に打ち破られてしまった。
     
     
    「きゃあああああああああっっっ!!!!!」
     
    最初に叫んだのは継母であった。
    目の前には、茶色の巨大ヘビがトグロを巻いていた。
     
    「・・・・・マジでハブかい・・・・・・。」
    黒雪姫は、とてつもなく落胆した気分になった。
     
     
    「ママン!!!」
     
    背後で声がして、ヘビに駆け寄る者がいた。
    王子である。
     
    王子はヘビに抱きつくと、いとおしそうに頬ずりした。
    そして黒雪姫の方を向いて言った。
     
    「私は実はハブ女王の息子なのです。
     300年前の戦いで、母は妖精界を追われ
     私は妖精界に取り残されてしまったのです。
     あなたについていけば、いつか母に会えると思っていました。
     騙してすみませんでした。」
     
     
    黒雪姫は、ポカーンと口を開けている。
    「そんなに驚きましたか?」
    王子が申し訳なさそうに言うと、黒雪姫が動揺しつつ言った。

    「う、うん・・・
     その歳で 『ママン』 って呼んでるんだ・・・?」
    「そこですか!!!」
    王子、渾身の突っ込みである。
     
     
    「てか、ここ、さっきの荒野よね?」
    黒雪姫があたりを見回してつぶやく。
    マジで王子がハブ女王の息子でも、どうでもよさげである。
     
    「そう・・・・・。」
    ハブ女王が答えた。
     
    「ヘビが喋った!」
    継母が驚く。
     
    「喋る鏡とお話してたくせに、何を驚いてるんやら。」
    呆れる黒雪姫に、とまどう継母。
    「だって、あれは魔法の鏡で・・・。」
     
    「いい加減、目を覚ませ、ババア!
     あの鏡の正体は、この大蛇だったのよ。
     あなたは利用されてたのよ。」
     
     
    継母にそう怒鳴ると、黒雪姫は握り締めた拳を突き出した。
    「お継母さま、ヘビにナメられてムカつきません?」
    「・・・・・それは、そうだけど・・・。」
     
    「人間の世界を、ヘビなんかにめちゃくちゃにされて良いのですか?
     とても歯が立ちそうにない相手だけど
     ここで引いたら、人間失格じゃないですか?」
     
    黒雪姫は、腰のナイフを継母の前に差し出した。
    それを見た継母は、やっと状況が呑み込めたようで
    大蛇の方を睨んで訊いた。
    「じゃあ、あの関西弁は?」
     
    「怒らせて割ってもらおうとしていたのだが
     そなたが意外に忍耐強くて、敵わなかったようだな・・・。」
    大蛇がチロチロと舌を出しながら答える。
     
    継母は溜め息をついて、ナイフを受け取った。
    「はあ・・・、通りで妙な関西弁だと思ってたわ・・・。
     遊んで暮らすために、王室に後妻に入ったというのに
     結局、重労働をしなきゃいけないのね・・・。」
     
     
    「しょうがないじゃん、東国人は働き者なんだから。
     世界のために頑張って当然ですわよ。」
    ふっ と余裕を見せる黒雪姫に、大蛇が言う。

    「割ってくれて、ど ・ う  ・ も ・・・。」

    その言葉を聞いた途端、黒雪姫がサーッと青ざめた。
     
     
    「あーら、引き鉄を引いたのはあなたのようね。」
    継母が、鬼の首を取ったように高笑いをする。
    「黒雪、お継母さまに何か言う事は?」
     
    「・・・謝りませんわよ。
     私ら母娘、結局どっちもどっち。
     騙され損の骨折り損、それもまたよし。」
     
     
    黒雪姫にツンとそっぽを向かれ、一瞬ニヤッとした継母は
    気を取り直すかのように、ナイフを握り直して叫んだ。
     
    「では、いきますわよ!」
     
     
     続く
     
     
    関連記事 : 黒雪姫 31 10.10.7
           黒雪姫 33 10.10.14
           
           カテゴリー 小説・黒雪姫シリーズ
           
           黒雪姫 1 10.7.5   

  • 液体洗濯洗剤

    私は洗濯物の外干しはしない。
    その理由は、“女性のたしなみ” だと思われそうだが
    “肌着” を着ているババアに、そんなものはない。
     
    虫 等 がイヤなのだ。
     
     
    都会には自然はない。
    だが虫はいる。
    よって虫は自然と見なさず、皆殺しをしても良いと思うんだが
    今はそういう主張をしている場合ではない。
     
    洗濯物にハチがとまってて刺された
    洗濯物にムカデが入り込んで刺された
    洗濯物にナメクジが紛れ込んでいてヌメった
    洗濯物にヘビが寝ていて危なかった
     
    それ、干してる時じゃねえだろ
    取り込んで何時間床に放置してんだよ?
    と、説教したくなるものも混じっているが
    この手の話が多すぎるのである。
     
    大気汚染も黄砂も、調査不足の下着ドロも
    とにかく現代は洗濯物は外に干せる世界ではない、と思う。
     
     
    衣類乾燥機を買うべきだろうが、高くて買えん。
    てか、金持ち時代に持ってたがな、シーツぐらいにしか使わなかったぞ。
    あれ、むっちゃ生地を傷めるよ!
    一度使って、ゾッとしたぜ。
     
    今の乾燥機は進化してるんかも知れんけど
    それでも傷みゼロで乾燥はしてくれないと思う。
    電気代も恐ろしいし、私は加湿を兼ねて部屋干しで生きていく。
     
     
    で、部屋干しの欠点、衣類の匂い。
    私はこれを感じた事はなかった。
    生乾きのイヤな匂い、って何だろう? とすら思っていたよ。
     
    何故なら、部屋干しの当然のたしなみとして
    液体部屋干しトップを使っているからである!!!
     
     
     
    でも最近、部屋干し用洗剤が増えたじゃん。
    それで他のを使ってみたんだよ。
    そしたら知ったよ、ナマガワキ臭・・・。
    他の部屋干し用洗剤、匂うんだ!
    2種類試したけど、どっちも不合格。
     
    で、即いつもの液体部屋干しトップに戻したんだが
    この部屋干しトップが、TVでCMされててな
    お、ようやくこの洗剤もメジャーになるんかな
    売ってないとこも多くて、購入に苦労だったんだよな
    と、喜んでいたら、あちこちで売り始めた。
     
    粉 の方を!
     
     
    こっからうちの兄出典のグチを言う。
     
    うちの兄はな、故かあちゃんと同居していて
    実母と息子なのに、嫁姑のような覇権争いが勃発してな
    鍋の洗い方や食器の片付け方でチマチマ争ってたんだよ。
     
    それは洗濯の分野でも例外ではなくて
    以下、兄の言い分。
     
    俺はな、ジーンズのポケットの底に洗剤の粉が残ってるのに気付いて
    洗剤は液体にしよう、って言ったんだよ。
    ちゃんと裏返したポケットも見せたよ。
    ところがおふくろは、何故かわからんが粉洗剤を買ってくるんだ。
    あれだけ言ったのに、毎回粉洗剤を買ってくるんだ。
    買い置きまでしてるのに、また粉洗剤を買ってくるんだ。
    そこで俺は店に文句を言ったよ、粉を置いてくれるな、と。
    そしたらな、粉がないと文句が来るんだと。
    年寄りは昔から使ってるものじゃないと、安心しないんだと。
    粉じゃないと洗った気がしない、と言うんだと。
    もう俺は諦めたよ、おふくろとは別々に洗濯をしている。
    年寄りは何で頭を切り替えられないんだろうな。
    はあ・・・。
    ところで、おまえはどっちで洗ってる?
     
    私はどっちでも気にならなかったんだけど
    一応は、鋭意調査してみる、と返事をしたさ。
    そんで確かに粉は残る時がある、と確認できたんで
    液体に切り替えた。
     
     
    たったこれだけの確認が何故できないんだ、とっしょり!!!
    おめえらは勝手に粉を使ってれば良いけどな
    店で扱わなくなるんだよ、液体を!!!
    有名になったら、粉がでしゃばってくるんだよ!!!
    お湯いらずなんだから、冷水でホイホイ溶けるんだから
    液体を使ってくれよ!!!!!!!!
     
    あの時、兄の必死の訴えを
    やだ、お兄ちゃん、人間的ウツワがちっちゃーい ププ
    と、内心笑って、まことに申し訳ございませんでした!
    同じ目に遭って、ようやくそのお気持ちが理解できました。
     
     
    メーカーの人に問いたい。
    粉、何でこの世に残ってるんですかー?
    何か必要な場面ってあるんですかー?
    海が死にますかー?
    山はどうですかー?
     
    こういうのは、メーカー側で淘汰してもらいたい。
    普段自分らの都合では、一生懸命洗脳に回るくせに
    どっちでも良いとこには、手抜きしやがる。
     
    そう思うけど、兄の手こずりを思い出すと
    面倒くせえんだろうな・・・。
     
    せめて粉側は徐々に縮小していってもらいたい。
     
     
    (10.11.25 追加記事)
    あー、もう!
    うちの近所、液体部屋干しトップ、全滅だよ!
    店、何を考えてるんだよ?
     
    お陰で、洗濯洗剤をネットで買わにゃならんじゃないか!
    こんな日用品をいちいちネットで、まったく信じられんぞ!
     
     
    関連記事 : 部屋干しトップ 10.12.21
           アタックNEO 抗菌EXパワー 11.8.19 
     
     
     
      /iframe>
     
    ↓ 携帯用
     
     
    ↓ 私用まとめ買い
     
    ライオン 液体部屋干しトップ 詰替用 600ml×5パック

    ライオン 液体部屋干しトップ 詰替用 600ml×5パック
     
    一番安いのがここだった  ↓ ケンコーコムヤフー店
     
      液体部屋干しトップ つめかえ用 600ml [トップ]

    液体部屋干しトップ つめかえ用 600ml [トップ]